介護認定のやり直しはできます。「審査請求」と「区分変更」の2つの方法がありますが、審査請求は時間がかかるので、区分変更をすることをおすすめします。
また再度、認定調査を受けるときにはできるだけご家族が同席してください。そのときに、認定員さんに困っていることなどをはっきり伝えましょう。
はい、できますよ。
「審査請求(不服申し立て)」か「区分変更」をすることで、介護認定のやり直しが可能です。
「審査請求」と「区分変更」ですか…。区分変更は、今回が区分変更だったのでわかります。
え!そんなに待たされるんですか!?待ってられないですよ!
そうですよね。そういう人が多いので、やり直しをしたい場合は区分変更をかけるケースがほとんどです。
区分変更は、本来はご本人の心身の状態が変化したときに改めて認定調査をすることですが、認定結果に納得がいかないときでも申請できるんですよ。
そうなんですね!じゃあ、また役所に区分変更の申請をしに行けば良いんですね?
その通りです。区分変更の申請には、再度、主治医の意見書が必要になります。かかりつけ医に納得のいかない認定結果になったことを伝えれば、より実情に合った意見書になるでしょう。
市区町村の職員が介護認定調査員として、自宅や施設、病院を訪れて直接訪問調査を行います。介護を受けたい本人が介護が必要な状態か、介護が必要な場合はどの程度の介護や支援が必要なのかなどを確認します。
家族構成・生活状態、心身の状態をはじめ、身体機能、生活機能、認知機能、特別な医療が必要なのかなど。決められた質問形式で調査が行われます。
訪問調査の結果と主治医意見書の一部の項目をコンピュータ入力して一次判定を行います。厚生労働省が作成した全国共通の要介護認定ソフトが使われ、客観的に分析し申請者を振り分けます。
コンピュータによる一次判定結果に、主治医意見書と認定調査における特記事項を踏まえて二次判定が行われます。
各市区町村が設置している「介護認定審査会」は保健・医療・福祉の学識経験者5名ほどで構成され、ここで申請者の介護度や支援度を検討します。
「介護認定審査会」の審査結果に基づき、要介護度が認定され通知されます。一般的に介護認定申請から約30日で結果が通知されますが、地域によっては申請から判定まで1ヵ月以上かかる場合もあります。
認定結果は「申請日から30日以内に利用者へ通知する」ことになっているので、認定通知が遅れる場合には、申請者に見込み期間と遅れる理由が通知されます。
認定結果は「要介護1~5」「要支援1・2」「非該当(自立)」のいずれかに分類され、「要介護認定1~5」に認定されると「介護保険サービス」が利用できるようになります。
介護認定をやり直しするときに、いくつか注意点があります。
それは何ですか?
まず、「認定結果が希望通り出るわけではない」ということです。介護認定の結果はコントロールできるものではありませんから、もっと低い介護度になってしまう可能性もあります。
そうか!「要支援1」になってしまうこともあるんですね。
それと、審査請求をする場合にはこちらの申し立てが却下されることもありえます。そもそも、認定調査のやり直しができない可能性もあるんですね。
こうしたことも頭に入れて、介護認定のやり直しをしてくださいね。
そもそも、うちの母が「要支援2」なんて軽いわけがないのに、介護度が低い結果になってしまったんでしょう?
よくあるパターンとしては、「認定調査のときにがんばってしまう」ことがあります。
「がんばってしまう」?どういうことですか?
介護認定は、「認定調査」「一次判定」「二次判定」の順におこなわれますよね。
介護認定は、この最初に実施される認定調査の結果と主治医の意見書をもとに判断されます。そのため、認定調査のときにご本人が元気な様子だったら、当然、「介護の必要性が低い」と判断され、介護度が低くなってしまうんですね。
なるほど。そういえば、母は最近、ぼーっとしていることが多いのに、認定員さんと話しているときはしゃっきりしていましたね。それに、はりきって家の中を歩きまわったりして…。
認定調査では、ご本人の身体機能や、心身の状態、認知機能などを確認しています。そのため、お元気なお母様の様子を見て、「要支援2」と判断されたんじゃないでしょうか?
実は、こういうケースは少なくないんです。認定調査では、日常生活について「こういうことは1人でできますか?」と質問をされますよね。それに対して、プライドや思い込みで「できる」と回答してしまったり、かしこまった状況だとちゃんと受け答えができることも。そのため、実際よりも軽い介護度が出てしまうんですね。
では、次は適切な介護認定が下りるために、いくつか注意していただきたいポイントをお伝えしますね。
まずは、認定調査にご家族が同席すること。ご本人だけだとその日の体調や気分によって、調査結果が左右されてしまいます。そのため、普段の様子を正しく伝えるためにできるだけ同席してください。
やっぱりそうですよね。前回の認定調査のときも、母は「1人で大丈夫」と言っていたんですが、同席したんです。今回も付き添うことにします。
はい、その方が良いと思います。それに、もしお母様の前では言いにくいことがある場合でも、ご本人がいない場所でこっそり認定員さんに伝えることもできます。
また、あわせて認定調査のときに伝え忘れのないように事前にメモを作っておいてください。介護で困っていることや普段の様子をメモにまとめておくと、スムーズに伝えられますよ。
あぁ、そういえば、前回の認定調査の後に「あれを言っておけばよかった」と言い忘れたことがいくつかあったんですよね。次は忘れないようにしないと。
そうですね。あと、区分変更の申請をする前に担当のケアマネジャーさんに相談してみるのもおすすめです。
ケアマネジャーさんであればだいたいの介護度がわかるので、お母様の状態でどのくらいの介護度になりそうか教えてくれると思います。今回の結果が適正でないのか、区分変更で介護度がいくつになりそうか、などアドバイスを事前にもらっておくとスムーズですよ。
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