認知症の母親が寝てくれなくてもう限界。どうしたら夜に寝ない母が眠ってくれますか?

認知症の母親が寝てくれなくてもう限界。どうしたら夜に寝ない母が眠ってくれますか?

更新日 2024/03/18
認知症の義母と同居しています。最近、義母が夜中に起き出して家の中をゴソゴソと探しまわるようになりました。何度も布団に連れて行くのですが、それでも寝てくれなくて…。

私も夫も母が目を覚ます度に起きているので寝不足です。昼間は仕事があるので、体力的にもしんどくて。どうしたら寝てくれるようになるでしょうか?

(小田さん・会社員・62歳)

認知症の影響や日中の活動量が低下することで体内時計が乱れて、ご高齢者が不眠になることがあります。

そういう場合は、まず睡眠記録をつけて睡眠の状態を把握しましょう。そこから不眠の原因や傾向がわかる可能性があります。また、昼間に散歩をしたりデイサービスに通って身体を動かすことでほど良く疲れて夜に眠りやすくなることもありますよ。

認知症の方が夜に眠らない理由はさまざまなので、まずは原因を見つけてそこから対応方法を探っていきましょう!

認知症の人が夜に寝ないのはなぜ?

同居する認知症の義母が寝ないので、一緒に起きていて睡眠不足です。私も夫も仕事があるので、体力的にしんどくて…。

家の中で何かを探しているようにゴソゴソとして落ち着かないし、夜中に1人で外出しようとするので危なくておちおち寝ていられないんです。

どうしたら夜に眠ってくれるようになるんでしょうか?

うーん、そうですね…。ご高齢者が夜に眠らなくなる理由はさまざまです。理由に合わせた対応方法がありますから、まずは夜に眠らなくなった理由を考えてみましょうか。

夜に寝ない理由ですか…。年を取って眠りが浅くなるから、とかですかね?

その可能性も大いにあります。「眠りが浅くなるため」も含めて、以下のような理由が考えられます。

  • 眠りが浅くなるため
  • 体内時計が乱れているため
  • 日中の活動量が少ないため
  • トイレの回数が多いため
  • 食事をしたことを忘れているため
  • 時間や場所がわからなくなったため
  • 身体に痛みや不快感があるため
  • 睡眠環境が整っていないため
  • 「レム睡眠時行動障害」のため

眠りが浅くなるため

歳を重ねると誰しもが眠りが浅くなるのはよく聞く話ですよね。それに加えて、認知症の影響によっても眠りが浅くなりやすいんです。

認知症の症状が進行している方だと、連続で1時間の睡眠も取れなくなってしまうこともあると言われています。

1時間も眠れないんですか!?

認知症って眠りにも影響するんだ…。もしかしたら義母も認知症の影響で長時間眠れなくなっているのかもしれないですね。

体内時計が乱れているため

認知症の影響で、「概日リズム」、いわゆる「体内時計」が乱れやすくなることもわかっています。これは、認知症によって脳の機能が損傷することで体内時計の調整がしにくくなることが原因とされています。

加えて、認知症になると社会参加や外での活動の機会が減ることで体内時計が乱れやすくなります。人は、学校や仕事、地域の人との交流といった活動を日中におこなうことで体内時計の調整をおこないますが、そうした機会が減ってしまうので体内時計の調整をする要因も減ってしまうんですね。

出かける予定が体内時計の調整に役立っていたんですね…。最近はほとんど家から出なくなっているからなあ。

認知症や社会参加の機会が減るなどの複数の条件が重なることで、体内時計が乱れて昼夜が逆転して夜に眠れなくなっている可能性もあるんですね。

日中の活動量が少ないため

認知症を発症していたり、介護が必要なご高齢者の多くは、日中の活動量が少ない傾向があります。活動量が少ないと身体が疲れないので、夜に眠気が起こりにくいんです。

確かに。昼間にのんびりする日が続くと、疲れていなくて眠りにくかった経験はありますね。

母もずっと家の中にいますし、疲れないから寝付けないのかも…。

トイレの回数が多いため

これはイメージしやすい原因だと思います。夜中に何度もトイレに起きてしまうことで、睡眠時間が減ってしまうんですね。

それに何度も起きることで、寝付きが悪くなったり眠りが浅くなることもあるでしょう。

食事をしたことを忘れているため

「食事をしたことを忘れているため」って、どうして眠りと食事が関係しているんですか?

認知症の方には、夕食を食べたことを忘れて空腹を感じたり、「食事を食べさせてもらえない」という不安感から目が覚めて食べ物を探すことがあるんです。

ご高齢者のなかには、過去の生活歴から「食事が食べられないこと」に強く不安を感じる方がいます。そういう方の場合、認知症の影響で食事を食べた記憶がなくなってしまうと、不安で寝付けなくなってしまうんですね。

認知症の方が食事を忘れてしまうことについては、以前のご質問でもお答えしています。ぜひ参考にしてください。

時間や場所がわからなくなったため

どうして時間や場所がわからなくなると、眠れなくなるんですか?

認知症の症状のひとつに、「見当識障害」というものがあります。今の場所や時間がわからなくなるという症状です。

つまり、お母様に見当識障害があった場合、「目が覚めたら自分がいる場所も時間もわからない」状態ということに。とても不安になって眠るどころではないことは想像できると思います。

確かにそうですね…。私だったら、ここはどこなのか周囲を調べようとするかもしれません。

おっしゃるとおりです。お母様が落ち着きがないのは、そういう不安を感じているのかもしれませんね。

また、目覚めた時間が深夜ということがわからず、昼間だと思って活動している可能性もあります。詳しいことは、お母様に直接お話を聞いてみるとわかるかもしれませんね。

身体に痛みや不快感があるため

身体に痛みやかゆみ、不快感が原因で寝付けなくなっていることも考えられます。

ご高齢になると、身体の節々が痛んだり、皮膚が敏感になって肌荒れを起こしていることがよくあります。さらに、便秘になっていてそのお腹の張りが気持ち悪くて眠れないのかもしれません。

ただ、認知症になるとそうした不快感に適切に対応できなかったり、ご家族に伝えられないこともあるんです。

睡眠環境が整っていないため

寝室が明るすぎる、暑い・寒いといった理由で睡眠状態が悪くなることもあります。

うーん、義母はそんなことを言っていなかったのですが…。それに、暑かったら掛け布団を減らしたり、寒かったら増やしたりして自分で調整していますし。

そうなんですね。でしたら問題ないかもしれません。ただ、認知症の進行によって、気温や明るさの調整ができなくなることがあります。こまめに気をかけてあげてくださいね。

「レム睡眠時行動障害」のため

「レム睡眠時行動障害」とは何ですか?

レビー小体型認知症の症状のひとつです。アルツハイマー型認知症の方にはあまり見られません。

人は、睡眠中に深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を繰り返しています。そのレム睡眠の間に大きな声を出したり、起き上がったりすることをレム睡眠時行動障害と言います。

これも、認知症によって脳のレム睡眠に関わる部分が損傷することによって起こるとされています。

認知症の人が寝ないときの対応方法

認知症の人が夜に寝ない理由って、たくさんあるのがよくわかりました。いくつかは義母に当てはまりそうです。

眠れない理由に心当たりがあるものがあって良かったです。ここからはそれぞれの理由に対応した対策があるので、ご紹介していきますね。

  • 睡眠記録をつける
  • 日中の活動量を増やす
  • コーヒーやアルコールなどを控える
  • 身体の状態を整える
  • 寝室の環境を整える
  • 病院に相談する

睡眠記録をつける

まずは、お義母さまの睡眠状態を把握するために、睡眠記録をつけてみましょう。

睡眠記録?どんなことを記録すれば良いんですか?

例えば、夜に布団に入った時間や、夜中に起きた時間、再び眠った時間、日中の活動の様子などです。

しばらく続けているうちに、「昼寝をした日は夜中に起きている時間が長い」「お通じが良くないと、寝付けないのかも」など、睡眠の傾向がわかると思います。そこから、対策のヒントがわかるかもしれませんよ。

日中の活動量を増やす

日中の活動ってどうやって増やせば良いんですか?

例えば、散歩はどうでしょうか?適度な運動にもなりますし、日光を浴びることで体内時計の調整にもつながります。

あとは、デイサービスを利用するのも良いでしょう。散歩をしているところもありますし、多くのデイサービスでは体操などの身体を動かすレクリエーションを取り入れていますよ。

決まった時間に外出する機会を増やすことにもつながるので、規則正しい生活もしやすくなるでしょう。

コーヒーやアルコールなどを控える

カフェインが眠りを妨げることはよく聞きますよね。合わせて、アルコールやタバコも睡眠状態を悪化させる効果があることもわかっています。

義母はお酒は飲まないですし、タバコも吸わないので大丈夫だと思います。でも、よく紅茶を飲むんですよね。それも影響しているのかも…。

紅茶やコーヒー、緑茶もカフェインを含みますから要注意ですね。まったく飲まないのは難しくても、夕方以降は飲まない、などのルールを決めると良いかもしれませんね。

身体の状態を整える

身体の痛みや皮膚のかゆみで眠れないようであれば、通院したり、かゆみ止めを塗ったりして治療をしましょう。

また、排泄状況を把握して便秘への対策もすると、睡眠状態の改善につながるかもしれません。

病院に相談する

身体が激しく痛む様子やレム睡眠時行動障害が疑われる様子があったら、まずは病院で相談してみましょう。必要に応じて鎮痛薬や睡眠薬が処方されるかもしれません。

ただ、「眠れないから」という理由だけで安易に睡眠薬に頼るのはNGです。高齢者は若い世代よりも薬の効果が出やすい傾向があるので、必要以上に薬が効いてしまうことがあるからです。

介護サービスを利用して負担を減らそう

在宅介護はご家族の負担が大きくなりがちです。そのため、介護サービスを上手く活用してできるだけ負担を減らしていきましょう。

介護サービスを利用するには介護認定が必要ですが、お義母様は介護認定を受けていらっしゃいますか?

介護認定を受けてはいるのですが、介護サービスは利用していないんですよね。どんなサービスがあるかもよくわかっていませんし。

でしたら、介護サービスについてご紹介します。

介護サービスには大きく分けて「在宅介護サービス」と「施設介護サービス」がありますよ。

在宅介護サービス

在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。

先ほどお話しした、デイサービスも在宅介護サービスのひとつです。デイサービスは、介護施設に通ってサービスを受けるもの。朝9時ごろにご自宅に迎えが来て、夕方ごろに自宅まで送ってくれます。

体操や歌、クイズなど身体と頭を使うレクリエーションを積極的に取り入れている施設が多く、活動量を増やすにはピッタリです。また、日中の間、施設で預かってくれるので、安心してお仕事もできるでしょう。

なるほど、それは良いですね!利用してみようかな…。

施設介護サービス

施設介護サービスとは、以下の公的施設で受けられるサービスのことです。

施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ
特別養護老人ホーム(特養)
0円
8~14万円
要介護3以上
介護老人保健施設
(老健)
0円
7~14万円
要介護1以上
介護医療院
0円
7~14万円
要介護1以上
養護老人ホーム
0円
0~14万円
自立
×
ケアハウス
0~数十万円
6~17万円
自立~要介護3程度

これらの公的施設は入居条件に要介護度が設定されていることが多いです。例えば、「特別養護老人ホーム」は要介護3以上でないと入居できません。

要介護3以上か…。義母は要介護2だったと思うので、入居できないですね。

でしたら、民間施設はどうでしょうか?入居条件に要介護度を設定していない施設も多いので、すぐに入居したい場合にはおすすめです。

民間施設というと、どんな施設があるんですか?

民間施設には以下のようなものがあります。

施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ
介護付き有料老人ホーム
0~数千万円
15~30万円
自立~要介護5
住宅型有料老人ホーム
0~数千万円
11~25万円
自立~要介護3程度
サービス付き高齢者向け住宅
0~数十万円
11~25万円
自立~要介護1程度
グループホーム
0~数十万円
10~15万円
要支援2以上

認知症の方におすすめなのは、「介護付き有料老人ホーム」とグループホームです。介護付き有料老人ホームは24時間介護職員がおり、日中は看護師も常駐しています。介護体制が充実しているので、看取りまで対応しているのが特徴です。

グループホームは、認知症の方限定の施設。そのため、認知症ケアに特化しているのが特徴です。また、少人数でアットホームなので家庭的な雰囲気で過ごしたい方には合っているでしょう。

へー、介護施設と言ってもいろんなタイプがあるんですね。迷うな…。

もし、施設探しに迷った際には、ぜひ「いい介護 入居相談室」にお電話ください。さまざまな施設の知識を持った相談員が、お義母様に合った施設をお探ししますよ。

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  • 睡眠が浅くなる、活動量が少ないなどの理由で眠りにくくなっている
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