認知症の可能性もありますね。ただ、認知症以外にも、うつ病や脳梗塞の後遺症、加齢などによって怒りっぽくなることはあります。
認知症にはいくつか初期症状がありますから、他の症状も当てはまったら、病院で検査することをおすすめします。
先日、久しぶりに実家に帰省したら、一人暮らしの父が怒りっぽくなっているような気がして気になっています。一緒に外食に出かけたところ、食事にお箸がついていないことに激怒し、店員を怒鳴りつけたんです。
以前は、こんなことで怒るような人ではありませんでした。急な変化だったので、何かの病気の前触れなのではと心配です。もしかして、認知症になってしまったのでしょうか?
現時点では、はっきりとしたことは申し上げられませんが、認知症も可能性のひとつです。ただ、認知症も含めて、ご高齢者が怒りっぽくなる理由は以下のようなことが考えられます。
認知症の初期症状のひとつに怒りっぽくなることがあります。認知症によって、感情をコントロールしている前頭葉が萎縮すると、気持ちの制御ができなくなって怒りやすい性格になってしまうと言われています。
また、認知機能の低下によって状況が理解できない、適切な判断ができない混乱が怒りにつながることもあります。
やっぱり、認知症の可能性もあるんですね。一人暮らしだから心配だな…。
認知症の影響で暴言を吐いてしまう方については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。
うつ病の可能性もあります。うつ病の症状というと、気持ちが落ち込んでふさぎ込むようなイメージがありますが、実は怒りっぽくなるのも症状のひとつなんです。
というのも、幸せホルモンとも言われる「セロトニン」が減少することで気持ちが落ち込むと同時に怒りっぽくもなります。「落ち込みながら怒る人」も多くいるんです。
脳梗塞を経験している人は、その後遺症として怒りっぽくなることがあります。これも、脳の一部がダメージを負ったために、感情のコントロールができなくなってしまうんです。
また、反対に脳梗塞の前触れにも怒りやすくなることも。脳の血流が徐々に減少していくなかで、脳梗塞の症状が出ることがあります。
高血圧の方は、脳梗塞の可能性も疑った方が良いかもしれません。
父は高血圧です。母が亡くなって一人暮らしをするようになってから、食事が乱れているみたいで血圧が上がっているようなんです。血圧の薬もきちんと飲んでいるのか確かめないと…。
年齢を重ねることで怒りやすくなることもあります。こうした方は、もともと怒りっぽい気質だったケースが多いですね。
特に一人暮らしの場合、人との交流が減ることで日常生活でストレスを発散する機会も減る傾向があります。そのため、ちょっとしたことでも、怒りにつながってしまうんですね。
なるほど…。父もそうなのかな。このところ、趣味の将棋サークルも行かなくなったみたいですし…。家にこもりきりみたいなんですよね。
認知症以外にも、父に当てはまりそうな理由がいくつかありました。認知症かどうか、見分ける方法はないですか?
ひとつの方法として、「怒っている理由を聞く」ことがあります。認知症の方の場合、ご本人自身も何に対して怒っているのかわかっていないことも多いんです。なので、「どうして怒っているの?」と聞いてみて、はっきり答えられない場合は認知症の可能性が高いです。
また、以下のポイントにも注意してみてください。
これらに当てはまったら、認知症や脳梗塞などの病気の前兆かもしれません。病院での検査をおすすめします。
怒りっぽくなるのは認知症の初期症状のひとつ、とお話ししましたよね。その他にも初期症状があるので、「怒りっぽい」以外の症状にも当てはまっていないか、確認しておきましょう。
主な認知症の初期症状は、以下の通りです。
これらに当てはまったら、認知症の可能性が高いということですね。
うーん…。そういえば、「明日は何時に家を出るんだ」と、外出する時間を何度も聞かれたような。帰省の期間が短かったから、その他の症状はわからないですね。
普段、一緒に過ごしていないとわかりにくいところではありますよね。もし、初期症状にいくつか当てはまるようでしたら、病院で検査してもらってくださいね。
認知症の影響で怒りっぽくなってしまった方についても、以下のご質問でお答えしています。参考にしてください。
先日の帰省のときは、店員さんだけでなく、私も何度も怒鳴られて。近々、また帰省する予定があるんですけど、次も同じように怒鳴られるかもと思うと気が重いです。
怒鳴られるというのは、ストレスですよね。それに、自分が怒られているわけではなくても、怒っているのを見るだけでも気が滅入ってしまうと思います。
そういうときは、「顔を背ける」「別の部屋に移動する」といった方法で、怒りから離れましょう。ストレスの元から逃げることも大切です。
顔を背けるって、それだけでも良いんですか?
はい。物理的に離れるのが難しい場面では、顔を背けて、怒っている人を視界に入れないだけでもストレスが軽減されます。
怒っている人をなだめるのは大変ですから、毎回、相手の気持ちを落ち着けようとするのはかなりの負担です。「手を付けられない」と思ったら、逃げるのもひとつの手ですよ。
逃げても良いんですね。ちょっと安心しました。
とはいえ、まずは父が認知症や脳梗塞を発症しているのか確認しないとですね。
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