田中 達也さんの
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大学卒業後、カンボジアに移住。NGOスタッフとして現地の子どもたちに日本語を教える。帰国後、2年にわたりグループホームの職員として認知症介護に従事した後に独立。現在はフリーライターとして、介護業界や海外観光などに関わる記事を執筆している。保有資格:介護職員初任者研修修了、日本語教師養成講座修了。
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糖尿病患者が世界で増えている!?今では4人に1人が糖尿病に

新たな研究で、世界中の糖尿病患者が2021年時点で5億2900万人に上ることが明らかになりました。 この研究は、アメリカのワシントン大学保健指標評価研究所の研究グループがビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を得ておこないました。その研究結果は「THE LANSET」という学術誌にオンライン掲載されています。 世界の5億人以上が糖尿病 今回、研究グループは、世界中で横断的におこなわれている大規模研究「Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study」のデータを使用して調査を実施。204の国と地域でどの程度糖尿病を患っている人がいるかどうかを調べた結果、世界の6.1%を占める5億2900万人が糖尿病を患いながら生きていることが判明しました。 糖尿病を患っている人の割合を示す有病率は、どの国でもおおむね65歳以上になると大きく増加。特に、75~79歳の平均有病率は24.4%と、およそ4人に1人の割合で糖尿病を患っていることが明らかになったのです。 研究グループは、生活習慣の見直しなどの対策をしなければ糖尿病有病者の数はこれからも増加し続けると指摘。試算によると、今後30年で、糖尿病患者の人数が現状の2倍以上である13億人に達すると考えられています。 糖尿病について 糖尿病には、糖の代謝を促すインスリンを分泌する細胞が壊れて発症する1型糖尿病と、生活習慣が大きく発症に関わる2型糖尿病があり、糖尿病患者のうち96%が2型糖尿病だと言われています。 糖尿病に関する情報発信などをおこなっている日本医療・健康情報研究所によると、以下のような要因が糖尿病のリスクになるそうです。 肥満 運動不足、身体活動の低下 栄養が偏った不健康な食事 アルコールの飲み過ぎ 大きなストレスがかかる職場環境 逆に考えると、糖尿病を防ぐためには適度に運動をしたり栄養バランスの取れた食事をしたりと、生活習慣を見直すことが有効であると言えるでしょう。 エスカレーターではなく階段を使うなど、できることから生活習慣を改善してみると良いかもしれませんね。 参考:「1990年から2021年までの糖尿病の世界的、地域的、国家的負担と2050年までの有病率の予測:世界疾病負担調査2021のための系統的分析」(THE LANSET)
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「老人ホームの入居権がある」は詐欺!?心当たりのない電話に注意!

2023年6月29日、トラブル解決を名目に高齢の女性から現金をだまし取ろうとした疑いで、無職で16歳の少年が逮捕されました。少年は現金の入った宅急便を受け取る「受け子」をしていました。 女性が多額の現金を宅急便で送ろうとしているのをコンビニの店員が不審に思い、警察に通報したため被害は免れたそうです。 老人ホームの入居権をめぐる詐欺が発生 警察の調べによると、今年の6月上旬から22日にかけて、愛媛県今治市に住む70代の女性宅に「あなたは老人ホームに入居する権利がある。もし入居しないなら名義を貸してほしい」などとうその電話があったと言います。 女性が電話の内容を承諾すると、今度は別の会社員を名乗る男から電話がかかってきて「名義貸しは犯罪だ。1000万円払えば今回の犯罪をなかったことにできる」などと脅し、金銭を要求してきたのだそうです。 女性が多額の現金を宅急便で送ろうとしているのを目撃したコンビニの店員が警察に通報したことで事件が発覚。送金前に通報したため、今回の事件は未遂に終わりました。 愛媛県における詐欺の現状 愛媛県警の統計によると、2023年5月時点の詐欺の被害件数が29件あったことが判明。また、被害総額は2800万円以上に上ったことが明らかになりました。 愛媛県内で起きた29件の詐欺のうち最も被害者が多かったのが、有料サイトなどの「架空請求詐欺」で、その件数は18件と過半数を占めました。それから、社会保険のお金が戻ってくるなどの「還付金詐欺」が8件、「確認するため」などとうそを言ってキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」が2件、身内の事故などを装って金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」が1件と続きます。 愛媛県警は、「宅急便でお金を送って」「ATMに行って送金してほしい」などの電話はすべて詐欺であると注意を呼びかけています。 詐欺の電話はほとんど固定電話にかかってくると言われているため、詐欺の被害を防ぐためには「知らない人からの電話に出ない」という対策が有効です。固定電話を常に留守番電話の設定にしたり、相手の電話番号が表示されるナンバーディスプレイ機能を使ったりして、詐欺の被害を未然に防ぎましょう。 参考:「特殊詐欺多発中」(愛媛県警察)
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緊急搬送の過半数が高齢者!?サウナに入る時は体調に気をつけよう

近年、サウナがブームになる中、サウナの利用中に緊急搬送されるケースもあると言います。 そこで、福島県郡山市の消防本部が、過去10年間に管轄地域内で起きた、サウナ利用者の緊急搬送に関する調査を実施。その結果、60代や70代といった高齢者が救急搬送されるケースが最も多かったことが明らかになりました。 高齢者世代の事故が過半数を占める 郡山地方広域消防組合は、2013~2022年の期間に管轄する4つの市町で起きた、サウナの利用によって体調が悪くなり、救急搬送されたケースの傾向を分析しました。 その結果、救急搬送された101件のうち、36件が70代によるものであったことが判明。また、次に多かったのが60代で26件でした。つまり、60代と70代の高齢者世代で事故件数の過半数を占めていたことが明らかになったのです。 次に、救急搬送された101件を症状別にみると、「失神・意識障害」が30件で最多に。それから、「熱中症・脱水症状」が24件、「脳卒中などの脳疾患」が5件と続きました。 消防は「失神すると転倒のリスクが高まるほか、冷水浴中に溺れる恐れがあるため大変危険な状態にあると言える」と述べています。 注意するポイント では、サウナを楽しむためにはどのようなことに注意すれば良いのでしょうか? 消防は、サウナに入る際は特に以下の3つについて注意してほしいと呼びかけています。 持病がある場合は医師に相談して、その日の体調を確認する 水分補給はしっかりとおこない、飲酒後は入らない 無理をせず、小まめに休憩を入れながらサウナを楽しむ 消防によると、救急要請があった101人のうち半数以上が糖尿病や高血圧、心疾患など何らかの持病があったことが明らかになったそうです。 サウナに入ると、血管の収縮と拡張が極端におこなわれるため、血圧が乱高下しやすいと言われています。持病がある人は特に危険な状態に陥りやすいため、その日の体調を見極めて、無理をしない程度に楽しんでいきたいですね。 参考:「サウナに関連した救急統計について」(郡山地方広域消防組合)
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留守番電話で詐欺を防ぐ!?高齢者に留守電の設定を呼びかけ

埼玉県上里町で、「留守番電話設定100%作戦」と名づけられた取り組みがスタート。警察官が高齢者だけで暮らす家を回って、留守番電話の設定を呼びかけました。 留守番電話に設定し、知らない人からの電話は出ないようにしてもらうことで、電話を使った詐欺の被害を防ぎたいとしています。 詐欺を減らす取り組みがスタート 埼玉県上里町では、去年にはなかった詐欺の被害が、今年になって急増していると言います。 そこで町は「留守番電話設定100%作戦」と呼ばれる取り組みを開始。警察官が、高齢者の家を回って、留守番電話の設定を呼びかけることにしました。 2023年6月18日、町役場で「留守番電話設定100%作戦」の出発式を開催。その後、管轄する警察署の署長らが高齢者の自宅を訪れ、家にいても留守番電話の設定にすることや着信音が鳴ってもむやみに電話に出ないことを呼びかけました。 訪問した家には、警察官が予告なしで電話をしてきちんと留守番電話の設定にしてあるかを確認。留守番電話の設定にしておらず、直接電話に出てしまった高齢者に対しては繰り返し設定を促していくそうです。 管轄する警察署の署長は「電話に出ると犯人との接点が生まれてしまうため、詐欺を防ぐためには知らない電話に出ないことが有効だ。今回の取り組みを通じて振り込め詐欺に強い町をつくっていきたい」と述べています。 警察は、町内に3000世帯ある高齢者の家を1ヵ月かけて回り、留守番電話の設定を呼びかけていくとしています。 詐欺の手口について 埼玉県警は、2023年5月末までの今年度の特殊詐欺認知件数を公開。特殊詐欺認知件数は484件、被害総額は11億8011万円だったことが明らかになりました。 埼玉県警によると、認知件数、被害総額ともに前年の同じ時期に比べて増加傾向にあるそうです。 また、以下のような詐欺の手口に遭う高齢者が多いため、特に注意してほしいと呼びかけています。 オレオレ詐欺:子や孫、配偶者などの親族を名乗って金銭をだまし取る詐欺 還付金詐欺:自治体職員などを名乗り、還付金を名目にATMを操作させて金銭をだまし取る詐欺 架空請求詐欺:有料サイトなどの架空の請求をメールやハガキで知らせて、金銭をだまし取る詐欺 預貯金詐欺:警察や銀行職員などを名乗り「口座が犯罪に使われている」などのうそを言って、キャッシュカードや通帳をだまし取る詐欺 以上のような詐欺の被害から身を守るためには、犯人からの電話に応じないことが大切。最近では、電話相手に警告メッセージを流し、音声を自動で録音する防犯機能付きの電話も発売されているため、不安な方は購入を検討してみても良いかもしれませんね。 参考:「特殊詐欺統計資料~発生状況と被害の特徴~」(埼玉県警HP)
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知らない間に肝臓病になっている!?ALT値が30を超えたら検診を

日本肝臓病学会が、肝臓病の早期の発見・治療を目指す「奈良宣言2023」を発表。一般的に肝臓の状態を測る指標として用いられている「ALT」の値が30以上だった場合、速やかに医師に相談してほしいと呼びかけています。 肝臓病の症状 そもそも肝臓はどんな働きをしているのでしょうか? 日本肝臓学会によると、肝臓は身体に必要な物質をためたり、逆に不要な物質を解毒・排泄したりする「化学工場」のような役割を果たしていると言います。具体的には、エネルギーの原料となるブドウ糖をためたりアルコールを分解したりしています。 しかし、運動不足や食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎなど生活習慣が乱れると肝臓が弱っていき、対策をしなければ肝硬変や肝臓がんにもつながると言われています。ただ、肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど我慢強く、かなり肝臓病が進行しなければ具体的な症状は表れにくいそうです。 そこで、肝臓の状態を把握するのに大切なのが血液検査。肝臓の細胞が壊れると、ALTという肝細胞に含まれる酵素が血中に漏れ出すため、血液検査をすることで肝臓の状態がわかると言います。 「奈良宣言2023」を発表 2023年6月、日本肝臓学会は奈良県で総会を開催。そこで、肝臓病の早期発見と治療を目指す「奈良宣言2023」を発表しました。 健康診断などで広く用いられているALT値が、30を超えていたら慢性腎臓病の可能性があるそうです。日本肝臓学会は「肝臓に関する詳しい検査を受けて、異常が見つかったらできるだけ早く医師に相談してほしい」と呼びかけています。 肝臓病を予防するには、生活習慣を見直すことが有効。ウォーキングなど日々の生活に運動を取り入れてみたり、アルコールを飲み過ぎている人はお酒の代わりにコーヒーやお茶を楽しんでみたりと、生活を工夫してみると良いかもしれませんね。 参考:「肝臓病の理解のために」(日本肝臓学会)
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認知症の行方不明者が倍増!?70代以上が2万人を超える

2023年6月22日、警察庁は2022年における行方不明者の状況についての報告をおこないました。認知症やその疑いがある人で、行方不明者として警察に届け出があった件数は1万8000件以上に上ったことが明らかになったと言います。 高齢者の行方不明者が年々増加 警察庁生活安全局人身安全・少年課は2022年における行方不明者の人数とその内訳を公表。警察が調査を行った結果、2022年に行方不明となった人は計8万4920人だったことが明らかになりました。 年齢別にみると、80代以上の行方不明者が年々増加傾向にあることが判明。2022年には、行方不明者全体のうち1万3749人が80代以上だったことがわかりました。 また、70代で行方をくらました人も1万人以上に上ったことが明らかになっています。 認知症の行方不明者が1万8000人以上 行方不明者について、原因・動機別でみると、疾病関係が原因で行方不明となった人が最も多く、2万4719人だったことが判明。このうち、認知症またはその疑いによるものは1万8709人で、認知症に限定した統計を取り始めた2012年以降、最多となったことが明らかになったのです。 認知症が原因とみられる行方不明者は年々増加していて、2012年の9607人から10年でほぼ2倍になりました。 高齢化社会が進展するにつれて、今後ますます認知症による行方不明者が増えていくことが予測されています。警察は、自治体や企業などと連携して早期発見に向けた取り組みを進めていくとしています。 認知症の人でも安心して過ごせる社会をつくっていくためには、地域住民の理解が欠かせません。認知症カフェなど、当事者の意見を聞ける取り組みが各地でおこなわれているため、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。 参考:「令和4年における行方不明者の状況」(警察庁生活安全局人身安全・少年課)
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介護職員が入居者のキャッシュカード盗む。150万円不正に引き出し

熊本県熊本市の高齢者施設で、職員が入居者のキャッシュカードを使って現金150万円を不正に引き出すという事件が発生しました。 この事件の容疑で逮捕されたのは、施設で勤務していた27歳の介護福祉士の男。警察の調べに対し、容疑を認めているそうです。 介護職員が入居者の現金を盗み取る 警察などの調べによると、介護福祉士として高齢者施設で働いていた男は2023年3~4月の間、施設に入居していた女性の名義のキャッシュカードを無断で使用。ATMから3回にわたり、合計150万円の現金を引き出した疑いが持たれています。 警察の調べに対して、男は「生活費やギャンブルに使う金が欲しかった」と容疑を認めているそうです。 警察はさらに詳しく調べていく方針です。 経済的な搾取も虐待の一種 「高齢者虐待」は、殴ったり蹴ったりする身体的虐待のみを指す言葉ではありません。今回の事件のように、高齢者の金銭を無断で使用することも「経済的虐待」という虐待の一種に該当します。 具体的には、以下の5つが高齢者虐待に当たります。 身体的虐待:暴力を振るう、食事を無理やり食べさせる、不当に身体を拘束するなど 心理的虐待:暴言を吐く、高齢者の言葉を無視する、怒鳴って威圧するなど 経済的虐待:高齢者の金銭を無断で使用する、本人の金銭の使用を理由なく制限するなど 性的虐待:無断で裸の写真を撮る、合意なく性的行為を強要するなど 介護放棄(ネグレクト):本人が必要とする介護サービスを受けさせない、必要な介助をおこなわないなど 介護職員による虐待や窃盗などを防ぐためには、職員同士がスムーズにコミュニケーションを取れていることが大切。各都道府県では、第三者視点からその高齢者施設が適切に運営されているか、職場環境が良好かなどを調査する「第三者評価」がおこなわれています。 この第三者評価は有料で、受けるかどうかはその施設次第。逆に、第三者評価を受けている施設は適切に運営されていることが多いと言えます。 各都道府県の第三者評価のホームページで、どこの施設が評価を受けているかを調べられるため、もし身近な人で施設に入居予定の人がいたら調べてみると良いかもしれませんね。
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認知症にもコロナの影響が!?施設の約7割が「ある」と回答

広島大学と日本老年医学会は、全国の高齢者介護・医療施設に対して、新型コロナ禍による生活の変化で生じた影響に関するアンケートをおこないました。 その結果、約7割に上る施設が認知症を患った人に「影響があった」と回答していたことが明らかになったのです。 全国の高齢者介護・医療施設に調査を実施 今回の調査は、以下の要領でおこなわれました。 調査期間:2023年1月17日~2月24日 対象:全国の高齢者が入居している介護・医療施設 回答数:995施設 調査手法:アンケート調査 なお、新型コロナの影響に関する調査は今回で3回目。新型コロナの感染が広がった2020年から、毎年実施されています。 新型コロナが認知症の人に「影響あり」が約7割 今回のアンケートでは、まず「新型コロナの感染予防対策は、どのようなことをおこなっているか」と尋ねました。すると、全体の94%の施設が「家族・友人との面会を制限している」と回答したことが判明。ほかにも「外出を制限している」「施設へのボランティア訪問を中止した」という回答もそれぞれ9割近くに上りました。 次に、感染対策で活動を制限したことによって、認知症の人への影響があったかどうかを尋ねたところ、全体の施設のうち69.5%が「影響があった」と回答したことがわかりました。 さらに、活動を制限したことで、重度の認知症を患っている人に生じた具体的な影響について複数回答で尋ねました。すると、全体の78%の施設が「認知機能が低下した」と回答したことが明らかになったのです。 ほかにも「身体活動量が低下した」「ADL(食事や更衣、排泄など日常生活における基本的な動作をおこなう力)が低下した」という回答も半数以上に上ったことが判明しました。 広島大学の石井伸弥氏は「状況を改善するためには、感染対策を引き続きおこないながらも、面会制限を緩和することや中断していたリハビリを再開することが重要だ」と指摘しました。 外部との接触が断たれてしまうと、脳への刺激も乏しくなり認知機能が悪化するリスクが高まります。そのため、これまで課していた制限を徐々に緩和していく必要がありますが、施設内の感染拡大も防がなくてはなりません。 高齢者施設は難しい決断を迫られていますが、納得できる道を探っていきたいですね。 参考:「第3回「新型コロナウイルス感染症による医療・介護施設入所中の認知症者に対する影響に関する調査」結果報告書」(広島⼤学⼤学院医系科学研究科・一般社団法人 日本老年医学会)
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日本人の98%がビタミンD不足!?骨粗しょう症を魚やきのこで防ごう

新たな研究で、日本人のおよそ98%がビタミンD不足に陥っている可能性が示されました。 ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収がしにくくなって、骨がもろくなります。結果として、特に高齢者では骨折や骨粗しょう症のリスクにつながると言われています。 この研究は東京慈恵会医科大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Nutrition」という学術誌に掲載されています。 日本人の98%がビタミンD不足 今回、研究グループは、2019年4月~2020年3月に東京都内で健康診断を受けた、健康な男女5518人を対象に調査を実施。島津製作所と共同で新たに開発した分析システムを用いて、血液中のビタミンDの濃度を測定しました。 その結果、対象者の98%が日本代謝内分泌学会・日本整形外科学会が提唱するビタミンDの基準濃度(30ng/mL)に達していないことが明らかになったのです。 また、今回測定されたビタミンDのほとんどが動物性あるいは日光に由来するもので、きのこ類などが含んでいる植物性のビタミンDはほとんど検出されなかったことも判明しました。 今回の結果を受けて、研究グループは「食生活の変化によって、現代人の多くはビタミンDが不足していることがわかった。今後、超高齢化社会を迎えるに当たって、高齢者の骨折や骨粗しょう症を防止するためにも、ビタミンDが不足している現状に対して早急な介入が必要だ」と警鐘を鳴らしています。 ビタミンDを上手に摂取する工夫 ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にしたり筋力を高めたりする働きがあるため、高齢者は特に摂取しておきたい栄養素です。 では、どうすればビタミンDを上手に摂取できるのでしょうか? 骨粗しょう症財団によると、イワシやサンマ、サケなどの魚類やシイタケなどのきのこ類にビタミンDが豊富に含まれているそうです。 また骨粗しょう症財団は、以下のような工夫もビタミンDを摂取するのに有効だとしています。 ビタミンDといっしょにカルシウムも摂る シイタケは紫外線に当てるとビタミンDが増えるため、食べる前に天日干しをする ビタミンDは人間が日光に当たることでも、体内で生成されます。天気が良い日は積極的に外に出て、ビタミンDの生成を促すと良いかもしれませんね。 参考:「Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography–Tandem Mass Spectrometry」(Science Direct) 参考:「ビタミンDを多く含む食品・ビタミンKを多く含む食品」(骨粗鬆症財団)

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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