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糖尿病の人はがんリスクが2倍!?一方で、発症リスク60%減の方法も
新たな研究で、糖尿病の人はがんによる死亡リスクが糖尿病でない人に比べて高いことが明らかになりました。
この研究は、イギリスのレスター大学糖尿病研究センターが主導するグループによっておこなわれ、その研究結果は「Diabetologia」と呼ばれる欧州糖尿病学会が刊行している医学誌に掲載されています。
糖尿病になるとがんによる死亡リスクが高まる
研究グループは、1998~2018年にイギリスの医学データベースに登録され、新規に糖尿病と診断された成人13万7804人のデータを解析。その結果、糖尿病の人のがん死亡率は、そうでない人に比べて18%高いことがわかりました。
さらに、がんの種類ごとに分析すると、肝臓がんや膵臓(すいぞう)がん、子宮内膜がんの死亡率は特に高く、約2倍にまで上昇したことが判明したのです。
この結果を受けて、研究グループは「糖尿病の人は長期間にわたって血糖値の高い状態が続き、炎症にもさらされている。そうした状態ががんによる死亡リスクの上昇につながっているのではないか」としています。
糖尿病の人ががんを予防するために
別の研究によると、糖尿病の人であっても、良好な血糖管理を続ければがんの発症を大幅に減らせると言います。
スウェーデンのヨーテボリ大学は、スウェーデン国内のがん統計や「スウェーデン肥満研究」などの医学データを解析。その結果、血糖値を適切にコントロールできていて、肥満治療も受けている人は、がんの発症リスクを約60%減らせることが判明したのです。
この結果を受けて、ヨーテボリ大学の分子医学部に所属するマグダレナ・タウベ氏は「今回の研究で、糖尿病を治療するとがんが予防できる可能性が高まることが明らかになった」としています。
糖尿病の人であっても、うまく血糖値をコントロールできればがんの発症リスクを大幅に減らせることがわかりました。健康に長生きするためにも、糖尿病がある人は日々の生活を見直してみてはいかがでしょうか。
2023/02/02