田中 達也さんの
執筆記事一覧

大学卒業後、カンボジアに移住。NGOスタッフとして現地の子どもたちに日本語を教える。帰国後、2年にわたりグループホームの職員として認知症介護に従事した後に独立。現在はフリーライターとして、介護業界や海外観光などに関わる記事を執筆している。保有資格:介護職員初任者研修修了、日本語教師養成講座修了。
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コーヒーが脂肪肝のリスクを下げる!?ポリフェノールが影響か

新たな研究で、コーヒーを習慣的に飲む人はそうでない人に比べて脂肪肝のリスクが軽減する可能性が示されました。 この研究はポルトガルのコインブラ大学によっておこなわれ、その研究結果は「Nutrients」という学術誌に掲載されています。 脂肪肝とは 脂肪肝とはどのような状態なのでしょうか? 脂肪肝とは肝臓に脂肪が多く溜まった状態のこと。脂肪肝には、お酒を大量に飲む人がなりやすいアルコール性の脂肪肝と、お酒ではなく食べ過ぎや運動不足などの生活習慣の乱れによって引き起こされる非アルコール性の脂肪肝があります。 脂肪肝になると、肝臓の機能がどんどん悪くなっていきます。これを放置すると肝炎や肝硬変などを引き起こし、命に関わることもあります。 さらに厄介なことに、肝臓はほかの臓器と比べて症状が出にくいと言われています。脂肪肝になってもかなり悪化するまで症状が出ないことも。「日中いつもだるい」「最近疲れやすくなった」などといった自覚症状がある人は、早めに医師に相談すると良いでしょう。 コーヒーの摂取量が多い人は脂肪肝のリスクが低い 今回の研究において、研究グループは肥満傾向にある156人の男女を対象に調査を実施。対象者の尿を採取し、対象者がどれくらいコーヒーを飲んでいるかを調べました。 その結果、コーヒーの摂取量が多い人はコーヒーをそれほど飲まない人に比べて脂肪肝のスコアが低いことが明らかになったのです。 この結果を受けて、コインブラ大学神経科学・細胞生物学センターに所属するジョン・ジョーンズ氏は、「コーヒーを習慣的に飲む人は脂肪肝のリスクが軽減されることがわかった。理由はさらなる研究が必要だが、コーヒーに含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質が良い影響を与えている可能性がある」と分析しました。 脂肪肝になっている人は、肥満や高血圧といった生活習慣病も患っている人が多いとされています。脂肪肝を予防するためには、運動や毎日の食事など日々の生活習慣を見直すことも大切ですね。
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「とろみコーヒー」で嚥下障がいがある人でもおいしくカフェタイム!

コメダ珈琲を運営するコメダとコーヒーの輸入販売をおこなっている石光商事は、とろみがついたインスタントコーヒー「とろみコーヒー」を共同開発。2022年の11月からコメダ珈琲のオンラインショップで販売されています。 この商品は初めからとろみがついているため、飲み込む力が弱い嚥下障がいがある人でも味わい深いコーヒーを楽しめるそうです。 「とろみコーヒー」開発の背景 コメダ珈琲の開発担当である伊藤弥生氏によると、「とろみ粉でとろみをつけたコーヒーはおいしくないと、高齢者施設の利用者から避けられてしまう」という相談がきっかけで「とろみコーヒー」を開発することに至ったのだそうです。 それからコメダ珈琲と石光商事は、朝日大学歯学部に所属する谷口裕重氏の監修の元、2年半かけてコーヒーのコクや味わいを再現した「とろみコーヒー」を開発しました。 谷口氏は2022年11月12日に開催された健康に関する公開講座に登壇し、「とろみコーヒー」のようなとろみ調整食品を使う意義について次のように語りました。 「飲み込む力が衰え、食べ物や飲み物が気管に入りやすくなっている人に対して、安全性ばかりを優先して食べることを禁止するのは良くない。『とろみコーヒー』のようなとろみ調整食品などもうまく活用して、安全かつおいしい食事を提供するのが大切。そうすると口もよく動くようになり、いくつになっても食事を楽しめる」。 「とろみコーヒー」の特徴 「とろみコーヒー」は個包装になっているインスタントタイプのコーヒー。90度以上の熱湯150mgを注ぎ、15秒ほどかき混ぜるととろみが付きます。 単にとろみ粉を加えたコーヒーは、どうしてもとろみ粉の味が混ざってしまうため、違和感のある味を感じる人も少なくありません。しかし「とろみコーヒー」はとろみ粉を加えなくても初めからとろみがついているため、そうした雑味を感じない自然な味に仕上がっています。 伊藤氏によると、「とろみコーヒー」にホイップクリームを加えると暖かいコーヒーゼリーのようになるとのこと。これなら、飲み込む力に問題がない一般の人でも新感覚のコーヒーとして楽しめそうですね。
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「スーパーエイジャー」とは?80代でも記憶力を50代並に保つ秘訣

アメリカのノースウェスタン大学で、80歳以上であっても50代と同程度の記憶力を持つ「スーパーエイジャー」に関する研究が進められています。 研究チームは14年前から、優れた記憶力を持つ高齢者「スーパーエイジャー」を集めて研究をおこなってきたそうです。 研究対象に入る条件 ノースウェスタン大学のスーパーエイジャーに関する研究の対象者になるためには、80歳以上の高齢者が詳細な認知テストを受けて、50~60代の健康な成人と同じかそれ以上の認知能力を持つことを証明しなければなりません。 ノースウェスタン大学によると、知能指数(IQ)よりも、日常の出来事や過去の経験をよく覚えていることが条件だとしています。 また、厳しい認知テストを通過して実際に研究の対象者になるのは、応募者のうちわずか10%ほどだそうです。 「スーパーエイジャー」は脳萎縮のペースが緩やか 研究グループによると、大多数の人は、年齢を重ねるにつれて脳が萎縮していきますが、スーパーエイジャーは思考や記憶などを司る大脳皮質の厚みが変わらず、50~60代の人と比べても脳萎縮のペースが遅いといいます。 また、死後に提供されたスーパーエイジャーの脳を調べたところ、認知症を引き起こす原因物質のひとつとされる「タウたんぱく質」の量が一般成人の脳に蓄積された量よりも3分の1程度だったことが判明。さらに、「VEN」と呼ばれる脳内の素早い情報伝達に役立つ細胞の数も通常の人より多いことも明らかになりました。 研究グループは、スーパーエイジャーに共通する特徴として「明るくて前向きな性格で、日々新しいことを学ぶなどして脳を刺激している」と話しています。 新しいことを学ぶのは労力もかかりますが、その分好奇心に満ちた生活を送れます。そうした生活の積み重ねが、若々しい脳を保つ秘訣なのかもしれませんね。
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睡眠の質が悪いと糖尿病のリスクが増加する!?早歩きで睡眠障がいを改善

新たな研究で、質の良い睡眠が十分取れていない人は質の良い睡眠ができている人に比べて、糖尿病を発症するリスクが高くなる可能性が示されました。 この研究は南オーストラリア大学によっておこなわれたものです。 睡眠の質が悪い人は糖尿病のリスクが増加 南オーストラリア大学の研究グループは、オーストラリアに住んでいる約1000人を対象に調査を実施。睡眠障がいがあるかどうか、何時から何時の間に眠るのか、毎日何時間くらい睡眠時間を確保しているのかなどを調べました。 その結果、質の良い睡眠が取れていない人は質の良い睡眠ができている人よりも、糖尿病を発症するリスクが高いことが判明したのです。 南オーストラリア大学の看護学部に所属するリサ・マトリチアーニ氏は「睡眠は時間の長さだけでなく質も大切だ。どれだけ熟睡できているか、毎日規則正しい時間に寝られているかにも気を配ることの重要性が、今回の研究でわかった」と述べています。 睡眠の質を改善するために では、どのように生活すれば睡眠の質を改善できるのでしょうか? 北陸先端科学技術大学院大学などで構成されたグループは、この疑問に答えるためにある研究をおこないました。 研究グループは、東京都江東区と愛媛県松山市にそれぞれ住んでいる40~64歳の成人683人を対象に調査を実施。対象者の睡眠の質をアンケートで調べたほか、日々の身体活動も7日間にわたって測定しました。 その結果、座ったり寝たりする時間を1時間減らして、その代わりに中強度から高強度の運動をする時間を60分増やすと、睡眠の質を改善できることがわかりました。特に中年女性で大きな効果が得られたとしています。 研究グループは「睡眠障がいを予防するためには、活動的な生活スタイルを構築していくことが必要だ」と述べています。 中強度から高強度の運動といっても、ジムなどに通う必要はありません。意識的に早歩きするだけでもその効果が得られると考えられています。日々のちょっとした時間に取り組んでみると良いかもしれませんね。
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高齢者を狙う詐欺も…。「ルフィ」の指示による強盗・詐欺事件が各地で

山口県岩国市で起きた強盗未遂事件で運転手役を務めた男の初公判が、山口地裁で開かれました。 被告が起こした事件は、「ルフィ」と名乗る男が関与したとされる一連の強盗事件のひとつと見られています。 事件の経緯 起訴状などによると、被告は2022年の11月に、ほかの男4人とともに山口県岩国市にある会社役員の自宅に侵入したそうです。金品を盗もうとするも、家主が日本刀を持ち出すなどして抵抗に遭い、何も奪わず逃走したと見られています。 これだけではありません。 被告はその日のうちに、「ルフィ」と名乗る男から別の指示を受けて、今度は岡山県総社市に住む89歳の女性から現金をだまし取った疑いも持たれているのです。 起訴状によると、被告は警察官になりすまして高齢女性からキャッシュカードをだまし取り、現金およそ120万円を引き出したそうです。 以上のような起訴内容に対し、被告は「間違いない」と容疑を認めています。 茨城県でも強盗事件 1月30日、今度は茨城県でも別の強盗事件が発生しました。 警察の調べなどによると、30日の午後11時30分ごろ、会社員の男性が車で移動していると別の車2台が前後から男性の車を挟む形でやってきたそうです。 会社員の男性の車が停止すると、男が車から出てきて男性に金品を要求。現金約37万円が入ったバッグを奪い、男らは逃走したそうです。 この強盗事件を起こした犯人は3人組の男と見られています。警察は、「ルフィ」と名乗る男が関与したと思われる、一連の強盗事件との関係も視野に捜査を進めています。 全国で強盗や詐欺が後を絶ちません。高齢者は、警察などを名乗った犯人による詐欺事件に巻き込まれるケースが多いです。怪しい電話がかかってきたらすぐに応じず、警察や周囲の人に相談すると良いですね。
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群馬県、高齢者施設でも虐待数が過去最多!?利用者に熱湯を浴びせる事件も

群馬県が2021年度における高齢者施設で起きた虐待件数を調査。その結果、相談・通報件数が48件、実際に虐待と認められた件数が10件で、いずれも過去最多となったことがわかりました。 施設内での高齢者虐待件数が過去最多 2021年度、高齢者施設で起きた10件の虐待の内容を種類別(複数回答)にすると、高齢者を殴ったり手足を拘束したりするなどの身体的虐待が8件、高齢者に罵声を浴びせたり言葉で行動を制限したりするなどの心理的虐待が3件だったことがわかりました。 さらに群馬県は、虐待が発生した要因も調査。その結果、以下のような要因で施設内で虐待が起こったことが明らかになりました。 虐待防止や身体拘束廃止に向けた取り組みがあまりできていなかった 職員がストレスや感情をうまくコントロールできなかった 呼び出しが多すぎるなど、手のかかる利用者だった 群馬県渋川市では、職員が利用者の身体を拭かないなど不衛生な状態にしていたなどの複数の身体的・心理的虐待がありました。2022年12月には、その虐待があった施設を運営していた事業者に対して、群馬県は業務改善命令を出しています。 群馬県桐生市の事例 2023年1月10日にも、群馬県桐生市の特別養護老人ホームで利用者に熱湯をかけるなど虐待をしたとして、施設で働いていた介護士が逮捕されるという事件もありました。 警察の調べによれば、2022年9月1日の午前10時ごろ、逮捕された介護士は利用者の入浴介助をしていたとのこと。このとき、入浴していた女性利用者にシャワーで熱湯をかけて頭や胸などに重症を負わせた疑いが持たれています。 介護士は容疑を認めていて、警察はさらに詳しく調査を進めていく方針です。 高齢者施設内で虐待が起こってしまう理由のひとつに、職員間のコミュニケーション不足が挙げられます。お互いがどう利用者と接しているのかがわからないからこそ、裏で利用者に対して強く当たってしまうのです。 逆に、コミュニケーションが円滑におこなわれていれば、虐待の前段階で注意を促したり担当を変えたりするなどの対策を打てます。綿密に職員間でコミュニケーションを重ねて、虐待を未然に防いでいってほしいですね。
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1日10分でOK!認知機能の改善には早歩き程度でも効果あり?

新たな研究で、ある程度以上の強度で運動をすると、認知機能が改善する可能性が示されました。 この研究はイギリスのロンドン大学が主導する研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Epidemiology & Community Health」という学術誌に掲載されました。 対象者をグループ分け 今回の研究は、イギリス在住の約4500人を対象に実施。また、ずっと座ったり眠ったりするなど活動量が少なかったグループと、中強度から高強度の運動を毎日約10分おこなったグループに対象者を分類しました。 ここでは、中強度の運動を早歩きや自転車、階段の上り下りなどを指しています。また、ジョギングや水泳、上り坂のサイクリングなど息が切れるくらいの運動を高強度の運動としています。 中強度以上の運動をすると認知機能が改善 研究グループは、対象者に活動モニターを装着してもらい、日々の活動を記録。それから、運動が記憶力や問題解決力などの認知機能にどう影響を与えたかを分析しました。 その結果、中強度から高強度の運動を毎日10分程度おこなったグループは、ずっと座ったり眠ったりしていたグループに比べて認知機能が改善したことが明らかになったのです。 特に、計画や整理などの実行機能に大きな変化が現れたと言います。 この結果を受けて、ラトガーズ大学に所属するスティーブン・マリン准教授は「短時間であっても運動する習慣を身につけることの重要性が示された」と述べました。 今回の研究をリードしたロンドン大学のジョン・ミッチェル教授は「研究参加者の元々の健康状態や睡眠の質など不明な点も多いので、さらに結果を検証していきたい」としています。 ジムに行ったりしなくても、歩くときにいつもより意識的に速く歩くだけでも効果がありそうです。お出かけのときに、試してみてはいかがでしょうか。
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グループホームの夜勤削減、特養の定員増加…介護現場はどう変わった?

2023年1月16日、厚生労働省で「社会保障審議会介護給付費分科会」が実施されました。そこでは、2024年度の介護報酬改定に向けて、今後おこなう調査研究の内容と日程が決められました。 介護施設の人員配置について 介護給付費分科会では、まず介護施設の人員配置基準の改定に関する調査について話し合われました。 認知症の人のみが入所可能なグループホームは、原則として1ユニット(利用者最大9人)につき夜勤の職員数は1人以上を確保するという決まりでした。しかし、2021年度の介護報酬改定で、同じ階なら3ユニットにつき2人以上の夜勤者がいれば問題ないと規制が緩和されたのです。 今後、その実施状況と運営への影響を調査していき、速報値を9月ごろには報告する予定だとしています。 また、少人数制で手厚い介護をすることを目指したユニット型の特別養護老人ホームも、2021年度の介護報酬改定で、1ユニットの利用者の定員を10人から最大15人まで認められるようになりました。さらに、ユニット型と大人数の介護をおこなう従来型の特養を併設する場合は、介護職員と看護職員の兼務も可能になったのです。 特養の規制緩和についても、これから効果を実証するための調査をおこない、今後の課題を検討していくとしています。 LIFEの活用状況などに関する調査も決定 1月16日におこなわれた介護給付費分科会では、ほかにも以下のような、新しい取り組みにおける調査を実施することが決定されました。 オンライン会議などICT(情報通信技術)の活用状況 介護記録などを提出してそのフィードバックを受けるLIFE(科学的介護情報システム)の活用状況 認知症介護に関する基礎研修を義務化したことによる効果の検証 LIFE(科学的介護情報システム)とは、科学的根拠に基づいた介護の実践を目指して厚生労働省が推進している取り組み。利用者の状態や日々のケアの記録などを決められた書式で提出すると、ケア改善のフィードバックが受けられるというもので、今後更なる導入の拡大が期待されています。 また、2024年度は介護報酬と診療報酬が同時に改定されることになっているため、診療報酬改定を審議する厚生労働省の諮問機関、中央保険社会医療協議会との意見交換会もおこなわれることが決定されました。 今回は施設を運営する管理者からの視点で職員の人員配置についてなどの調査が議論されました。今後、一般の介護職員など現場の声も聞いた実態調査もおこなってほしいですよね。
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介護現場にもっとロボットを!「リビングラボ」が開発と介護現場をつなぐ

厚生労働省は、介護業務が効率的におこなえるように、介護ロボットの開発・普及を促進。その一環として、介護ロボットの開発拠点となる「リビングラボ」の整備にも取り組んでいます。 このリビングラボには介護ロボットを開発する企業とそれを使う介護現場をつなぎ、ニーズにあった介護ロボットの開発をサポートする狙いがあります。 リビングラボについて 「リビングラボ」とは、「日々の生活や仕事現場(リビング)」を「製品開発の場(ラボ)」に見立てて、現場の声から新しい製品やサービスなどを生み出すというものです。 現在、介護ロボットに関連するリビングラボは日本全国に8ヵ所あり、介護ロボットの効果測定や安全性の評価をおこなっています。運営主体は大学や介護事業所などさまざま。また、それぞれ異なる特色があります。 例えば、愛知県の藤田医科大学のラボでは、リハビリの専門医や理学療法士などの意見が聞けます。また、多数の介護施設を運営する大手企業のラボでは、現場の声を聞いたり実際に使ってみたりすることが可能です。 スマートライフケア共創工房の事例 九州工業大学の「スマートライフケア共創工房」も8ヵ所のリビングラボのひとつ。介護ロボットの効果を現場に近い形で測定するために、介護用のベッドやトイレ、浴槽など現場でよく使われているものが設置してあります。 2020年には、トヨタグループの一社である株式会社ジェイテクトが、介助者が利用者を抱き上げる動作を助けるパワーアシストスーツの効果検証を共創工房に依頼しました。 共創工房では、パワーアシストスーツがどれだけ介助者の腰への負担を軽減するかを測定。特別養護老人ホームでも実際に使ってもらって、現場の意見を聞きながら改良を加えたと言います。 共創工房の代表でもある、九州工業大学大学院の柴田智広教授は、「企業が想定する介助者の動きと、実際に介護職員が現場でする動きは異なることが多い。現場で使える製品を開発するためには、ラボと介護現場、もしくはラボ同士の連携や情報共有が必要だ」と話しました。 介護はどうしても腰に負担がかかってしまうため、腰を壊して退職を余儀なくされる介護職員も少なくありません。こうした人を減らすためにも、今回の「リビングラボ」のような取り組みを広げて、介護職員の負担を減らしていってほしいですね。

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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