田中 達也さんの
執筆記事一覧

大学卒業後、カンボジアに移住。NGOスタッフとして現地の子どもたちに日本語を教える。帰国後、2年にわたりグループホームの職員として認知症介護に従事した後に独立。現在はフリーライターとして、介護業界や海外観光などに関わる記事を執筆している。保有資格:介護職員初任者研修修了、日本語教師養成講座修了。
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介護職員へギフトカード配布!介護や福祉、保育などの職員へ支援策

2023年8月30日、大阪府の吉村洋文知事が記者会見を開催。介護や福祉、保育関係で働いている職員に対し、1人あたり2万円のギフトカードを配布する方針を明らかにしました。 また、配布するギフトカードの財源を盛り込んだ、今年度の補正予算案を9月の府議会に提出するといいます。 介護などの職員にギフトカードを配布 8月30日に開かれた記者会見にて、大阪府の吉村知事は介護や福祉、保育などの現場で働く職員に対し1人2万円分のギフトカードを配ることを発表。厳しい物価高騰が続く中で、新型コロナウイルスとの戦いも続いていることを踏まえた措置だと考えられます。 会見で吉村知事は「介護や福祉、保育などの仕事に従事されている方々へ、コロナ禍が残る緊張感の中で働いていただいていることに感謝する。十分なものではないかもしれないが、支援策を講じることにした」と述べています。 ギフトカード配布の対象者は40万人以上に 今回、2万円分のギフトカードが配布される対象者は、公務員を除き、大阪府内で介護や福祉、保育などの現場でサービスを提供しているすべての職員。その人数は約41.4万人に上るとみられています。 ギフトカードは、対象領域の施設や事業所を通じて職員に配布する仕組みを想定。実際に配布する時期は2023年12月~2024年2月頃を予定しているそうです。また、予算はおよそ87億円に上るといいます。 吉村知事は会見の中で、数あるエッセンシャルワーカーの中でも介護や福祉、保育の領域で働いている職員の収入が特に上がりにくい現状について言及。「国を挙げて、給料を上げていかなければならない。政府にはぜひ実行してもらいたい」と述べました。 ギフトカードの配布は喜ばしいことですが、根本的な解決にはつながらないのも事実。手厚いケアをおこなえる体制をつくっていくためにも、国には介護報酬の引き上げなどより抜本的な対策を打ち出していってほしいですね。
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補聴器じゃなく「軟骨伝導イヤホン」!?難聴の入居者に施設が導入

奈良県河合町にある介護付き有料老人ホームにて、耳の聞こえにくい入居者に向けて「軟骨伝導イヤホン」を導入するという全国初の試みがおこなわれようとしています。 イヤホンを利用してもらい、入居者のコミュニケーションをより円滑にするねらいがあるといいます。 奈良県の老人ホームで「軟骨伝導イヤホン」を導入 奈良県河合町にある老人ホーム「奈良ニッセイエデンの園」は、入居者向けの窓口に「軟骨伝導イヤホン」の導入を決めたことを明かしました。 今回導入されるイヤホンには、奈良県立医科大学の細井裕司氏が発見した「軟骨伝導」の技術を応用。軟骨伝導とは、耳の軟骨を振動させて音を伝える仕組みで、これを使ったイヤホンなら従来の補聴器よりも音漏れがせず、痛みも少ないといいます。 細井氏は2023年9月4日に「奈良ニッセイエデンの園」を訪問し、「軟骨伝導イヤホンを利用して人の話を理解しようとすることで、脳が活性化して認知症の予防につながる」と説明しました。 また、老人ホームの枡田悦弘総園長は「園内には難聴で困っている人も多い。1人でも多くの人の役に立てれば」と話しています。 聴力と認知機能の関連性 聴力は加齢とともに低下しやすいと言われています。その原因は、騒音による聴覚細胞の損壊や脳の聴力をつかさどる部位の衰えなどさまざま。「年のせいだから」と放っておく人も少なくありません。 しかし、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学による研究によると、加齢とともに低下した聴力をそのままにしておくと認知症を発症するリスクが高まることが明らかになりました。 研究グループは「難聴の人は言葉の聞き取りに集中する必要があるため、記憶への注意力がおろそかになる。また、コミュニケーションが困難なため、社会的にも孤立するリスクも高い」と指摘しています。 また、別の研究で、社会的に孤立してコミュニケーションの機会が少なくなることでも認知症の発症リスクが高まることが示唆されています。 難聴の入居者に軟骨伝導イヤホンを利用してもらう今回の試みは、入居者のコミュニケーション量を増やし、認知機能の低下を防ぐことが期待できます。この試みがさらに広がっていけば、高齢者がより豊かに生きていける社会をつくっていけそうですね。 参考:「加齢による「聴力低下」と「認知機能の衰え」の関連性」
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認知症でも仲間の手を借り絵画の制作。蛭子能収氏「最後の展覧会」

漫画家やタレントとして活躍していた蛭子能収氏が9月8日、新作絵画17点を集め、「最後の展覧会」と題した個展を開催しました。蛭子氏は2020年に認知症を公表。現在は表舞台から遠ざかり、通院したりデイサービスに通ったりして日々を過ごしているといいます。 蛭子氏の認知症について 蛭子氏は2020年に、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の合併症であることを公表しました。 ところで、この二つの認知症はそれぞれどのような疾患なのでしょうか? アルツハイマー型認知症は認知症のタイプの中で最も多い割合を占めているもの。脳内に「アミロイドベータ」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、脳全体が萎縮することで発症すると言われています。現在、完全に治す方法は確立されておらず、一度発症すると確実に認知機能の低下が進行していきます。 一方、レビー小体型認知症は脳全体に「レビー小体」と呼ばれる異常物質が沈着して発症すると考えられています。レビー小体型認知症では、認知症に共通する認知機能の低下に加えて、本来存在しないものが見える「幻視」や、身体全体が動かしにくくなったり震えたりする「パーキンソン病」などの症状が合併して起こりやすいとされています。 「最後の展覧会」と題した個展を開催 二つの認知症を患った蛭子氏は、一時期は創作活動から遠ざかっていたものの、2022年の秋頃から仲間の手を借りながら再スタート。2023年9月8日に新作絵画を集めた個展の初日を迎えました。今回の絵は蛭子氏がこれまで描いていたモノクロの画風とは異なり、色鮮やかな抽象画なのだといいます。 作品を見たファンからは「原色じゃない色で描かれているのが素晴らしいと思った」「いろんな絵の具の表情を出せることに驚いた」などの声が挙がっているそうです。 「最後の展覧会」と題した蛭子氏の個展は、9月末まで東京の南青山で開催されるそうです。蛭子氏が放つ色彩豊かな作品を見たい人は、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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夜勤の介護職員は休憩が取れていない!?約半数の人が心身に悪影響

介護業界における働く環境の整備や改善などに取り組んでいる、日本介護クラフトユニオンは夜間・深夜勤務の実態に関する調査を実施。その結果、約半数の介護職員が夜勤中に休憩を取れていないことが明らかになったのです。 組合員の夜勤の実態を調査 介護業界で働く人々で構成されている日本介護クラフトユニオンは、組合員の就業意識や勤務の実態を把握するための調査をおこないました。今回の調査の要領は以下のとおりです。 調査期間:2023年3月23日~4月28日 調査方法:月給制組合員、時給制組合員それぞれに調査票を配布 回答数:6010人 約半数の職員は休憩が取れず アンケートの中で、夜勤をしている介護職員に対して、夜勤中に休憩を取れているかどうかを尋ねたところ、月給制組合員・時給制組合員のどちらも約半数の人が「休憩を取れていない」と回答していたことが明らかになりました。 夜勤中に休憩を取れていない人にその理由を尋ねると、月給制組合員の61.7%、時給制組合員の79.3%と多くの人が「1人夜勤のため、職場から離れられないから」と回答したことが判明。ほかにも「利用者の対応に追われているから」「記録などの事務処理をしなければならないから」「職場の人数が少ないから」などの回答が目立ちました。 次に、「夜勤によって心身に悪影響が生じたか」と尋ねたところ、夜勤と日勤を交互に繰り返すことが多い月給制組合員の半数以上が「影響があった」と回答したことがわかりました。 具体的な影響を尋ねると、月給制組合員の86.2%とほとんどの人が「疲れが取れない」と回答。それから「眠りが浅くなった」「集中力が低下した」「イライラするようになった」などの回答が続きました。 さらに、「夜勤を安全に働くために必要な対策は何か」と尋ねました。すると、月給制組合員・時給制組合員のどちらも「夜勤の人数を増やす」という回答が最多に。続いて「休憩時間を取れるようにする」「次の日にきちんと休みが取れるようにする」といった意見が挙がりました。 1人勤務はご利用者のだれかが急変したときに、ほかのご利用者を見られなくなるなどのリスクが高まります。ご利用者が安全に過ごせる環境をつくっていくためにも、人員の基準を見直してほしいですね。 参考:「2023年度 就業意識実態調査 速報版」(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン)
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新たに複合型介護サービスができる!?通所介護と訪問介護がひとつに

2023年8月30日、厚生労働省の諮問委員会である社会保障審議会介護給付費部会が開かれ、デイサービスのような通所介護と訪問介護を組み合わせた新たな複合型サービスの創設に関する議論がおこなわれました。 新たな複合型サービスの創設は、以前から度々話し合われていたものの、委員からは「必要性を感じない」など否定的な意見も根強く、議論が見送られた経緯があります。 厚労省が複合型サービスの創設の意義を説明 訪問介護と通所介護を組み合わせたサービスの創設を提案した厚生労働省は、今回の会合でそれを検討する意義について改めて説明しました。厚生労働省が列挙した、複合型サービスの創設を検討する意義は以下のとおりです。 今後さらに在宅の介護ニーズが増加することが予測される ホームヘルパー不足で訪問介護の供給量が足りなくなる懸念がある 訪問介護と通所介護を両方運営している事業所が多いため、効果的な運用が期待できる 厚生労働省は、デイサービスなどの通所介護事業所の職員がホームヘルパーの仕事もできるようにすれば、人材をより有効に活用できるようになると説明しました。 創設の意義を疑問視する声も 今回の会合でも、新たな複合型サービスの構想そのものの意義を疑問視したり意義を唱えたりする声が相次ぎました。 日本経団連の理事を務める井上隆氏は「なぜ新たなサービスが必要なのか。事業所間の連携を深めれば済むのではないか」と構想を疑問視。また、全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は「ただでさえ制度が複雑だと言われている中で、さらに複雑化させるのは反対。複合型サービスを創設しなければ現場が成り立たないエビデンスも存在しない」と反論を示しました。 一方、「サービスの効率化や人材の有効活用など、うまくいけばプラスに働く側面もある」「複合型サービスを創設すれば、人材の有効活用や柔軟な対応が可能になり、より質の高いサービスが期待できる」と複合型サービスの構想を評価する声も聞かれました。 ただ、この構想が実現すると、よりスタッフの業務量が増えて介護の担い手が減ってしまうリスクも考えられます。抜本的に解決するためにも、まずは介護職員を増やすための施策を考えてもらいたいですね。
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認知症の家族に贈る本『1日が36時間になる日 家族が認知症になったら』

2023年8月30日、実用書を中心に出版事業をおこなっている株式会社クロスメディア・パブリッシングは、『1日が36時間になる日 家族が認知症になったら』を発売しました。 著者はそれぞれ、アルツハイマー型認知症の研究をおこなっているナンシー・メイスとピーター・ロビンズ。「認知症そのものを治すことはできなくても、当事者やその家族の生活の質を向上させることは可能だ」という考えのもと、適切な認知症ケアの方法を具体的な事例とともに本書に示しています。 日本で刊行される意義 認知症研究のスペシャリストが著した本書を日本で刊行する意義は絶大です。なぜなら、日本は世界で最も認知症を発症している人の割合が大きい国だからです。 総務省統計局の発表によると、2022年9月時点における日本の65歳以上の高齢者割合は29.1%で過去最多を更新したといいます。 また、日本の高齢化社会が進展するにしたがって、認知症有病者数も増加傾向にあることが判明。九州大学らの研究グループがまとめた「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」によると、2020年時点での認知症有病率は16.7%で、65歳以上の高齢者の6人に1人は認知症であることがわかったのです。 認知症を患っている高齢者の介護がもたらす、家族への負担は少なくありません。いざ、家族の誰かが認知症になったときに共倒れにならないためにも、正しい認知症ケアの方法を知っておく必要があります。 認知症ケアのハウツーを記述 今回発売された『1日が36時間になる日 家族が認知症になったら』では、家族が認知症になった場合のケアの方法や、認知症ケアがもたらす家族への負担を減らす方法などが具体的に記載されています。 特に、本書に特徴的なのは、認知症ケアをおこなう家族が抱く複雑な心理面についても言及していること。本書では、悲しみや怒り、絶望感などの負の感情にも向き合っていて、家族が認知症ケアを一時的に離れて心身を休ませることの重要性などを説いています。 また、日本では認知症ケアの相談窓口として地域包括支援センターが各自治体に設置されています。もし、認知症の介護で悩んでいる方がいたら、一度相談してみると良いかもしれません。
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「認知症予防」うその健康食品を販売!?高齢者に売りつける詐欺発生

2023年8月31日、「認知症予防」とうその効能をうたった健康食品を高齢者に販売した疑いで、容疑者とみられる男女5人が逮捕されました。 警察の調べに対し、容疑者は容疑を認めているとのこと。高齢女性を中心に、全国で9000人以上に販売し、約4億円2000万円を売り上げたとみられています。 認知症予防をうたった健康食品を販売 今回逮捕された容疑者5人は、2023年2~6月の間、高齢女性6人に電話をかけて、認知症予防をうたった偽りの健康食品を販売した疑いがもたれています。 関係者が入手した音声によると、容疑者は高齢女性に対し「75歳を過ぎたら3人に1人が認知症。『寝たきりと認知症だけにはなりたくない』と思っているみなさんが飲んでいる商品がイチョウ葉のエキスです。」と、認知症の効能をうたい文句にうその健康食品を販売していたことがわかりました。 主犯とみられる容疑者は、これまでに少なくとも4回会社名を変えて、同じ手口で繰り返し犯行を実行したことが判明。事務所からは、電話勧誘に使われたとされる高齢者の名簿が押収されています。また、固定電話には1年3ヵ月で113万回の発信履歴があったそうです。 18万円分の被害を受けそうになった人も 捜査を進めていると、2021年に認知症の80代の女性が被害に遭ったことも判明。その娘によると、18万円もするサプリメントの箱を見つけて詐欺を疑ったといいます。 女性は電話で断ったものの一方的にサプリメントが届き、代金の一部2万円を支払ってしまったそうです。その後、詐欺を疑った娘は商品を返品。すでに支払った2万円も現金書留で戻ってきたといいます。 国民生活センターは、「強引に健康食品を送りつけられたという相談が後を絶たない。商品が届いてもクーリング・オフが適用される場合もあるため、近くの消費生活センターに相談してほしい」と注意を呼びかけています。 また、身に覚えのない商品が届いたら事業所名などをメモした上で、受け取り拒否をすることも有効だそうです。周りの人にも相談して、被害を未然に防いでいきたいですね。
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半数以上の中高年が本を読まない!?視力の低下で読みづらいの声多数

ナレーターなどが朗読した音声を聴いて楽しむ「オーディオブック」の配信サービスを運営している株式会社オトバンクは、50歳以上の中高年を対象に読書習慣に関する調査を実施。その結果、「月に1冊も本を読まない」と回答した人が過半数を占めていたことが明らかになったのです。 50歳以上の中高年を対象に調査を実施 今回の調査は、以下の要領でおこなわれました。 調査日:2023年8月10日 対象者:50歳以上の男女 有効回答数:400人 調査方法:インターネット上でのアンケート調査 なお、今回の調査は、デジタルマーケティングなどを手がけるアイブリッジ株式会社が、オトバンクから委託されて実施したものです。 過半数の中高年が1冊も本を読まない アンケートの中で、1ヵ月間の読書量について尋ねたところ、「1冊も読まない」と回答した人が56%と過半数を占めていたことが判明。「7冊以上」と回答した人はわずか5.5%に留まりました。 また、若い頃と比べたときの現在の読書量について尋ねると、55.8%の人が「(大幅に・やや)減った」と回答。逆に「(大幅に・やや)増えた」と回答した人は10%未満でした。 さらに、「若い頃と比べて本が読みづらくなったと思うか」と質問。すると、「読みづらくなった」と回答した人が74.8%に上ったことがわかりました。 その理由について尋ねると、87%と大多数の人が「老眼や視力の低下」が原因で、本が読みづらくなったと回答していたことが判明。それから、「集中力が続かない」「ほかの趣味や楽しみに時間を使うようになった」「本を読む環境がなくなった」といった回答が続きました。 「本が読みづらくなった」と回答した人に、「読みづらいという悩みがなければもっと本を読みたいと思うか」と尋ねたところ、70.6%と過半数の人が「もっと本を読んでみたいと思う」と回答したことがわかりました。 最近では、音声で本を聴くオーディオブックや高性能な拡大鏡なども発売されています。一度気になったものやサービスを試してみても良いかもしれませんね。
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介護事業所が不正受給!?提供してない介護サービスを申告した疑い

2023年8月25日、兵庫県尼崎市内にある介護事業所の元職員らが、同市役所で会見を開きました。元職員らが働いていた介護事業所で介護報酬を不正に受給していた疑いがあるとして、市に事実解明を求めたのです。 介護事業所で不正受給の疑いあり 元職員の会見などによると、介護事業所を運営している一般社団法人は、2017年12月から2022年の春までに、介護サービスを提供していないのにかかわらず提供したと申告して3000万円以上を不正に受給した疑いがあるとしています。 元職員の証言の中には「週6日の介護報酬を請求しているのに、実際に働いたのは週1日だけ」というものもあるそうです。 さらに、利用者の介護をする度に担当したヘルパーが記入するはずのサービス実施記録を、法人幹部が書き込んでいた疑惑も浮上。この場合、不正受給額はさらに膨らむ可能性があるといいます。 元職員らから相談を受けた議員は、住民監査請求や警察への通報なども視野に調査を進めていく方針を示しています。 不正受給は指定の取り消し処分に 兵庫県では「介護保険制度は、国民から集めた保険料と公費から成り立っている公的な制度であり、制度の健全な運営によって国民からの信頼を確保しなければならない」として、介護事業所の不正防止に取り組んでいます。 具体的には、定期的な運営状況の確認や、実際に事業所に赴いて指導をおこなう実地指導などを実施。事業所の不正が疑われるような場合は、事業所の運営状況をさらに詳しく精査し、場合によっては行政処分をおこなうといいます。 特に今回疑われているような、介護報酬の不正受給に関する処分は重く、一発で最も重い指定取り消し処分が下される可能性があります。 実際に、2014~2018年の間に、兵庫県尼崎市内にある介護事業所に下された6件の指定取り消し処分のほとんどは、介護報酬の不正受給が原因です。 施設で暮らしている高齢者が安心できる環境をつくっていくためにも、誠実な運営を心がけてほしいですね。 参考:「介護サービス事業における法令遵守・指導監査方針について」(兵庫県)

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

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