火の不始末は心配ですね…。禁煙を促す方法としては、まずはタバコのデメリットや危険性をしっかり伝えることが大切。ご家族だけで説得が難しいときにはかかりつけ医などの専門家から禁煙を勧めてもらうのも有効でしょう。
すぐに禁煙させたいからといって、タバコを取り上げたり、お父様の気持ちを否定する言動はNG。お父様に共感して話を聞きながら禁煙を進めていきましょう。
実家で一人暮らしをする認知症の父の介護をしています。最近、物忘れがひどくなって、認知症の進行を感じています。
それに関係するのか、このところタバコの火をきちんと消していなかったり、火が付いたまま机の上に置きっぱなしになっていることが何度かありました。
それは怖いですね…。
そうなんです。火事が怖いので禁煙するように言っているのですが、聞く耳を持たず…。いつも最後には口論になってしまうので、疲れました。
口論になってしまうんですね…。もしかしたら、認知症の人のタバコを止めさせるのにNGな対応をしてしまっているのかもしれません。
NGな対応ですか?どんなものでしょう?
例えば、タバコを勝手に取り上げることです。
認知症の方は、認知機能の低下の影響で、不安感が大きくなったり他の人への不信感が大きくなる傾向があります。なので、お父様の許可を得ずにタバコを取り上げてしまうと、お父様が自分の気持ちや嗜好を否定されたように感じてしまうんです。
この間、一度タバコを取り上げたことがありました。あまりに騒ぐので返したのですが、あんなに大騒ぎしたのは認知症の影響もあったんですね。
父の安全のことを考えてしたことですが…。父の気持ちを考えていませんでした。
それに、喫煙者がタバコを止めるとイライラしやすくなります。特に認知症の方は、感情の抑制がしにくくなっているので、暴言や暴力が出やすい傾向があります。
つまり、気持ちを否定せずにタバコを止められるようにするのが大切なんですね。
具体的には、どうやって禁煙させれば良いんでしょう?
既にやっていらっしゃるかもしれませんが、まずは説得が大切です。タバコを吸うことのデメリットや、タバコを止めることのメリットを伝えるんです。
このときに、お父様の気持ちに共感することを心がけましょう。長年の習慣を止めることは寂しさがあるかもしれませんし、喫煙がストレス解消になっているのかもしれません。
説得は、感情的にならずに落ち着いて話をするのがカギ。共感しつつ伝えたいことを話しましょう。
父があまりにも頑固なので、毎回、感情的になっていました…。だから、ケンカになってしまったのかな。
また、かかりつけ医に禁煙を勧めてもらうのも良いでしょう。ご高齢者は、ご家族の言葉には耳を貸さなくても、第三者、特に専門家の言葉なら聞き入れる傾向があります。
なので、タバコを吸い続ける危険性や、無理のない禁煙方法などを説明してもらえると、納得して禁煙してくれるかもしれません。
タバコは「百害あって一利なし」と言いますよね。ここで改めて、タバコを吸うことの危険性について確認しておきましょう。
実は、喫煙が認知症の症状を進行させる可能性があります。
えっ!そうなんですか!?
タバコに含まれているニコチンの影響で脳に酸素が届かなくなり、脳細胞が死滅してしまうと言われています。そのせいで、脳の機能が低下してしまうんです。
そもそも、タバコは認知症の原因のひとつとされています。50~60歳の頃から毎日タバコを吸っていると、高齢になって認知症のリスクが倍増するとも言われています。
それくらいタバコは脳に悪影響を与えるものなので、少しでも認知症の進行を抑えるためにお父様の禁煙を進めていきましょう。
私は火事も心配です。認知症が進行したせいか、火の始末がきちんとできていないことが増えてきて。はじめに話したとおり、灰皿を使わずに適当なところに火の付いたタバコを放置してしまうんです。
物忘れも進んでいるので、タバコを置いたことも忘れてしまっているのかもしれません。
それに、お父様が一人暮らしであるのも心配ですよね…。認知症が進行すると、それまで普通にできていたことができなくなってしまうことがあります。
もしかしたら、そのせいでタバコの火の始末の方法がわからなくなってしまったのかもしれません。寝タバコをして火事になってしまうケースもありますから、なんとか説得して禁煙を進めたいですよね。
父の健康のためにも安全のためにも、どうにかタバコを止めるように説得します。
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