高齢化に伴って増加しているのが、心不全の患者数です。2020年時点で124万人いると推定されており、患者数が急増することをあらわす「心不全パンデミック」という言葉もあるほどです。
その心不全の前兆のひとつが息切れです。「最近、すぐに息切れするようになった」と身に覚えがある人もいるのではないでしょうか。
そうした状況を受けて、群馬大学医学部付属病院が県内初の「息切れ外来」を開設。ここでは、運動をしながら心臓の動きを調べるという珍しい形の検査を実施するそうです。
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今月、群馬大学医学部付属病院が新設したのは「息切れ外来」です。
この息切れ外来は、「隠れ心不全」を早期に診断することが目的のひとつ。隠れ心不全とは、心不全の初期段階のことでほとんど症状がないことが特徴です。
加えて、安静時では検査をしても異常が出ないことが多く見逃されやすいのが問題でした。
そこで息切れ外来では、横になった状態でエアロバイクのようなペダルをこぐことで、心臓に適度な負担をかけながらおこなう検査機器を設置。息切れ時の心臓の動きや、圧力、弁の状態などを詳細に確認できるそうです。
この検査は「運動負荷心エコー図検査」と呼ばれるもので、従来のエコーや胸部エックス線、心電図といった検査では捉えにくい心臓の異常を発見しやすく、より正確な診断ができます。
こうした検査ができる設備は全国でも少なく、群馬県内では初めてだそう。息切れ外来の開設によって、早期の心疾患の治療をおこない健康寿命の延伸をはかるとしています。
群馬大学医学部付属病院によると、心不全で入院した人の4人に1人が1年以内に亡くなったり再入院するそう。治療後の経過は、がんよりも悪いとも言われています。
また、「慢性心不全」まで悪化すると、生活の質(QOL)が落ちることも調査によってわかっています。これは患者本人だけでなく、患者の生活をサポートする家族もQOLが低下するという調査結果が出ています。
以下の記事で詳細に触れているので、気になる人は参考にしてみてください。
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-5524/
もし、息切れ外来で早いうちに心不全が発見できれば、生活に支障が出る前に治療を始められるかもしれません。
「息切れぐらいで恥ずかしい」と受診しにくいものですが、悪化したときの医療費や家族への負担を考えると”いっときの恥”と割り切って、病院に足を運んでみるのも良いのではないでしょうか。
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