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#フレイル予防 #介護予防 #最新研究

【筋力低下】高齢者はビタミンD不足に要注意!サルコペニアリスクが上昇

新たな研究で、ビタミンDが不足している人はそうでない人に比べて、筋力が年齢とともに衰えていく「サルコペニア」の発症リスクが上昇することが明らかになりました。 今回の研究は、国立長寿医療研究センターや名古屋大学などで構成される研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」という医学誌に掲載されています。 サルコペニアとは そもそも、「サルコペニア」とは何でしょうか? サルコペニアとは、年齢を重ねるにつれて筋肉の量が減っていく老化現象のこと。早い人では20代後半から進行が始まり、生涯を通して筋肉が衰えていきます。 サルコペニアを発症すると、歩く速度が低下するほか、着替えや入浴などの日常生活の動作もしにくくなります。また、バランスの維持が難しくなるため、転倒や骨折のリスクも上昇します。 対象者の筋力の変化などを調査 研究グループは、国立長寿医療研究センターが実施している、老化についての長期的な疫学研究である「NILS-LSA」で集められた医療データを分析することに。そのデータは、「NILS-LSA」に参加した40歳以上の男女1919人のものを使用しました。 調査では、対象者をビタミンDが充足しているグループと不足しているグループに分類。それから、4年にわたって筋力の変化や筋肉の量、サルコペニアの新規発症数などを調べました。 ビタミンDが足りない人は筋力低下する傾向に 対象者の医療データを解析した結果、ビタミンDが不足している人はそうでない人に比べて筋力低下がより進行し、サルコペニアにかかる割合が上昇したことが明らかになりました。 つまり、ビタミンDが不足している状態が続くと、筋力が衰える速度が加速するリスクが示されたのです。 ビタミンDはキノコ類や魚介類に多く含まれると言われています。ビタミンDを意識的に摂取した上で適度な運動もおこなって、筋力低下の防止に努めたいですね。

2023/02/22

#最新研究 #肥満 #高血圧

【高血圧改善】ヨガが血圧を下げる!?ストレッチよりも効果アリ

新たな研究で、肥満や高血圧がある人でもヨガに一定期間取り組めば血圧が低下し、心筋拘束などの発症リスクが下がることが明らかになりました。 この研究はカナダのラヴァル大学などの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Canadian Journal of Cardiology」という学術誌に掲載されています。 肥満や高血圧がある人にヨガを実施 研究グループは、高血圧やメタボリックシンドロームと診断された60人を対象に調査をおこないました。 また、対象者を2つのグループに分類。両方のグループに1日30分間の有酸素運動を週5回おこなってもらいました。さらに、片方のグループにはヨガを1日15分間、もう片方のグループにはストレッチ運動を1日15分間それぞれ追加したのです。 これらの運動トレーニングは3ヵ月にわたって続けられ、その後研究グループによって結果が評価されました。 ヨガに取り組んだグループは血圧が低下 調査の結果、ストレッチをしたグループに比べて、ヨガをしたグループの方がより血圧が低下し、10年間の心血管疾患のリスクを予測するスコアも改善したことが明らかになりました。 ヨガに取り組んだグループの最高血圧の平均値は、研究開始時で130mmHgでした。それが、3ヵ月後には119mmHgまで低下していたのです。 以上の結果を聞くと、早く運動に取り組みたくなる気持ちが出てくるかもしれません。しかし、研究をおこなったラヴァル大学のポール・ポワリエ博士は「肥満や高血圧があり、普段運動をする習慣がなかった人が新たに運動に取り組む際には、安全に留意する必要がある」と注意を促しています。 ポワリエ氏は「ヨガなど運動習慣を新たに身につける際には、初心者向けに考案されたものなど、負担が軽いものからおこなっていくと良い」としています。 ヨガは呼吸を整えることで、精神をリラックスさせる効果もあると注目されています。心身の健康のために、ヨガをやったことのない人は、新たにヨガ習慣を取り入れても良いかもしれませんね。 出典:「Adding yoga to regular exercise improves cardiovascular health and wellbeing」

2023/02/20

#最新研究 #糖尿病予防 #肥満 #高血圧

【生活習慣病予防】高齢者は肥満で糖尿病と高血圧のリスクが大きく上昇

新たな研究で、肥満度が上昇すると糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスクも上昇することが判明。また、男性と女性でリスクの上昇の仕方が異なることも明らかになりました。 この研究は、神戸大学大学院によっておこなわれ、その研究結果は「Scientific Reports」という学術誌に掲載されています。 肥満度とともに糖尿病の有病率が上昇 研究グループは、65歳の神戸市民約1万1000人を対象に調査を実施。対象者は肥満度が低い方から、低体重、普通、肥満度1、肥満度2、肥満度3と5つに分類。それから、糖尿病、高血圧、脂質異常症という肥満に起因する代表的な3つの疾患の有病率を、対象者の肥満度別に分析しました。 まず、糖尿病の有病率を調査。すると、普通体重の人の有病率は7.3%でしたが、体重が増えるに従って有病率が19.3%、29.9%、52.5%と大きく上昇したことがわかったのです。 脂質異常症の肥満度ごとの有病率は緩やかに上昇 高血圧と脂質異常症における有病率の調査でも、同様の傾向にあることが判明。ただ、脂質異常症の肥満度ごとの有病率は、普通体重の人が62.8%、肥満度1の人が75.6%、肥満度2の人が78.5%、肥満度3の人が80.0%と、肥満度ごとの有病率の上昇幅が小さいことが明らかになりました。特に女性で、この傾向が顕著だったとしています。 このことから、肥満に起因する生活習慣病を予防するには減量が必要なものの、特に女性が脂質異常症を予防するには減量だけでは不十分で、睡眠や運動など全体的な生活習慣の改善が必要なことが明らかになったのです。 以上の結果を受けて、今回の研究をリードしてきた田守義和特命教授は「日本人を含む東アジア人は内臓脂肪が溜まりやすいため、軽度の肥満であっても糖尿病や高血圧、脂質異常症のリスクが高まることがわかっている。これから健康寿命をさらに伸ばしていくためには、日本人独自のデータを集めていくことが重要だ」と指摘しました。 糖尿病や高血圧といった病気は、特に高齢者に多い病気です。これらの病気を防ぐには、やはり食事や運動、睡眠などの生活習慣全般の改善が必要であることが、今回の研究で改めてわかりますね。

2023/02/20

#便秘 #最新研究

【便秘対策】高齢者は要注意!毎日出ているのに便秘のワケは

整腸剤などを販売しているビオフェルミン製薬が、高齢者に向けて便秘の注意点や対策を紹介しました。 便秘になると気持ちが落ち着かないだけでなく、さまざまな病気の原因になることも最近の研究で明らかになってきています。便秘を予防して、快適な毎日を過ごしましょう。 便秘とは 日常的に便秘に悩まされている人も多いかもしれません。そもそも、便秘とはどういった症状なのでしょうか? アメリカのクリーブランドクリニックに所属しているアガチャン医師によると、以下のような症状があったら便秘だと見なされるそうです。 排便の回数が少ない 排便するときに苦痛をともなう 排便するのに長い時間がかかる 排便するときに下剤や浣腸など補助薬を使わないと出ない 排便してもすっきりしない 排便しようとしても出ないことがある 以上のように、便秘とは単に排便の回数が少ない状態のみを指すわけではありません。日本内科学会の定義でも、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても、便が残っているような感覚やお腹が張っているような感覚がある状態」を指すとされています。 便秘の原因 高齢者は、食事量が減るため便のかさも減少します。すると便として排出しにくくなるため便秘になりやすくなるのです。 また、人によってはのどの渇きを感じる機能が低下したりトイレを面倒に思うようになったりして水分を控えることも。水分を控えると便に含まれる水分量も減り、便が硬くなって便秘になります。 そのほか、姿勢が悪化してお腹に圧力をかけにくくなったり、加齢で腸の働きが鈍くなったりするのも便秘の原因になります。 便秘の対策方法 では、どうすれば便秘を予防できるのでしょうか? ビオフェルミン製薬は、以下のような対策が有効だとしています。 毎日朝食を食べて腸に刺激を与える 水溶性食物繊維を意識して摂って便を柔らかくする 水分も意識して摂る ヨーグルトや発酵食品など、腸内環境を整える作用のある食品を食べる 水溶性食物繊維は大根やアボカド、キノコ類などに多く含まれます。また、ヨーグルトなどに多く含まれ、腸内環境を整えるとされる乳酸菌は整腸剤で補えます。 歳を重ねるに従って腸の動きが悪くなるため、高齢になると多くの人が便秘を訴える傾向にあります。高齢者の便秘を放置していると、腸が塞がってしまう腸閉塞などにもつながるリスクがあるため、しっかりとした対策をおこなうことが大切です。 参考:「A constipation scoring system to simplify evaluation and management of constipated patients」(アメリカ国立医学図書館)

2023/02/15

#介護予防 #最新研究

【最新研究】100歳超えの高齢者の共通点は「遺伝子のスイッチ」?

100歳を超える高齢者は、加齢による病気にかかりにくく、認知機能も低下しにくいと言われています。 その謎を探るべく、慶應義塾大学などで構成される研究グループが新たな研究を実施。その結果、100歳以上の高齢者は、使う遺伝子を決定する「エピゲノム」の年齢が実年齢よりも若いことが明らかになりました。 この研究は、慶應義塾大学、岩手医科大学、KDDI総合研究所で構成される研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「The Lancet Healthy Longevity」と呼ばれる学術誌に掲載されています。 エピゲノムとは エピゲノムとはどんなものなのでしょうか? エピゲノムとは、DNAに組み込まれている遺伝子の中でどの遺伝子を使い、どの遺伝子を使わないかを決めるスイッチのようなものです。 一生変化しないDNAや遺伝子などと違い、エピゲノムは化学物質やストレスなどの外部刺激によって変化します。エピゲノムが外部刺激によって変化することで、私たちの身体は常に最適な状態に保てるのです。 また、エピゲノムが現在どんな状態かを調べることで、生活習慣病の前兆やどれくらい病気が進行しているのかなどもわかると言われています。 100歳以上の高齢者のエピゲノム年齢は実年齢より若い 今回、研究グループは101~115歳までの94人と、20~79歳までの健常な421人の血液から、DNAを抽出し、それぞれのエピゲノムを解析。その結果、100歳以上の高齢者のエピゲノム年齢が実年齢よりも若いことが明らかになったのです。 特に、がんと認知機能に関わるエピゲノムの年齢が若いことが判明。一方で、抗炎症作用のある遺伝子周辺のエピゲノムは、より老化が進んだ状態にあることもわかりました。 研究グループは「今回新たにわかったことを指標に、今後新たな生活習慣の改善法が開発される可能性がある」と期待を寄せました。 エピゲノムは、日々の生活によって変化するものです。今後研究がさらに進んで、長寿になるエピゲノムがどんなものかが解明されれば、エピゲノムを適正化させるために生活習慣を改善するという新しいアンチエイジングができるかもしれませんね。 出典:「日本人エピゲノム年齢推定法の開発と百寿者研究により、健康長寿に関与しうるゲノム上の特徴を発見」(慶応義塾大学)

2023/02/14

#フレイル予防 #介護予防 #最新研究

【介護予防】1日7000歩で死亡リスクが減少!プラス10分の運動

新たな研究で、1日5000~7000歩歩くと高齢者の死亡リスクが最大まで低下することが明らかになりました。 この研究は早稲田大学や京都先端科学大学などで構成される研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Medicine & Science in Sports & Exercise」という学術誌に掲載されています。 研究の概要 今回の研究では、「京都亀岡スタディ」と呼ばれる研究の参加者の歩数を評価することに。「京都亀岡スタディ」の概要は以下のとおりです。 研究期間:2011年から継続して実施 対象地域:京都府亀岡市 対象者:京都府亀岡市在住の人 目的:介護予防の推進と検証 研究グループは、「京都亀岡スタディ」参加者のうち、65歳以上の高齢者4165人を対象に1日の歩数を測定。歩数の少ない順に参加者を4グループに分類しました。その後およそ3年にわたる追跡調査をおこない、歩数と死亡リスクの関連性を調べました。 5000~7000歩歩くと最大まで死亡リスクが低下 調査の結果、1日5000~7000歩歩くともっとも死亡リスクが低下することが判明。それ以上歩いても死亡リスクは変わりませんでした。 また、1日の歩数が5000歩未満であっても、歩数を1000歩増やすことで高齢者の死亡リスクが23%低下することもわかりました。 つまり、1日のほとんどを座ったり寝たりして過ごしている高齢者であっても、今より少し歩数を増やすことでより長生きできる可能性が示されたのです。 この結果を受けて、早稲田大学スポーツ科学学術院に所属する宮地元彦教授は「厚生労働省が推奨している、今より10分多く身体を動かそうという取り組み『プラス・テン』の実践が、高齢者の長生きにつながる可能性が示された」と述べました。 「最近何もしなくても疲れてしまう」という高齢者は、健康と要介護の中間状態である「フレイル」かもしれません。しかし、フレイルは生活習慣を改善することで健康な状態に戻ると言われています。 長く元気に過ごすためにも、今までより少しだけ多く歩いてみてはいかがでしょうか。

2023/02/14

#嚥下 #最新研究

【嚥下】高齢者の嚥下機能を炭酸飲料が改善?とろみをつけても効果アリ

新たな研究で、炭酸が含まれたとろみ付きコーラは、炭酸が含まれていないとろみ付きコーラに比べて、口の中に残る量が少なく、飲み込みの反射もよりスムーズになることが明らかになりました。 この研究は東京医科歯科大学によっておこなわれ、その研究結果はScientific Reportsに掲載されています。 炭酸が含まれたとろみ付きコーラの効果を検証 別の研究で、炭酸が含まれている飲み物には、飲み込む機能を改善する効果があることが報告されています。炭酸がのどの粘膜を刺激することで、飲み物を飲み込む運動が促進されるそうです。 しかし、これまで飲み込む力が弱くなった高齢者がよく使う「とろみ」を付けた炭酸飲料での炭酸の効果を検証した研究はおこなわれていませんでした。 そこで、研究グループはとろみを付けた炭酸飲料の炭酸が飲み込む力に与える影響を調べることにしたのです。 炭酸があると素早い飲み込み反射が可能に 研究グループは、飲み込む力に障がいがある74~85歳の高齢者38人を対象に調査を実施。炭酸が含まれたとろみ付きコーラと、炭酸を抜いたとろみ付きコーラをそれぞれ3口ずつ飲んでもらって、内視鏡でのどの動きを分析しました。 その結果、炭酸が含まれたとろみ付きコーラは、炭酸を抜いたとろみ付きコーラに比べて口の中に残っている量が少なく、飲み込みの反射もよりスムーズになったことが明らかになったのです。 この結果を受けて、東京医科歯科大学大学院で摂食嚥下リハビリテーション学を研究している齋木章乃氏は「とろみ付き炭酸飲料は、飲み込む力を改善する効果があることがわかった。水分などが気管に入りやすくなる嚥下(えんげ)障がいを持っている人の、飲み込む力の訓練に有効な可能性がある」と結論付けました。 水分補給の時間は、いつもお茶を飲んでいるという高齢者は多いでしょう。たまにはコーラやサイダーなど炭酸が入った飲み物を出してみると、喜ばれるかもしれませんね。

2023/02/13

#介護予防 #最新研究

【最新研究】ペットを飼うと介護費が半減?”お世話”が介護予防に

新たな研究で、ペットを飼っている人は、飼っていない人に比べて介護費が大幅に減る傾向にあることが明らかになりました。 この研究は東京都健康長寿医療センター研究所によっておこなわれ、その研究結果は「PLOS ONE」という学術誌に掲載されています。 埼玉県鳩山町の疫学調査のデータを使用 研究グループは、2017年に埼玉県比企郡鳩山町でおこなわれた疫学調査に回答した460人の調査データを使用。対象者の平均年齢は77.7歳でした。 また、対象者のうち、ペットを飼っている人の割合は20.9%。ペットを飼っている人を100%とすると、犬と猫を両方飼っている人が24%、犬のみ飼っている人が42.7%、猫のみ飼っている人が24%でした。 ペットを飼っている高齢者は介護費が約半分に まず、研究グループは対象者の調査時における月額医療費を調べました。すると、ペットを飼っている人が4万8054円、ペットを飼っていない人が4万2260円であり、ほとんど差がないことがわかりました。 次に、対象者の月額介護保険のサービス利用費も調査。その結果、ペットを飼っている人が676円、ペットを飼っていない人が1420円と、ペットを飼っている人はペットを飼っていない人に比べて、介護費が約半分に抑えられていたことが明らかになったのです。 この結果を受けて、研究グループは「ペットを飼育することで責任感が生まれたり、規則正しい生活を心がけるようになったりなど、ペットの存在が日常生活の自立に良い影響をもたらした可能性が考えられる」と分析しました。 ペットと触れ合うことで気持ちが明るくなったり、家族とコミュニケーションが取りやすくなったりすることもあります。ペットは「毎日世話をする」という役割を持たせることで、高齢者に生きがいを与えてくれるのかもしれませんね。

2023/02/10

#コロナ対策 #最新研究 #虐待

コロナ禍の外出制限で高齢者虐待が増加。”社会的つながり”が虐待を防ぐ

新たな研究で、コロナ禍での外出制限によって高齢者が虐待を受けるリスクが高まったことが明らかになりました。 この研究は千葉大学の研究グループによっておこなわれたものです。 虐待を調査するため3つの質問を設定 今回の研究では、全国11の市町村に住む65歳以上の高齢者1万8236人にアンケートを実施。そのうち78.3%から回答を得ました。 また、調査対象とした期間は、最も厳しい外出制限が敷かれた2020年4~5月に設定。この期間に「どのような行動が制限されたか」また「虐待を受けたか。受けた人はどんな虐待を受けたか」などを調査しました。 虐待があったかどうかを調査するために設定した質問は次の3つです。 殴られたり部屋に閉じ込められたりの身体的虐待を受けたか 暴言を吐かれたり無視されたりなどの自尊心を傷つける家族の行動を経験したか 家族の誰かが、勝手にあなたの貯蓄や年金を使うことがあったか 研究グループは、以上の質問のうちひとつでもチェックがあったら、対象者が虐待を受けたと見なしました。 行動制限が高齢者虐待を引き起こした 調査の結果、全体の約1.6%にあたる288人が「虐待を受けた」と回答したことがわかりました。 また、高齢者が虐待を受けるリスクを、行動を制限した場合としなかった場合で比べました。すると、行動を強く制限すればするほど虐待を受けるリスクが高まることが判明。具体的には、「食料や日用品の買い出し」を制限した人が1.36倍、「近隣住民との交流」を制限した人は1.56倍虐待を受けるリスクが上昇しました。 この結果を受けて、研究グループは「社会的なつながりが希薄になるほど虐待のリスクが高まることがわかった。これを防ぐためには、将来別のパンデミックが起きたとしても、適切な感染対策を施した上で社会的なつながりを維持する必要がある」としています。 過去の研究でも、社会的なつながりで虐待を防げる可能性が示されています。近隣に住む高齢者を街中で見かけたら、ちょっと声をかけてみるだけでも虐待を防止できると良いかもしれませんね。

2023/02/09

#最新研究 #肥満

高カロリーな加工食品を食べ過ぎるとより食べ過ぎる!?食べ過ぎの悪循環に

新たな研究で、糖質や脂肪が多く含まれる高カロリーな加工食品を食べ過ぎると、摂取するカロリーの量を調節する脳の働きが低下する可能性が示されました。 この研究は、ペンシルバニア州立大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「The Journal of Physiology」という学術誌に掲載されています。 ラットに高カロリー食を与えて経過観察を実施 今回の研究では、ラット205匹を使用。ラットに脂肪分が多い高カロリー食を与えた後、記憶や学習を司るニューロンと、それに栄養を運ぶ脳細胞の一種である「星状細胞」の動きを評価しました。 研究グループは、脳と脊髄をつなぐ脳幹にある細胞の動きを阻害したことで、ラットが覚醒しているときのニューロンの働きを評価できるようになったとしています。 高カロリー食でカロリー摂取量の調節機能が低下 研究の結果、脂肪分が多い高カロリー食を継続的に摂取したラットは、摂取するカロリーの量を調節する機能が低下したことが明らかになりました。 3~5日間、高カロリー食を食べたラットは、ニューロンに栄養を運ぶ「星状細胞」の働きが悪くなることがわかりました。「星状細胞」の働きが悪くなることで、満腹であることを指し示すシグナルの伝達経路に異常が出てきたのです。 さらに、高カロリー食を10~14日間にわたって食べ続けたラットは、ニューロンの働きをサポートしている「アストロサイト」と呼ばれる細胞が反応しなくなることが判明。これにより、カロリー摂取量を調節する脳の機能が低下したのです。 この結果を踏まえ、ペンシルバニア州立大学に所属するカースティーン・ブラウニング教授は「脳と肥満につながるメカニズムを解明することで、食べ過ぎを効果的に治療する治療法の開発に役立てたい」と述べました。 今回のラットを使った研究で明らかになったメカニズムが、人間にも言えるかどうかはまだ明らかになっていません。今後の研究に注目ですね。 参考:「Brainstem astrocytes control homeostatic regulation of caloric intake」 参考:「Why a high fat diet could reduce the brain’s ability to regulate food intake」

2023/02/09

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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