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新たな研究で、ウォーキングなどの運動をすることで、脳内における糖の代謝を促すインスリンの値が改善し、認知機能も向上することが判明しました。 この研究は、ドイツ糖尿病研究センターによって発表されたものです。 インスリンと認知機能の関係 インスリンには、血糖を下げる働きがあります。運動不足などが原因で、筋肉や臓器、脂肪などでインスリンが効きにくい状態が続くと、やがて糖尿病になるのです。このインスリンが効きにくい状態のことを「インスリン抵抗性」と呼びます。 脳のインスリン抵抗性を放置していると、認知症の原因物質が脳内に溜まり、認知機能が衰え、やがてアルツハイマー型認知症の原因になるとも考えられています。 研究の内容 では、脳のインスリン抵抗性を改善すると、認知機能にどう影響があるのでしょうか? それを検証したのが今回の研究です。 研究グループは、21~59歳の肥満傾向にある男女21人を対象に、持久力を鍛えるトレーニングに8週間取り組んでもらうという試験を実施。肥満や運動不足だとインスリンが効きにくくなることがわかっているため、肥満傾向がある人が研究対象となったのです。 今回の研究では、トレーニングの前後にはMRIと呼ばれる装置を使って、脳のインスリン抵抗性を調べました。 すると、運動することで、脳内のインスリンの働きが標準体重の人と同じくらいまで改善されたことが明らかになったのです。また、脳内のインスリンの働きが良くなったことで、代謝も改善され、内臓脂肪も減少しました。 テュービンゲン大学糖尿病・代謝疾患研究所のステファニー・クルマン氏は今回の研究について次のように述べています。「今回の研究で、わずか8週間の運動でもそれに取り組むことで、肥満で悪化した脳内のインスリンの働きが回復することが示されました」 今後、研究グループは、運動によって脳内のインスリンのはたらきが改善することで認知機能の向上につながるかどうかについて、さらなる研究を進めたいとしています。
2022/12/09
11月7日、富士フイルム株式会社は、コンピューターが自動で学習し、背景にある法則を発見していくという機械学習を用いた、認知症を判定する新たな手法の研究を開始。高齢者専門の医療機関であり、多くの認知症患者を診察してきた、東京都健康長寿医療センターと共同で研究していくそうです。 今回、富士フイルムが今回試みた検査方法とは、メガネ型の装置で体の動きを解析し、認知症の人に多く現れる運動機能の低下を判定することで、認知症疑いを判定するというものでした。 共同研究の背景 現在、認知症を確定するためには、専門医が普段の様子を探る問診、MMSEと呼ばれる認知機能を測るテスト、脳の萎縮を確認するためのMRIなどが必要です。 しかし問診やMRIなど多くの検査が必要なため、認知症の判定は長時間かかります。受診した人の肉体的または心理的な負担もかなりのものでしょう。 そこで富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、より早く簡単に認知症を判定できないか模索することにしたのです。 研究の概要 富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、今月7日から、認知症の人約100人を対象に臨床研究を開始しました。 研究では、認知症の人がメガネ型の装置を装着します。そして、その人の視線の動き、まばたきの回数、頭部の傾き、歩行時のバランスなどといったデータを装置のセンサーが読み取り、それをAIが読み込んで解析。認知症診断に有効なデータを収集し、今後の研究に有効な指標の特定をしていきます。 さらに次のステップとして、収集したデータから認知症判定に必要なアルゴリズムを構築し、それから実際に認知症を判定して症例のデータを集めたいとしています。 厚生労働省によると、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。認知症の人を素早く適切な医療または介護サービスにつなげるためにも、この研究には期待したいですね。
2022/11/15
新たな研究で、筋肉に電気刺激を与えることで、脳由来神経栄養因子(Brain-derived Neurotophic factor 以後「BDNF」と記載)の濃度が増加することが明らかになりました。 BDNFは、脳内の記憶を司る海馬を中心に現れ、学習・記憶・認知に関わる物質です。さらに、神経の保護や再生、筋肉をつくるタンパク質の合成など、多くの機能を持っていることが知られ、体内のBDNF量が低下すると、さまざまな病気の重篤化につながることも示唆されています。 この研究は金沢大学や広島大学、株式会社MTG、アメリカのマーケット大学が共同で実施しました。 研究の背景 BDNFは学習・記憶・認知に関わる物質です。認知症患者はそのBDNFの現れる量が少なくなることが報告されています。反対に、もしBDNFを体内で増やすことができれば、認知機能の改善につながる可能性があります。 動物を使った別の研究で、BDNFは脳内の海馬だけでなく、骨格筋の細胞からも発現することが判明。つまり運動すれば、記憶や認知に関与するBDNFが体内で増加し、認知機能を改善する有効な手段になりえます。 しかし問題点は、BDNFを発現させるためには運動に強い負荷をかける必要があること。負荷が弱い運動では、BDNFがほとんど現れないため、強い負荷の運動が難しい高齢者は、体内のBDNFを増やすことは難しいという課題がありました。 研究の内容 高齢者は運動に強い負荷をかけるのが難しいため、研究チームは運動に依存しない形で、認知機能に関わる体内のBDNFを増やすことができないかと模索しました。 模索した結果、平均年齢27歳の、健康な12人の男女を対象に筋肉を電流で刺激することに。すると、電流で刺激した筋肉量が多いほど血中のBDNFの量も増加することが明らかになったのです。 また、太ももよりふくらはぎの部分に電気刺激を与えたほうが効果的であることもわかりました。 今回は若い人を対象に研究をしましたが、今後は高齢者など対象を広げていくそうです。 今回の実験で、認知症の人でも認知機能の改善を見込めることが示唆されました。認知症の進行を食い止める手だてになるといいですね。
2022/11/14
成人の8割が罹患していると言われる歯周病。歯が抜けるだけでなく、歯周病に起因する毒性物質が血管を通じて全身に回ることで、脳梗塞などの生活習慣病を発症させることも明らかになっています。 85歳以上の約半数が利用していると言われる入れ歯ですが、それに付着した菌も歯周病の原因に。そのため、入れ歯に菌をつきにくくすることが、歯の健康を守るためにも重要です。 こうしたことを受けて、入れ歯専門のクリニックである「コンフォート入れ歯クリニック」は、入れ歯の抗菌処理サービスをしていて、2022年11月から抗菌処理の郵送受付も開始しました。 入れ歯の抗菌処理とは 口の中は温度が高く湿気も多いため、細菌の繁殖しやすい環境が整っています。そのため、口の中に存在している菌は半日で4000倍にもなり、繁殖した菌は歯周病の原因になります。 こうしたことを防ぐために、コンフォート入れ歯クリニックの入れ歯の抗菌処理では、以下のような流れでおこないます。 ブラシで汚れを除去超音波洗浄機で除菌抗菌液をコーティング 一度、抗菌液でコーティングすれば、毎食後にブラシで入れ歯を磨いても抗菌効果は3ヵ月は持続するそうです。 この抗菌処理を終えたあとも、入れ歯の毎日のメンテナンスは必要。メンテナンスする場合は、入れ歯を落として壊さないようにタオルを下にひきましょう。 その後、ブラシで汚れを取り、洗浄液に2時間以上漬けて除菌すれば完了です。 歯周病が認知症の原因になることが明らかに 歯周病は、認知症の原因になるという研究も出てきています。研究では、歯周病菌を直接投与したマウスと正常なマウスの脳細胞内にある認知症の原因となるタンパク質の量を比較しました。 実験の中で、歯周病菌を投与されたマウスの方が正常なマウスに比べて、認知症の原因となるタンパク質の量が脳細胞内で10倍に増加していたことが明らかになっています。 つまり歯や歯茎の健康は、脳も含めた体全体の健康にもつながっているのです。適切な入れ歯のケアで、健康な毎日を過ごしましょう。
2022/11/07
デジタルヘルスケアサービス「フォーネスビジュアス」が、血液からタンパク質を測定して将来の認知症の発症リスクを予測するサービスを始めました。 認知症を発症する人は年々増えており、厚生労働省の試算によると2025年には高齢者の5人に1人が罹患すると言われています。 今回のフォーネスビジュアスによる新しいサービスで、こうした現状が変わるかもしれません。 「フォーネスビジュアス」とは? フォーネスビジュアルは、2020年にリリースされたオンライン上で健康を管理できるサービスです。 このサービスは、フォーネスライフ株式会社が「早期発見よりもっと早く」というコンセプトのもと提供を開始したものです。 フォーネスビジュアルは、少量の血液を採取して約7000種類のタンパク質を測定することで心筋梗塞や脳梗塞、肺がんの発症リスクを測定します。 また、発症リスクを提示するだけでなく、保健師のコンシェルジュに適切な食事や運動の方法などの相談ができ、生活習慣の改善のサポートを受けられます。 認知症の発症リスクの予測も可能に 今回の認知症の発症リスクの予測サービスは、1987年から続く血管の状態と認知機能の関係を調査する欧米の研究を利用。研究で収集された血液中のタンパク質を分析したデータを元に開発されました。 このサービスでは、少量の採血をすることで20年以内の認知症発生リスクを判定。対象者の発症リスクや検査開発の平均と比較して何倍発症しやすいかを予測できます。 認知症になったときのリスク 厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」によると、介護が必要となった主な原因の第1位は「認知症」だそう。一度、認知症を発症すると、現代医学では根治が難しいうえに、年を重ねるにつれ食事や排泄、入浴などにも介助が必要になります。 そのため、健康寿命を伸ばし、自立した生活を営むためにも認知症予防に努めることが大切です。
2022/11/02
埼玉県越谷市と株式会社ベスプラは協定を結び、ベスプラが開発した脳と体の健康アプリ「脳にいいアプリ」を活用した自治体向け健康ポイント連携サービス「こしがや元気‘光齢者’プロジェクト」の実証実験が2022年度より開始することになりました。 「脳にいいアプリ」とは? 「脳にいいアプリ」は、脳の健康維持にとても有効と脳科学が示す活動を楽しくおこなえるスマートフォンアプリです。 認知症の予防に効果的と言われる運動・食事・脳刺激・ストレス緩和・社会参加の5要素がアプリに組み込まれており、人工知能を使って一人ひとりにあった最適な活動を提案してくれます。 「こしがや元気‘光齢者’プロジェクト」 今回のプロジェクトでは、越谷市民の健康推進と消費活動の活性化を目的としています。具体的には、このアプリを使い、健康活動やイベントに参加すると健康ポイントを取得。越谷市内の店舗で利用することができるのです。 ベスプラはこれにアプリや健康ポイントサービスの提供という面で協力。「健康維持・ポイント・コミュニケーション」をテーマに「こしけnがや元気‘光齢者’プロジェクト」を応援したいと語っています。 今後、2023年度の本格導入に向けて、2022年度は数十名の市民の方にモニター使用を開始。課題や問題点を抽出し段階的に対応していく方針です。 「脳にいいアプリ」が目指す認知症予防 「脳にいいアプリ」は現在、東京都八王子市や渋谷区でも導入されており、自治体でこのようなサービスがあると、アプリを活用したくなりますよね。 高齢化の進行によって認知症が一般的になり、今や他人事でないと不安を抱える人も多いでしょう。しかし、適した予防策をとることで、発症・進行を遅らせることができます。 「脳にいいアプリ」もその一つの方法です。健康を維持しながらポイントで買い物を楽しむ。また一つ楽しみが増えそうですね。
2022/10/28
米神経学会(ANN)は中年期に魚をよく食べている人は、食べていない人に比べ思考スキルが優れており、脳も健康であるという研究結果を発表しました。 魚に含まれているn-3系(オメガ3)脂肪酸は、血液の流れをスムーズにして血栓や動脈硬化を抑え、心疾患や脳卒中などのリスクを下げてくれることが知られています。しかし、脳の健康にも良いというのは、どのようなことなのでしょうか。 n-3系脂肪酸とは n-3系脂肪酸は、血液の流れをスムーズにし血栓や動脈硬化を抑える効果があると言われています。n-3系脂肪酸を多く摂取することで、心血管疾患や脳卒中などのリスクを下げるそうです。 n-3系脂肪酸の種類と含まれている食品には、以下のようなものがあります。 EPA、DHA:魚(サバ・イワシ・サーモン・マグロなど)α-リノレン酸:油(大豆油やアマニ油など)その他:ナッツ類(クルミなど) ちなみに、日本人を対象にした調査では、n-3系脂肪酸を多く摂取している人は認知症の発症も少ないことが分かっています。 n-3系脂肪酸の効能 心筋梗塞や脳卒中の効果的な予防策を調べるための大規模研究である「フラミンガム心臓研究」の参加者(平均年齢46歳の米国人2183人)を対象とした研究では、n-3系脂肪酸を多く摂っているグループは、全脂肪酸の5.2%だったが、少ないグループでは3.4%でした。 さらに、多く摂っているグループは、思考力テストの平均スコアが高く、特に抽象的推論が優れていて、脳の海馬領域の平均体積が大きいという結果が出ました。 今回の結果に対して、米テキサス大学サンアントニオ健康科学センターのクラウディア サティザバル氏は「n-3系脂肪酸、とくにEPAとDHAを多く摂ることで、認知力の回復を向上させる効果を得られる可能性があることが示されました。今後さらに詳しい研究を行い確かめる必要がありますが、平均年齢46歳の中年者でもこうした効果を期待できることが分かったのは興味深いです」と述べています。 健康維持のための食生活は、魚(和食)が良いというのは、以前からよく言われていましたが、認知症予防にもなることに驚きです。毎日の食生活に積極的に取り入れて、いつまでも元気でハツラツとした生活を送りたいですね!
2022/10/24
『太鼓の達人』や『ダンスダンスレボリューション』といった単語に聞き覚えはありませんか?これらは有名なリズムゲームです。 リズムゲーム(音楽ゲーム)とは、音楽のリズムに合わせて擬似的に楽器を演奏したり、ボタンを押したりして楽しむゲームのこと。楽曲のリズムに合わせて指定された操作を正しくおこなうほど、高得点が得られます。 そして、今年10月にカリフォルニア大学の研究チームは、「リズムゲームで遊ぶと高齢者の短期記憶力が向上する」という驚きの論文を発表しました。 カリフォルニア大学の研究チームが新たなリズムゲームを開発 カリフォルニア大学のアダム・ガザレイ教授は、ゲームが脳にどのような影響を与えるか、10年前から研究をおこなってきました。 今回、ガザレイ教授をはじめとする研究チームは、ドラム奏者のミッキー・ハート氏と共に「Rhythmicity(リズミスィティ)」というリズムゲームを開発しました。 Rhythmicityは、BGMに合わせて画面上に表示される手がかりをタッチするというゲームで、プレイを進めるにつれて、プレイヤーは演奏パターンを憶えなくてはいけない点が特徴です。 ゲームを用いた実験で被験者の短期記憶が向上 今回、このゲームを用いて興味深い実験がおこなわれました。 その内容は、60~74歳の高齢者47人を「Rhythmicityをプレイするグループ」と「通常の単語検索ゲームをプレイするグループ」に振り分け、1日20分、合計8週間プレイしてもらうというものです。 その後、被験者の脳波を測定しながら、被験者が初めて見る人物の顔を識別させてみました。 分析の結果、Rhythmicityをプレイした被験者は短期記憶の向上が見られ、短期視覚記憶に関連する脳部位の活動も増加していることが判明したとのことです。 研究チームは、「リズムゲームをプレイしたグループは短期記憶の改善がみられ、リズムトレーニングが脳の機能を向上させるという重要な証拠となった」としています。 ゲームが高齢者の心身を健康にする可能性がある ガザレイ氏らの研究チームは、他にもさまざまなゲームを用いて、ゲームが高齢者の心身に良い影響を与えることができるという研究を発表しています。そして、ゲームが高齢者の認知能力も向上させられることを明らかにしてきました。 これまでゲームは、どちらかというと「悪者扱い」されてきました。しかし、これからは高齢者の認知症予防などのためにゲームを活用する時代が来るのかもしれませんね。
2022/10/19
現在、医療・福祉の現場の人手不足はもはや慢性的で深刻な問題となっています。 そこで、絵を描くロボットを利用して、今抱えている業界の問題を解決する計画が進められています。 お絵描きロボット ドクトルクインシー 海外で話題の次世代製品を輸入販売するEVEBOT JAPAN株式会社(代表:土屋貴嗣、名古屋市中村区)は、海外で話題となった、お絵描きロボット「Dr.Quincy(ドクトルクインシー)」の国内販売権を獲得し12月より一般販売を開始します。価格は、税込み3万5000円です。 ドクトルクインシーはインプットされた150種類ものイラストカードを、QRコードで読み込ませて、認識した絵を描けます。さらに、その絵に関する豆知識も音声で教えてくれるのです。 また、このロボットは10cm程度の手のひらサイズで、両腕のみが駆動するシンプルな構造。そのため、A4サイズ程度の小さなテーブルでも絵を描くことが可能です。フル充電で4時間も駆動できるので「お絵かきを通して子どもや高齢者の面倒も見られる」というのが最大の特徴です。 認知症予防に効果があるお絵描き 絵を描くことと塗り絵をすることは、特に高齢者においては認知症予防に効果的。ロボットの絵を模写したりその絵に色を塗るなどの行動が脳トレーニングにつながると医学で認められています。 またお絵かき・塗り絵もよる脳トレーニングは、高齢者に限らず子どもにも効果があるとされており、ドクトルクインシーを知育玩具としても浸透させたい考えです。 2019年のデータによりますと、65歳以上のシニアが28.4%と3割を超えるのも時間の問題で、出生率も1割を切るなどの日本の少子高齢化が止まりません。共働きで子どもを朝から晩まで預ける親が増えるうえに、高齢化が進むにつれて老人ホーム(老人介護施設)に入所するシニアが増えることが予測されます。 介護業界の人材不足を補える期待の新人、このお絵描きロボットが、これから医療や福祉の現場で活躍する場面が増えそうです。
2022/10/18
少し昔のことですが、「脳トレ」がブームになったことを憶えていますか?これは、人間誰しもが「元気な脳と共に長生きしたい」と思っていることの表れではないでしょうか。 しかし、一般的に高齢になればなるほど脳の機能は衰え、認知症になって介護が必要になる可能性は高くなってしまいますよね。 そこで、多くの研究機関でそうしたリスクを減らすことはできないか、研究が続けられています。 今回はそのうちのひとつ、「Century Brain Project」というプロジェクトと、それに対して運転免許更新の際の認知機能テストを作成している会社が協力する取り組みを紹介します。 100歳を超えても健康な脳を目指す「Century Brain Project」 「Century Brain Project」は、一般社団法人ブレインインパクトが推進しているプロジェクトです。 このプロジェクトでは、脳の画像データを解析して脳の健康状態を見える化した「BHQ」(Brain Healthcare Quotient)という指標を用いて、脳も心も元気な高齢者にその秘けつを教えてもらうことを目標にしています。 具体的には80歳以上の元気な高齢者に協力してもらい、脳の構造や機能をMRIで計測する他、アンケートなどで心理状態や生活習慣を調べ、それらの関係性を調査していきます。 特に重点的に研究するのは以下の3点です。 元気な高齢者はBHQが高いのか?BHQが高い高齢者は、幸福で肉体的、精神的、社会的に満たされていると感じる「Well-being」も高いのか?なぜ年齢を重ねても脳の健康度を高く保てるのか? このような疑問を明らかにすることで、誰もが健康な脳で100歳を迎えるために研究を続けるとしています。 プロジェクトに運転免許の認知機能テストを提供 このプロジェクトに対し、株式会社ベスプラは、研究へ参加する候補者の判定に使用する認知機能テストとして「運転免許の認知機能テスト」を提供すると発表しました。 このテストは、75歳以上の高齢者が運転免許の更新時、高齢者講習の際に受ける認知機能検査への対策として作成されているものです。 研究への参加候補者は、このテストを受けることによって認知機能の状態を知ることができます。プロジェクトの被験者にふさわしいかどうかわかるのですね。 運転免許の認知機能テストが提供されれば、よりスムーズに研究が進むことが期待されます。高齢になっても健康な脳と共に幸福な毎日を過ごせるようになると良いですね。
2022/10/17
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。