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早稲田大学スポーツ科学学術院などが結成した研究チームによる研究により、健康な状態と要介護状態の中間の段階であるフレイルと体型が寿命に影響があることがわかりました。 この研究は65歳以上の高齢者を対象に調査。フレイルがなく普通体系の人は死亡リスクが最も低く、フレイルがあり肥満体型の人、または痩せ型の人は死亡リスクが高いそうです。 「痩せすぎ」も「肥満」も死亡リスクが高い 研究チームは、65歳以上の高齢者1万912人を対象に調査。健康な状態と要介護状態の中間の段階であるフレイルの有無と、体重と身長から算出される肥満度を表すBMIが死亡リスクに与える影響を調べました。BMIの数値を元に、痩せ型、やや痩せ型、標準、肥満の4つのグループに分け、2011年7月30日~2016年11月30日の死亡率を見ました。 調査の結果、BMIが標準の人が最も死亡率が低く、痩せ型の人と肥満の人は死亡率が高いことがわかりました。また、痩せ型の人と肥満の人でフレイルがある人はさらに死亡リスクも高いそうです。 フレイルは誰にでも訪れる 東京都医師会ではフレイルの入り口として以下を紹介しています。 最近痩せてきた 前よりも疲れやすくなった 走るとすぐに息切れをする 外出するのが億劫になってきた フレイルの入り口となっている症状は年齢を重ねると誰にでも起こる症状です。少しでも長く健康でいるためには、心と身体の衰えに早めの段階で気付き、前向きに予防に取り組むことが大切です。 東京都医師会は健康長寿に大切な3つの柱を以下としています。 栄養:バランスの良い食事、口腔機能の維持、など 運動:軽い運動、筋トレ、など 社会参加:趣味の集まり、ボランティア活動、勤労、など 健康でいるためには、食事や運動などで身体を健康にするだけでなく、社会的な人とのつながりも必要です。日々の生活を楽しく過ごし、フレイル予防をしていくのが良いですね。 参考:「フレイルは高齢者のBMIと死亡率の関連を変える」 参考:「フレイル予防」(東京都医師会)
2024/05/15
東北大学大学院歯学研究科の研究で、たばこを吸う人は歯を失いやすく、また歯を失った場合には、たばこを吸わない歯の健康な人に比べて、認知症のリスクが高いことがわかりました。 この研究は65歳以上の高齢者3万2986人を対象に、2010~2019年の9年間に渡っておこなわれました。 喫煙者は歯を失い、認知症になるリスクが高い 東北大学大学院歯学研究科の研究グループは、まず、65歳以上の高齢者3万2986人に2010年時点と過去の喫煙状況を調査。その後、2019年までの間、喫煙状況の変化と歯の喪失、認知症の発生率の関係性を調査しました。 調査の結果、3万2986人のうち約400人が認知症を発症。喫煙状況と認知症の因果関係を調べたところ、たばこを吸わない人よりも、たばこを吸う人の方が認知症のリスクが1.18倍高いという結果が出ました。また、認知症を発症した約20%の人が、たばこを吸う習慣により歯を失い、その後に認知症を発症したことがわかりました。つまり、たばこを吸うことにより歯を失うと、認知症になるリスクが上がってしまうのです。 歯を失うことには、さまざまリスクが潜んでいる そもそも歯が少ない人は、認知症のリスクに限らず、さまざまな全身疾患のリスクが高くなることが多くの研究で知られています。高齢になると歯を失うリスクが高くなりますが、たばこを吸うことで、より歯を失うリスクを高めてしまうのです。 食事の際、噛むことで唾液が分泌され、病気に対する抵抗力を高めてくれます。歯がないと唾液の分泌が少なくなるので病気にかかりやすくなります。また、歯がないと滑舌が悪くなり喋りにくくなるので、人とのコミュニケーションを取るのが億劫になり孤立することもあります。つまり、歯を失うことは、食べ物が制限されるだけでなく、身体的にも精神的にもさまざまな影響があることがわかりますね。 歯を守るためには、毎日の歯磨きのケアだけでなく、口や顔の体操も効果があります。食事をよく噛んで食べることも歯の健康につながるので、普段から意識してみましょう。 参考:「喫煙による歯の喪失で認知症のリスクが上昇」(東北大学)
2024/05/10
千葉大学の研究で、自宅の近所に鮮食料品店がある高齢者は1人あたりの介護費用が月1367円少なくなることが判明。この研究は平均年齢73.5歳の高齢者3万4982人を対象に9年間に渡っておこなわれました。 また、自宅の近所に夜の一人歩きが危ない場所がある高齢者も、1人あたりの介護費用が月1383円少なくなることがわかったそうです。 便利な地域に住む高齢者は要介護度が低い!? 千葉大学がおこなった研究は、男性1万6650人、女性1万8332人、合わせて3万4982人の平均年齢73.5歳の高齢者を対象に、住んでいる地域環境と本人にかかる介護費用の関係性を調査。対象者を8種類の地域環境と照らし合わせて9年間の累積介護総費用を比較しました。 8種類の地域環境は以下です。 新鮮な野菜や果物が手に入る商店・施設が近くにあるか 気軽に立ち寄ることができる家や施設が近くにあるか 運動や散歩に適した公園や歩道が近くにあるか 魅力的な景色や建物が近くにあるか 坂や段差など、歩きにくい場所が近くにあるか 交通事故の危険がある道路・交差点が近くにあるか 夜の一人歩きが危ない場所が近くにあるか 落書きやゴミの放置が目立つ場所が近くにあるか 研究の結果、自宅の近所に鮮食料品店がある高齢者は1人あたりの介護費用が月1367円少なくなることが判明。自宅の近所に鮮食料品店がある高齢者は野菜や果物を摂取する頻度が高いため健康に良いと考えられます。 また、自宅の近所に夜の一人歩きが危ない場所がある高齢者も、1人あたりの介護費用が月1383円少なくなることがわかったそうです。 夜の一人歩きが危ない地域は駅の周辺が多く、公共交通が利用しやすいなど生活の利便性の高さが介護費用の低さにつながった可能性があります。 住み続けていると地域環境は変わる 内閣府がおこなった「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」では、今住んでいる地域に住み続ける予定である高齢者は94%であることがわかっています。 また、「現在の地域で不便に思うことや気になること」という質問には、「特に無い」が最も多く39.3%、次に「日常の買い物に不便」が23.9%、「病院へ行くのに不便」が23.8%、「交通機関の利用が不便」が21.5%と続いています。 現在住んでいる場所から離れないつもりでいても、普段の生活に必要な買い物、病院、交通機関などが不便と感じている高齢者は多いのです。 若い頃には気にならなかった地域環境も、年を重ねるにつれ不便に感じることが多くなるでしょう。ネットスーパーを利用して、買い物に行く回数を減らす、送迎サービスやタクシーなどを利用して病院に行きやすくするなど、できることから工夫するのが良いですね。 参考:「令和5年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の住宅と生活環境に関する調査)の結果」(内閣府)
2024/04/30
米国心臓病学会の研究により、卵を毎日食べている人とそうでない人のコレステロール値は同じくらいであることがわかりました。 この実験は、心血管疾患を患っている、またはそのリスクが高い50歳以上の140人が参加し、卵を週に12個以上食べるグループと卵を週に2個未満のみ食べるグループに分けて調査。善玉コレステロールや悪玉コレステロール、心血管の数値などを調べたそうです。 卵はコレステロール値に大きな影響を与えない 米国心臓病学会は、心血管疾患を患っている、またはそのリスクが高い、平均年齢66歳の50歳以上の患者140人を対象に、卵の摂取量と心臓の関係性について調査。心血管疾患のリスクが高い患者とは、高血圧、高コレステロール、BMIの増加、糖尿病などの症状がある人だそうです。 米国心臓病学会は、患者を卵を週に12個以上食べるグループと卵を週に2個未満のみ食べるグループに分け、1ヵ月目と4ヵ月目の身体状況の結果を比べました。 調査の結果、卵を週に12個以上食べるグループは卵を週に2個未満のみ食べるグループに比べ、善玉コレステロール、悪玉コレステロール共に少し数値が下がっていたものの、2つのグループには大きな差は見られませんでした。 卵は栄養豊富で高齢者におすすめ 今回の研究結果では、卵を多く食べても心臓に悪影響はあまりないことがわかりました。では、なぜ卵を食べ過ぎると身体に悪いと言われているのでしょうか。それは、卵の黄身に含まれているコレステロールが影響していると考えられます。 今回、卵の摂取量と心臓の関係性について調査したグループも「一般的には卵が身体に悪影響と思われているが、実際には卵と一緒に食べている、バターを塗ったトースト、ベーコン、そのほかの加工肉などが心臓に良くないのかもしれない」と語っています。 卵は、たんぱく質と脂質が多く含まれ、ビタミンやミネラルも含まれている栄養価が高い食品です。また、卵黄に含まれる「コリン」は脳を活性化する作用があり、認知症を防止する成分として注目されているそうです。 卵は消化吸収が良いので、噛む力が弱くなった人や体力が落ちて胃腸の働きが弱い高齢者に向いています。目玉焼きやスクランブルエッグ、ゆで卵などの卵料理だけでなく、さまざまな料理に加えることができ調理しやすいのも魅力ですね。 参考:「たまごの知識」(日本養鶏協会)
2024/04/19
あらたな研究で、毎日の睡眠時間が7時間未満の状態が長期的に続くと、血圧が上昇し高血圧を発症するリスクが高くなることがわかりました。この研究結果は、2000年1月から2023年5月までの間に実施された16件の研究の解析により明らかになりました。 理想の睡眠時間は7~8時間 米国心臓病学会の発表によると、睡眠時間が7時間未満の日が長期的に続くと、高血圧を発症するリスクが高くなることがわかりました。この結果は、2000年1月から2023年5月までの間に実施された16件の研究の研究結果を集めて再解析したことで判明したそうです。 今回の研究で、一晩の睡眠時間が7時間未満の人はそうでない人に比べて高血圧を発症するリスクが7%高く、さらに、睡眠時間が5時間未満の人は高血圧を発症するリスクが11%に急増することが判明。また、睡眠時間が7時間未満の女性は睡眠時間が7時間未満の男性に比べて、高血圧を発症するリスクが7%高いそうです。 米国心臓病学会は、「7〜8時間の睡眠をとることが心臓にとっても最善かもしれません」と語っています。 高齢になると誰でも睡眠の質が変わる 年齢を重ねていくうちに睡眠は変化していきます。健康な高齢者でも睡眠が浅くなり、夜中に目が冷めてしまうこともあります。認知症の人はさらに睡眠が浅く、中でも重度の認知症の人は1時間程度の睡眠もできなくなるといわれています。 厚生労働省は、認知症の人が睡眠を保つためにおすすめのポイントをホームページで公開しています。睡眠を保つおすすめポイントは以下です。 部屋の温度や照明などの就寝環境を整える 午前中に日光を浴びる 布団に入る時間、起きる時間を規則正しく整える 規則正しい時間に食事を摂る 昼寝をしない、日中には布団に入らない 決まった時間に身体運動する 寝る時間の4時間前は運動をしない 夕刻以降に過剰の水分を摂取しない アルコール・カフェイン・ニコチンの摂取を避ける 身体の痛みを対処する 認知症治療薬は午後以降の服用を避ける 生活において睡眠は重要な問題ですね。日中に身体を動かしたり、規則正しい生活を送るなどして、睡眠とうまく付き合っていけると良いですね。 参考:「高齢者の睡眠」(厚生労働省)
2024/04/17
大正製薬株式会社は、指定医薬部外品のミニドリンク剤「リポビタンウォーク」と「リポビタンアクティブ」を2024年4月10日より発売するそうです。 この2種類のミニドリンク剤はどちらの商品もシニア世代へ向けて発売されたもので「リポビタンウォーク」は膝や腰の不調の改善をサポートし、「リポビタンアクティブ」は身体のだるさの改善をサポートします。 シニア世代向けのドリンク剤が新発売 大正製薬株式会社は、日々、若々しく元気な毎日を過ごしたいと願うシニア世代へ向けて、「リポビタンウォーク」と「リポビタンアクティブ」という指定医薬部外品のミニドリンク剤を発売。「リポビタンウォーク」は「疲労回復」をサポートする成分のタウリン、ビタミンB群(B1・B2・B6)に加え、「加齢に伴う膝・腰の不調の改善」をサポートするはたらきがあるコンドロイチンなどを配合しています。 「リポビタンアクティブ」は、「加齢による虚弱体質に伴う身体のだるさの改善」をサポートする成分であるローヤルゼリーに加え、「血行の悪さの改善」をサポートする成分を含んだ生姜などを配合しています。 どちらも50mLのミニサイズで、すっきりとした味で飲みやすいそうです。 ローヤルゼリーにはさまざまな健康効果が 今回発売されるドリンク剤に含まれる「ローヤルゼリー」は、さまざまな健康効果があると研究でわかっています。 ローヤルゼリーに含まれる健康効果は例えば以下です。 筋力の低下を抑制 血圧改善(高血圧の予防) 糖尿病の進行を抑制 血中の中性脂肪を減少 骨中のカルシウム量が増加(骨粗しょう症の予防) 首筋のはり、肩こりの改善 更年期による不安感の改善 冷え性の改善 免疫力を高める(感染症の予防) ローヤルゼリーは主にドリンクやサプリメントで摂取できます。さまざまな栄養が入っているドリンク剤は体調不良の際の栄養補給にはもちろん、毎日の摂取で病気や怪我の予防にも繋がります。気軽に生活に取り入れられるのが良いですね。 参考:「ローヤルゼリー 明らかになる健康機能~最新研究ダイジェスト」(山田養蜂場 健康科学研究所)
2024/04/12
英国糖尿病学会の研究により、ストレスを抱えていると血糖値が高くなり糖尿病の合併症のリスクを高める可能性があることがわかりました。 また、糖尿病のある人は、糖尿病のない人に比べて、日常生活の中で不安を感じる可能性が20%高く、うつ病になる可能性が2〜3倍高いという研究結果も出ているそうです。 ストレスホルモンが血糖値に悪影響 英国糖尿病学会によると、人がストレスを感じたときに出す「ストレスホルモン」が、身体の中にあるインスリンに影響を与え、正常に機能できなくなる可能性があるそうです。インスリンは糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きがあるため、インスリンが正常に働かない場合には血糖値が上昇してしまいます。 また、ストレスが解消されないと血糖値が高くなるだけでなく、糖尿病の合併症のリスクが高まる可能性があるそうです。 英国糖尿病学会は「ストレスと2型糖尿病のリスクとの間に関連性がある可能性があるという証拠がいくつかある。しかし、ストレスだけが糖尿病の原因ではない」とも言っています。 気持ちをコントロールするのが大切 糖尿病と診断されると、食べるものに細心の注意を払い、糖尿病に関して新しいことを学んだり覚えたりするなど、ストレスを感じる場面が多くあります。 また、糖尿病の治療で血糖値を頻繁にチェックしたり、毎日自分で注射をしなければならない場合もあります。そういった糖尿病への対応が、糖尿病のある人は糖尿病のない人に比べて、ストレスを感じる場面が多いという結果に繋がると考えられます。 米国糖尿病学会は、糖尿病により精神的にストレスを感じた際に気持ちをコントロールするためのポイントを紹介しています。ストレスを感じたときに考えるおすすめポイントは例えば以下です。 「血糖値をコントロールできない」と不安にならずに「私は大丈夫」と安心してリラックスする 散歩など1日30分程度の軽い運動を毎日のスケジュールに取り入れる ストレスを感じたらゆっくりと深呼吸をする。また、朝と就寝時に深呼吸をする習慣を付ける 血糖値などの結果の数値を重く受け止めない。また、数値は糖尿病を管理するために必要な単なる数字と割り切る ストレスを感じたら数分間目を閉じて、自分の好きな場所にいる様子を想像する 就寝前に温かいお風呂に入る 病気と付き合って日常を送るのは想像よりもとても大変なことです。病気を治すための行動でストレスが溜まり悪化してしまっては元も子もありません。ストレスを溜めずに病気と向き合いたいですね。 参考:「糖尿病のストレスを和らげる」(米国糖尿病学会)
2024/04/10
埼玉医科大学は、町内で開催するウォーキング事業に半年間参加した人は、そうでない人に比べて脳梗塞や心筋梗塞のリスクが軽減したことを発表しました。 ウォーキング事業には平均年齢69.5歳の56人が参加。参加者のうち、54人に体重の減少や、糖尿病の重症度を示す数値・中性脂肪の数値が下がり、善玉コレステロール値は上がるなどの改善がみられたそうです。 ほとんどの参加者が改善 ウォーキング事業は埼玉県毛呂山町と、同県に本部がある埼玉医科大学と連携して実施されました。ウォーキング事業には平均年齢69.5歳の町民56人が参加。2023年6〜11月の半年間に共通のトレーニングを決めて取り組みました。 ウォーキング事業でおこなったトレーニングは以下です。 毎日の散歩で8000歩以上歩く 椅子から立ち上がる筋力トレーニング(スクワット)1日30回を週3回 ウォーキング事業でおこなったトレーニングにより、参加した56人のうち54人に以下の改善が見られました。 体重の減少 糖尿病の重症度を示す数値の改善 中性脂肪の数値の低下 善玉コレステロール値の上昇 瞬発力や持続力の向上 また、ウォーキング事業開始時には心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが「中リスク」と指摘された人が8人いましたが、事業をおこなって半年経った後には3人に減少してるなど、さまざまな健康効果が見られたそうです。 健康には1日約6000歩が目安 厚生労働省は、高齢者が健康に過ごすための日常生活における歩数について、男性は6700歩、女性は5900歩の目標を立てています。 また、厚生労働省は「積極的な健康づくり行動としての体操、ウォーキング、軽スポーツなどを定期的に実施することによって、フレイル予防・健康寿命の延長が可能である」としています。 ウォーキングで身体を動かすことが健康に繋がるのはもちろん、家にこもらずに外出する機会を作ること、人と関わりを持つことが健康的な生活を送るうえで重要と考えられています。 「ウォーキング」と考えるとプレッシャーを感じる人がいるかもしれません。まずは毎日の習慣に少しの時間の散歩から始めるのが良いですね。 参考:「 健康日本21(身体活動・運動 )」(厚生労働省)
2024/04/05
米国食品医薬品局は、ヨーグルトに関するさまざまな研究結果を踏まえて「ヨーグルトを食べると2型糖尿病のリスクを軽減できる」という健康強調表示を支持すると発表しました。 「ヨーグルトを食べると2型糖尿病のリスクを軽減できる」という健康強調表示は、食品会社より出された要望を受けたことにより発表。米国食品医薬品局は、ヨーグルトと2型糖尿病のリスク低下に関する信頼できる研究結果がいくつかあるための判断だそうです。 ヨーグルトを食べると糖尿病のリスクが低下する ヨーグルトを食べる習慣がある人は糖尿病のリスクを低下するという研究結果は、いくつかの研究で証明されています。 例えば、英国の大学がおこなった研究では、ヨーグルトを食べている人は、そうでない人に比べて2型糖尿病のリスクが最大で28%低いことがわかっています。この研究は同国に在住する3502人の成人を11年に渡り調査した結果です。 また、米国の大学院による10万人以上の健康データを解析した3件の大規模な研究でも、1日に28gのヨーグルトを毎日食べている人は、そうでない人に比べて2型糖尿病のリスクが18%低いことがわかりました。 ヨーグルトは週に2カップ食べるのがおすすめ 米国食品医薬品局は、ヨーグルトと糖尿病のリスク低下に関するいくつかの研究結果を踏まて「週に少なくとも2カップ(3回分)のヨーグルトを定期的に食べると、2型糖尿病のリスクが軽減される可能性があります」という文面の健康強調表示を認めることを発表しました。 米国食品医薬品局は、1週間あたり2カップ (3回分) のヨーグルトを健康強調表示の最低量とみなしています。ヨーグルト1カップは約100g~200gです。 ヨーグルトなら調理をしなくてもそのまま食べられるので、高齢者にも手軽に食べられます。ヨーグルトは朝食やおやつにも向いているので、気軽に毎日の食卓に加えたいですね。
2024/03/22
トイメディカル株式会社は、塩分の過剰摂取を防ぐ新たな「塩分コントロール技術」を応用した食品の研究開発に着手したことを発表しました。 今回発表された塩分コントロール技術は、塩分を体内に入れた際の吸収をコントロールする技術。身体が吸収する塩分の量を減らせるので、食事の塩分を減らすことなく塩分の過剰摂取を防ぐことができるそうです。 塩分の吸収を抑える「塩分吸着ファイバー」 トイメディカル株式会社は、塩に含まれるナトリウムを吸着する性質がある「塩分吸着ファイバー」に注目。研究開発を重ね、独自の塩分コントロール技術を確立しました。この技術は同社のサプリメントに生かされており、そのサプリメントを飲めば、食事の味わいを変えること無く減塩と同等の効果が期待できます。 今回の発表では、「塩分吸着ファイバー」と、麺、加工肉、製菓、ファストフードなどのさまざまな食品を掛け合わせた、新たな食品の開発に着手したそうです。塩分コントロール技術を利用した食品なら、「健康を気にして塩味の美味しい食事に罪悪感を感じること無く、好きな食事を楽しむことができる」と言います。 塩分の過剰摂取は身体にさまざまな影響がある 厚生労働省が発表する「日本人の食事摂取基準」では、1日あたりの食塩摂取の目標値は約7gとされています。しかし、実際には7gを超えた量を摂取していると言われており、世界的に塩分の過剰摂取が問題視されています。 アメリカの研究では、食卓で料理に塩をかける頻度が高い人・濃い味の料理を好む人は、そうでない人に比べて糖尿病を発症するリスクが28%も高いことが明らかになっています。 また、塩分を多く摂取することは、糖尿病だけでなく、心血管疾患、脳卒中、腎不全などの生活習慣病のリスクも高めることが知られています。 濃い味付けの食事は美味しく魅力的で、ついつい食べ過ぎてしまいますね。食事は生活に大きく関わるので、美味しく楽しい食事ができることが望ましいですが、食事で健康が害されては意味がありません。新たな技術で美味しく健康な料理が広まっていくと良いですね。 参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)
2024/03/15
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。