ニュース
静岡県沼津市にある住宅型有料老人ホームで、入居者8人に対して正当な手続きを踏まずに身体拘束をしていたことが明らかになりました。 これを受けて、沼津市は業務改善命令を発出。この命令にも施設が応じなかった場合は、業務の一時停止命令を受ける可能性があります。 老人ホームで不当な身体拘束が常態化 市の発表によると、2022年11月、「老人ホームで不適切な身体拘束がおこなわれている」という匿名の通報を受けて、同年12月に該当する老人ホームに立ち入り検査を実施したと言います。 その結果、精神障害や身体障害がある入居者8人に対して、指のわかれていないミトン型の手袋をつけさせたり、ベッドから降りられないように四方を柵で囲んだりといった身体拘束を、正当な手続きがなされないままおこなっていたことが明らかになったのです。 この老人ホームでは、以前にも同様の身体拘束が確認されていたものの、施設側が状況を変えようとしなかったため、2023年5月23日、市は強制力のある業務改善命令を発出。6月30日までに改善報告書を提出するように求めました。 これまでの調査に対し、施設側は「手のかかる人を預かっているので仕方がなかった」と話しているそうです。 身体拘束も「身体的虐待」の一種 利用者の身体の自由を奪う身体拘束は、利用者の心身機能の低下につながることから、「拘束をしなければ本人やほかの利用者に危険がある」と組織的に判断された場合のみ、しっかりと身体拘束の記録を残すなど正当な手続きを取ることで実行が認められています。 言い換えると、正当な手続きを踏まずにおこなう身体拘束は、殴る蹴るなどの行為と同様に「身体的虐待」に当たります。 では、どういった行為が身体拘束になるのでしょうか? 厚生労働省が定めたガイドラインによると、以下の11の行為が身体拘束に当たるとしています。 徘徊しないように、四肢をひもなどで縛る 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひもなどで縛る 自分で下りられないように、ベッドの四方を柵で囲む 点滴などのチューブを抜かないように、四肢をひもなどで縛る 点滴のチューブを抜かないように、指の動きを制限するミトン型の手袋を装着する 車椅子などから立ち上がらないように、抑制帯(身体を固定する帯)を装着する 立ち上がる能力のある人に、立ち上がりを妨げるような椅子を使用する おむつを勝手に脱がないように、つなぎ服を着せる 他人への迷惑行為を防ぐために、四肢や体幹をひもなどで縛る 気分を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に投与する 自分の意思で開けられないような個室に閉じ込める 職員が身体拘束に対する意識が足りなかったために、職員による拘束が起こった可能性もあります。高齢者が安心して過ごせるように、改めて研修などをおこなって予防してほしいですね。 参考:「身体拘束ゼロへの手引き」(厚生労働省)
2023/05/26
北海道の札幌市にある特別養護老人ホーム(特養)で、介護職員が入居している高齢男性の腹を蹴るという事件が発生しました。 この事件の容疑で逮捕されたのは、この施設で働いていた27歳の男。男はすでに特養を懲戒解雇されているそうです。 介護職員が入居者を暴行 警察などの調べによると、2023年5月9日、北海道・札幌市の特養で、職員の男が88歳の入居者の男性を暴行するという事件が発生。5月15日に男性の怪我に気づいた別の職員が警察に通報したことで、事件が発覚したそうです。 その後、容疑者とみられる元職員の男は逮捕されました。警察の調べに対して、男は「介護でストレスが溜まっていた。イライラが抑えきれなかった」と容疑を認めているそうです。 男に腹などを殴られた男性は、ろっ骨を折るなどの重傷だということです。 虐待を防ぐ職場づくり 今回のような虐待を防ぐためには、職員が働きやすいように職場環境を整えることが大切です。そのため、各自治体は職員が働きやすくなるような取り組みをそれぞれ実施しています。 例えば、東京都では働きやすさの指標となる項目を明示した「働きやすい福祉の職場ガイドライン」を策定。このガイドラインを踏まえた職場づくりをおこなっている施設や事業所は「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業所」として応援するとしています。 ガイドラインは、職場環境や風土、人材育成、ライフワークバランスなど17の項目で構成。その主な内容は以下のとおりです。 職場内でのコミュニケーションが活性化するような取り組みをおこなっている 表彰制度など、職員のモチベーションを高める取り組みをおこなっている 評価に応じて処遇を改善する仕組みを整備している 高齢者が安心して施設で暮らせるかどうかは職員にかかっています。職員はそのことを自覚し、丁寧なケアをおこなってほしいですね。 参考:「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言」(東京都福祉保健局)
2023/05/22
埼玉県飯能市の特別養護老人ホーム(特養)で、入居者が職員に蹴られて死亡するという事件が発生。容疑者とみられる職員の男が逮捕されました。 司法解剖の結果、入居者の死因は打撲による腹の内部出血だとみられています。 介護職員が入居者に暴行 警察の調べによると、2023年5月9日の午後2時頃、職員の男が車椅子を利用している90代の男性の背中を蹴った疑いが持たれています。 背中を蹴られた入居者の男性は、その後搬送先の病院で死亡が確認されました。 施設職員は「防犯カメラに、暴行の一部始終が映っていた。利用者の後ろから前蹴りを入れたようだった」と話しています。 警察の取り調べに対し、容疑者の男は「忙しいときにいろいろ頼まれて蹴ってしまった」と容疑を認めているそうです。 警察は傷害致死の疑いも視野に、さらに詳細に調べていくとしています。 なぜ虐待が起きてしまうのか なぜ、こういった虐待が起きてしまうのでしょうか? 医療経済研究機構が、殴る蹴るなどの身体的虐待の要因を全国のケアマネジャーに尋ねたところ、「虐待者の介護疲れが要因として考えられる」という回答がおよそ過半数を占めていることが明らかになりました。 介護者のストレスが時間をかけて蓄積した結果、虐待に至ってしまうケースが多いそうです。 これを防ぐためには、定期的に面談などをおこない、職員が抱えている悩みを早めにキャッチする体制を整えておくことが大切。事前に悩みなどを把握できれば、担当を変更するなどの対処がしやすくなります。 また、職員同士の雰囲気が良さそうな施設では、虐待も起こりにくいものです。家族が施設への入居を予定している人は、事前に見学などに行ってみて施設の雰囲気を見ておくと良いかもしれませんね。
2023/05/12
大阪府大阪市で、集合住宅に住む81歳の女性が訪問介護サービスを利用していたところ、介護職員の男から暴行を受けるという事件が発生。警察は訪問介護職員の男を逮捕しました。 男は警察の調べに対し「言うことを聞かないことにいらついたからやった。しかし、殺そうとして殴ったわけではない」と容疑を一部否認しているとのことです。 訪問介護職員が高齢女性を暴行 2023年4月14日の午前7~7時半頃、訪問介護のために81歳の女性が住む集合住宅を訪れた介護職員の男が、女性の腹や背中を何度も殴ったり背中を膝蹴りしたりするなどの暴行を加えるという事件が発生しました。 男は女性の介助をしたあと、同じ集合住宅に住む別の利用者の部屋を巡回。その後再び女性の元を訪れたところ、女性に意識がなかったため救急に通報しました。 被害を受けた女性は肋骨を折るなどして、全治3ヵ月の重傷を負ったとみられています。 女性の怪我を診察した病院は、「虐待の疑いがある」とみて警察に通報したことで今回の事件が明らかになりました。 警察の調べによると、女性は聴覚に障害があり意思疎通が難しく、ほとんど寝たきりの状態だったそうです。 また、容疑者の男は「女性に対して日常的に暴力をふるっていた」と供述していたことも発覚。警察はさらに詳しく調べる方針です。 虐待を防ぐために 今回のような虐待事件を防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか? 真っ先に考えられるのは、職員のストレスケア。少ない人員で、多数の利用者の対応を日々迫られている介護職員の負担は甚大です。その負担を軽減させるためには、職員が日々抱えている不満を聞く面談を定期的に実施することが有効です。 また、不安定な精神状態にある利用者にうまく対応できずに虐待に至るケースも考えられるので、虐待防止のための研修をおこなうのも良いかもしれません。 虐待事件を起こす介護職員はほんの一握りですが、今回のような事件を聞いたら一人暮らしの高齢の親を預けるのは心配になりますよね。高齢者の安全を守るためには、防犯カメラを設置するなどの対策もひとつの手段かもしれません。
2023/05/10
北海道旭川市の高齢者施設で、入居している男性の銀行口座から現金100万円を引き出され、着服されたという事件が発生。施設に勤務していた元職員の男を業務上横領の疑いで逮捕しました。 警察の捜査に対し、男は「間違いありません」と容疑を認めているそうです。 施設職員が100万円を横領 警察の調べによると、2022年10月、旭川市内の老人ホームで勤務していた容疑者の男が、施設に入居する68歳の男性の銀行口座から100万円を引き出し着服した疑いが持たれています。 ちなみに、この容疑者は2023年3月、士別市内の銀行で同じ入居者の男性になりすまして通帳を発行してだまし取った容疑でも逮捕されています。 警察が捜査をおこなっていたところ、男性の銀行口座から多額の現金が引き出されていることが判明。防犯カメラの映像を解析するなどした結果、容疑者の男による犯行の疑いが高まり再逮捕に至りました。 警察は余罪がないかなどを含め、さらに詳しい調査をおこなっていく方針です。 コミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりが大切 今回の犯行は、高齢者の現金を勝手に引き出したり使ったりする「経済的虐待」であるとも言えます。 どうすれば、施設内での犯行や虐待を防げるのでしょうか? 最も大切なのは、職員同士でお互いの働き方に目を向けられるような体制・雰囲気づくりだと考えられます。 人員が足りず、職員が単独で多くの業務をこなさなければならないような施設では、お互いの目が行き届かず虐待などが起きやすくなります。これを防ぐためには、ケアを複数人でおこなえるような余裕を持った人員配置が必要です。 また、職員同士が円滑にコミュニケーションを取れるような雰囲気づくりも大切。お互いのケアのやり方を指摘し合ったり日頃の悩みを共有したりすることで、犯罪や虐待を未然に防ぎやすくなります。 もし、高齢者施設への入居を検討する際には、見学をしてその施設の雰囲気を確かめておくと、良い施設に巡り合える可能性が高まるでしょう。
2023/05/01
2023年4月10日、高知県内の病院内にある医療介護施設で、そこで働く看護師が70代の女性入所者の首を絞めて殺害しようとした事件が発生。41歳の看護師の男が殺人未遂の容疑で逮捕されました。 看護師による殺人未遂事件が発生 警察の調べによると、看護師の男は4月10日の午後6時40分~10時20分の間に、施設に入居している女性の首を絞めて殺害しようとしたと見られています。 この事件は、4月11日の午前11時頃に施設の関係者から「入居者から『首を絞められた』という訴えがある」と届け出があり発覚。被害女性の命に別状はないものの、首には皮下出血など首を絞められたような痕跡があったことから、男から首を絞められた疑いが浮上しました。 男は施設で被害女性の世話を日常的におこなっており、事件当日も午後10時20分頃まで勤務していたそうです。 警察は犯行の動機や手口について、さらに詳しく捜査を進めていくとしています。 高齢者虐待の防止に向けて 高齢者虐待には、殴ったり体を拘束したりなどの「身体的虐待」、暴言を吐くなどの「心理的虐待」、預金を無断で使うなどの「経済的虐待」、裸の写真を無断で撮影するなどの「性的虐待」、世話を意図的におこなわないなどの「介護放棄(ネグレクト)」があります。 どれも高齢者の尊厳を著しく傷つけてしまったり、場合によっては命の危険につながったりすることもあるため、高齢者虐待を未然に防ぐ取り組みが大切です。 では、高齢者虐待を防ぐにはどのような取り組みが有効なのでしょうか? まずは職員が常に複数人でケアをおこなえるような、余裕を持った人員配置にすることが大切。施設で起こる虐待は単独でおこなわれることがほとんどのため、常に他者の目がある状況に置くことで多くの虐待が回避できるでしょう。 それから、職員に対する定期的な面談も有効です。職員の不満やどの程度ストレスを抱えているかを把握することで、虐待に至る前に対応策を考えられます。 最後に、何より大事なのはその施設の雰囲気です。職員間のコミュニケーションが不足している施設は、職員のストレスも溜まりやすくなり、虐待に至る兆候を見逃す可能性も高くなります。 もし身近な誰かが入居する施設を選ぶ際は、事前に施設を訪れて現場の雰囲気を見ておくと良いかもしれませんね。
2023/04/14
2023年3月15日、長野県の6市町村からなる北信広域連合は、同連合が運営する特別養護老人ホームで、介護放棄(ネグレクト)があったことを明らかにしました。 4人の介護職員が、入所者1人が使っていた職員を呼び出すためのナースコールを鳴らないように設定していたと見られています。 ナースコールを夜間に鳴らないものに 北信広域連合の発表によると、4人の介護職員が入所者1人のナースコールを、夜間に鳴らないよう電池を抜いた機器と取り替えていたことが判明。その入所者は頻繁にナースコールを押すものの、押していたことを覚えていなかったり理由がないのに押していたりしていたそうです。 介護者4人の一連の行為は2022年8月19日、この入所者が事務室に「ナースコールを押しても鳴らない」と申し出たことから発覚。内部調査後、北信広域連合は中野市に通報しました。 その後、中野市はナースコールを鳴らないものと取り替えた行為を虐待に認定。施設を運営する北信広域連合は改善計画書を市に提出し、虐待を防ぐ研修を実施したそうです。 また、虐待をしたとする職員4人は戒告の懲戒処分としたことも判明。上司の職員2人も訓告の処分を受けています。 人員配置の見直しを このニュースについて、介護・医療従事者からは「現場の状況をよく調査してから処分を下してほしい」といった声が相次ぎました。 ある介護従事者からは「ナースコールを使えないようにする行為が良くないのはわかっている。しかし、必要性の低いコールを連打されると、ほかの入所者のコールが拾えず、転倒事故や急変への対処が遅れる危険性がある」と特定の人が必要性の低いナースコールを押し続けることによる危険性を指摘する意見が寄せられました。 また、別の介護従事者からは「特に夜勤は職員の人数が足りない。人手が足りない状況下で何人もの入所者の対応をしなければならないため、どうしたって対応が遅れるケースが出てくる」と人員配置の見直しを迫る声が挙がりました。 夜勤職員は、多いところでも3人、少ないところでは1人しかいません。そもそも、職員が余裕を持って業務をおこなえる体制を整えることが、今回のような事態を防ぐことにもつながるのではないでしょうか。
2023/03/24
2023年3月15日、岩手県保健部は、同県紫波町にある介護老人保険施設の運営法人に対して、指定の効力の全部停止を言い渡したことを発表しました。 この施設では、2022年の8月頃に利用者への深刻な虐待があったことから、今回の処分に踏み切ったと見られています。 効力停止処分により、この施設は事実上1年間の営業停止となります。 指定の効力停止とは そもそも、今回、運営法人に下された「指定の効力停止」とは何でしょうか? 指定の効力停止とは、一定期間指定の効力が停止されることにより、本来法人に対して支払われる介護報酬が支払われなくなるというもの。介護サービスを提供しても報酬が発生しなくなるため、この処分を受けた法人は事実上の休業を余儀なくされるのです。 指定の効力停止は、虐待などをおこなった施設に対して業務改善命令をしても、状況が改善しなかった場合などに下されます。 また、指定の効力停止には、深刻度に応じて「指定の一部停止」と「指定の全部停止」があります。例えば、一部停止された場合は「新規の入所者を受け入れても報酬が発生しない」と業務の一部が制限されます。一方、全部停止の場合はどんなサービスを提供しても報酬が発生しなくなるのです。 利用者への虐待で高齢者施設が効力停止処分に 岩手県保健部の発表によると、2022年8月下旬、紫波町にある介護老人保険施設で職員が利用者に対して暴行して怪我を負わせたという虐待事件が起こったそうです。 それだけに留まらず、2022年9~10月には利用者をシーツで縛り上げたりベッドからの移動を制限したりするなどの不当な身体拘束をおこなっていたことも明らかになりました。 以上のような虐待に関する通報を受け、町と県が調査した結果、今回の処分に至りました。 この施設にいた利用者は、サービスが停止する6月までに別の施設に移動するそうです。 利用者への虐待は、利用者の心身に深い傷を残すだけでなく、一周回って自分たちの首も絞めることになります。利用者も職員も安心して施設にいられる雰囲気づくりをしてほしいですね。
2023/03/22
介護職員が高齢者に対して殴る蹴るなどの虐待をして、逮捕されるという事件が相次いで発生しました。 警察はいずれの事件でも、詳しい動機や経緯などを調べる方針です。 兵庫県神戸市の高齢者虐待事件 2023年3月8日、兵庫県神戸市内の福祉施設で認知症の女性を殴って怪我を負わせたとして、30歳の元職員の男を逮捕しました。 警察の調べによると、2022年12月、容疑者は自分が働いていた福祉施設で、認知症を患っている80代女性の顔を殴り、軽いけがを負わせた疑いが持たれています。 女性の顔にあざがあるのを別の職員が見つけたことから今回の虐待が発覚。容疑者は「女性が夕食を手で払い落としたことに腹が立った」と容疑を認めているそうです。 また、容疑者は「ほかの入所者にも暴力をふるったことがある」と供述しているそうで、警察は余罪についても捜査を進める方針です。 岐阜県土岐市の高齢者虐待事件 岐阜県土岐市にあるグループホームでも、入所者の顔を殴るなどの虐待が発生。警察は、2023年3月6日に元施設長の容疑者を逮捕しました。 警察の調べによると、容疑者は2022年11月8~25日にかけて、入所している高齢女性3人の顔を殴ったり臀部を膝蹴りしたりする暴行を加えた疑いが持たれています。施設職員が入所者のあざを発見したことで発覚しました。 また取材などから、元施設長の容疑者は施設長に就任した当時から入所者に対して、厳しい口調で叱ったり命令したりするなどの行動や高圧的な態度が問題視されていたことも明らかになっています。 岐阜県の高齢福祉課によると、施設職員による入所者に対する虐待は増えていると言います。岐阜県高齢者権利擁護センターの担当者は、「閉鎖的な状況で虐待が発生している。虐待を通報する体制を早急に確立しなければならない」と話しました。 介護職員同士の連携が乏しく、一人の介護士が個別にケアをおこなうような施設では、どうしても情報共有が遅れて虐待も発見しにくくなります。介護職員には、常日頃から職員同士でコミュニケーションをする機会をつくって、虐待をさせない雰囲気づくりに取り組んでもらいたいですね。
2023/03/14
岐阜県土岐市内の介護老人福祉施設の元施設長が、入所している高齢者に暴行を加えた容疑で逮捕されました。 警察は、事件の経緯や動機について詳しく調べていくとしています。 高齢者施設の元施設長が入所者への暴行容疑で逮捕 警察の調べによると、逮捕された元施設長は2022年11月8日~11月25日の間、施設に入所している88歳の女性と90歳の女性2人の計3人に対して、下半身をひざで蹴ったり顔や頭を殴ったりしたと見られています。 元施設長は犯行を犯した月の末日、ほかの介護職員とともに「入所者の身体にあざがあり、高齢者虐待の可能性があると市の指導を受けた」と自ら警察に相談しました。警察は捜査に乗り出し、施設内に設置された防犯カメラの映像の確認や職員への聞き取り調査を実施。そこから、元施設長の犯行が発覚しました。 調べに対し、元施設長は容疑を認めていて、警察はさらに詳しく事件の経緯などを追及していくとしています。 また施設によると、暴行を受けた3人は今のところ異変は見られていないそうです。 高齢者虐待を防止するためにできること どうすれば、職員による高齢者虐待を防げるのでしょうか? そのヒントは、厚生労働省による調査の中にありました。 厚生労働省は、介護施設における高齢者虐待の実態を把握するための調査を実施。アンケートの中で、実際に高齢者虐待が起きた施設に対してその原因を尋ねました。 すると、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が原因で虐待が起きたと回答した施設が過半数を占めていたことが明らかになったのです。それから、「職員のストレスや感情コントロールの問題」「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ」という回答も一定数見られました。 以上のアンケート結果から、高齢者の病気や心身の状態に関して知識がなかったために、高齢者の言動などに腹を立てて暴行に至ったケースが多いのではないかと推察されます。 これを防ぐためには、まずは虐待に関する研修をしっかりおこなう必要があると考えられるでしょう。 また、人手が足りなくて職員が余裕のない介護をおこなった可能性もあります。職員による高齢者虐待を防ぐためにも、研修の充実化やゆとりのある人員配置などの対策をしていってほしいですね。 出典:「「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に 基づく対応状況等に関する調査結果 」(厚生労働省)
2023/03/13
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。