多くの介護施設でミキサー食の対応ができますが、中には対応できない施設もあるので事前の確認が必要です。
また、糖尿病や高血圧などの持病の影響で食事制限がある場合も、施設側が対応できることがあります。どの程度、対応できるのかは施設によって異なるので、これもよく確認しておく必要があります。
先日、母が自宅で転倒してしまい、今は入院しています。入院中に飲み込む力が落ちてしまったとのことで、食事がミキサー食になってしまいました。自宅ではミキサー食を用意するのも難しいですし、車いすが必要になったので介護施設に入れたいと考えています。
でも、老人ホームでは、食事をミキサー食にするのは可能なんでしょうか?母だけ特別にミキサー食にしてもらう、なんてことは難しいですよね?
いえいえ、多くの老人ホームではご入居者お一人おひとりの状態に合わせた食事を提供していますよ。なので、ミキサー食も対応できる施設は多いんです。
そうなんですね、よかった!
年齢を重ねると噛む能力(咀嚼機能)や飲み込む能力(嚥下機能)が衰えていくものです。そのため「食材のやわらかさや大きさなどを配慮してほしい」というご要望は多く、お一人おひとりに合わせて食事形態を変更可能にしているんです。
特に、以下の施設の中でも介護が必要な人向けのところでは、食事のやわらかさや形態を変更できることがほとんどですよ。
いろんな施設で食事の形態を変更してくれるんですね!
そうなんです。ただ、追加料金がかかる場合もありますから、そのあたりも事前に施設に確認してくださいね。
介護施設で対応している食事の形態にはさまざまなパターンがあります。大橋さんのお母様も、今はミキサー食でも今後の嚥下状態によっては別の食事形態に変更になる場合もありますので、念のため頭に入れておいてください。
例を挙げると、介護施設で提供している食事には主に以下のような形態があります。
ミキサー食以外の食事形態は、どれも聞いたことがありませんね…。
はじめの「常食」というのは、一般的な食事形態のことです。咀嚼力や嚥下力に問題がない人が食べている形のものですね。
その常食をよく煮込んだり、ごぼうなどの繊維質で食べにくい食材を除いて作ったのが「軟飯」「軟菜」。やわらかく炊いたご飯が軟飯、やわらかく調理したおかずが軟菜です。健康な人よりも少し咀嚼機能や嚥下機能が低下した人向けの食事なんですね。
名前の通り、やわらかくて食べやすくなっている食事、というわけですね。
その次の「きざみ食」は、食材を約5mm~1cmにきざんだ食事形態です。主に歯で噛む力が弱くなった人向けの食事ですが、食材が細かいためにむせこみやすかったり誤嚥につながる可能性はあります。
なので、誤嚥を避けるために、咀嚼能力が低下した人には「ソフト食」が提供されることもあります。これは、ペースト状にした食材をとろみ剤などでやわらかく固めたもの。一度ペーストにしているので、軟飯・軟菜よりもやわらかく、舌で押しつぶせるほどです。
へー、ミキサー食でなくてもそんなにやわらかい食事があるんですね。
そうなんです。それに、ミキサー食だとどの料理もミキサーでスープ状にしてしまうので同じような見た目になってしまいがちですが、ソフト食は食材の形をした型に入れて固めるので、見た目で食事を楽しめるんです。
とはいえ、「歯がない」「口が空きにくい」「咀嚼ができない」といった人にはミキサー食の方が向いているでしょう。
食べる人の状態によって食事形態を変えるから、「どの食事形態が良い」ということはないんですね。
おっしゃる通りです。それに、同じ人でも訓練で機能が回復したり、体調不良で機能が一時的に低下するなど、嚥下機能・咀嚼機能が変わることはよくあります。
そのため、そのときのご入居者の状態によって、それぞれの食事形態を使い分けているんです。
ちなみに、老人ホームには高血圧や糖尿病の影響で食事の制限がある人のための食事にも対応しているところもあります。
食事の制限ですか?
はい。例えば、塩分制限や糖質制限などですね。他にも病気によってはさまざまな栄養の摂取量を制限しないといけないこともあります。
以下は、老人ホームで対応している主な制限食です。もしお母様が食事制限が必要な場合は、入居する施設で対応できるかどうか確認してくださいね。
ご高齢になると、食事のやわらかさや栄養に配慮が必要になることが多いです。そのため、ほとんどの施設でご入居者それぞれの状態に合わせた食事を提供しているので、遠慮せずに施設側に相談しましょう!
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