認知症の父親がトイレ以外の場所で用を足すときの対策は?トイレの仕方がわからなくなってしまったんでしょうか

認知症の父親がトイレ以外の場所で用を足すときの対策は?トイレの仕方がわからなくなってしまったんでしょうか

更新日 2024/03/18
認知症の父親が、廊下やゴミ箱など、トイレではないところで用を足すようになってしまって…。ただでさえ大変なのに掃除の手間も増えているので、余計に大変なんです。

最近まで自分でトイレに行っていたのに、なぜできなくなってしまったんでしょう?

(宮田さん・会社員・62歳)

もしかしたら、認知症の影響でトイレの場所がわからなくなってしまったり、間違った場所をトイレと思い込んでいる可能性があります。

ですので、トイレのドアに「トイレ」などと貼り紙をしたり、排泄の間隔を把握してトイレに誘導することで、トイレ以外の場所で用を足すことを防げるかもしれません。

認知症の人がトイレ以外で用を足すのはなぜ?

最近、認知症の父がトイレ以外の場所で用を足すようになってしまいました。廊下やゴミ箱など、まったく違うところでおしっこをしてしまうんです。

ついこの間まで、問題なく一人でトイレに行っていたのに…。なんで急にトイレ以外の場所で用を足すようになってしまったんでしょう?

それは大変ですね…。認知症の症状が進行したことで、トイレで排泄ができなくなってしまったのかもしれません。

具体的には、以下のようなことが理由に考えられます。

  • 場所がわからなくなる
  • がまんができない
  • 違う場所をトイレと思いこんでいる
  • 不快な場所と感じている
  • 便器をトイレと理解できない
  • 幻視を見ている

場所がわからなくなる

認知症による記憶障害や見当識障害の影響で、トイレの場所がわからなくなっている可能性があります。

記憶障害って物忘れってことですよね?それは以前からありました。もうひとつの見当識障害とは何ですか?

見当識障害とは、時間や場所がわからなくなる症状です。例えば、記憶が若い頃に遡ってしまって、今の時間がわからなくなる、同時に記憶が遡っているので今いる場所もどこかわからなくなるといった状態です。

例えば、「昔と家の様子が変わったからトイレの場所がわからなくなる」といったこともあり得るわけです。

見当識障害とは

見当識障害とは、今、自分がいる時刻や日付、場所、周囲の環境などを総合的に判断する能力が失われる障害です。アルツハイマー型認知症になると、記憶障害に続いて見られる症状です。


見当識障害には「時間の見当識障害」「場所の見当識障害」「対人関係の見当識障害」の3つの種類があります。まず最初に症状としてあらわれるのが時間の見当識障害と場所の見当識障害です。症状が進行すると対人関係の見当識障害も目立つようになります。

時間の見当識障害

  • 昼か夜かわからなくなる
  • 今日が何月何日かわからなくなる
  • 自分の年齢がわからなくなる

時間の見当識障害が起きると時間の感覚が失われていきます。日付や曜日の間違いはもの忘れの範囲ですが、症状が進行すると季節や朝昼夜の区別も難しくなります。

場所の見当識障害

  • 自宅への戻り方がわからなくなる
  • 家の中でトイレやお風呂の場所がわからなくなる

場所の見当識障害が起きると、今まで普通に通っていた場所やその道順があやふやになります。目的地の建物が認識できなかったり、どこで曲がるのかわからなくなって道に迷います。迷ったことで焦りやパニックを起こして、さらに遠くに行ってしまう危険もあります。

対人関係の見当識障害

  • 自分の孫を自分の子供だと思い込む
  • 家族のことを他人と認識する
  • 自分の名前や過去を忘れてしまう

認知症の症状が進行して短期記憶だけではなく過去の記憶も失われ始めると、対人関係の見当識障害もあらわれるようになります。家族や近い友人もわからなくなって、自分と他者との関係性もあいまいになります。

がまんができない

トイレに行くまでがまんができない、ということですか?

そうです。年齢を重ねることで歩行状態が悪くなり、歩くスピードが遅くなってトイレに間に合わなくなったことも考えられます。

また、摂取する水分量が増えるなど、以前よりも尿量が増えたことでトイレに間に合わなくなることもあるでしょう。

違う場所をトイレと思いこんでいる

なかには、家の中の別の場所をトイレと思い込んでいるケースも。認知機能が低下している影響で、部屋のすみや玄関、浴室などをトイレだと勘違いしているんです。

あぁ!うちの父もそうかもしれません。よく廊下のすみや居間のゴミ箱におしっこをしています。場所が決まっているので、廊下やゴミ箱をトイレだと思いこんでいるのかも…。

不快な場所と感じている

トイレを嫌な場所だと感じていて、トイレで排泄するのを避けていることもあります。例えば、狭い、暗い、寒い、臭いといったことが理由でトイレで排泄を避けた結果、別の場所で排泄をしてしまっているんです。

そんなこと考えたこともありませんでした。確かにうちのトイレは狭いし暗いので、トイレを嫌がっている可能性はありますね…。

便器をトイレと理解できない

「便器をトイレと理解できない」ってどういうことですか?

例えば、昔は和式便器を利用していた場合に、洋式便器を排泄する場所だと認識できないことがあります。これも、記憶障害によって若い頃にまで記憶が遡ったことの影響と考えられます。

若い頃の記憶と便器の形が違うから、トイレと認識できないということなんですね。

幻視を見ている

認知症の症状のひとつに「幻視」があります。実際にはないものが見えたり、現実にあるものを別のものに見えてしまう症状です。

もしかしたらお父様は、「トイレの前に人が並んでいる」「トイレのドアに虫がはっている」といった幻視を見ているのかもしれません。こうした幻視が見えていたら、トイレに行こうとは思えませんよね。

幻覚(幻視)とは

BPSDにおける幻覚とは、実際には存在しないものをまるで存在するかのように感じる症状のこと。本人は現実と感じるので、周囲からの理解が得にくい症状です。

ひと口に幻覚と言っても、見えないもが見える“幻視”、聞こえないものが聞こえる“幻聴”、体に虫がついている・不調がないのに体が痛いと感じる“体感幻覚”など、さまざまな種類があります。


中でも幻視はレビー小体型認知症、幻聴はアルツハイマー型認知症に多くみられます。

幻覚の対応方法

幻覚の症状があらわれたときは、否定しないことが大切。幻視や幻聴とはいっても、本人にとっては現実で起きていることと変わりありません。「そんなものいないよ」と否定されると、不安感が強くなったり、孤独感を感じて、症状がさらに悪化する恐れがあります。

例えば、「虫がいる」という幻覚には虫を追い払う動作をするなど、幻覚内容に対処する姿勢を見せると安心しやすくなります。その上で、本人の好きなものの話題に変えるなど、気分転換の機会をつくると症状が出にくくなります。


認知症の症状が進行して短期記憶だけではなく過去の記憶も失われ始めると、対人関係の見当識障害もあらわれるようになります。家族や近い友人もわからなくなって、自分と他者との関係性もあいまいになります。

認知症の人がトイレ以外で用を足すときの予防法は?

父がトイレ以外の場所で排泄してしまう理由について、なんとなくわかったような気がします。

でも、父がどうしたらトイレで排泄するようになるのでしょうか?仕事から帰ってきたら家が汚れていたり、汚れたものを片付けないといけなかったり…。どうにかならないでしょうか?

そうですよね。宮田さんの負担はとても大きいと思います。お父様がトイレで排泄できるようにいくつか対策を考えましたので、ぜひ試してみてください。

  • 排泄の間隔を把握して誘導
  • ドアに貼り紙をする
  • トイレまで道順を示す
  • トイレまでの通路を明るくする
  • ドアを少し開けておく

排泄の間隔を把握して誘導する

お父様の排泄のタイミングを把握して、トイレに誘導するようにするのもひとつの手です。

多くの方が、排泄のタイミングはだいたい決まっています。例えば、起床時、10時、13時、16時…など、大まかに把握して、そのタイミングで「トイレに行く?」と声をかけるんですね。

最近までおひとりでトイレに行けていたのであれば、トイレまで誘導すれば問題ないと思いますよ。

なるほど。ただ、私が家にいる時間であればできると思いますが、仕事に行っている時間帯は難しいですね。

うーん、でも、トイレ以外の場所で用を足す回数が減るのであれば、家にいる間だけでも排泄の記録を付けてみようかな…。

ドアに貼り紙をする

トイレのドアに大きな文字で「トイレ」「便所」と書いた貼り紙をしておくのも、効果があるかもしれません。

文字が読めなくなっている場合は、難しいかもしれませんが、お父様は文字が読めそうでしょうか?

はい。短い文章なら読めると思います。

であれば、貼り紙は効果があるかもしれませんね。ただ、注意したいのはお父様が認識している言葉で書くことが大切です。

記憶が若い頃に遡っていると、「トイレ」ではわからないこともあります。もしかしたら、「便所」「厠」といった言葉の方が伝わりやすいかもしれません。お父様の様子を見ながら考えてみてください。

トイレまで道順を示す

記憶障害の影響で、トイレまでの道順がわからなくなっていることがあります。なので、矢印などでトイレに行く順路を示してあげましょう。

自室や居間など、お父様が普段過ごしている部屋からトイレまでを貼り紙で示してあげると、お一人でトイレに行けるようになるかもしれません。

貼り紙は良いかもしれません。帰ったらやってみようかな。

トイレまでの通路を明るくする

もし、やかんにトイレの失敗が多いときは、暗いのが怖くてトイレに行けない可能性もあります。認知機能が衰えると、以前よりも不安を感じやすくなる傾向があります。そのため、廊下やトイレが暗いとそこに行きたがらなくなることも。そのせいで、トイレではなく別の所で排泄をしてしまうんです。

そういうときは、トイレに行くまでの通路を明るくしておきましょう。廊下の電気を付けておいたり、トイレの電気を付けておくのも良いでしょう。

ドアを少し開けておく

ドアを開けておくだけで、トイレに行けるようになるんですか?

もし、トイレに入るドアがどれなのかわからない場合、中の便器が見えるだけでも自分でトイレに行けることがあるんですよ。

ただ、この方法は「便器は排泄するためのもの」と理解できる場合に効果があります。「便器が何だかわからない」といった場合だと効果はないと思うので、お父様の状況を見ながら試してみてください。

こんな対応はNG!

北野室長にいくつか対策を教えてもらって、少し安心しました。これで父もトイレで用を足してくれるようになると良いのですが…。

最近は毎日のようにトイレではないところで用を足していたので、掃除が大変で。何度叱っても直らないので、どうしようか悩んでいたんです。

うーん。認知症の人に対して、叱ったり怒ったりするのは逆効果になることが多いんです。

えっ!?何でですか?

叱ってしまうとお父様がパニックになったり、興奮してしまうことがあります。気持ちも不安定になりますから、認知症の症状が進行してしまうこともあるんです。

症状が進行するんですか!?

うーん。確かに、叱ると怒鳴り返されて、毎日のように口論してしまっていますが…。

ですので、お父様がトイレ以外の場所で排泄してしまっていても、叱らず、怒らず、落ち着いて対応してください。できれば、お父様がその場から離れてから汚してしまった場所の掃除しましょう。

宮田さんが掃除する姿を見て、申し訳なさを感じて気持ちが不安定になることもありますから。

まずは、お父様がトイレで用を足せるように、対策をとってみてください。それでも、別のところで排泄してしまうこともあると思います。そういうときも、落ち着いて対応することで、お父様も穏やかになると思いますよ。

  • 認知症によってトイレの場所がわからなくなる、便器を認識できないなどが起こることも
  • トイレのドアに貼り紙、排泄の間隔を把握して誘導するなどの予防法がある
  • トイレ以外の場所で排泄したときは、怒鳴ったり否定する言葉を言うのはNG!

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