高齢の親と同居するか迷っています。一人暮らしの母を自宅に呼び寄せた方が良いのでしょうか?

高齢の親と同居するか迷っています。一人暮らしの母を自宅に呼び寄せた方が良いのでしょうか?

更新日 2024/03/18
実家で一人暮らしをしている高齢の母が心配です。まだ介護が必要ではないものの、もう母も80代。病気や怪我をしてしまったら一人暮らしではどうにもならないですし、詐欺などの被害にあわないか不安です。

高齢の親と同居するかどうか迷っています。同居する場合に気をつけておくことはありますか?

(松永さん・自営業・65歳)

例えば、「生活リズムが違う」「金銭トラブルが起こる可能性がある」ことは気をつけておいた方が良いでしょう。小さなすれ違いでも同居しているうちに大きなトラブルになる可能性があります。

そのため、事前にお互いの生活リズムを把握したり、生活費の負担について話し合っておくことが大切。また、お母様が元気なうちは家事の一部を担ってもらったりすると、役割ができてお母様の生活に張り合いが出ると思いますよ。

高齢の親と同居するときに気をつけることはある?

遠方の実家で、80歳を超える母親が一人暮らしをしています。まだ、1人で生活できているものの、病気や怪我、詐欺などが心配です。私の自宅に呼び寄せて同居しようかと考えています。

ただ、私の妻に相談しても良い顔はしません。母と同居するのに抵抗があるようです。そのため、私も母と同居するかどうか迷っています。

母と同居する場合に、気をつけておくことはありますか?

お母様のことは心配ですが、同居は迷うところですよね…。事前に気をつけておきたいのは、以下のような点です。

  • 生活リズムが違う
  • 価値観が違う
  • 介護の負担を担う可能性がある
  • 金銭トラブルが発生する可能性がある
  • 親が孤立する可能性がある

生活リズムが違う

おそらく、お母様と松永さんご家族の生活リズムは異なるでしょう。例えば、お母様が早起きで朝早くから活動している物音で、他のご家族が目覚めてしまうかもしれません。

また、松永さんご家族のどなたかが夜遅くまで起きていて、その音でお母様が眠れないこともあり得るでしょう。

確かに。母はとても早起きで、朝から家の中や家の周りの掃除をするような人です。私たち夫婦は夜中まで起きていますから、生活リズムは異なりますね…。

価値観が違う

育った場所や世代が違うので、価値観が異なることは当たり前だと頭に入れておきましょう。例えば、一度使ったティッシュを「もったいない」と言って、何度も使うことはご高齢者によく見られる行動です。この行為は、きれい好きな方には耐えられないかもしれません。

また、料理の味付けや料理の作り方が異なることもあるでしょう。細かいマナーや作法などの違いもあり、小さなことがお互いのストレスになるかもしれません。

介護の負担を担う可能性がある

今はまだ元気でも、介護の負担を担う可能性が大きいです。特に、同居家族は介護負担が集中する傾向があります。

それに、お母様の状態に合わせて介護リフォームをする必要も出てくるかもしれません。

そうか!もし母が思うように歩けなくなったら、手すりやスロープを付ける必要が出てくるかもしれませんもんね。

金銭トラブルが発生する可能性がある

金銭トラブルについても、気をつけておきましょう。同居の際の生活費の負担額について揉める可能性があります。

また、金銭感覚の違いでトラブルになる可能性も。例えば、松永さんご家族が買ったものに対して、「そんなことにお金を使うなんてもったいない」とお母様が口を出してくることも考えられます。

母は節約家なので、私たちのお金の使い方に文句を言ってくる可能性はありますね…。

親が孤立する可能性がある

意外と盲点なのが、お母様が松永さんご家族が住む地域で馴染めずに孤立する可能性があることです。

特に遠方から引っ越してくる場合、お友達やお知り合いがまったくいない場所で暮らすわけです。それまでは、お友達とお茶に出かけていたのがなくなって、家にこもりがちになる可能性もあります。

母は友人が多い人で、よく友達に会うために出かけています。活発な点は不安はなかったのですが…こちらに引っ越してくることで、それもなくなってしまうかもしれないんですね。

そうなんです。出かける機会が減った結果、認知症になってしまう可能性もあります。ご高齢者は新しい環境に慣れるのに時間がかかる傾向があるので、もし同居した際はお母様の様子をよく見ておいてくださいね。

高齢の親と同居するときに準備しておくこと

ただ母が心配な気持ちだけで、同居しようと思っていましたが、いろいろと気をつけておくことがたくさんあるんですね…。

ちなみに、何か事前に準備しておいた方が良いことはあるでしょうか?

以下のようなことを事前に準備しておくと、同居のときのトラブルが少なくて済むと思いますよ。

  • 生活リズムの違いを把握する
  • 家事の分担を考えておく
  • 生活費の負担を考えておく
  • 同居の意思を確認する
  • 介護が必要になったときのことを考えておく
  • 同居以外の選択肢も考える

生活リズムの違いを把握する

先ほどもお話ししたように、お母様と他のご家族の生活リズムが異なることが考えられます。その場合、問題になりやすいのが物音と食事です。

物音は、「7時までは掃除をしない」といったルールを決めておくと良いでしょう。また、お母様が生活する部屋をリビングなどの人が集まる空間から離した場所にするのもおすすめです。

なるほど。母は朝から掃除機をかけるような人ですから、ルール決めは必要そうです。

食事の面では、どんなふうにすれば良いでしょうか?

お母様が早起きなら、他のご家族が寝ている時間帯に朝ご飯を食べる可能性が高いですよね。なので、「朝と昼はそれぞれで食べる」「夕食は家族みんなで食べる」という風に決めておくのはどうでしょうか?

それは良いですね。母も朝ご飯は簡単に済ませますし、その方がお互いに気が楽かもしれません。

家事の分担を考えておく

事前に家事の分担を決めておくのも大切です。元気なうちは、家事の一部をお母様に担当してもらうと、生活にハリが出ると思いますよ。

大変な家事でなくて良いので、「朝のみそ汁だけ作ってもらう」とか「◯曜日の掃除を担当してもらう」といった役割を担ってもらいましょう。

なるほど。それくらいならお願いしやすいですね。今だって料理も掃除も全部1人でやっているわけだし…。

それに、お子さんのお家に呼び寄せる形の同居のときは、「子どもに面倒をかけている」と後ろめたい気持ちになる方が多いです。そのため、家事を担当することでそういった後ろめたさが和らぐと思いますよ。

生活費の負担を考えておく

生活費をどうするかも事前に決めておきましょう。わかりやすいのは、「月◯万円」と支払ってもらう金額を毎月一定額にすることですね。

また、家事を多く負担してもらう代わりに、出してもらう生活費を少なくするなどの調整ができると、今後のトラブルも避けられるでしょう。

同居の意思を確認する

意外とトラブルになりやすいのが、「実は同居が嫌だった」というケースです。

えぇ!無理やり同居しようとはしませんよ!

同居の意思をきちんと確認したつもりでも、「気がついたら話がどんどん進んでいて、断りにくくなった」というパターンがありえなくもないんです。

それに、お母様だけでなく他のご家族の意思もはっきり確認しておくことが大切です。これから先、長く一緒に住むことになるわけですから、他のご家族の意思も聞いておきましょう。

介護が必要になったときのことを考えておく

そう遠くない将来、お母様が介護が必要な状態になるかもしれません。そのため、介護が必要になったときはどうするかを考えておくのも大切です。

そうなんですよね…。妻もそこを心配していて。

介護が必要になったら「どこまで在宅介護を続けるか」を決めておくのがおすすめです。

具体的には、以下のように考えておくと良いでしょう。

  • デイサービス訪問介護を使って在宅介護をする
  • 自力で歩けるうちは在宅介護をする
  • 夜のトイレ介助が必要になったら老人ホームに入る
  • 認知症になって生活に支障が出たら老人ホームに入る

このように、お母様がどういった状態になるまでは在宅介護をして、その先は老人ホームに入ってもらうかどうかも今のうちに考えておきましょう。

ご高齢者と同居するとなると、介護のメインを担うのは同居家族です。ご兄弟がいたとしても、主導するのは同居している松永さんとなるでしょう。

そのため、まだ元気で余裕のあるうちに介護のことも考えておくと、トラブルを避けられるでしょう。

同居以外の選択肢も考える

一人暮らしのお母様のことが心配になると、まずは同居という選択肢が挙がるでしょう。でも、同居する以外にもお母様が安心して暮らせる環境を整えられますから、同居以外の選択肢も考えておきましょう。

「同居以外の選択肢」って何ですか?

それは「近居」という考え方です。近居とはご高齢者とそのご家族が近くに住むこと。今回の場合は、松永さんのご自宅の近くにお母様が引っ越してくるということですね。

そうすれば、何かあったときにすぐ駆けつけられますし、頻繁に顔を見に行くことも簡単です。

といっても、高齢の母が一人暮らしすることには変わりないですよね?それでも心配だな…。

実は、最近、普通のマンションやアパートではなく、シニア向けの住宅やマンションに移り住む方が増えてきているんです。もちろん、早めに老人ホームに入居しておくのも良いでしょう。

近居の引越し先としておすすめなのは、以下の住宅や施設です。

サービス付き高齢者向け住宅

「サービス付き高齢者向け住宅」って何ですか?初めて聞きました。

サービス付き高齢者向け住宅とは、お元気な方が多く暮らしている住まい。館内はすべてバリアフリーで、安否確認と生活相談のサービスが付いています。

お元気な方向けの住宅ですので介護サービスは付いておらず、介護が必要なときは外部の介護事業所と契約をする必要があります。

万が一のときのために、居室内に緊急ボタンが設置されているところも多く、急な体調不良時にはすぐにスタッフが緊急搬送などの対応もしてくれます。

へー!それは安心ですね!

シニア向けマンション

シニア向けマンションもサービス付き高齢者向け住宅と同様に、バリアフリーなのが特徴。サービス付き高齢者向け住宅と異なり、一般のマンションのように分譲型になっていることが多く、自分の資産となります。

ただ、その分、初期費用が数千万円に上ることも。新しくローンを組むことになるでしょうから、60代くらいの比較的若い方が購入していることが多いです。

となると、80歳を超えたうちの母には難しいですね。貯蓄もそこまで多くないだろうし…。

有料老人ホーム

お元気なうちから有料老人ホームに入居される方もいます。有料老人ホームであれば、介護が必要になったときも対応できますし、何よりスタッフがすぐ近くにいるので安心です。

ただ、有料老人ホームのなかには介護度が重度の方が多い施設もあります。そういう施設だと、お元気な方が入った場合、馴染めなかったりストレスを感じてしまうこともあるので、要注意です。

近居かぁ…。同居もいろいろ注意する点があるけど、近居でも注意が必要なんですね。

同居以外の選択肢も検討してみようと思います。

  • 生活リズムの違いや、介護を担う可能性があることを理解しておいて
  • 家事の分担や生活費の折半、介護が必要になったときのことを考えておこう

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