まずは、お父様に介護を任せてみてはどうでしょうか?家事ができないと言っても、お母様に教わりながらできるようになるかもしれませんよ。その生活に限界が来たら手助けできるように、こまめに様子を見るだけに留めておくんです。
ただ、ご家族の直接の手助けはしなくても、介護サービスを利用できる手はずは整えておくのがおすすめ。お母様が要介護認定を受けて、担当のケアマネジャーさんに付いてもらうだけでも、ご両親の生活のアドバイスが受けられる環境ができるはずです。
もし、要介護認定を受けたり、介護サービスを利用することも拒否する場合は、説得する人を変えるのも手。普段関わっていないご親族やかかりつけ医などから説得されると、意外とすんなりと利用してくれることもありますよ。
実家で父と二人暮らしをしている母が、自宅で転倒して介護が必要な状況になってしまいました。母は歩けないほどではないものの、長時間立ったり歩いたりすることが難しく、家事がほとんどできなくなりました。
そのため、父だけでは介護は難しいと思って同居の提案をしましたが、「俺が介護する」と言って父に同居を拒否されてしまって。ろくに家事もできない人が介護をできるわけないのに…。
父が1人で介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか?
そうですね…。まずは様子を見てはどうでしょうか?
家事については、お母様に教わりながらでもできますし、お父様が「介護する」と言っているのですから、見守る姿勢も大切ですよ。
えぇっ!でも、きっと父に任せておくと実家はとても汚くなるでしょうし、父が料理できるとも思えないので、出来合いのものが増えるでしょうし…。
確かに、以前よりもご実家が散らかったり、料理が出来合いのお惣菜などが増えるかもしれません。ですが、以前と同じようにしなくても良いんです。完璧でなくても、「二人が生活できているなら良い」くらいの気持ちでいると、白石さんの気持ちが楽になると思いますよ。
ただ、お二人での生活が難しくなったら手助けできるように、様子はこまめに見ておきましょう。
同居をしないなら、お母様が介護サービスを利用するのはどうでしょうか?
それが、介護サービスを利用するのも父に拒否されてしまって。父1人で介護できる状況じゃないと思うんですけど…。どうしたら良いんでしょうか?
はじめに、どうして介護サービスを利用したくないのか確認してみましょう。どうしてお父様はお母様が介護サービスを利用するのを嫌がるんでしょうか?
まったくわかりません。「俺が介護するからいらない」の一点張りで…。
なるほど…。もしかしたら、次のような理由かもしれません。
実は、男性は介護が必要になったら奥さんに介護をしてほしいと思っている人が半数以上いることがわかっています。なので、「妻の介護は自分の役目」とお父様が思い込んでいるのかもしれませんね。
また、お母様が介護が必要な状況であることを受け入れられていない可能性もあります。
介護サービスを利用することを重大なことだと捉えていて、「まだ介護サービスを利用するほど、ひどい状態じゃない」と思って、利用を拒否していることもあり得ます。
そういう理由があるんですね…。父は思い込みが激しいところがあるので、北野室長が言う理由が当てはまっているかもしれません。
母自身は、私と同居することも、介護サービスを利用することも、そんなに嫌がっている様子ではないんです。とにかく父が頑固で…。
どうしたら父を説得できるでしょうか?
例えば、以下の方法はどうでしょうか?
同じ内容の話でも、話す人を変えるだけで納得してくれることがあります。
どういうことですか?
いつも白石さんがお父様を説得しているのであれば、白石さんのご主人やお父様・お母様のご兄弟から説得してもらうんです。
普段、接することが少ない人から言われることで、「自分の考えは間違っているのかもしれない」と冷静に判断できるのかもしれませんね。
私の話は聞かないのに他の家族の話は聞くなんて、なんだか納得いきませんが…。それで父が納得してくれるなら、夫や叔父に頼んでみます。
お母様のかかりつけ医から、同居や介護サービスの利用を勧めてもらうのも良い方法です。かかりつけ医であれば、お母様の状況を把握していますし、「専門家からの助言」ということで、お父様も納得しやすいでしょう。
かかりつけの先生の言うことは素直に聞くんですよね。先生に頼んでみるのもアリかな…。
少しハードルは高いですが、介護サービスは使わなくても要介護認定だけでも受けてもらうのもひとつの手です。
要介護認定を受けると、担当のケアマネジャーさんが付きます。介護のプロから生活のアドバイスをもらえますし、お父様の中で「介護サービス」へのハードルが低くなると思いますよ。
母に介護サービスを利用してもらうとして、介護サービスにはどんなものがあるんでしょうか?介護のことは考えてこともないので、全然わからなくて…。
介護サービスにはいろんな種類があるからわかりにくいですよね。主な介護サービスをご紹介しますね。
在宅介護は、家で介護を受けている人が利用できるサービスです。
訪問介護を利用すれば家事の支援が受けられますから、利用しやすいかもしれませんよ。また、デイサービスは日中に介護施設に通ってサービスを受けるものなので、お母様が利用している間、お父様が家事に集中できますよ。
もし、今後、在宅介護が難しい状況になったら介護施設に入ることも視野に入れておきましょう。
介護施設ですか…。考えたこともなかったです。
主な介護施設には、以下のようなものがあります。
母が介護サービスを利用する場合、どうしたら良いんでしょうか?直接、訪問ヘルパーなどの事務所に申し込みするんですか?
いえいえ!まずは要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は、「要支援1・2」「要介護1~5」といった、介護が必要な度合い「要介護度」を調べるもの。要介護認定の結果がわかってから、介護サービスを受ける流れになります。
要介護認定は、まずお母様がお住まいの地域の役所か地域包括支援センターで申請手続きをします。
その後は次のような流れで、審査がおこなわれます。
審査の結果、要介護度がわかるので、要介護度をもとに担当ケアマネジャーさんがケアプランを作成。ケアプランに基づいて介護サービスを利用することになります。
担当ケアマネジャーさんってどうやって決まるんですか?
ケアマネジャーさんについては、役所や地域包括支援センターで相談できます。役所や地域包括支援センターでは、地域のケアマネジャーさんについて把握しているので、そこで情報を提供してもらいましょう。
そうしてケアマネジャーさんが決まったら、ケアプランを作ってもらって、介護サービスを利用できるようになるというわけですね。
おっしゃる通りです。介護サービスの利用方法についてはややこしいことが多いので、わからなくなったら役所や地域包括支援センターに相談してくださいね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。