認知症の父親の暴力がひどくてあざだらけ…。どうしたら良いですか?

認知症の父親の暴力がひどくてあざだらけ…。どうしたら良いですか?

更新日 2024/03/18
約2年前に認知症と診断された父と同居して介護しています。以前はそんなことはなかったのに、この半年ほど父がちょっとしたことで怒って、私や母を殴ったり物を投げるようになりました。

母も私もあざだらけで、いつ殴られるのかおびえながら生活しています。こんな父にはどのように対応したら良いですか?

(内山さん・会社員・56歳)

暴力行為があると、内山さんもお母様もかなり不安な日々を過ごしていらっしゃると思います。ですので、まずはできる範囲で距離を取りましょう。お父様が怒り始めたら、別の部屋などに移動して物理的に離れる、デイサービスショートステイなどで離れる時間を作る、といった対応です。

認知症になると、感情をコントロールする脳の機能が低下して、ちょっとしたことで暴力的になることがあります。また、不安やストレスを感じて暴力的になっていることがあるので、力で抑えようとしたり身体拘束をするのはNG。さらに暴力行為がエスカレートするおそれがあります。

あまりに暴力行為が激しいときは、精神科のある病院への入院も検討してくださいね。

暴力は認知症の「周辺症状」のひとつ

認知症の父から殴ったり蹴ったりの暴力を受けることが増えて困っています。認知症のせいか物忘れがひどくなり、忘れている出来事を指摘すると怒鳴りながら殴りかかってきます。また、家電などの道具類も使い方がわからなくなり、いらだって庭に投げ捨てて壊すことも…。

父は一度怒り出すと手を付けられず、私も母もあざだらけ…。何がきっかけで怒るのかわからないので、毎日おびえながら生活しています。

急に暴力的になったのは、認知症のせいなんでしょうか?

おそらく、認知症のせいだと思われます。

暴力は認知症の「周辺症状」の代表的なもののひとつ。周辺症状とは、認知症のメインの症状「中核症状」や心理状態に影響して引き起こされる症状のことで、「行動・心理症状(BPSD)」とも呼ばれます。

認知症の中核症状には、物忘れや理解力の低下などがあります。周辺症状は、それらの中核症状が原因となって現れているんです。

うちの父は物忘れがひどいのですが、それが原因で暴力を振るっているということですか?

はい、その可能性もありますね。ただ、物忘れは多くの認知症の方に現れる症状ですが、物忘れの症状がある方全員が暴力行為をするわけではありません。その方の状況などによって、個人差が大きいのが周辺症状の特徴なんです。

認知症の種類によっては暴力の症状が出ることも

ちなみに、お父様の認知症の種類はご存知ですか?

はい。血管性認知症です。認知症の種類が暴力を振るうことに関係があるんですか?

そうなんです。実は、認知症のなかには暴力行為が起こりやすい種類があります。それが、脳血管性認知症」と「前頭側頭型認知症」です。

血管性認知症は、感情のコントロールが難しくなるのが特徴。脳血管の障害によって起こる認知症なので、障害がある脳の部位と正常な部位との機能の差が生まれ、意識がはっきりしている時間とそうでない時間があります。

意識がはっきりしないときがあることを、ご自身で認識できる場合もあるので、精神的に不安定になる方も。そのため、不安が大きくなってちょっとしたことで暴力を振るいやすいんです。

えぇっ、父はそんな状態だったんですね…。

また、前頭側頭型認知症は、人格や社会性、言語などをつかさどる脳の部位が損傷しています。そのため、ルールを守った行動ができなくなったり、少し気に入らないことがあると暴力を振るうことがあるのが特徴です。

認知症の人の暴力はどう対応する?

毎日、父の顔色をうかがいながら生活するのはもう嫌です!どうにかならないでしょうか?

そうですね…。対応策としていくつかお伝えしましょう。例えば、以下のような方法です。

  • 物理的・心理的に離れる
  • 薬で治療する
  • 在宅介護サービスを利用する
  • 介護施設に入居する

物理的・心理的に離れる

まずは、物理的にも心理的にも距離を取りましょう。具体的には、お父様が怒り出したタイミングで、別の部屋へ移動したり、落ち着いているときに音楽などを聞いてご自分のリラックスタイムを作る、といったようなことです。

取り急ぎの対応方法ではありますが、意識的に距離を取ってみると、内山さんやお母様の気持ちが多少楽になると思いますよ。

薬で治療する

薬を使えば、お父様の状態が落ち着くこともあります。既に服薬している薬がある場合は、飲み合わせの問題もあるので、「お薬手帳」を持ってかかりつけ医に相談しましょう。

また、認知症の薬を服薬している場合、別の薬に変えたり量を調整することで、症状が良くなることも。暴力を振るわれていることを医師に伝えてみましょう。

在宅介護サービスを利用する

在宅介護サービスのなかでも、「デイサービス」と「ショートステイ」を利用するのがおすすめです。

デイサービスは、介護施設に通って介護サービスを受けられるもの。昼間の時間帯に介護施設が預かってくれるので、ご家族が安心して過ごせる時間を確保できます。

また、認知症だけが利用できる「認知症デイサービス」というものもあります。認知症デイサービスであれば、認知症ケアに慣れた職員がそろっているので、適切なケアによってお父様の状態も落ち着くかもしれません。

へぇ!認知症の人限定の介護サービスがあるんですね。ちょっとでも父を預かってくれれば、私も母も安心できます。

また、ショートステイは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊している間の食事、入浴、レクリエーションなどのサービスを提供しています。

デイサービスよりも長時間、介護施設が預かってくれるので、ご家族のリフレッシュとして活用している方が多いですよ。

それは助かります!父に気を使わなくて良い日が1日でもあると、気が休まりそうです。

介護施設に入居する

もし、ご自宅での介護が難しい状況であれば、介護施設への入居も検討してください。以下の施設であれば、認知症の方への対応に慣れているので対応できるでしょう。

ただ、お父様の暴力が職員さんや他のご入居者にも及ぶ場合、入居を断られる可能性も。介護施設の受け入れ状況やお父様の状態にもよりますので、介護施設によく相談してみてください。

暴力行為があると、介護施設でも入居ができないことがあるんですね…。

暴力があまりにもひどいときは病院へ

先ほどお話しした通り、暴力行為がある方は介護施設の入居が断られる可能性があります。これは、有料老人ホームなどの長期入居型の施設だけでなく、デイサービスなどの在宅介護サービスでも同様で、利用を断られる可能性があります。

そんな!では、父におびえながら私と母が自宅で介護するしかないんですか!?

いえ、誰にも手がつけられないほど怒ったり、暴力を振るう場合は、病院での治療が必要な状態と言われています。そのため、介護施設で受け入れられないほどの暴力行為がある場合は、入院をおすすめします。

えっ!入院ですか?

そうなんです。入院設備のある病院のなかでも、精神科のある病院が良いでしょう。なぜなら、一般的な病院の場合、認知症の方の対応ができないことが多いためです。

精神科であれば、認知症の薬の処方をしてもらえますし、看護師も認知症の方の対応に慣れているので受け入れてくれるでしょう。

精神病院ですか…。まさか、父がそんな状態だとは思っていませんでした…。

もちろん、薬の調整やケアの方法を変えることで暴力が落ち着いて、在宅介護を続けられることもあります。まずは、かかりつけ医やケアマネジャーさんに相談してくださいね。

認知症の方の入院については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。

こんな対応はNG!

認知症の影響による暴力行為は、間違った対応をするとさらにエスカレートしてしまう可能性があります。なので、やってはいけない対応についてもお話ししておきますね。

具体的には、以下の2つです。

  • 力で押さえつける
  • 身体拘束をする

認知症の方の振り上げた手を押さえつけて降ろさせるなどの、力で押さえつける対応はNGです。なぜなら、行動を制限されたことで不安や恐怖を感じ、暴力がエスカレートするおそれがあるからです。

私や母では父の力には勝てないので押さえつけたことはありませんが、暴力がエスカレートすることもあるんですね…。

また、ベッドなどに縛り付ける、部屋に鍵をかけて自由に出られないようにする、といったことは身体拘束で虐待にあたりますから、やらないでくださいね。

虐待!?絶対にやらないです!

身体拘束がストレスとなり、認知症が進行したり、身体機能が低下する危険性があります。

暴力行為はとても怖いことで、不安を感じるかもしれませんが、「力で押さえつける」「身体拘束をする」といった対応はしないでくださいね。

認知症の方に言ってはいけない言葉については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。

認知症の人が暴力を振るう理由は?

父は、もともと怒りっぽい人ではありませんでしたし、すぐ手が出る人でもありませんでした。認知症のせいだとしても、どうして暴力的になってしまったんでしょうか?

認知症の方が暴力を振るうのは、以下のような理由が考えられます。

  • ストレス・不安のため
  • 自尊心を傷つけられたため
  • 薬の副作用のため

ストレス・不安のため

先ほども触れた通り、認知症の影響で判断力や理解力が低下します。そのため、周囲の状況が把握しにくいので、ストレスや不安を感じやすい状態です。

さらに、感情のコントロールする機能も低下しているため、ストレスや不安を感じると精神的に不安定になり、その結果、暴力的になってしまうことがあります。

自尊心を傷つけられたため

加齢や認知症の影響で、できないことが増えていきますよね。そのため、ご家族が介助をするわけですが、その際に自尊心を傷つけてしまうことも少なくないんです。

どういうことですか?

例えば、「一人で大丈夫?」といった声掛けも、ときには自尊心を傷つける一言に。「一人じゃできないんだから、手伝うよ」といった言い方をすると、なおさら自尊心を傷つけかねません。

認知症の方を心配すると、こういった声掛けをしてしまいがちですが、自尊心を傷つけて暴力行為のきっかけになることもあるので、気をつけましょう。

薬の副作用のため

服用している薬によっては、副作用の影響で暴力的になっていることもあります。認知症の薬のなかには、暴力行為が副作用として指摘されているものも。体質に合わない薬を止めたら暴力行為がなくなったケースもあるんです。

認知症の薬のせいで、暴力的になっている可能性もあるんですか!

そうなんです。だからといって、独断で服薬を中止するのはとても危険なので止めてくださいね。薬を中止したり、調整するときは、必ず医師に相談してください。

認知症の影響によって暴力を振るうといっても、原因は人それぞれのため、対応方法もそれぞれです。ご家庭で抱え込まないで、まずはケアマネジャーやかかりつけ医に相談してくださいね。

認知症の方の暴言については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。

  • 認知症の人の暴力には心理的に離れる、薬で治療するなどの対応をしよう
  • 認知症の人を力で押さえつける、身体拘束するのはNG!
  • 認知症の影響で、感情の抑制ができない、不安感を感じやすいため暴力を振るうことも

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