母親が認知症かもしれません。帰省したときに様子がおかしくて心配です

母親が認知症かもしれません。帰省したときに様子がおかしくて心配です

更新日 2024/03/18
遠方にある実家に1年ぶりに帰省したら、母の様子がおかしくて心配です。母は一人暮らしなのですが、これまでは問題なく1人で生活できていました。ですが、先日、帰省したときはお惣菜のパックがキッチンに散乱し、ゴミは分別もされずに溜まっていました。

母は料理が得意だったのに、最近はしていない様子。「年を取ると料理するのもゴミ出しも億劫になっちゃって…」と言っていましたが、家の中の様子は異常でした。それに、数日前に私が伝えていたのにも関わらず、帰省のことすらも忘れているようでした。

母は80歳超えているので「年のせいかな」とも思うのですが、1年前とあまりにも様子が異なるので「認知症かも」とも考えています。

(竹田さん・パート・63歳)

「家の中が散らかっている」というのは、認知症である可能性が高いです。そのほかの前兆としては「家電の操作がわからない」「性格が変わった」などがあります。もし、心当たりがあったら、早めに認知症検査を受けることをおすすめします。

検査の結果、認知症だった場合は、介護サービスを使いながら一人暮らしを続けたり、老人ホームに入るなどの介護の体制を早めに整えましょう。

親の認知症を疑うポイント

先日、1年ぶりに実家に帰省したところ、母の様子がおかしくて心配です。母は料理するのが好きな人だったのに、しばらく料理をした様子がなく、キッチンにはお惣菜のパックが散乱。洗っていない食器がシンクに置きっぱなしでゴミも分別せずに部屋の隅にまとめてありました。

母に聞くと「年を取ると料理するのもゴミ出しも億劫になっちゃって…」と答えていましたが、明らかに家の中は異常でした。

母は80歳を超えていますし「年のせいなのかな」とも思うのですが、あまりの異常さに「認知症になってしまったのかも」と心配なんです。認知症かそうでないかは、どうしたら見分けられるでしょうか?

うーん、かなり心配な状況ですね。「久しぶりに帰省したら、親の様子がおかしい」というご相談はよく伺います。

例えば、以下のような兆候があったら、認知症の疑いが高いので早急に検査を受けることをおすすめします。

  • 約束や予定を忘れる
  • 家の中が散らかっている
  • 家電の操作がわからない
  • 服装が不潔、季節に合っていない
  • 性格が変わった

約束や予定を忘れる

認知症の代表的な症状のひとつに「記憶障害」があります。これは、直近の出来事を忘れてしまう症状。進行すると数十分前の出来事も忘れてしまいます。

そのため、何か約束していたことや病院などの予約を忘れている様子があったら、認知症の可能性があります。

でも、高齢になれば誰でも忘れっぽくなりますよね?

おっしゃる通り、高齢になると物忘れをしやすくなります。が、認知症の物忘れは「予定していたことそのものを忘れる」のが特徴です。

加齢による物忘れが「あの予定は何時からだったっけ?」という忘れ方なのに対し、認知症による物忘れは「そんな予定入れていたっけ?」と予定を入れたことが完全に頭から抜け落ちてしまいます。

そういえば、実家に帰る数日前に電話で帰る日時を伝えておいたのですが、母は私の帰省だけでなく電話したことも忘れていた様子でした。やっぱり認知症なのかも…。

家の中が散らかっている

家の中が散らかっているのも、認知症の兆候なんですね。

はい。以前は家の中の片付けができていたのに急にできなくなるのは、認知症によって脳の機能が低下したことによるのかもしれません。

認知症になると、具体的に以下のように家の中の整理などができなくなります。

  • ゴミが溜まっている
  • シンクに汚れた食器などが置きっぱなし
  • 冷蔵庫に腐ったり賞味期限切れの食品がある
  • 同じものをいくつも買っている
  • ティッシュペーパーやトイレットペーパーを補充していないト

「ゴミが溜まっている」「シンクに汚れた食器などが置きっぱなし」はうちの母に当てはまります…。

このように家の中が散らかってしまうのは、認知症による脳の機能低下によって、物の管理ができなくなるから。特に記憶障害があると、家に同じものがあるのに買ってきてしまったり、反対にトイレットペーパーなどの買い足さないといけないものを買い忘れてしまうことが起きるんです。

さらに、認知症によって段取り良く行動するのが難しくなります。そのため、ゴミの日に該当のゴミを捨てられないなどの問題も起きてしまうんですね。

そういうことだったんだ…。母が急に家事をやらなくなって心配していたんですが、そういう理由があったのかも…。

性格が変わった

人によっては、認知症になって性格が変わる場合があります。具体的には怒りっぽくなったり、無気力でぼーっとしていることが多くなるんです。

特に認知症になると、人との交流を避ける傾向があります。外出を嫌がったり地域の集まりに参加しなくなったり…。好きだったものに興味を示さなくなり、趣味のサークル活動などをやめるケースもあるんです。

確かに、母は少しぼーっとしていたような気がします。虚ろな表情というか…。

家電の操作がわからない

認知症によって脳の機能が低下すると、家電などの機械の操作がわからなくなることがあります。それまで使えていた電子レンジが使えなくなったり、テレビのリモコンの操作がわからなくなる、といったケースが多いです。

母はそうした様子はありませんでしたね。でも、認知症になると家電の使い方も忘れてしまうのかぁ…。

服装が季節に合っていない、不潔

認知症の症状のひとつに「見当識障害」というものがあります。これは、日時や季節がわからなくなる症状。そのため、真夏なのに厚手のセーターを着ていたり、寒い冬にコートを着ずに外出してしまうこともあります。

でも、季節がわからないといっても真夏にセーターを着ていたら暑いと思うんですが…。

認知症の方に限らず、ご高齢になると暑さ・寒さを感じにくくなると言われています。そのため、とりあえず手に取りやすい服を着てしまっているのかもしれません。

また、洗濯をせずに手近な服を着続けるので、服が不潔であることも。認知症の人はお風呂を嫌がることも珍しくないので、髪や体も不潔な状態になっていることもあります。

「認知症かも」と思ったら認知症検査を

北野室長の話を聞いていたら、やっぱり母は認知症かもしれない、と思いました…。

お話を聞いているだけではなんとも言えないので、まずは認知症検査を受けることをおすすめします。

そうですよね。やっぱりきちんと検査をしないと。でも、母は素直に認知症検査を受けてくれるでしょうか?「認知症なんかじゃない!」と拒否される気がして…。

「認知症かもしれないから検査を受けよう」とストレートに言うと、やはり抵抗感があって素直に受けてくれないと思われます。

おすすめとしては、「健康診断」と言って認知症検査に誘う方法。認知症検査は脳の検査だけでなく全身の検査もおこなうので、あながち嘘ではありません。そのときは、検査を受ける病院に認知症検査ではなく健康診断と伝えていることを共有しておきましょう。きっと上手くお母様に説明してくれますよ。

そうなんですね!健康診断と伝えるなら、素直に検査を受けてくれそう。

もしくは、お母様のお友達やご近所の人など、仲の良い人に勧めてもらうのも良いでしょう。お子さんから「認知症検査を受けよう」と言われると嫌がる方が多いのですが、お友達から勧められると意外とすんなり受け入れる方は多いんですよ。

それか、かかりつけ医から勧めてもらうのも良い方法です。医師の言うことは素直に聞くご高齢者は多いですから、お母様に話をしてもらうようにかかりつけ医に相談するのも良いでしょう。

親が認知症だったときの対応

検査の結果、母が認知症だったらどうしたら良いんでしょうか?

まずは、介護の体制を整えましょう。介護サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要がありますから、始めに要介護認定を受けるための申請をすることが大切です。

要介護認定の申請はどこでできるんですか?

お母様がお住まいの役所か地域包括支援センターで要介護認定の申請ができます。申請をした後の流れは以下の通りです。

要介護認定の手続きをしながら、お母様がご実家で暮らし続けられるようにするのか、老人ホームに入居するのか、介護の方針を決めておきましょう。

そう言われても、介護についてまったくわからないのでどちらを選べば良いのやら…。

でしたら、「自宅で暮らし続ける」「老人ホームに入る」の2パターンについてお話しますね。

在宅介護サービスで自宅で暮らし続ける

お母様はまだなんとか一人暮らしをしているので、在宅介護サービスを利用すれば今よりも安心してご実家で暮らし続けられるかもしれません。

主な在宅介護サービスは以下の通りです。このような在宅介護サービスを組み合わせながら生活をする方が多いですね。

在宅介護サービスっていろいろあるんですね。

訪問介護はヘルパーさんが自宅まで来て家事や身体介護をしてくれるサービス。デイサービスは日中の間に介護施設に通って食事やレクリエーションなどのサービスを受けられるものです。ショートステイは1日から宿泊できるサービスで、宿泊中の食事や介護はすべてお任せできます。

最後の小規模多機能型居宅介護というのは、訪問介護・デイサービス・ショートステイの3つのサービスを1つの介護施設で受けられるもの。「デイサービスの利用後、そのままショートステイを利用」といった柔軟な使い方ができるのが魅力です。

へー!それは便利ですね。

母の様子を考えると、まともに食事もできていないかもしれないので、デイサービスやショートステイなどの食事の提供があるところも良いかもしれないですね。

老人ホームに入る

老人ホームに入るってまだ早い気がするんですが…。家の片付けができなくなったとはいえ、まだ1人で生活できているわけですし…。

もちろん、そういう考え方もあります。

ですが、認知症だった場合、症状が進行して急に一人暮らしが難しくなる可能性もあります。それに、火の消し忘れで火事になったり、ご高齢者を狙う詐欺の被害にあったり…認知症の方が一人暮らしするのはどうしても心配が出てくるでしょう。

そのため、早いうちから老人ホームに入って安全な暮らしを確保する、という考え方もあります。

なるほど…。ちなみに、認知症の母が入れる老人ホームってどんなものがあるんですか?

認知症の方が入れる老人ホームには以下のようなものがあります。

この老人ホームのなかでも認知症の方におすすめなのは、「介護付き有料老人ホーム」と「グループホーム」です。

介護付き有料老人ホームは、手厚い介護体制のある施設。介護スタッフが24時間、看護師は少なくとも日中に常駐しているので、認知症の方はもちろん、インスリン注射が必要な糖尿病の方などの受け入れもしています。

グループホームは、認知症の方専門の施設。「ユニット」と呼ばれる少人数単位で生活しており、ご入居者同士が協力しながら生活をしているのが特徴です。グループホームなら、介護スタッフのサポートを受けながら掃除や洗濯、料理などもできるので、お母様の自立性を確保しながら生活できると思いますよ。

そういう施設もあるんだ…。老人ホームというと、寝たきりのような状態の人ばかりなんだと思っていました。

まだ、母が認知症と決まったわけではないですが、もし認知症だったとしても対応の方法があると知って安心できました。

  • 予定を忘れたり家が散らかっているなどがあったら認知症の可能性アリ
  • 「認知症かも」と思ったら、認知症検査を早めに受けよう
  • 認知症だったら、まずは要介護認定を受けて介護体制を整えよう

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