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米ぬかで認知症を治療!?米ぬか成分「フェルラ酸」の臨床試験が始まる
東京歯科大学市川総合病院は、米ぬかに多く含まれる成分が認知症の治療に効果があるか確かめるために、2023年の1月から臨床試験を始めると発表しました。
臨床試験の参加者は、2027年の3月まで公募するとしています。
臨床試験について
以前に実施された動物実験で、米ぬかに多く含まれる「フェルラ酸」と呼ばれるポリフェノールが、脳内に蓄積したアルツハイマー型認知症の原因物質を減らすことが判明しました。
これを受けて東京歯科大学は、フェルラ酸が含まれるサプリメントを認知症の人に服用してもらって、効果を測ることにしたのです。
臨床試験は、試験に応募したアルツハイマー型認知症の症状がある65~85歳の高齢者が対象。2023年1月10日から、順次1年間の臨床試験を実施する予定です。
先日おこなわれた記者会見で、東京歯科大学市川病院に所属する宗未来准教授は「食の力で薬以外の選択肢を提示できれば」と述べました。
この臨床試験は、広く参加者を募集しており、以下より応募が可能です。臨床試験に興味がある人は、以下より詳細をぜひ確認してください。
▶参加フォーム
▶詳細資料
▶お問い合わせ窓口:komenuka88@gmail.com
フェルラ酸とは
身体が酸化ストレスに長い期間さらされていると、がんや糖尿病、心筋梗塞などさまざまな病気を引き起こすと言われています。また、シドニー大学の研究で、身体の酸化がアルツハイマー型認知症の原因物質を増加させる可能性も指摘されました。
さまざまな病気のリスクとなる酸化ストレスから身体を守るためには、抗酸化作用のある物質を食べ物やサプリメントなどから摂取するのが効果的です。
今回の臨床実験で用いられる「フェルラ酸」は、さまざまな植物に含まれるポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用があることで知られています。そのため、身体の酸化を抑え、アルツハイマー型認知症の原因物質の蓄積を防ぐはたらきが期待されているのです。
現在、認知症は一度発症したら完治させることはできず、薬などで進行を遅らせるしか手がありません。しかし、この研究が成功すれば、認知症に悩むすべての人々にとって吉報となるかもしれませんね。
2023/07/10