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「慢性腎臓病」の5人に1人は診断まで5年!悪化すると透析が必要に…
新たな調査で、「慢性腎臓病」と診断された人のうち、約2割は診断に至るまでに5年以上の期間が経過していたことが明らかになりました。
この調査は、政策提言などをしている一般社団法人ピーペックと、製薬会社日本ベーリンガーインゲルハイムが合同でおこない、研究結果は「Advances in Therapy」という医学誌に掲載されました。
慢性腎臓病とは
慢性腎臓病(CKD)とは、腎機能が持続的に低下する疾患です。慢性腎臓病の治療を受けず放置していると腎不全になり、透析治療や腎臓移植が必要になることもあります。
また慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクになることも知られています。
調査の背景
これまで、慢性腎臓病患者が受けた診断の経緯や負担に関する調査は少なかったため、ピーペックとベーリンガーインゲルハイムは合同で調査を実施することにしました。
今回の調査は、慢性腎臓病の患者342人を対象にインターネット上で実施。アンケート形式で、患者が慢性腎臓病の診断に至った背景や日常の負担などを質問しました。
この調査の中で、慢性心臓病の診断のきっかけを尋ねたところ、81%の人が「健康診断」や「他の病気を治療しているとき」と回答。一方で、約20%の人が慢性腎臓病の診断を受けるまでに5年以上かかったことが明らかになったのです。
この結果を受けて、今回の研究のアドバイザーである大阪医科薬科大学の美馬晶氏は「今回の研究で、明確な診断基準があるにも関わらず診断まで5年以上かかった患者が約2割もいたことがわかった。慢性腎臓病に対する理解促進の場をつくる必要がある」と述べました。
さらに調査では、日常でどんな負担を強いられているか尋ねました。すると、70%以上の人が塩分やタンパク質などの食事制限を強いられていることが判明。ほかにも「病気のために仕事などがうまくいかないときに、怠け者だと見られるのがつらい」という心理的な負担を感じている人がいることも明らかになりました。
慢性腎臓病は症状が出現しないことも多いと言われています。手遅れにならないうちに、定期的に健康診断などを受けると良いかもしれませんね。
2022/12/23