奥田さんに負担が集中している状態なんですね。解決策としては、介護サービスを利用する、行政サービスを利用する、老人ホーム入居を検討する、という方法が挙げられます。
ちなみに、親御さんの介護に関する考え方や経済状況を事前に確認して御きょうだいで役割分担を決めておくと、こうしたトラブルは避けられることがありますよ。
3年ほど前に母が認知症と診断されてから、介護をしています。母と同居している私が介護をすること自体には文句はないのですが、隣県に住む弟がまったく介護を手伝わないんです!
たまにしか顔を出さないので電話で介護を手伝ってほしいと言うものの、「介護は同居している姉さんの仕事でしょ」と聞く耳を持ちません。そんな言い草なので、私も頭に来て毎回、喧嘩になってしまって。
喧嘩するのも疲れちゃって…何か良い方法はないでしょうか?
親御さんの介護がきっかけできょうだいで喧嘩になったり、関係性が悪くなる話はよく伺います。現状は奥田さんに介護の負担が集中してしまっているので、以下のような方法で負担を軽くするのはどうでしょうか?
在宅介護サービスを利用するのはどうでしょうか。今、お母様は介護サービスを利用していますか?
はい。デイサービスを週3回利用しています。
それは良いですね!デイサービスも含めて、主な在宅介護サービスは以下の通りです。合わせて活用すると奥田さんの負担が減らせるでしょう。
例えば、訪問介護を追加して「デイサービスのない日に見守りや服薬確認をしてもらう」、週末にショートステイを追加して「たまっていた家事をする時間やリフレッシュの時間を作る」といった使い方もできますよ。
へぇー。そんな方法もあるんですね!ケアマネジャーさんに相談してみようかな。
「介護保険外サービス」って何ですか?
先ほどリストアップした、訪問介護やデイサービスといった介護サービスのことを正式には「介護保険サービス」と言います。介護保険を使って、一部の自己負担で利用できるサービスです。
介護保険サービスに対して、介護保険外サービスはその名の通り介護保険が適用されないサービス。そのため、費用は全額自己負担なので高額になることが多いです。
うーん。高額なのはちょっと…。
介護保険外サービスは介護保険の制度に縛られない分、サービス内容は自由。例えば、介護保険が適用される訪問介護は、介護を受けるご本人の分しか掃除や洗濯、掃除などはしてもらえません。
しかし、介護保険外サービスであればそうしたルールは関係ないので、家族の分の家事も頼めますよ。
介護の悩みのひとつに経済的な負担がありますよね。以下のような、介護や医療の費用を軽減できる制度があるんです。
これらの制度は、減免される金額や条件などが世帯の所得によって異なることが多いです。役所の窓口や地域包括支援センターで詳細を問い合わせてみてくださいね。
介護の相談窓口や専門家に相談してみることも大切です。御きょうだい間の介護のトラブルは意外と多いので、さまざまな観点でアドバイスをもらえると思いますよ。
ケアマネジャーさんに、弟のことを相談しても良かったんですね。誰にも相談できなかったので、話を聞いてもらおうかな…。
なかなか難しいかもしれませんが、御きょうだい間で介護の役割分担をしましょう。
と言われても、どうしたら良いのか…。「介護のことはすべて姉さんに任せる」と言うような弟ですから。
具体的に、弟さんにどんなことをしてほしいのかをはっきり伝えると良いかもしれません。
もしかしたら、弟さんはお母様の今の状況をよく把握していないのではないでしょうか。お母様の現状がよくわからなければ、介護がどんなものかわからないし、どんな手伝いをすれば良いのかもわからないですよね。
弟さんは、「どうしたら良いかわからないから、姉さんに任せよう」と考えている可能性もあります。なので、具体的にどんなことを手伝ってほしいのか、はっきりと伝えましょう。
うーん。そう言われると弟に何をしてほしいのか、はっきり言えないですね…。
例えば、以下のようなことをお願いしてみるのはどうですか?
なるほど…。こんな風に弟に相談してみれば良かったんですね!
メインで介護をしている人がいる場合、その人に負担が偏ってしまうことが多いです。介護は大変なことなので、他の御きょうだいが分担することを嫌がるかもしれませんが、負担してほしいことを明確にして頼りましょう。
もちろん、介護サービスや費用減免制度を活用して、心身と経済的な負担を軽減していきましょうね。
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