ニュース
急速に進む高齢化社会において、医療費の負担をどう分かち合うかは私たち全員にとって切実な課題です。そんな中、75歳以上の医療保険料に関する新たな方針がニュースとなりました。 今回は、特に高所得者層に影響がある「保険料上限の引き上げ」について、その背景と目的をわかりやすく解説します。 保険料上限、年85万円へ引き上げ案 厚生労働省は、75歳以上の方々が加入する後期高齢者医療制度の保険料について、その上限額を見直す検討に入りました。具体的には、現在年間80万円とされている上限を、5万円引き上げて「年85万円」とする方針です。急速な高齢化に伴い医療費が増大する中で、この見直しは制度維持のための重要な議論として浮上してきました。 高所得層対象、現役世代の負担抑制 今回の引き上げ案は、一律にすべての高齢者の負担が増えるわけではありません。主な対象は、年金収入と給与収入の合計が約1150万円を超えるような、比較的経済力のある高所得層です。この手法は、支払い能力がある層により多くの負担をお願いすることで、現役世代が支払う支援金の負担増加を少しでも抑えることを目的として設計されています。 2026年度導入へ、公平性の確保 この変更は、2026年度からの適用が見込まれています。結果として一部の高齢者には負担増となりますが、これは世代間の公平性を保ち、医療制度を将来にわたって維持するために不可欠な措置であると考えられます。今後は、具体的な対象者の線引きや導入の詳細について、社会保障審議会などでの最終決定が注目されます。 今回のニュースは、単なる「値上げ」の話ではなく、世代を超えて医療制度を支え合うための調整と言えるでしょう。現役世代の負担を考慮しつつ、支払い能力に応じた負担を求めるこの動きは、今後の社会保障の在り方を考える上で重要な指針となります。引き続き、制度の動向に注目していきましょう。
2025/12/15
2025年8月に夏の年金が支給されましたが、そのやりくりが決して楽ではない高齢者も少なくないでしょう。実際、厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」によると、「生活が苦しい」「生活がやや苦しい」と回答した高齢者が55.8%と、過半数に上ることが明らかになっています。 本記事では、最新の公的データをもとに、高齢者の年休と生活費のリアルな実態について見ていくことにします。 生活保護受給の過半数は高齢者 高齢者世帯の経済的な厳しさが最もよく反映されているのが、生活保護の受給状況です。 厚生労働省が公表した「生活保護の被保護者調査」によると、2025年6月時点で生活保護を受給している全世帯のうち、高齢者世帯の占める割合が55.3%と、過半数を占めることが判明。さらに、その中でも51.5%は単身世帯でした。 この背景には、年金収入だけでは生活費を賄いきれない現状があることが考えられます。 総務省統計局の「家計調査報告」によれば、65歳以上の単身無職世帯では、年金などの可処分所得が平均約12万円なのに対し、生活費などの消費支出が約15万円に上ることが明らかに。つまり、毎月約3万円の赤字が出ている計算です。 この不足分は貯蓄から賄うことになりますが、十分な貯蓄ができていない場合は補いきれず、生活保護のサポートを借りることになります。 新制度の活用で自分らしいセカンドライフの実現を 高齢者世帯の収支データを見てみると、「年金だけでは心もとない…」と不安に思った人もいるかもしれません。しかし、近年活発になってきた高齢者の再雇用制度などを利用し、就労することで足りない生活費を補うことが可能です。 実際、65歳以上の就業者数は年々増え続けており、最新の調査では過去最多の930万人に達したことが明らかになりました。 確かに年金額と生活費にギャップがあるのは事実ですが、将来を極度に悲観する必要はありません。最近では、iDeCoや新NISAなど、税金がかからない資産運用制度も生まれてきています。新たな制度もうまく活用しながら、自分らしいセカンドライフを実現していきましょう。 参考「家計調査報告」総務省統計局
2025/11/17
高齢化社会が進展するにともない、日本の医療費は過去最高を更新し続けています。増え続ける医療費を、現役世代と高齢者世代はどう分かち合っていくべきなのでしょうか。 現状では、一定以上の収入がある世帯を除き、75歳以上の後期高齢者の医療費は1割負担ですが、これについて賛否両論の意見が飛び交っています。 本記事では、公的データをもとに、現役世代と高齢者世代の経済状況を比較し、後期高齢者医療制度の今後を考えていくことにします。 所得が低くても経済的に豊か?高齢者の経済実態とは 高齢者世帯がいくら医療費を負担するべきかについて議論する際、重要になってくる論点が「高齢者の収入」です。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の平均所得は312.6万円であり、現役世代を含む「その他の世帯」の664.5万円と比較すると約半分になっています。 以上のデータを見ると確かに高齢者の収入は少ないですが、これだけで「多くの高齢者は経済的に困窮している」と結論づけてしまうのは早計かもしれません。 収入以外に注目すべきは「高齢者世帯の資産」です。J-FLEC(金融経済教育推進機構)の2024年の調査によると、70代の平均金融資産保有額は1923万円に上ったことが明らかになりました。これは資産形成期である40代の約2倍の額です。 もちろん、だからといってすべての高齢者が裕福ではないことに注意が必要です。同調査では、70代のうち約20%が「金融資産がゼロ」であるという厳しい現実も明らかになっています。つまり、高齢者内でも経済的格差が大きい実情があるのです。 持続可能な制度にするためには? 現行の後期高齢者の医療負担で考慮されるのは収入のみであり、金融資産は加味されません。つまり、潤沢な金融資産があったとしても、現時点で収入がなければ1割負担になるのです。これは、2022年におこなわれた後期高齢者医療制度の改定後も変わっていません。 高齢化社会が進むにつれて、社会保障費の負担額も年々増加しており、このままでは現役世代の負担が限界に達してしまうという懸念の声が上がっています。 制度改定の際、医療費の負担増加が受診控えにつながるのではという意見が根強くあり、日本医師会も反対の意を示していました。しかし、その後の厚生労働省の調査では、負担増加による受診への影響は限定的であったと報告されています。 以上のような現状を踏まえて、近年議論されているのが所得だけでなく金融資産なども含めて総合的に負担額を判断する「応能負担」の考え方。これなら、対象者の支払い能力によって負担額が決定されるため、経済的な余裕のない高齢者も安心して医療を受けられるでしょう。 負担が増え続ける中で今後も持続可能な制度にするためにも、未来志向的な議論を進めていきたいですね。 参考「家計の金融行動に関する世論調査」J-FLEC(金融経済教育推進機構)
2025/09/08
「最期のひとときまで住み慣れた自宅で暮らしたい」 そう思っている高齢者は少なくないのではないでしょうか。 そんな願いを支えているのが、ヘルパーが自宅を訪れて利用者の生活全般をサポートする「訪問介護サービス」です。しかし、在宅介護の最前線である訪問介護事業所が、深刻な人手不足と経営難に陥っている現状をご存じでしょうか。 本記事では、在宅介護を取り巻く現実について考えていくことにします。 訪問介護事業者の倒産が過去最多に 厚生労働省によると、現在、在宅介護サービスを利用している人は全国で約432万人で、ピークを迎える2040年には約465万人にも達すると推計されています。 高齢化社会が進展するにともない、今後ますます高まる訪問介護の需要ですが、多くの事業所が経営難や人材不足に苦しんでいる実情があります。東京商工リサーチの調査では、2024年の訪問介護事業者の「倒産」は81件で、過去最多を更新。事業者の「休廃業・解散」も448件に上り、介護事業者の「休廃業・解散」全体の7割以上を占めました。 人手不足と基本報酬の引き下げ…経営難の実態に迫る 訪問介護事業者はどうしてこれほど経営に苦しんでいるのでしょうか。 その大きな理由のひとつが、深刻な人手不足です。介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」によると、「労働条件等の悩み・不安・不満」として最も多く挙げられた回答が「人手が足りない(52.1%)」、続いて多かった回答が「仕事内容の割に賃金が低い(41.4%)」でした。 介護労働は心身ともに負担が大きいにもかかわらず、賃金が低い水準にあるため求人を出しても応募がない、という事業所も少なくありません。 訪問介護事業所の経営難にさらに追い打ちをかけたのが、2025年度の介護報酬改定による、訪問介護の「基本報酬引き下げ」です。業界内では「国は一部の事業所の経営が良好だったことを減額理由として挙げたが、それは効率的に多数の利用者の見守りができる、都市部の集合住宅併設型などのケースに限られる。地域の高齢者の住宅を一軒一軒回る事業所とは事情が異なる」との不満が高まっています。 現在、国は医療・介護・生活支援を地域で一体的に提供する「地域包括ケアシステム」を推進しています。高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を継続していくためのこの構想を目指すうえで、特に重要になってくるのが、利用者の生活に最も密着した訪問介護の存在です。高齢者のQOL(Quality Of Life:生活の質)を維持するためにも、介護現場の処遇改善は急務だと言えるのではないでしょうか。 参考「令和4年度 介護労働実態調査」公益財団法人 介護労働安定センター
2025/09/08
現在、75歳以上の高齢者が加入している後期高齢者医療制度は、2022年の改定により、一部の人の窓口負担が1割から2割へと引き上げられました。その際、高齢者の負担額を抑える時限的な配慮措置が設けられましたが、その期限が2025年9月30日に迫っています。 10月以降はこの配慮措置が終了するため、対象者の医療費負担額が本格的に増加する見込みです。 本記事では、後期高齢者医療制度の概要や制度変更の背景、家計を守るために知っておきたい公的制度について見ていくことにします。 後期高齢者医療制度とは 後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者、もしくは65~74歳で一定の障害があると認められた人を対象とする医療保険制度で、2008年に制定されました。 この制度ができるまで、高齢者は国民健康保険や被用者保険に加入していましたが、高齢者が増加するにともない、医療負担の公平化などを図るためにこの制度が生まれたのです。 また、これまで加入者の窓口負担額は原則1割で、現役並みの所得がある人のみ3割に定められていました。 さて、そんな後期高齢者医療制度は2022年に改定され、新たに窓口負担額が2割になる加入者の枠を新設。これまでは1割負担だった人の一部が2割負担になるため、高齢者の医療費負担の増加が懸念されています。 なぜ「2割負担」に?制度変更の背景 なぜ、2割負担の枠を新設することにしたのでしょうか。 厚生労働省はホームページにて、以下のように背景を説明しています。 「少子高齢化が進展し、令和4年度以降、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することが重要です。このような状況を踏まえ、(中略)令和三年の通常国会において、健康保険法等の一部を改正する法律が成立しました」 具体的な2割負担の対象者となるのは、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯では200万円以上、複数世帯では合計320万円以上に当てはまる人です。 医療費の負担増への手だてとしては、「高額療養費制度」の利用が挙げられます。高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、基準額から超えた分が後から払い戻される公的制度のこと。利用を検討している人は、市役所など、各市町村の窓口に問い合わせてみてくださいね。 参考後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
2025/09/04
高齢化が急速に進む日本において、今まさに静かに進行している深刻な課題があります。それは、団塊世代の高齢化にともなう消費市場の縮小です。高齢化社会の進展による無職世帯の急増は、日本の経済成長すら揺るがす新たなリスクとなっています。 高齢者の消費支出低下が経済そのものにも影響 総務省の調べによると、70歳以上世帯の割合は2004年の16.3%から2024年には34.0%へと約2倍に拡大したことがわかりました。これは、全世帯の実に3分の1にもなる割合です。 この変化が消費に与える影響は甚大です。総務省がおこなった家計調査によると、2024年の70歳以上世帯の消費支出は月25.3万円であることが判明。今の70歳以上の高齢者が60代だった2014年では、60代の消費支出が月29.6万円だったことから、歳を重ねるにつれて消費支出が落ちることがわかります。 どうして70代になると消費支出が落ちるのでしょうか? 第一生命経済研究所の主席エコノミストである熊野英生氏は「TBS CROSS DIG」にて、消費支出が落ちる理由について次のように分析しています。 「団塊世代の人々は、60歳代のときには働いていた人も多かっただろう。彼らも、10年を経て70歳以上になると、就労を止めて無職世帯(年金生活世帯)となり、消費支出を減らしていくことになっていると考えられる」 高齢者のさらなる雇用機会の創出を 近年、政府や有識者からは、高齢者も健康状態が維持できる限り働き続けて、貯蓄したり資産を形成したりすることが大切だという価値観が提唱されてきました。 高齢になっても働ける環境が整備されていれば、消費にも十分な額のお金を使えるはず。しかし、現実はそううまくはいきません。 内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、2023年の労働力人口比率は65~69歳で53.5%、70~74歳で34.5%、75歳以上で11.5%となっており、65歳以上の就業者数は20年連続で前年を上回ったことが明らかになりました。 しかし、65歳以上全体の就業率は2019年以降頭打ちになっています。この理由について、熊野氏は次のように説明しました。 「複雑な話になるが、2つの内訳では就業率が上がっているのに、両方を合算した65歳以上の就業率がそれほど上がらないのは「数字のマジック」のような理由がある。2つの内訳は上昇していても、就業率が低い75歳以上の割合の方が高まると、総体としての就業率は上昇しないことが起こる」 つまり、個別の年齢層では就業率が上昇していても、より高齢の層への人口シフトがその効果を相殺していると言えるでしょう。 これから考えるべきは、高齢者のさらなる雇用機会の創出。高齢者がいくつになっても生き生きと過ごせる社会をつくることこそが、超高齢社会における日本の経済成長にもつながるのかもしれません。
2025/08/05
2025年7月に厚生労働省が明らかにした調査結果は、介護現場が抱える大きな課題を浮き彫りにしました。 その調査によると、2023年度に家族などから虐待を受けたと判断された高齢者は1万7455人。発生要因は「認知症」や「介護疲れ・介護ストレス」と回答した人が多く、全体の半数以上を占めていることがわかりました。 特に、加害者となるのは「息子」や「夫」などの男性が多いことも判明。なぜ、介護を担う男性が追い詰められてしまうのでしょうか。本記事では現状と、悲劇を防ぐために今できることについて考えていきます。 男性の家族による高齢者虐待が多数 厚生労働省は2025年7月、高齢者虐待の現状に関する調査結果を報告。それによると、2023年度は1万7455人の高齢者が家族らから虐待を受けたと判断されたことが明らかになりました。 虐待の加害者は「息子」が7100人(38.7%)で最も多く、次いで「夫」が4178人(22.8%)、「娘」が3459人(18.9%)と続きました。つまり、男性の加害者を合計すると全体の58.9%に達し、女性を上回ることがわかります。 また、2014~2023年度の間に家族らによる虐待などで死亡した高齢者は255人に上ることが判明。内訳は「殺人」が84人、「ネグレクトによる致死」が70人、「虐待による致死」が30人でした。さらに、加害者の属性は息子が118人、夫が45人で男性が約64%と過半数を占めていたことも明らかになりました。 ここまで男性による高齢者虐待が目立つ理由について、介護問題に詳しい立命館大学名誉教授の津止正敏氏は「介護に直面した男性は、仕事一筋だった生活からの急激な変化や家事に悩みやすい」と指摘。また殺人まで至るケースについては、「孤立感を深めて絶望してしまった末の行動なのではないか」と分析しました。 相次ぐ高齢者虐待を防ぐために今できることは? なぜ、高齢者虐待が起きてしまうのでしょうか? 厚生労働省が虐待の発生要因(複数回答あり)を調査したところ、最も多かったのが高齢者の「認知症の症状」で、全体の56.4%となる9636件に上ることが判明。次いで家族らの「介護疲れ・介護ストレス」が9376件と続きました。 津止氏は「ケアマネジャーや家族などの周囲が介護者の状況に気を配ることが大切。また、介護者本人も男性介護者のコミュニティに参加し、悩みを打ち明けたり、愚痴を言い合ったりしてストレスをコントロールすることも重要だ」と呼びかけています。 介護者と被介護者双方が潰れてしまう前に、SOSを出すことが大切です。介護の悩みの相談は地域包括支援センターが窓口になっています。今介護で悩んでいる人は、ぜひ一度プロのケアワーカーに相談してみてくださいね。
2025/07/28
2025年6月、内閣府は高齢化社会の現状をまとめた「高齢社会白書」の最新版を発表しました。それによると、将来はわずか1.3人の現役世代が1人の高齢者を支えることになる可能性が指摘されたのです。 高齢者を支える現役世代の減少が顕著に 内閣府は「何人の現役世代が1人の高齢者を支えるか」を調査。その結果を2025年最新版の「高齢社会白書」にて明らかにしました。 すると、1950年時点では12.1人の生産年齢人口(15~64歳)が1人の高齢者(65歳以上)を支えていたのに対し、2024年時点ではわずか2人の生産年齢人口で1人の高齢者を支えていることが明らかに。高齢者が増え、現役世代の人数が減少する少子高齢化が進展していることがわかります。 さらに、2070年の予想人口比率では、高齢者に対する生産年齢人口は1.3人まで減少する可能性があることも判明。これは、おおよそ現役世代4人で3人の高齢者を支える計算になります。 持続可能な社会にするためには? 以上のような急速な高齢社会の進展を受けて、政府は定年の引き上げや高齢者の再雇用促進といった政策を推し進めています。 そこで今度は、高齢者を65歳以上74歳以下の前期高齢者、75歳以上の後期高齢者に分け、前期高齢者も生産年齢人口として試算。すると、2070年時点で2.6人の生産年齢人口で1人の高齢者を支えることになる可能性が示されました。 1.3人の現役世代が高齢者を支えることに比べれば、多少状況は改善されているように思えます。しかし、少子高齢化そのものは変わっていないため、根本的な解決策とまでは言えないでしょう。 さらに、現在は15歳から働き始める人はまれで、最低でも高校を卒業する18歳、または大学などを卒業する22歳前後まではアルバイトでやりくりし、就職はそれからという人も少なくありません。そうなると、生産年齢人口は内閣府が提出した試算よりもさらに厳しい数字になる可能性もあります。 少子高齢化が今後さらに進めば、高齢者を支えることそのものが難しくなり、介護サービスの質の低下や年金受給額の減少といったことが起こる可能性もないとは言い切れません。 このような現状を変えるためには、より子育てがしやすい社会をつくり、少子高齢化そのものにメスを入れること。それこそが、高齢者にとっても暮らしやすい社会につながるのかもしれません。
2025/07/10
株式会社東京商工リサーチによる調査で、2024年1~4月の間に起こった老人福祉・介護事業の倒産が51件あったことがわかりました。老人福祉・介護事業の倒産件数の調査は毎年おこなわれており、2024年の老人福祉・介護事業の倒産件数は過去最多となったそうです。 倒産件数の過去最多を大幅に更新 株式会社東京商工リサーチはこれまで毎年、老人福祉・介護事業の倒産件数の調査をおこなってきました。これまでの1~4月の間に起こった老人福祉・介護事業の倒産件数で最も多かったのは2020年の43件でしたが、2024年の老人福祉・介護事業の倒産件数は51件と過去最多の件数となりました。 2024年1~4月の間に倒産した老人福祉・介護事業51件のうち、訪問介護が22件で最も多く、その次に多いのが通所・短期入所介護で19件、有料老人ホームは5件、その他は5件と続いているそうです。 倒産するのにはさまざまな原因がある 株式会社東京商工リサーチは老人福祉・介護事業の倒産件数が増えたことについて、以下の原因があるとしています。 介護職員の人員不足 感染症の影響による利用控え増加 感染防止対策などのコスト増加 介護事業への支援の縮小 物価の高騰 また、2024年1月22日におこなわれた「介護報酬改定」にて、訪問介護の基本料の引き下げが決定しており、今後も訪問介護事業者をはじめとした老人福祉・介護事業の倒産は増えると考えられます。 介護報酬改定については、再調査や再検討を希望する声をあげている団体が多くあります。介護サービスを利用している人や家族にとっても、「利用している介護事業者が突然無くなってしまうのでは…」と不安を抱えながら利用することは望ましくありません。介護を受ける人はもちろん、介護を提供する事業者も安心して利用できる体制になって欲しいですね。
2024/05/21
2024年5月13日におこなわれた警察庁の発表により、2024年1~3月の間で孤独死・孤立死をしてしまった人の数が全国で約2万1716人いることがわかりました。そのうちの約8割が65歳以上の高齢者で約1万7034人もいたそうです。 警察庁が孤独死・孤立死のデータを公表 2024年5月13日におこなわれた衆院決算行政監視委員会にて、2024年1~3月の間の孤独死・孤立死のデータが警察庁より発表されました。 警視庁は2024年1~3月の間に警察が取り扱った、孤独死・孤立死の状態である「一人暮らしをしていて自宅で亡くなってしまった人」の数を集計。その結果、一人暮らしで自宅で亡くなった人の数は全国で約2万1716人おり、そのうちの約1万7034人が高齢者であることがわかったのです。 警察庁の発表を踏まえて、政府は、孤独死・孤立死の実態を把握し、今後の対策に向けて今回のデータを生かしていく考えだそうです。 高齢者の孤独死を招く原因とは 毎年おこなわれている内閣府の高齢者の実態調査では、2021年に東京都23区内で孤独死をした65歳以上の高齢者は4010人という結果が出ています。前年の2020年の4219人よりは減っていますが、2011~2020年の間では高齢者の孤独死の数は増え続けており、10年前の2011年の2618人と比べると1.5倍にも増えています。 孤独死を招く原因は以下が考えられます。 未婚、離別、死別などが原因で一人暮らしをしている 家族や親族、友人、地域の人たちとの関係性が希薄 経済的に窮困しており生活に支障が出ている 昨今では核家族が増え、高齢者の一人暮らしや、高齢者夫婦のみで暮らしている人が増えています。現在は夫婦二人で暮らしていても、配偶者と離別・死別をしてしまい、将来的に1人になってしまうこともあります。 特に、家事全般を配偶者に任せていた人は、配偶者が亡くなった際に、1人では食事や掃除が満足にできず食生活が乱れたり生活環境が悪化したりする恐れもあるので注意しましょう。 孤独死・孤立死を防ぐには、高齢者本人と周囲の人との関係性をつなげておくことが大切です。家族が頻繁に連絡を取ったり、見守りサービスを利用するなど、孤立させない生活環境を作るのが良いですね。 参考:「令和5年版高齢社会白書」(内閣府)
2024/05/16
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。