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先月28日、佐賀県立神埼清明高校で介護福祉士などを目指して生活福祉系を学ぶ3年生20人が、地元の小学生たちに介護の体験教室を開きました。 参加したのは、町内の小学生12人。お年寄りと一緒に暮らす家庭が少ない今、小学生に高齢者や介護のことを知ってもらう良い機会となったようです。 地元の小学生たちに介護の体験教室を開く 佐賀県立神埼清明高校で生活福祉を専門に学び、介護福祉士などを目指している3年生20人が、地元の小学生たちに介護の体験教室を開きました。 今回の体験教室は、佐賀県みやき町社会福祉協議会が、夏休みの小学生を対象にボランティアや福祉体験を通じて地域での交流を深め、介護について知ってもらおうと開催しました。 その中で、神埼清明高校の学生がおむつ交換や入浴の介助、ベッドから車いすへの移動の方法などを小学生に教えました。 今回、介護体験をしたのはみやき町内の小学生2~6年生の計12人。体験した北茂安小6年の園田桜愛さんと5年の井手陽菜さんは「ベッドに寝ている人を車いすに移すのが難しかった」と感想を述べました。また「体験したことをほかの人にも教えてあげたい」と話しました。 また、今回の体験教室を開催するにあたり高校生たちは、これまで学んだ介護などの仕事について、子どもたちが分かりやすく体験できるにはどうしたらよいかなどをみんなで話し合い、資料を作って臨んだそうです。 リーダーを務めた高校生の三根莉咲子さんは「小学生が理解できるよう、笑顔で丁寧に教えることができた」「大変だったけど、分かりやすく伝えられたと思う」と話しました。 介護はやりがいのある仕事 今後、日本では超高齢化社会が続き、2040年の65歳以上の高齢者の人口比率は35%を超えて、高齢者の4人に1人が介護を必要とする状態となります。 そのため、これからの時代は、介護の仕事に関わっていく若い人が今よりもっと増えていくことになるでしょう。 そのようななかで、今回の介護教室に参加した小学生は、高齢者や介護の仕事に興味や関心が持てたようです。高校生たちの熱心な指導によって介護の仕事が人に喜んでもらえるやりがいのある仕事だということが伝わったのではないでしょうか。
2022/08/12
高齢者を中心に「買い物難民」または「買い物弱者」と呼ばれる人々が増えています。これは、地域の過疎化や食料品店の減少、公共交通機関の廃止などにより気軽に食料品を調達できないため不便や困難を感じる人々のことを指し、社会問題化しています。 そのようななか、神奈川県愛川町は高齢者の買い物支援を目的に、町内3つの社会福祉法人と協定を結びました。 デイサービスの空き時間など施設が保有する車両が空いている時を利用して、一人暮らし高齢者の自宅とスーパーマーケットなどを往復する実証実験を実施していくそうです。 福祉施設の車両を利用した買い物支援 神奈川県愛川町では先月14日、高齢者の買い物支援を目的に、特別養護老人ホームを運営する町内の3つの社会福祉法人と協定を結びました。 3法人は、デイサービスの空き時間など施設が保有する車両が空いている時を利用し、一人暮らし高齢者の自宅とスーパーマーケットなどを往復。今年度は実証試験の期間に位置づけ、月に1度の間隔で実施していくそうです。 約9割の市区町村が買い物弱者への対策が必要と回答 農林水産省が買い物弱者の問題について全国1741の市区町村にアンケート調査を実施した結果、回答した市区町村の86.4%がこの問題への対策が必要と認識していることがわかりました。 さらに、買い物弱者への対策が必要だと回答した市区町村の9割以上が、すでに行政または民間事業者のいずれかで、この問題を解決するための支援を始めていることもわかりました。 例えば、行政が行う支援ではコミュニティバス等の交通支援や宅配、買い物代行サービス等を行い、民間事業者では車で地域を回る移動販売を行う事業者が増えているそうです。 買い物に困っている高齢者にとっては、家の近くに移動販売車が来てくれたり、宅配サービスが利用できたりするととても便利ですよね。さらに、店に行って買い物をしたい時に気軽に利用できるバスなどがあると助かりますよね。 買い物弱者への対策は、行政と民間事業者が連携して取り組んでいく必要があるのかもしれません。
2022/08/10
「介護虐待」や「介護うつ」など”介護疲れ”が溜まることで起こる問題は、今や社会問題として取り上げられることが多くなり深刻化しています。 そんななか、介護疲れを原因とする悲しい事件が、また起こってしまいました。 先月29日、東京都江戸川区で75歳の母の首を絞めて殺害した長男が逮捕。動機について長男は、「介護に疲れた」と話しているそうです。 また、先月5日には千葉県緑区で妻を殺害したとして夫が逮捕されています。 「介護に疲れた」母親を殺害 先月29日、江戸川区小松川のマンションでこの部屋に住む75歳の女性が倒れているのを家族が発見。その後死亡が確認されました。 警視庁は翌日、タオルで首を絞めて母を殺害したとして長男を逮捕。長男は「介護に疲れた」と供述しています。死亡した母親は十数年前から病気を患っていたそうです。 また、千葉県緑区でも同様の事件が発生しています。 先月5日、緑区の民家から「妻を殺した」と110番通報がありました。駆けつけた署員が倒れている住人の85歳の女性を発見。女性の首には外傷があり、その後死亡が確認されました。 警察はその場にいた夫を逮捕。夫は寝たきりだった妻の介護と家事を全部1人で担っており、事件前には周囲へ「疲れた」と漏らしていたそうです。 「介護疲れ」は誰もが避けて通れない問題 介護をする上で”介護疲れ”は誰もが避けて通れない問題です。特に家族を介護する場合、「身体的負担」や「精神的負担」などの介護疲れが深刻な問題に発展することもあります。 そんな介護疲れを軽減するには、次のような方法を知っておくと良いと言われています。 身体的負担を軽減する方法 介護保険サービスを利用する介護保険外サービスも活用する行政のサービスを理解しておく介護のスキルを身につける 精神的負担を軽減する方法 介護について話を聞いてもらう少しでも自分の時間を持つストレス発散に運動を取り入れる介護家族の会に参加する介護施設への入居を検討する 家族の介護はいつまで続くのか誰にもわかりません。そのため、介護者は1人で抱え込まず、周りを頼りながら無理をせず介護を続けていくことが大切と言えるでしょう。
2022/08/09
新型コロナの感染急拡大を受け、政府は新たに都道府県が独自に感染対策を強く呼びかけることができる「BA.5対策強化宣言」を出す仕組みを導入しています。これを受けて都道府県では宣言の発出が相次いでいます。 例えば、鹿児島県では今月3日に、岡山県では5日に「BA.5対策強化宣言」を発出しました。 高齢者や妊婦などに外出自粛を呼びかけ 鹿児島県では今月3日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、重症化リスクが高い高齢者の外出自粛などを呼びかける「BA.5対策強化宣言」を発出しました。 鹿児島県での期間は8月3日から31日まで。県民への行動制限はありませんが、特に重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患を持つ人、妊娠中の人の外出を控えるよう呼びかけています。 さらに、岡山県では今月5日に伊原木県知事が中四国で初めての強化宣言を発出。人の移動が活発化する盆期間を控え、感染拡大によるさらなる医療ひっ迫の懸念が高まったとして発出に踏み切りました。高齢者や基礎疾患のある人、その同居家族らに対し、人で混み合う場所への出入りを避けるよう求めています。 「宣言しない」自治体も 一方で、「BA.5対策強化宣言」について「宣言しない」とする自治体もあります。 例えば、和歌山県の仁坂知事は今月4日の定例の記者会見で、宣言を発出しない方針を明らかにしました。 その理由について「医療保健関係者の負担軽減のため、外部委託をして機能を楽にさせるためのお金をたくさんあげるから宣言してほしいと言えば喜んでするが、(そういうものではないため)やってもしょうがない」と話しています。 さらに、東京都の小池知事も「都として、すでに8月21日までを『自分、そして大切な人を守る特別期間』として、必要な対策を講じている。よって、こちらを集中して行っていく」と現時点で「宣言」の発出は必要ないという認識を示しました。 新規感染者数が増え続け、いまだにピークが見えない第7波。感染を抑制するには早期のワクチン接種や感染リスクの高い行動は控えるなど、一人ひとりが国や自治体が呼びかける感染対策を意識して行っていくことが大切だと言えそうですね。
2022/08/08
高齢者が被害者の大半を占める「特殊詐欺」。そのなかでも医療費や保険料の払い戻しがあるなどと持ち掛ける「還付金詐欺」の件数が急増しています。 例えば、今月26日には、「介護保険の払い戻しがある」と電話を受けた新潟市の60歳代の女性が、約100万円を騙しとられる事件が発生しました。 他人名義の口座に送金させられていた 26日12時ころ、女性の自宅に新潟市役所職員を名乗る男から「介護保険料の払い戻しがある」、「手続きには銀行口座が必要」、「コールセンターから電話させる」などの電話がありました。 その後、コールセンターを名乗る男から、「手続きの準備ができた」、「一時手続金を振込んでもらうが、後からそれも含めて返金する」などと言われ、自宅近くのショッピングセンターATMに行くよう指示されました。 女性はATMへ行き、コールセンターに電話して相手の指示に従いながら自身のキャッシュカードをATMに挿入。画面のボタンを操作していたところ、他人名義の預金口座に約100万円を送金させられたことに気付いたそうです。 「還付金詐欺」の被害が最も多い 警視庁のまとめによると、2021年の特殊詐欺の認知件数(暫定値)が前年比911件(6.7%)増の1万4461件となり、4年ぶりに増加したことが分かりました。同庁は依然として被害が高齢者を中心に高い水準で特殊詐欺が発生しており、深刻な状況が続いていると注意を促しています。 ちなみに、特殊詐欺の認知件数を主な手口別にみると、医療費や保険料の払い戻しがあるなどとして金をだまし取ろうとする「還付金詐欺」が4001件と最も多く、前年の1804件から2倍以上に急増しているそうです。次に、家族になりすます「オレオレ詐欺」の3077件、偽カードとすり替える「カード詐欺盗」の2587件が続くそうです。 高齢者が特殊詐欺にあわないためには、日ごろから家族でコミュニケーションを密にしておくことも対策のひとつに。定期的に家族で連絡を取り合って、いつでも相談できる関係を築いておきましょう。
2022/08/02
仕事と介護を両立している「ビジネスケアラー」。株式会社リクシスが2019年5月~2022年5月に実施した調査によると、昨今の少子化でケアする側の人口が減り、共働きと晩婚化も進んだことでビジネスケアラーの負担は格段と増えたことが明らかになりました。さらに置かれている状況も複雑化しつつあるようです。 今回の調査によると、仕事と介護の両立に差し迫って向き合うビジネスパーソンは、「40代後半~50代後半で一気に急増」する傾向が見られ、20~30代にも1割弱存在することがわかりました。また、ビジネスケアラーがケア対象としている人数については、約5人に1人が「複数人介護」であることもわかったそうです。 40代後半~50代後半で一気に急増 株式会社リクシスは、全国の従業員500人以上の企業従業員3万878人を対象に仕事と介護の両立について調査しました。 「仕事と介護の両立に差し迫って向き合うビジネスパーソンがどのくらいいるのか」については、「既に要介護認定者を日々サポートしながら仕事をしているビジネスパーソン」と「いつ介護が始まってもおかしくないと想定されるビジネスパーソン」を合わせた割合が、40代後半~50代後半で一気に急増する傾向が見られました。 加えて、「ビジネスケアラーがケア対象としている人数」については、少子高齢化に伴ってケアラーが複数人同時に介護しなければならない状況も確実に増えていることがわかりました。具体的には、約5人に1人にあたる16.84%が「2人以上」を介護していることを回答しています。 そして、「12歳以下の子どもがいるビジネスケアラー」の割合については「40~44歳」が40.63%、「30~39歳」が40.38%で4割以上いるという結果に。超高齢社会の加速に加え、晩婚化・出産年齢の高齢化が進む中、育児と介護を両立する「ダブルケアラー」の数も増えていることがわかりました。 過去1年で介護離職した人は9.9万人 総務省の「平成29年就業構造基本調査結果」によると、過去1年間に”介護・看護のために”前職を離職した人は9.9万人。介護離職率は全体の1.8%となっています。今後も少子高齢化が進んでいくことを考えると離職率は上がっていくと考えられます。 さらに今回の調査では、30〜44歳の4割が介護と育児のダブルケアをしていることも分かりました。このことから、ビジネスケアラーの離職率を抑えるには介護負担を減らすとともに育児と仕事との両立がしやすくなる取り組みも必要なのかもしれません。
2022/07/28
認知症を発症する高齢者の数は年々増加し、認知症は誰もがなりうる病気として身近なものとなってきています。しかし、世間では認知症を「何も分からなくなる」「迷惑をかける病気」などと間違って理解されていることも事実です。 そのため、地域の中で認知症を正しく理解し、認知症になっても安心して暮らせる地域をつくることが大切です。 そんななかで、岩手県釜石市鵜住居町では、今月6日、認知症の人やその家族を地域で支援するためのボランティア団体「チームオレンジ・はまぼうふう」が結成されました。 ボランティアの登録をした31名の認知症サポーターが「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」を目指して、高齢者サロンや声掛け、見守り活動などを展開していきます。 地域住民でボランティア団体を結成 今月6日、岩手県釜石市鵜住居町で認知症の人やその家族を地域で支援するためのボランティア団体「チームオレンジ・はまぼうふう」が結成されました。 このボランティア団体が結成されたきっかけは、2013年度から鵜住居町で開催されていた認知症サポーターの養成講座。住民に寄り添った地域づくりを推進しようと、地域を挙げて認知症の理解促進に取り組んできたそうです。 そこから主体的に活動するチーム立ち上げの機運が高まり、ステップアップ講座など追加の研修を重ねて今回の結成に至りました。 今年度はメンバーが中心となって町内会単位での啓発活動や介護予防の取り組み、定期的に集まって課題を共有したりするそうです。 地域住民も認知症を理解し支援していく 認知症になっても安心して暮らせる地域づくりが今、全国の市区町村で求められています。 例えば、認知症高齢者の徘徊への対策には地域の協力が必要です。地域住民が徘徊の症状を止めることはできませんが、近所の認知症高齢者の外出を見守ったり、「少し様子がおかしい」と感じる高齢者に声をかけたりすることはできます。 そうしたちょっとした協力や理解が、認知症高齢者が事故に遭うことや行方不明になる状況を防ぐことができます。 認知症になっても安心して暮らすことができるように、地域住民が認知症についてよく理解しておくことはとても大切なことですよね。
2022/07/25
老化に伴って口の機能が低下した「オーラルフレイル」の症状は、フレイルと呼ばれる筋力や心身の活力が低下する状態になる前に現れます。 健康で自立した生活を長く保つためには、オーラルフレイルに早く気づいて予防や改善に取り組むことが重要です。 こうした、「オーラルフレイル」を予防するため、栃木県の県歯科医師会などは、今月から県内の75歳以上の人たちを対象に集団検診を進めているそうです。 オーラルフレイル対策のきっかけに オーラルフレイルとは老化に伴って口の機能が低下した状態のこと。食欲の低下や偏食で栄養が不足したり偏ったりして全身の筋力が低下し、要介護のリスクが高まるとされています。 こうした「オーラルフレイル」を防ぐために栃木県の県歯科医師会などは、県内の75歳以上の人たちを対象に集団検診を進めています。 検診では、歯科医などがものをかんだり飲み込んだりする力を専用の機械を使って調べたり、話すのに必要な口元の運動機能を測定したりするそうです。 検査を受けた75歳の女性は「初めての検査でしたが、舌に力をこめるのは難しいと思いました。誤嚥などをしないようできるだけ気をつけます」と話しています。歯科検診によって自分の口の機能の状態に気づき、またオーラルフレイルを予防していくきっかけになっていますね。 オーラルフレイルの予防に歯科検診を受けよう オーラルフレイルを予防するには、歯と口の健康を保つことが大切だと言われます。 予防のポイントは口の中を清潔にすることと、口の機能を維持・改善していくこと。加えて、定期的な歯科検診で自分の歯と口の状態を知ることもオーラルフレイルの予防につながるそうです。 ちなみに、フレイルを予防すると「介護や人の手を借りず健康的に日常生活を過ごせる期間」である「健康寿命」が延びるため、国の医療費や介護費用の削減につながるそうです。フレイル予防には色々なメリットがあるのですね。 今回の集団検診をきっかけに、積極的に歯科検診を受ける高齢者が増えることを期待したいですね。
2022/07/08
私たちの日常生活では、駅に行けばエレベーターや身体の不自由な人のためのトイレがあるなど、多くのバリアフリー化が進んでいます。 そうした中で、奈良市ではバリアフリーのさらなる推進に向けて、車いすや高齢者などが、安全に通行しやすいように私道の補修にも補助金を支給できるように制度を改正しました。 従来は、最低でも自動車が通れる1.8m以上の幅員がある私道が補助の対象でしたが、今回の改正から0.9mに緩和。車いすの通行のための私道も補助対象となったそうです。 補助対象の要件を緩和 奈良市ではこのたび「私道整備事業補助金交付制度」を改正し、車いすや高齢者の人が安心・安全に通行できるように私道の補修にも補助金を支給できるようにしました。 今回の改正で、補助対象の幅員要件を1.8メートル以上から0.9メートル以上に緩和。0.9m以上1.8m未満の私道工事の場合の補助率は50~70%、補助限度額は1件につき80万円になったということです。 加えて、補助申請には私道に接する住居の住民だけでなく住居のオーナーも申請可能になりました。 制度見直しの背景には、市民から「車椅子が通りにくので舗装修理を行いたいが、幅員の狭い」という相談や、土地の所有者から「補助対象私道に面して居住はしていないが、補助申請をしたい」などの問い合わせがあったことです。 制度の改正で、これまで補助対象外だった場所のバリアフリー化が期待されますね。 誰もが安心して移動できるように バス、電車の車両や人の集まる公共施設などは、早くからバリアフリー化が進んだため、誰もが使いやすくなっています。 しかし、今回の奈良市のように私道などの身近な道路のバリアフリー化はまだまだ進んでいないという実情があります。 身近な私道は住民にとっては生活道として欠かせません。健常者には何でもない穴や段差が、高齢者や障がいのある人にとっては移動が困難で外出をやめたくなるということもあります。 誰もができる限り安心して移動できるように、身近な道路のバリアフリー化が進んで行くと良いですね。
2022/07/06
世界一の長寿国である日本。1995年に高齢社会となり、2010年には世界に先駆けて65歳以上の高齢者の割合が人口の21%以上である「超高齢社会」になりましたが、それ以上のスピードで高齢化が進んでいる国があります。 それはお隣の国、韓国。2018年に高齢社会となった韓国は、2025年には超高齢社会に突入するという予測もあるのです。 さらに、今月28日には韓国の統計庁が「2050年には全世帯の半数が高齢者世帯となる」という推計を発表。特に単身の高齢者世帯が増える見込みだそうです。 高齢者世帯が半数に 今月28日、韓国の統計庁が「将来世帯推計 全国編 2020~2050年」を発表しました。 それによると、2020年時点での韓国の総世帯数は2073万1000世帯。2039年には2387万世帯まで増えているものの、2040年から減少をはじめ、2050年には2284万9000世帯まで減るそうです。 ちなみに、韓国の総人口は2020年の2万5184人でピークを迎えて、現在は減少に転じています。 さらに、現在は30代以下の若者が多い単独世帯も、2050年には高齢者の単独世帯が最も割合が大きくなると見込まれています。 具体的には、65歳以上の高齢者の単独世帯は、2020年の161万8000世帯から2050年に467万1000世帯に。この30年の間で305万世帯も増えるそうです。 合わせて、韓国の全世帯のうち高齢者の単独世帯が占める割合は、2020年の7.8%から2050年には20.4%に増加。夫婦で暮らしている場合を含めた「高齢者世帯」は、2020年の22.4%から2050年の49.8%まで増えるという予測が出ています。 さらに暮らしは苦しくなる? 「ひとり暮らしの高齢者が増える」という推計でさらに懸念されるのが、高齢者の貧困問題です。 韓国では公的年金の受給率が約50%と低く、半数の高齢者が年金の恩恵を受けていないのが実情。日本よりも年金制度の開始が遅かったこともあり、受給面で浸透していないようです。 こうした状況となっている背景には、高齢者の多くが自分の子どもや親戚からの仕送りで生活費をまかなっている現状があるため。しかし、過去よりも子どもが減っていたり若年層の就職も難しいこともあり、このような仕送りに頼ることも厳しくなっています。 さらに、韓国では結婚しない若者が増加。このような若者が高齢になったときに、誰かの仕送りに頼って生活することは難しいでしょう。
2022/06/30
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。