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2023年1月11日、東京商工リサーチが2022年における介護サービス事業所の倒産件数に関する調査を発表しました。 その結果、介護保険制度が始まった2000年以降で最も多くの事業所が倒産したことが明らかになったのです。 新型コロナ対策が大きな負担に 東京商工リサーチの調査によれば、2022年における介護サービス事業所の倒産件数は143件にのぼり、全国で過去最多となりました。 特に影響が大きかったと見られるのが、新型コロナの流行。倒産件数143件のうち、新型コロナ関連の倒産が前年に比べておよそ6倍にあたる63件だったことが判明しました。 具体的には、感染対策に伴うコスト増大、流行拡大による高齢者のサービス控え、家族の在宅勤務の定着による需要減などが倒産に至った主な原因と見られています。 介護サービス事業所の今後の展望 今回の調査で、倒産した事業所を従業員別で比較しました。すると、従業員5人未満の事業所の倒産件数が85件で最多に。次に多かったのが従業員が5~9人の事業所で32件。倒産した事業所のうち実に8割超が、10人未満の小規模な事業所だったことが明らかになったのです。 今回の調査をおこなった東京商工リサーチは、介護サービス事業所の今後の展望を次のように分析しました。「デジタル化などで業務改善ができる大手事業所と、デジタル化の積極的な移行が難しい小規模事業所の格差は今後ますます拡大していくだろう」。 介護サービスの価格は公的に定められているため、運営が厳しいからといって料金を事業所判断で上げることは難しいのが実情です。また、人員を減らしたり冷暖房をつけず光熱費を抑えるなどといったコスト削減も、利用者の安全で快適な生活を脅かすことになるのでできないという実情もあります。 こういった介護サービス事業の実情を踏まえ、東京商工リサーチは「今年は事業所の倒産が一段と加速するおそれがある」と危機感を露わにしました。
2023/01/13
12月16日、政府は介護職員を確保するための施策をまとめた政策パッケージを公表しました。 この政策パッケージには、介護業界の生産性の向上と人員配置基準の緩和を検討すると記されています。 政策パッケージの概要 現在、介護職員は利用者3人に対し職員を1人配置することが義務づけられています。しかし、将来的には介護人材が不足し、利用者3人に対し職員1人という人員配置の実現が厳しくなる可能性があります。 そこで政府は、介護業界の生産性を向上させ、より少ない人員でも業務を回せるようにしようとしているのです。 具体的な施策案 介護施設の生産性の向上を推し進めるために、政府は以下のような施策を実施していきたいとしています。 センサーマットなどのICT機器や介護ロボットの導入支援 デジタル化を進め、少ない人員で業務を回せた施設などを表彰して、事業者の意識改革 介護行政手続きの原則デジタル化 政府は、「介護ロボットなどのテクノロジーを積極的に導入し、業務オペレーションの効率化を図ることで、利用者1人に対し介護職員3人という現行の人員配置基準より少ない人員で業務を回せる施設が出てくる可能性がある」と指摘しました。 今後、政府は人員配置基準を緩和するための具体的な議論を進めていく方針です。 現場からの声 介護現場からは「テクノロジーをどんなに導入しても、人手を減らせば事故が起きてしまう」などと、人員配置基準の見直しについて批判的な意見が相次ぎました。 例えば、人が踏むとコールが鳴るセンサーマットを導入したとします。転倒リスクの高い利用者がセンサーマットを踏めばコールが鳴るので、その利用者が転倒するかもしれない状態にあることはわかります。しかし、もしそのときに職員が別の転倒リスクが高い人の介助をしていたとしたらどうでしょうか? テクノロジーを導入したことで危険な状態にあることがわかっても、人手が足りなければセンサーマットを踏んだ利用者のもとに駆けつけられません。駆けつけたら、別の転倒リスクが高い人が立ち上がって転んでしまうかもしれないからです。 このように、テクノロジーを導入するだけでは業務を回すことは難しく、仮に回せたとしても事故が起きるリスクが高くなってしまう実情があります。 さらに、職員がやるべき業務に手一杯になってしまうことで、利用者とコミュニケーションを取る時間がなくなることも考えられます。 利用者が安全で幸せな毎日を過ごすために、何が必要なのかを見極めることが大切です。そのために、官僚や施設の運営者だけでなく、現場にいる人も巻き込んだ対話が望まれています。
2022/12/20
株式会社whicherは、クラウドファンディングで資金調達に成功したことを受けて、高齢者と大学生が交流するサービス「whicher まごとも」のサービス提供地域(京都・滋賀・岡山)に大阪を追加することを明らかにしました。 株式会社whickerは京都大学の学生が運営していて、サービスを提供するスタッフもすべて大学生とのことです。 「whicker まごとも」とは 「whicher まごとも」は、「まごとも」と呼ばれる学生のスタッフが高齢者の自宅や介護施設を訪問し、大学生と高齢者が交流できるサービスです。 制限の厳しい訪問介護と違って「whicher まごとも」にはサービスの制限はなく、大学生ができることだったらサービスを依頼できます。 これまでは、庭の草むしりや料理など家事の手伝いから、ボードゲームをしたり一緒に食事をしたりといった依頼があったそうです。またそれ以外にも、以下のように多種多様なサービスを提供してきたと言います。 花の水やり 買い物代行 病院の付き添い ペットの世話 スマホの使い方のレクチャー 訪問介護の場合、保険料が税金で賄われているため規制が厳しく、自分の生活に関わる範囲でしか生活援助をしてもらえません。しかし「whicher まごとも」では、草むしりやペットの世話といった訪問介護では範囲外とされることも依頼できます。 一方、入浴介助や排泄介助などの身体介助は「whicher まごとも」のサービスには含まれていません。 サービス提供に至った背景 大学生が高齢者サービスを提供するに至ったのは、「若者が高齢者介護に興味を持つきっかけを作りたい」という思いがあるからだと言います。 株式会社whicherの代表取締役である山本智一氏は、介護の担い手に若者が少ないのは若年層が介護業界と関わる機会が少ないからだと考えたそう。大学生が「whicher まごとも」で働き、高齢者と触れ合うことを通して、介護業界に興味を持つきっかけを作りたいと考え、このサービスを作ったそうです。 介護業界はどこも深刻な人手不足に悩まされています。「whicher まごとも」で働いた大学生が介護に興味を持ち、将来の介護業界を担う人材になってくれれば嬉しいですね。
2022/12/16
大阪市の介護施設で、入所者を殴ったり服の中に手を入れたりするといった虐待がありました。 11月14日、大阪市は、虐待があったとされる大阪市の介護老人保健施設「幸成園(こうせいえん)」に対し、来年3月1日から半年間の運営停止を命じたと発表しました。 事件の概要 2022年の5月、施設職員や入居者家族から「入所者への虐待の疑いがある」と通報があり、調査を実施。すると、同年から働き始めたひとりの男性の介護職員が80代以上の女性入所者6人に対し、殴ったり服の中に手を入れたりといった行為が見られたという証言がありました。 さらに調査中の7月にも、同じ職員が入所者が拒否しているにも関わらず強引に入れ歯を外そうとしていたことも判明しました。 またこの施設では、男性が入職する以前の2020~2021年にも別の職員による入所者への身体拘束や暴言があり、市は計3回の虐待を認定しています。 2021年11月に改善勧告を通知していますが、市は今回の虐待で運営側に改善の意思がないと判断。施設に運営停止を言い渡したのです。 なお、虐待の疑いがあった職員はすでに退職しています。 虐待を防ぐために 「虐待」とは殴る蹴るなどの身体的虐待だけでなく、暴言を吐いて入所者を脅すなどの心理的虐待、コールを無視するなどの介護の放棄(ネグレクト)、胸を触るなどの性的虐待なども含まれます。 こうした虐待を防ぐためには、高齢者の主体性を施設全体が尊重する姿勢が重要になってきます。施設全体で「虐待させない空気」をつくるのです。 ほとんどの施設で虐待に関する研修は毎年何度も実施され、虐待防止に努めていますが、一部の施設では、今回のような痛ましい虐待事件が後を絶ちません。 介護職とは、高齢者の自らが下した選択を尊重し、それに基づいて充実した生活を送れるように支援する存在であることを自覚しておきたいですね。 また万が一、虐待を見かけたら、介護職員には虐待を通報する義務があります(高齢者虐待防止法第7条3項)。関連機関と連携し事態の悪化を防ぎましょう。
2022/11/18
厚生労働省は、すべての人が安心して地域に根ざして暮らしていける「地域共生社会」が実現するような「地域包括ケアシステム」の創設を目指しています。 11月14日の社会保障審議会の介護保険部会では、地域包括ケアシステムに関する議論の中で、訪問介護や通所介護など複数の在宅サービスを組み合わせて提供する複合型サービスの検討や、機能が重複しているサービスの統合の検討がおこなわれました。 政府は2024年の介護保険制度改正に合わせて、新たなサービスの創設や既存サービスの統合を目指しています。 少子高齢化の進行 厚生労働省が、複数の在宅サービスを組み合わせようとしたり、サービスの統合をしようとしたりするのには理由があります。 それは、少子高齢化です。 2025年には、団塊世代全員が75歳以上になり、これまで以上の介護ニーズが見込まれています。 しかし介護や医療の担い手には限りがあるため、相対的に介護や医療の職員は少なくなると考えられます。その中でも介護の質を維持していくために、介護サービスの提供体制の見直しが迫られているのです。 また、日本全体では高齢化の傾向にありますが、地域によって様相が異なってきます。都市部ではこれから高齢者人口が増えていきますが、すでに高齢化が進んだ地方では高齢者人口はこれまでと同じか減少すると考えられています。 そのため、地域の実情に応じた介護サービスの基盤を作っていく必要があるのです。 部会の内容 11月14日の介護保険部会では、複数の訪問介護サービスを組み合わせる新たな介護サービスの枠組みについて話し合われました。 具体的には、デイサービスなどの通所介護の事業所が、訪問サービスを提供するなど、通所介護と訪問介護の事業所が相互に連携できる形を想定しているそうです。 また、機能が似ている介護サービスの統合や整理についても検討。部会では、定期巡回訪問介護や夜間訪問介護が機能も類似し、利用者像もおおむね同じだとされ、今後統合される可能性があります。 少子高齢化の中でも、介護の質は十分担保していきたいところですが、介護職員の負担も気になりますね。今後の動向に注目です。
2022/11/18
10月31日に介護保険の今後を話し合う、社会保障審議会介護保険部会が開かれました。そこで、要介護1と要介護2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を、市町村の日常生活支援総合事業(以下「総合事業」と呼称)に移管するという構想が話し合われたのです。 この総合事業とはどういったものなのでしょうか? 総合事業は、今までは主に要支援者に該当した高齢者を対象に実施。高齢者が要介護状態になることを防止し、慣れ親しんだ地域の中で自立した生活を送れるように支援する制度です。 ただ、上限がない介護保険の一律給付と違って、総合事業には高齢者人口の伸び率に合わせた上限額が設定されており、行政が支出をコントロールしやすい代わりに、ケアに十分なお金が回らないリスクもあるのですります。 国が訪問介護と通所介護の該当者を減らし、総合事業に移管しようとしている理由として、高齢化が進行し、介護費用の総額が介護保険制度創設時と比べて約3.7倍になっていることが挙げられます。 今後も介護費は右肩上がりになることが予想され、国は現役世代の負担を減らそうとこの構想を打ち立てたのです。 介護福祉士会の意見 日本介護福祉士会は、総合事業に移管する案を「介護外し」だとして厳しく批判し、10月24日に要望書を、11月4日に意見表明書をそれぞれ国に提出しました。 要介護1や要介護2の人は、自立してほとんど他者の手を必要としない要支援の人と比べ、認知機能が低下し生活の一部または大半を支援する必要がある人も多く見受けられます。例えば、認知症でトイレが認識できず、トイレに行くことも1人では困難という人であっても、足腰がしっかりしていれば要介護1や要介護2の判定を受けてしまいます。 そのような人を、要支援の人をターゲットにしている総合事業に適応させるのは難しく、適切なケアが提供できなくなることも考え、かえって重度化を促進するおそれもあると、介護福祉士会は警鐘を鳴らしています。 総合事業に移すべきという意見 一方で、財務省や経済界は総合事業への移行を推進しています。 日本経団連は、「今後の社会保障を維持していくためにも経済の活性化が不可欠。そのためには現役世代の負担を減らしていく必要がある」と主張しました。 またほかにも、「現役世代の負担はすでに限界にあり、給付と負担のバランスを確保しなければならない」といった意見も出ました。 できる限り介護の水準は維持していきたいですが、下の世代にしわ寄せがいってしまうのも事実。うまく双方の妥協点を見つけたいところです。
2022/11/09
11月1日、訪問介護のヘルパー3人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であり、裁判は原告側の訴えを退ける形となりました。 原告3人は、訪問介護ヘルパーが劣悪な労働条件や低賃金の中、働くことを余儀なくされているのは介護保険制度にあるとして国を提訴。また、「移動時間などの賃金未払いによって、介護労働者としての尊厳を傷つけられる働き方を強いられた」として、原告1人に対し330万円を支払うよう求めていました。 原告側の主張 訴えの中でヘルパーの労働実態が見えてきました。 原告側の主張は以下の通りです。 訪問介護事業所の中で大半を占める非正規雇用のヘルパーは、利用者宅への移動時間や合間の待機時間など介護サービス以外の時間に賃金が支払われない。その原因は、賃金を支払えるだけの介護報酬体系になっていないことにある 利用者側のキャンセルによる休業手当も発生しない 以上のような「労働基準法違反の状態を放置し、事業所を規制する権限を行使しなかったのは違法」として国を相手に裁判を起こしたのです。 裁判の結果 「移動時間などの未払い賃金が支払われていない」という原告側の訴えに対し、国側は「未払い賃金などの支払いは事業者側の義務である」と反論しています。 判決でも「労働条件は各事業所が是正すべきものだ」と国側の主張を認める形で、原告の訴えを棄却しました。 判決後の報告集会で、原告側は「介護サービスを提供した時間しか賃金が支払われない不安定な生活だ」と改めて苦しい現状を訴えました。 このような厳しい労働条件で、訪問介護の各事業所は深刻なヘルパー不足に悩まされています。公益財団法人「介護労働安定センター」の2021年度の調査では、事業所の実に8割が「ヘルパー不足」と回答しているのです。 高齢者が自宅で自分らしい暮らしを営んでいくけるためにも、ヘルパーの労働条件の改善は急務です。
2022/11/09
「認知症の人と家族の会」など、4つの認知症支援団体から構成される「認知症関係当事者・支援者連絡会議」が厚生労働省に要望書を提出しました。 団体は、今回の要望で長期化する新型コロナウイルスの流行で、認知症当事者やその家族が疲弊している状況を打開したい構えです。 コロナ禍の認知症の人を取り巻く現状 現在、新型コロナウイルスの流行が長期化しています。 その結果、認知症当事者の家族や介護者が体調不良になると、新型コロナウイルスの陰性の証明が必要になります。陰性であることが証明されなければ、在宅介護サービスが受けられないこともあるのです。 また新型コロナウイルスの感染予防のために、仮に関係者全員が感染していなくても病院や施設にいる認知症の方との面会が難しい状況も続いています。 要望書の内容 新型コロナウイルスの流行から2年経過した時点で認知症当事者・介護家族・支援者にアンケートを実施、それをもとに要望書を作成しました。 要望書の内容は大きくわけて3つあります。 認知症の人の介護をしている家族が体調不良になった場合の対策を早急に行ってほしい入院や入所にともなう面会制限を緩和してほしい感染対策を理由にした介護サービスの中断を最小限にしてほしい 順を追って見てみましょう。 1つめは「認知症の人の介護をしている家族が体調不良になった場合の対策を早急におこなってほしい」というものです。 介護している家族が風邪などで体調を崩したとき、新型コロナウイルスの陰性が証明されるまでは介護サービスを受けられないことが多くあります。普段なら介護サービスが担当する介護も家族が担うことになり、負担が増えています。 2つめは「入院や入所にともなう面会制限を緩和してほしい」というもの。「認知症の人と家族の会」がおこなったアンケートに答えた家族の約半数は、新型コロナウイルスが発生してから一度も面会できていません。 しかし「面会」には、よく見知った家族と会うことで、認知症当事者の心身の機能を維持しているという側面も。要望書には面会制限の緩和も盛り込まれているのです。 3つめは「感染対策を理由にした介護サービスの中断を最小限にしてほしい」というものです。 もし利用している施設などで感染者が発生すれば、デイサービスなどの通所サービスは感染が収まるまで利用できません。利用できなくなれば、介護している家族の負担が増え、認知症の人の自宅生活の維持が厳しくなるでしょう。 「認知症の人と家族の会」は記者会見で、長引くコロナ禍で状況が厳しくなっていることを踏まえ「しっかりと対策をとってほしい」と国に訴えました。
2022/11/01
10月20日、政府は介護事業者の団体を招いて問題意識の聞き取りを行いました。 会合に参加した介護事業者団体は以下の3団体です。 全国老人福祉施設協議会日本在宅介護協会高齢者住まい事業者団体連合会 この会合の中で「管理者が複数の事業所を兼務することを認めてほしい」という意見が上がりました。 現在の管理者の兼務ルール 現在のルールでは、管理者は「その職務に『もっぱら』従事する常勤の者」と定められています。また事業所の管理に支障がなければ、同じ敷地内や隣接する事業所の管理者も兼務できることになっています。 しかし、ルールの解釈が各自治体によって異なることもあります。 例えば、「管理に支障がなければ兼務する事業所の数は問わない」とする自治体もあれば、「兼務する事業所の数は2ヵ所までで、その場合の管理者は介護業務を兼務できない」とする自治体もあるのです。 会合では、管理者がほかの事業所と兼務できるように、現在それぞれの自治体に存在しているローカルルールを撤廃し、解釈を一致させたいといった声も上がりました。 管理者がほかの事業所と兼務するメリット 複数の介護事業所を所有するような大きな会社が運営している事業所の場合、「ここの事業所では利用者といっしょにごはんを作る」「ここの事業所ではすべて職員が作る」などと、事業所ごとに方針が違うこともあります。 そこで、管理者が複数の事業所を兼務できるようになれば、それぞれの事業所の方針のを統一が可能。サービスの質の向上が期待できます。 また同じ管理者が運営できるようになれば、違う事業所の利用者と合同で敬老会を開くなどといったサービスの連携もしやすくなるのです。 2024年度の介護報酬改定に合わせて、介護業界のルールもより良いものに変えようとする動きが出ています。今回の管理者の他事業所の兼務もひとつの大きな論点になるでしょう。
2022/10/31
さらに介護の需要が増すことが予想される昨今、現場をより能率的に回すために介護サービス事業所における管理者の常駐などの要件を緩和する方針が示されました。 今まで以上に管理者が働きやすくなり、柔軟な働き方ができる可能性があります。 管理者のテレワークが可能に 10月17日、厚生労働省は「社会保障審議会介護保険部会」を開きました。 そこで利用者と直接かかわらない業務では、テレワークを可能にしてその取り扱いを明示する案も盛り込まれました。 近年、少子高齢化によってますます介護の需要は高まっています。 厚生労働省の試算によると、毎年5万人以上介護職員の必要数が増えており、介護の効率化や人手不足の解消が急務です。 そのため、特別養護老人ホームや通所介護事業所などの管理者の常駐要件を改めることで効率化を図ろうとしています。 というのも、管理者は外部とやり取りがあり、現場を離れる業務も多数。そのため、今までは常駐要件に引っかかってしまうから現場をなかなか離れられませんでしたが、テレワークが可能と明示されていれば心置きなく自分の業務に集中できます。 争点となった部会の委員の声 部会委員からも、おおむね前向きな意見が見受けられました。 以下に部会委員からあがった声の一部を紹介します。 自治体に解釈の違いがあるから整理して進めてほしい利用者の安全が確保されていれば緩和していきたい管理者の現場の業務の質も確保していきたい 管理者がテレワークをするにしても、業務の質は落とさないようにしていきたいところですね。 今後、厚生労働省は、緩和条件などを深く議論していき、2024年に管理者の常駐緩和を予定しています。 さまざま立場の人で話し合って、みんなが納得できる形になれると良いと思います。
2022/10/31
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。