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2020年の死因の第6位である誤嚥性肺炎。食べ物や飲み物が口から気管に入ることで肺が炎症を起こす病気で、嚥下機能(飲み込む力)が落ちている高齢者は特に注意したいものです。 この嚥下機能を専門に取り扱う診療センターが、関西で初めて京都大学付属病院にオープン。嚥下機能の判定やリハビリテーション、食事サポートなどをおこなうそうです。 関西初の嚥下機能専門センター 京大付属病院が、今月1日に関西初の「摂食嚥下診療センター」を開設しました。 嚥下機能の診療には、耳鼻咽喉科やリハビリテーション科、歯科などのさまざまな診療科が関わります。そのため、同病院では専門のセンターを設立することで、各診療科とスムーズに連携が取れるような体制を構築したそうです。 このセンターでは、内視鏡検査や造影検査などの基本的な嚥下状態の確認する検査に加えて、嚥下圧測定検査という検査方法も可能。これは、飲み込みの際に関わる咽頭や食道など器官の収縮を測定する検査です。 こうした検査の結果に基づいて、センターのメンバーで治療方針を決定。そしてそれに応じて、嚥下機能に合わせた形態で食事を提供して食事面からもサポートします。 また、嚥下障害の専門家である言語聴覚士や看護師によってリハビリができる体制もあるそうです。 何気ないむせこみが要介護の原因に? 高齢になると、喉の筋肉の減少や唾液の量が減ることなどによって、嚥下機能が低下しやすくなります。 それによって、むせやすくなったり食べ物が気管に入ることで誤嚥性肺炎を発症することも。加えて、上手く飲み込めないため食欲の低下によって栄養状態が悪くなり、身体全体の筋力低下につながるケースもあります。 そのため、もし「むせやすい」「食べ物が上手く飲み込めない」と感じたら、嚥下機能が落ちているサインかもしれないので要注意。「もう年だからしょうがない」と何もせずにいると、それが悪化して介護が必要になったり寝たきりになる原因になりかねません。 簡単にできる「口腔体操」などもあるので、食事の前に取り入れてみると食べやすさが変わってくるかもしれないですよ。
2022/04/11
「リフィル処方箋」という制度を知っていますか? これは今月から導入された制度で、病院でもらえる処方箋を1枚で最大3回まで利用できるようになるもの。同じ薬を継続して服薬している場合は、医師の診察がなくても薬を受け取ることができます。 このリフィル処方箋について、日本トレンドリサーチが調査を実施。リフィル処方箋を利用してみたいか、メリットやデメリットに感じる点などを幅広い世代の人にアンケートをしています。 約6割が「利用してみたい」 市場調査やインターネットアンケートなどをおこなう日本トレンドリサーチが、リフィル処方箋についての調査をおこないました。 リフィル処方箋とは、最大3回まで利用できる処方箋のこと。持病の症状が安定している人が利用できます。 この制度を利用できるのは、生活習慣病などの長期的な治療が必要な病気の場合。加えて、かかりつけ医が「頻繫に受診しなくても大丈夫」と判断した場合に限られています。 この制度について、日本トレンドリサーチは1000人にアンケートを実施しました。 例えば、「リフィル処方箋を利用してみたいか」という質問には、約60%の人が「利用してみたい」と回答。その理由は、「移動や診察の時間が減らせる」「感染予防になるから」といったものが挙げられたそうです。 またリフィル処方箋のメリットと思うところについては、「手間が省ける」「病院が遠くても近くの薬局で受け取れる」などの回答が集まりました。 一方で、デメリットについては「症状の変化に気が付きにくい」「医師との相談やコミュニケーションの機会がなくなりそう」などが挙げられたそうです。 「かかりつけ薬局」を作りやすくなる? 持病の治療のために通院していると「いつも同じ薬をもらうだけなのに、病院に行くのは大変」と感じる人もいるかもしれません。 そういうときにリフィル処方箋制度を活用してみると、移動や待ち時間などの時間が省けますし、交通費や診察代も節約できて良いのではないでしょうか。 また、この制度を利用することで「かかりつけ薬局」をつくりやすくなるのもメリットのひとつです。 いくつもの病院を利用していると、病院から近い薬局で薬を受け取る場合が多くなりがち。しかし、リフィル処方箋にすれば自宅から通いやすい薬局で受け取りやすくなるので、そこをかかりつけにしやすいですよね。 そうすれば、かかりつけ薬局で薬の飲み合わせなどを自分の薬を一括管理してもらえるので、安心して薬を使用できます。 このようにリフィル処方箋は便利な制度。ただ、もし病状が悪くなったり「いつもと違う」と感じたら、すぐにかかりつけ医に相談してくださいね。
2022/04/08
実は日本は世界2位の人工透析大国。国内の約34万人が人工透析を受けており、なかでも糖尿病と合わせて発症する「糖尿病性腎臓病」による透析患者数は全体の4割にもなります。 この糖尿病性腎臓病の重症化を防ぐために、金沢大学などの共同研究グループがAI(人工知能)を使った実証実験を開始することを公表しました。 この実証実験の結果をもとに、AIシステムの普及をおこなって多くの患者の生活の質の向上を目指すとしています。 AIが病気の重症化リスクを解析 金沢大学の和田理事・副学長らの研究グループは、糖尿病性腎臓病の重症化を予防するAIシステムの実証実験の開始を公表しました。 このシステムは、2019年8月から糖尿病性腎臓病が悪化・改善するメカニズムを金沢大学と東芝グループが共同で研究していたものです。 具体的には、金沢大学が長期にわたって研究してきた糖尿病性腎臓病のデータを、東芝のAIによって解析し、詳細なメカニズムを調べていました。 その後、SOMPOグループの研究の参加によって、同社の持つヘルスケアのノウハウなども組み合わさり、糖尿病性腎臓病が重症化するリスクを算出するAIシステムの開発に成功したそうです。 今回の実証実験では、研究の対象者それぞれの健康診断結果をAIが解析。それによって、対象者の良好な項目と改善が必要な項目が記載された「生活習慣の維持/改善目標シート」を作成します。 そして、そのシートを活用して管理栄養士が患者への保健指導を実施。さらに従来の健康指導も組み合わせることで、対象者の生活習慣などの変化を検証するそうです。 今後はこの研究のデータをもとに、このAIシステムの糖尿病性腎臓病の重症化予防効果を検証。医療機関や自治体、民間事業者が連携してプログラムの普及を目指すとしています。 AIはあくまで”補助”するもの 研究グループによると、今回のAIシステムは「人をサポートする」もの。AIがすべてを判断するのではなく、専門家が指導・指示をするときの補助としての役割が期待されています。 つまり、健康を維持するためには「AIが判断してくれるから、すべて任せておけばいい」と思うのではなく、自分から生活習慣を変える努力もしなければならないということかもしれませんね。
2022/02/25
鹿児島県の新成病院では、病院内での認知症患者の徘徊や、新型コロナウイルス患者の対応などが理由で医療スタッフの業務が圧迫されているという現状がありました。 そうした状況を改善するためにAIシステムを導入。顔認証システムで、徘徊する可能性のある患者の行動を検知したり、夜間出入りする医療スタッフの入退館を自動でおこなえるようにしました。 このAIシステムの導入でスタッフの業務効率が向上し、より安全に医療サービスを提供できるそうです。 AIでさまざまな問題を同時に解決 鹿児島県の新成病院が導入したシステムは、主に3つの問題を解決しています。 まずは、認知症患者の見守り。これまでは、認知症によって夜間徘徊する人の見守りや安全確保を人の手でおこなっていたため、スタッフの業務負荷が大きくなっていました。 そこで、徘徊の可能性のある患者の顔写真をAIシステムに登録しておき、その患者が無断外出をすると看護師のスマホにLINEで通知するように設定。同時にスタッフステーションの警報器が鳴るので、すぐに対応できるようになりました。 また、登録した顔写真はネットを介さずに院内のパソコンで管理するため、個人情報漏洩のリスクを大幅に減らしています。 次に、待合室の”3密”回避を実現。待合室に人数検知やCO2センサーを設置することで、待合室にいる人数や換気状況を把握しています。3密状態を検知して通知されるようになっています。 最後に、医療スタッフの夜間の入館の自動化も実現しています。これは、医師などの医療スタッフの顔写真をシステムに登録しておき、夜間帯も顔認証で自動的に開錠。夜の急患があった場合もスムーズに入館ができます。 さらに入館時間の記録もされるので、働き方改革にも活用できるそうです。 システム導入が、より充実した医療の提供へ 新成病院は総合病院として、地域医療を支えている病院です。新型コロナ患者はもちろん、幅広い症状の患者を受け入れています。 そこで問題となるのが、医療スタッフの負担の増加。コロナ禍で医療現場のひっ迫が叫ばれるなか、スタッフが医療業務に集中できるように導入したのが今回のシステムです。 今回のシステム導入によって、認知症の人がより安全に過ごせるようになったり、迅速に医師が入館することで少しでも早く医療の提供ができるようになるでしょう。 スタッフの負担が軽減されるだけではなく、さまざまな効果が期待されるシステムですね。
2022/02/14
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。