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12月6日、河野太郎デジタル大臣、松本剛明総務大臣、加藤勝信厚生労働大臣らが集まり、マイナンバーカードの利便性の向上などについて議論しました。 2024年の秋に、現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体になった保険証に一本化することが予定されています。 それに合わせて、マイナンバーカードの申請や交付に必要な本人確認の要件を緩和し、利便性の向上を図ろうとしているのです。 本人確認を代行する案も 現在の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードと一体になった保険証にすることが見込まれています。日本は皆保険制度を採用しているため、実質的にほぼすべての国民がマイナンバーカードを取得する必要があるのです。 現在、マイナンバーカードの申請や交付は、職員が本人確認をおこなうため、本人が役所を訪れる必要があります。これは不正取得を防ぐため、厳格に実施されています。 しかし、この際に懸念点となるのが、病気や老化などで外出が難しい高齢者の対応です。 外出が難しい高齢者でもマイナンバーカードを申請できるように、高齢者施設の施設長やケアマネジャーが本人確認を代行する案や、役所の職員自身が申請者の家に行って、そこで本人確認をおこなう案などが議論の中で挙げられています。 要介護の高齢者のマイナンバーカードについては、以下の記事でも取り上げています。あわせてチェックしてみてください。 マイナンバーカードを普及させるには 政府は、2023年の3月末までにほぼ全国民がマイナンバーカードを所持することを目標に掲げています。 しかし、11月27日時点でのマイナンバーカードの交付率が53.5%とまだ半分程度しか普及していない現状があります。 これについて、2022年の1月にはデジタル庁がマイナンバーカードを所持していない人に対して、カードを所持していない理由を尋ねました。 すると、「情報流出が怖いからまだ所持していない」いう理由を挙げた人が最も多く、次に「申請方法が面倒だ」という理由や「マイナンバーカードにメリットを感じない」という理由が多数を占めていたことが明らかになったのです。 政府は所持するメリットを国民に感じてもらうために、マイナンバーカードを申請したらポイントがもらえるキャンペーンを実施しています。 ただ、ポイント付与にはキャッシュレス決済が条件。しかし、高齢者はキャッシュレス決済をおこなわない人も多く、「メリットが感じられない」という声もあります。 今後、マイナンバーカードを普及させていくためには、政府の丁寧な説明が求められそうです。
2022/12/09
厚生労働省は、医療や福祉などの専門家が集まって介護を必要とする度合い(要介護度区分)を判定する介護認定審査会を、オンラインで開催できるようにするための検討に入りました。 新型コロナウイルスが流行してから、臨時的に審議会のオンライン開催を認めていましたが、今後は平時でもオンラインにすることで業務の効率化を図るねらいです。 介護認定審査会とは 介護を必要とする人が介護保険サービスを利用するためには、どれくらいその人が介護を必要としているかを示す、要介護度認定を受ける必要があります。 認定を受けるためには、以下の流れで申請をする必要があります。 調査員が介護を受けようとしている本人と面談する(認定調査) 主治医に、介護が必要になった原因となる病気やけがについての意見書を書いてもらう 認定調査と医師による意見書の結果をもとに、まずはコンピューターが審査。その後に医療、保険、福祉の専門家が集まり、審議し、最終的な要介護度を判定する 上記の流れでは3番にあたる、最終的な要介護度を判定する会議が、「介護認定審査会」です。 オンライン化する背景 ではなぜ、介護認定審査会のオンライン化を進めようとしているのでしょうか? 最も大きな理由に、高齢化が挙げられます。 高齢者をスムーズに介護サービスにつなげるために、要介護度認定は、手続きを受けてから原則30日までに出さないといけないことになっています。しかし、要介護度認定を必要とする人が増え、30日以上待機することも当たり前になっているのです。 そこで、審査会をオンラインにすれば、専門家の日程調整がしやすくなり、結果として要介護度認定の待機期間の短縮も見込まれます。 介護業界はデジタル化がまだ進んでいない部分も多いです。審議会をオンラインにすることで、業務が効率的になれば良いですね。
2022/11/22
11月14日、厚生労働省は、介護保険制度の今後を話し合う社会保障審議会の介護保険部会の中で、特別擁護老人ホーム(通称「特養」)の入所基準に関する議論があがりました。 現在、特養は原則として要介護度3以上の人を受け入れていますが、やむを得ない事情があれば、要介護度1や2の人も「特例入所」という形で入れます。 今回の審議会では、この「特例入所」の趣旨を明確化するための周知を呼びかけました。 特例入所とは 通常、特養は要介護度3以上の介護を要する人を対象としています。しかし、以下のようなやむを得ない事情があれば、特例で入所できます。 認知症や知的・精神障害で日常生活に支障をきたす行動がよく見られ、在宅生活が困難な状態にある 家族による虐待があるなど、心身の安全確保が難しい状態にある 家族による支援や地域での介護サービスに期待ができず、在宅生活が困難な状態にある 厚生労働省は、実態把握調査を実施しています。まだ調査中ですが、現時点で集計が終わっている39の都道府県において、約2万人が特例入所の制度を使って特養に入所しているそうです。 介護保険部会の内容 介護部会の中で、特例入所の趣旨を改めて明確化したい、また特例入所の柔軟な適用を願いたいという意見が出されました。その理由は以下の通りです。 「要介護度3以上を対象とする」という原則が厳しく適用され、やむを得ない事情があっても特例入所が認められない地域もある 周囲の高齢者人口の減少で、特養の空床が生じている地域もある 厚生労働省は、部会で出された意見を踏まえて特例入所の周知をおこない、その趣旨を明確にしていきたいとしていますが、「あくまで趣旨の明確化であり、入所基準の緩和は考えていない」と基準の緩和には慎重な姿勢を示しました。
2022/11/22
厚生労働省は、すべての人が安心して地域に根ざして暮らしていける「地域共生社会」が実現するような「地域包括ケアシステム」の創設を目指しています。 11月14日の社会保障審議会の介護保険部会では、地域包括ケアシステムに関する議論の中で、訪問介護や通所介護など複数の在宅サービスを組み合わせて提供する複合型サービスの検討や、機能が重複しているサービスの統合の検討がおこなわれました。 政府は2024年の介護保険制度改正に合わせて、新たなサービスの創設や既存サービスの統合を目指しています。 少子高齢化の進行 厚生労働省が、複数の在宅サービスを組み合わせようとしたり、サービスの統合をしようとしたりするのには理由があります。 それは、少子高齢化です。 2025年には、団塊世代全員が75歳以上になり、これまで以上の介護ニーズが見込まれています。 しかし介護や医療の担い手には限りがあるため、相対的に介護や医療の職員は少なくなると考えられます。その中でも介護の質を維持していくために、介護サービスの提供体制の見直しが迫られているのです。 また、日本全体では高齢化の傾向にありますが、地域によって様相が異なってきます。都市部ではこれから高齢者人口が増えていきますが、すでに高齢化が進んだ地方では高齢者人口はこれまでと同じか減少すると考えられています。 そのため、地域の実情に応じた介護サービスの基盤を作っていく必要があるのです。 部会の内容 11月14日の介護保険部会では、複数の訪問介護サービスを組み合わせる新たな介護サービスの枠組みについて話し合われました。 具体的には、デイサービスなどの通所介護の事業所が、訪問サービスを提供するなど、通所介護と訪問介護の事業所が相互に連携できる形を想定しているそうです。 また、機能が似ている介護サービスの統合や整理についても検討。部会では、定期巡回訪問介護や夜間訪問介護が機能も類似し、利用者像もおおむね同じだとされ、今後統合される可能性があります。 少子高齢化の中でも、介護の質は十分担保していきたいところですが、介護職員の負担も気になりますね。今後の動向に注目です。
2022/11/18
11月7日、今後の財政制度を話し合う財政制度等審議会の財政制度分科会が開催。そこで、2024年度の介護保険改正を踏まえ、今後の財政制度のあり方について話し合われました。 財政制度分科会で話し合われたこと 財政制度分科会の中で、介護に関する議題も挙がりました。 その中で、現在90%以上の高齢者が1割負担である介護サービスの利用者負担を今後2割にしていくことが明らかに。また、現時点で全体のそれぞれ5%、4%しかいない、2割・3割負担の対象者も今後拡大していく方針を打ち出しました。 進行する少子高齢化を背景に、今後さらに公費で支払う介護保険料の増加が見込まれています。現役世代にしわ寄せがいかないよう、高齢者にも支払いを分担するねらいがあります。 関係者の意見 日本郵政の増田寛也会長代理は会見で、すでに一部の75歳以上の医療費負担が1割から2割に引き上げられていることを踏まえ、「介護も医療と同様の方向へ持っていくべきではないか」と発言しました。 しかし物価が次々に上昇している昨今の経済状況があることから、「利用者負担を引き上げるだけでなく、経過措置を働かせることも考えるべきだ」としました。 また、9月28日に開かれた全世代型社会保障構築会議にて、清家座長は「高齢者であっても負担能力があれば(社会保障費の)負担をする。若い子育て世代も必要であれば支援給付を受けられるようにする。それがまさに全世代型という意味」と発言。能力に応じて負担し、持続可能な制度にするという、全世代型社会保障の意味を改めて伝えました。 今後も持続可能な介護保険制度を維持するためにも、財政健全化は早急に実現したいところ。しかし介護保険料が上がれば、低所得者層の介護サービスの利用控えも懸念されます。さまざまな立場の人の意見を取り入れ、よりよい制度になることに期待したいです。
2022/11/14
11月8日、政府は75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の保険料を改正し、所得が高い人の年間上限額を引き上げる方向であると明らかにしました。 高齢化が進み、2025年には団塊の世代が全員75歳以上となります。医療費も一層膨らむ見通しがあり、支払い能力に応じた負担を求めていきたい考えです。 引き上げの詳細 政府の案が通った場合、後期高齢者の医療保険料の年間上限額が、現在の66万円から80万円程度に。対象になるのは、加入者の中でも収入が高い上位約1%で、年間で14万円ほど負担が増える見込みです。 また、年間上限額の引き上げに合わせて、中間所得層の医療保険料も増額になります。 関係者の意見 医療保険の今後を話し合う厚生労働省の医療保険部会では、賛否両論の意見が集まっています。 政府の意見に肯定的な委員は「現役世代並みの所得がある後期高齢者の負担が軽い一方、その分を現役世代が負担している。世代間の格差を減らすためにも見直しが必要である」と主張しました。 また、「所得が両極化している高齢者世代の現状を踏まえ、世代間の公平だけでなく、世代内の公平も必要。高所得者層には相応の負担を求めていくべき」という意見もありました。 一方「昨今の物価変動で高齢者は生活が厳しくなっている。またこれまで社会を支えてきたということも考慮して、負担が大きくならないようにしてほしい」と後期高齢者の負担増加に否定的な意見も見られます。 日本に住んでいる人が治療費を気にせず医療を受けられているのは、皆保険制度という世界でも稀な制度があるからです。 これからもみんなが安心して医療を受けられる社会を続けていくために、低所得者層に配慮しながら持続可能な制度にする必要がありそうですね。
2022/11/14
10月31日に介護保険の今後を話し合う、社会保障審議会介護保険部会が開かれました。そこで、要介護1と要介護2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を、市町村の日常生活支援総合事業(以下「総合事業」と呼称)に移管するという構想が話し合われたのです。 この総合事業とはどういったものなのでしょうか? 総合事業は、今までは主に要支援者に該当した高齢者を対象に実施。高齢者が要介護状態になることを防止し、慣れ親しんだ地域の中で自立した生活を送れるように支援する制度です。 ただ、上限がない介護保険の一律給付と違って、総合事業には高齢者人口の伸び率に合わせた上限額が設定されており、行政が支出をコントロールしやすい代わりに、ケアに十分なお金が回らないリスクもあるのですります。 国が訪問介護と通所介護の該当者を減らし、総合事業に移管しようとしている理由として、高齢化が進行し、介護費用の総額が介護保険制度創設時と比べて約3.7倍になっていることが挙げられます。 今後も介護費は右肩上がりになることが予想され、国は現役世代の負担を減らそうとこの構想を打ち立てたのです。 介護福祉士会の意見 日本介護福祉士会は、総合事業に移管する案を「介護外し」だとして厳しく批判し、10月24日に要望書を、11月4日に意見表明書をそれぞれ国に提出しました。 要介護1や要介護2の人は、自立してほとんど他者の手を必要としない要支援の人と比べ、認知機能が低下し生活の一部または大半を支援する必要がある人も多く見受けられます。例えば、認知症でトイレが認識できず、トイレに行くことも1人では困難という人であっても、足腰がしっかりしていれば要介護1や要介護2の判定を受けてしまいます。 そのような人を、要支援の人をターゲットにしている総合事業に適応させるのは難しく、適切なケアが提供できなくなることも考え、かえって重度化を促進するおそれもあると、介護福祉士会は警鐘を鳴らしています。 総合事業に移すべきという意見 一方で、財務省や経済界は総合事業への移行を推進しています。 日本経団連は、「今後の社会保障を維持していくためにも経済の活性化が不可欠。そのためには現役世代の負担を減らしていく必要がある」と主張しました。 またほかにも、「現役世代の負担はすでに限界にあり、給付と負担のバランスを確保しなければならない」といった意見も出ました。 できる限り介護の水準は維持していきたいですが、下の世代にしわ寄せがいってしまうのも事実。うまく双方の妥協点を見つけたいところです。
2022/11/09
2022年10月18日、岸田文雄内閣総理大臣が衆議院・予算委員会にて2024年度に改正する予定の介護保険制度改正案内で介護利用者の負担を前向きに引き上げることを検討していることを明らかにしました。 「能力ある方には負担増をお願いする」 岸田総理は「能力のある方には負担を負ってもらう、そのことによって制度全体を維持していく、多くの方々の生活を支えていく。こうした結果につなげていくという考え方は重要」と述べています。 さらに、「能力のある方に負担して頂く。これをどこで線を引いて、どこまで負担をお願いするのか。こうした観点に基づいて、今の現状の中で判断をしていく。こうした考え方は当然、大事ではないか」とも明言しました。 介護保険の現状 現況は介護保険利用者負担、個々の経済状況に応じて1割から3割に設定されています。 ただし現状の3割負担者は全体の約5%、2割負担者は約4%となっており、全体の90%超が1割負担に抑えられています。 政府によると次の制度改正を見据えて、2割負担者と3割負担者の対象拡大を論点と定めました。 また、居宅介護支援ケアマネジメントで新たに利用者負担を徴収することなども触れ、最終的な結論は年末に出す予定です。 野党は反発 宮本徹議員(共産党所属)の質問に岸田総理は答え、宮本議員は岸田総理の発言に対して「物価高騰の中で負担増を検討するとは驚きの姿勢だと」と批判しました。 岸田総理は予算委で「高齢者の生活への影響を懸念する声もある。今、厳しい生活の中で苦労されている方、皆に負担をお願いするわけではない」と説明した。「制度全体を維持して未来につなげていく。これは次の世代にとっても大切なことであり、政治の責任として持続可能性を考えることは重要だと認識している」と理解を求めました。 介護保険制度は大切なことです。利用者負担増は、現在サービスを受けている高齢者にとっては良いニュースとはいえないかもしれませんが、税や年金などで不公平感を訴える現役世代にとっても切実な問題です。国民が納得できる形でこの制度を支えていければ良いですね。
2022/10/26
2022年10月1日から、一部の方を除き、75歳以上の方で一定以上の所得がある方の医療費の負担割合を1割から2割に引き上げられました。負担割合が2割となる方には、外来の負担増加額を月3000円までに抑える一時的な配慮措置もあります。 今回の引き上げは、少子高齢化が進展し、2022年度以降、団塊の世代が75歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えることが目的。健康保険法などの一部を改正する法律が成立したことを受けての実施となりました。 気になる対象は? 医療費が2割負担となるのは、以下の条件に当てはまる人です。 単身世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合200万円以上。 ※(年金収入に遺族年金・障害年金は含まれない。その他の合計所得金額とは給与収入や事業収入から必要経費、給与所得控除などを差し引いた後の金額を指す) 複数世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が合計320万円以上。 ※(年金収入の他にも、不動産収入等があり、その合計が320万円以上になると、夫婦とも窓口負担は2割に。例え妻に収入がなくても夫の収入が高ければ、夫だけでなく妻も2割負担になる) なぜ引き上げに? 公的な年金・健康保険が整備され、高齢者に対する福祉が充実する一方で、現役世代は非正規雇用の増加などの雇用環境の変化と近年の物価上昇で生活費が逼迫されて泣き面に蜂という悪循環に。若い世代の貧困が深刻な問題となってきました。そこで政府はこれまでの「給付は高齢世代、負担は現役世代」という関係を見直して、「全世代型の社会保障」へと大きく舵を切ったのです。 しかし、収入が増えない現役世代もいずれは、「高齢者」になります。その時、負担が大きいから保険の負担割合を低く改定するということは、ほぼないでしょう。このあたり、将来のことも明示してほしいところです。 今後の備えは? 今回の法改正をきっかけに家計の見直しをすることも必要です。食費や雑貨費、生命保険料等の単価が高い費目のを見直し、年会費を払っているのに、殆ど使っていないクレジットカードや有料サイトを解約、携帯電話のプランの変更を検討したりするだけでも大きく家計を改善できるでしょう。 2割負担になる方は、医療費の増加分を吸収できるように早めに家計を見直すことが大切ですね。
2022/10/11
超高齢社会を歩む日本に、なくてはならないものが介護保険制度です。 この制度の土台である介護保険法は、高齢者介護の現状を踏まえて3年ごとに改定されてきました。次の改定は2024年度となっており、それに向けてはさまざまな意見があります。 その中でも気になるのは、年々増え続ける介護費を賄うために「利用者の自己負担の割合を引き上げるべき」という財務省などからの意見です。 こうした意見が出ている中、9月26日に厚生労働省は有識者による審議会(社会保障審議会・介護保険部会)を開き、介護保険制度改定に向けた協議をおこないました。 協議の焦点は介護保険の利用者負担の引き上げなど 今回の協議の主なポイントになったのは、増え続ける介護費を今後どうやって賄っていくか、という点です。 そのうえで焦点になったのは次の2つでした。 1.原則1割負担となっている介護保険の利用者負担を、2割負担、3割負担へと引き上げるべきか。 2.現在、例外的に利用負担のない居宅介護支援のケアマネジメントであっても、負担金の徴収を始めるかどうか。 現状、委員の意見は分かれている 審議会の委員へ意見を聞いたところ、回答は真っ二つに分かれました。 「(高齢者を支えている)現役世代の負担は限界。利用者の負担は原則2割とすべき」という声や、「ケアマネジメントでも利用者負担の導入を」との提言がありました。 これに対し、「物価高騰で高齢者の生活は更に厳しくなった」などと利用者負担の引き上げに反対する意見があがっています。 また、居宅介護支援の負担金の徴収については「適切なケアマネジメントを誰もが受けられる環境が重要」だという声も。 そのうえで、部会長代理の野口委員は「今後の更なる高齢化、生産年齢人口の急激な減少を乗り越えるために、制度の見直しは必要。高齢者には負担をお願いできる人もいる。そうした人に負担をお願いしていくことはもはや避けられない」と語っています。 情報収集や対策をしっかりすることが大切 厚生労働省は年内に大まかな方針を決める予定で、最終的には政府が決定することになります。 なお、10月から後期高齢者のうち、年収200万円以上所得のある人の医療費の自己負担割合が2割へ引き上げられました。もし介護保険法の改定で介護費の自己負担が増えると、本人やその家族の負担がさらに重くなりますね。 今後の状況は見通しにくく、早めの情報収集が大切です。また、介護保険料の免除・軽減制度の活用なども視野に入れてみてはどうでしょうか。
2022/10/05
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。