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#認知症予防

#最新テクノロジー #認知症予防

認知症リスクをAIが発見!?リスクを予測して認知症予防しよう!

医療ソフトウェアの開発や販売を手がける株式会社ERISAは、今回新たにAIが認知症リスクを予測するプログラム「SupportBrain」のインターネットによるサービス申し込みを開始しました。 高齢者の5人に1人が発症すると言われている認知症のリスクを知ってもらう機会をつくることで、認知症予防に取り組むきっかけをつくっていくとしています。 首都圏40ヵ所のクリニックで認知症リスクを検査可能に ERISAは、MRIやCTを使った画像診断をおこなう医療グループと提携し、AIが認知症の発症リスクを予測するプログラム「SupportBrain」のインターネット申し込みをスタート。2023年9月8日から、首都圏にある40ヵ所のクリニックでアルツハイマー型認知症の発症リスクを調べる検査サービスを受けられるようになったといいます。 ところで、SupportBrainとはどのようなものなのでしょうか? SupportBrainとは、島根大学医学部と滋賀医科大学、ERISAが共同で開発した脳画像解析技術のこと。MRIなどから得られた画像データをもとに、対象者の脳の萎縮状態をAIが測定し、将来の認知症発症リスクを予測するのだそうです。 この技術自体はすでに2021年に発売されていて、現在に至るまで全国60ヵ所以上の医療機関で用いられてきたといいます。 認知症リスク予測プログラム「SupportBrain」の特徴 SupportBrainを用いると、まず対象者と同年代の脳画像データとAIが比較。現在の脳の萎縮状態が加齢による正常なパターンか認知機能低下の際に認められるパターンかを判定します。それから、現在の脳の萎縮状態から3年後における認知機能の低下予測をAIが判定するのだそうです。 判定後、AIが解析した結果レポートを対象者に返却。認知機能の低下を防ぐために必要な、生活習慣の改善策も提示されるといいます。 認知症のリスクがあらかじめわかっていれば、意識的に運動に取り組んだり食事の栄養バランスに気を付けたりといった策を講じられます。物忘れなど気になる症状がある方は、一度SupportBrainによる判定を受けてみても良いかもしれませんね。

2023/10/18

#地域の取り組み #認知症予防

「訪問落語」が高齢者施設に来る!?落語で笑って認知症を予防しよう

エンタメ事業を手がけるシバハマ合同会社は、すべての人をエンターテインメントで元気にすることを目的に「エンタメ・ギフト」と呼ばれるプロジェクトをスタート。今回、その第二弾として、高齢者施設の利用者向けの「訪問落語」をリリースすることを明らかにしました。 利用者に落語を届ける事業をスタート シバハマ合同会社は、2023年4月から「エンタメ・ギフト」と名づけたエンターテインメント事業をスタート。これまでは、児童福祉施設にいる子どもたちを中心に「ピーター・パン」などの作品を届けてきました。 今回、その第二弾として、落語会に行きたくても外出が難しい高齢者施設の利用者を対象に「訪問落語」をおこなっていくと発表。2023年の10月から真打の落語家が特別養護老人ホームを訪問し、落語会を開催するとしています。 今回の訪問落語は、担当者が介護老人保健施設で働いていたときに、「昔はよく落語鑑賞をしていた。また見に行きたい」という声が利用者から挙がったことがきっかけだといいます。 担当者は「訪問落語は医療系のリハビリではない。何かの目的のために鑑賞するのではなく、ただ楽しんでいただければそれで良い」と述べています。 笑うことで認知症の予防にも 新たな研究で、笑うことは認知症のリスクを軽減する可能性が示されました。 福島県立医科大学は、約1000人の65歳以上の男女を対象に調査を実施。物忘れなどの認知機能に関する症状と笑いの頻度をアンケート方式で調べました。 その結果、「笑う機会がほとんどない」と回答した人は、「ほぼ毎日笑う」と回答した人に比べて、男性では2.11倍、女性では2.6倍多くの人に、認知機能の低下症状がみられたことが明らかになりました。 言い換えると、ほぼ毎日笑う人は笑う機会が少ない人に比べて、認知機能の低下を抑えられる可能性が示されたのです。 今回の「訪問落語」の取り組みがさらにさまざまな施設に広まっていけば、利用者も笑う日々が増え、より健やかな毎日を過ごせるようになりそうですね。 参考:「エンタメ・ギフト《訪問らくご》」(Shibahama) 参考:「笑って認知症を予防できるか」(健康長寿ネット)

2023/09/25

#健康管理 #最新研究 #認知症予防

ヨガで記憶力が良くなる!?瞑想しながらのヨガでストレス発散しよう

アルツハイマー病のリスクのある高齢女性がヨガに取り組むと、記憶力に関連する脳領域の活動が活発になる可能性が示されました。研究グループは、特に多くのストレスを抱えているような女性に有効だとしています。 この研究はアメリカのカリフォルニア大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Alzheimer's disease」という学術誌に掲載されています。 ヨガに取り組んだ対象者は脳の活動がより活発的に 今回、研究グループは、アルツハイマー病のリスクが高いと判定された60歳以上の女性22人を対象に調査を実施。従来の記憶力トレーニングに取り組むグループとヨガトレーニングに取り組むグループに分け、毎日約20分間のトレーニングをおこなうように指示しました。 12週間後に、脳のさまざまな領域の活動を測定できるfMRIと呼ばれる装置を使って、記憶力に大きく関連しているとされる「海馬」の活動量を分析しました。 その結果、ヨガに取り組んだグループでは、海馬の記憶力に関連する領域の活動がより活発になっていることが明らかになったのです。 以上の結果を受けて、カリフォルニア大学ヘルスシステム神経科学研究所に所属しているヘレン・ラブレツキー氏は「ヨガは、ストレスを感じやすく、主観的な記憶障害のある女性に対して有用である可能性が示された。身体機能が低下した高齢者であっても、身体の動きや呼吸に焦点を当てた穏やかなヨガであれば、安全に取り組めるだろう」としています。 ヨガが介護ストレスをも軽減 カリフォルニア大学の同じ研究グループは、これまでに認知症の高齢者を介護している45人を対象としたヨガの研究も実施。ヨガが介護のストレスに対しても有効であることを発表しています。 その研究によると、1日に12分間の瞑想を取り入れたヨガに取り組んだ人は、そうでない人に比べてメンタルヘルスが改善し、身体の炎症反応も低下したことが明らかになったといいます。 ラブレツキー氏は「特に、高齢の介護者は生活の満足度が低下しやすく、心身の健康状態が悪化しやすいことが知られている。しかし、今回の研究で、ヨガがストレスを緩和する可能性が示されたことはとても元気づけられる発見だ」と述べています。 ヨガや瞑想は心身を落ち着けるのにとても有効だとして、世界中から注目が集まっています。場所も取らず気軽にできるため、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。 参考:「Impact of Yoga Versus Memory Enhancement Training on Hippocampal Connectivity in Older Women at Risk for Alzheimer’s Disease」(Journal of Alzheimer's disease)

2023/08/30

#最新研究 #認知症予防

視力の低下で認知症に!?目の健康を大切にして視力の低下を防ごう

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感のうち、視覚は特に認知機能に大きな影響を与えていると言われていて、視力が衰えると思考力や記憶力に悪影響を及ぼすことが指摘されています。 今回紹介する新たな研究でも、視力が低下した人はそうでない人に比べて、認知症の発症リスクが高まる可能性が示されました。 この研究は、アメリカのミシガン大学医学部ケロッグ眼科センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「JAMA Ophthalmology」という医学誌に掲載されています。 3000人以上の高齢者を対象に調査を実施 研究グループは、2021年におこなわれた「国民健康高齢化傾向調査」に参加した71歳以上の高齢者3817人のデータを分析することに。国民健康高齢化傾向調査とは、アメリカの高齢者向けの公的保険サービスであるメディケアを受給している人を対象とした研究で、10年以上にわたって続けられています。 今回、研究グループは3000人以上の対象者に、近くのものと遠くのものをそれぞれ見られるかどうかを測る視力検査、背景の色に対してあまり明暗がはっきりしていない文字を見られるかどうかを測る視力検査、記憶力と思考力を測る認知機能検査をおこない、その結果を解析しました。 視力が低下した人では認知症の有病率が上昇 研究グループが検査結果を分析した結果、対象者全体のおよそ12%が認知症を患っていることが判明。特に、近くを見る視力に問題があるグループでは、認知症を患っている人の割合が22%近くに達したことが明らかになったのです。 また、現段階では認知症を患っていなくてもその兆候がみられる人の割合を調べたところ、視力に問題がない人に比べて、遠くを見る視力に中程度以上の問題がある人では、72%も多くの人に認知症の兆候が見られたことがわかりました。 一方、今回の研究では、白内障の手術などで視力が回復した人は認知症の発症率が時間とともに低下する可能性も示されています。 以上の結果を受けて、研究グループは「目の健康を優先することは、視覚だけでなく全般的な健康や幸福につながる可能性が示された。視覚の最適化が認知症の発症リスクを軽減するかどうかについては、さらなる研究が必要だ」と述べています。 白内障などで視力が低下すると、日常生活そのものにも大きな影響が出てしまいます。手遅れになる前に医療介入ができるよう、定期的に眼科を受診すると良いかもしれませんね。 参考:「Objectively Measured Visual Impairment and Dementia Prevalence in Older Adults in the US」(JAMA Ophthalmology)

2023/08/25

#最新研究 #認知症予防

認知症のリスク低下にはパズルやゲームが良い!?脳に刺激を与えよう

新たな研究で、頭を使うゲームやパズルが、高齢者の認知症リスクを低下させる可能性が示されました。この研究はオーストラリアのモナシュ大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「JAMA Network」という医学誌に掲載されています。 高齢者のライフスタイルに関するデータを分析 今回、研究グループは、パズルなどの脳を刺激するとされるさまざまな活動が、認知症の発症リスクにどのような影響を与えているのかを調べることにしました。 調査にあたって研究グループは、2010~2020年にわたって、高齢者のライフスタイルに関するデータを収集。対象となったのは、研究を始めた時点で介護施設ではなく地域社会で暮らしていて、認知機能に問題がない70代以上の高齢者で、その人数は1万人以上に上りました。 対象者は友人と会う機会があるかどうかや、レジャー活動をおこなうか、美術館などに出かけるかといったライフスタイルに関する質問に答えました。 活発に活動する人は認知症リスクが低くなる傾向に 調査の結果、脳に良い刺激を与えるとされる活動を日常的におこなっている人は、そうでない同世代の人に比べて認知症を発症するリスクが9~11%低いことが明らかになりました。 「脳に良い刺激を与えるとされる活動」の一例は、以下のとおりです。 定期的にコンピューターを使用する 何かを学ぶ暮らすを受講する 手紙や日記をよく書く ゲームやトランプ、チェス、パズルなどの活動をおこなう 一方、社会活動の頻度や友人・家族の人数などは認知症リスクとは関係がない可能性が示唆されました。ただ、研究グループは「孤独や孤立の影響を見るには参加者の人数が少なすぎた」と指摘しています。 何か新しいことを学ぶことは、前向きに生きやすくなるなどメンタル面でもポジティブな効果が認められています。何歳からでも遅すぎるということはないので、新しい趣味を始めてみるのも良いかもしれませんね。

2023/08/15

#最新研究 #認知症予防

色んな食材を食べると認知症のリスクが低下!?食事の幅を広げよう

新たな研究で、さまざまな食品を食べていて、「食事の多様性が高い人」はそうでない人に比べて、認知症の発症リスクが低い可能性が示されました。 この研究は国立長寿医療研究センターと国立がん研究センターの研究グループが共同でおこなったもので、研究結果は「Clinical Nutrition」という学術誌に掲載されています。 日本の大規模研究に参加した中高年の男女を対象に調査 研究グループは、食のバリエーションの豊かさが認知症発症にどのような影響を与えるかについて、調査をおこなうことにしました。 今回の研究は、日本全国の住民に対しておこなわれている、「JPHC研究」と呼ばれる大規模研究に参加した45~74歳の3万8797人を対象に実施。平均して約11年間の追跡調査をおこない、食事の多様性と認知症との関連を調べました。 なお、食事の多様性については、「133項目の食品やアルコール類を除いた飲料を1日に何種類摂取しているか」というアンケートのスコアに基づき、対象者を5グループに分類したと言います。 また、追跡期間中に対象者の約11%(4302人)が認知症を発症したことがわかっています。 女性は食事の多様性が高いほうが認知症のリスクが下がる 研究グループが分析した結果、女性では1日に摂取する食品の種類が最も多いグループが最も少ないグループに比べて、認知症の発症リスクは33%低下したことがわかりました。 また、アルツハイマー型認知症など、脳卒中をともなわない認知症についても同様に、女性では食事のバリエーションが豊かであるほど発症リスクが低くなる傾向が示されました。 一方、男性では、一人暮らしの人のみ同様の傾向が一部みられることが判明。家族など同居者がいる男性では、食事の多様性と認知症発症との関連はほとんどみられなかったことが明らかになりました。 今回の結果について、研究グループは「食のバリエーションが豊かな人は栄養素をバランス良く摂取しており、脳内の栄養状態も好ましいため認知症の発症を防げた可能性が考えられる」と指摘しました。 食の多様性は、バランス良く栄養を摂るだけでなく、より毎日の食事を楽しめるという観点からも重要です。たまには最近あまり食べていないメニューを作ってみても良いかもしれませんね。

2023/08/08

#AI #最新研究 #認知症予防

AIと話すだけで認知症がわかる!?認知症の早期発見に役に立つ

AIを駆使したサービスを提供している株式会社エクサウィザーズは、認知症の早期発見につなげることを目指して、会話音声AIを活用した新たなプログラム医療機器を開発することを明らかにしました。 今年の秋までに規制当局と相談し、早期承認に向けて取り組んでいくとしています。 認知症の早期発見が大きな課題 厚生労働省の試算によると、2025年には65歳以上の高齢者のうち、およそ5人に1人が認知症患者になる可能性が指摘されています。 認知症患者が増えると、これまで以上に要介護認定が遅れてしまう可能性もあると言われています。 認知症の人が福祉サービスを利用するためには、その前に要介護認定を受けなければなりません。ただ、要介護認定は本人の様子を観察したり専門家たちが集まって会議したりする必要があるため、時間がかかります。 言い換えると、認知症が今よりもっと早く発見できるようになれば、その分要介護認定も早い段階で受けられ、認知症の人を速やかに福祉につなげられるようになるのです。 認知症の早期発見につながる医療機器の開発を開始 エクサウィザーズは、昭和大学病院脳神経内科の認知症専門医と連携して、AIを活用した新たなプログラム医療機器を開発することを発表しました。 開発予定の医療機器では、エクサウィザーズが独自開発した会話音声AIを活用。現在、昭和大学病院と共同で試験をおこなっており、すでに現時点で、数分の会話音声から高い精度で認知症の判定ができることが確認されているそうです。 今回開発しているプログラムは、スマートフォンやタブレット端末のような、身近にあるデバイスで利用できるようにする予定だと言います。 認知症の診断には、認知テストを受けたりMRI画像を撮影したりと多大な労力と時間を要します。認知症の人の負担を減らし、よりスムーズに福祉につなげるためにも、今回のプログラム医療機器が普及していくと良いですね。 参考:「認知症施策推進総合戦略」(厚生労働省)

2023/07/28

#地域の取り組み #認知症予防

マジックで認知症を改善!?交流しながら楽しく指先を動かそう

マジシャンのマギー司郎さんの弟子であり、認知症サポーターでもあるマギー塁さんが静岡県焼津市の高校生らとともに、認知症の啓発活動をおこなうグループを立ち上げました。 マギー塁さんは、指先を使うマジックの動作に着目。指先を頻繁に使うことで認知機能の維持と改善につながるのだそうです。 今後、高齢者や地域住民との交流の場を月1回設けて、マジックなどを通じて認知症の理解促進を目指していくとしています。 認知症啓発グループ「まあ、えーらの会」 マギー塁さんが立ち上げた、認知症の啓発活動をおこなうグループの名前は「まあ、えーらの会」。メンバーはマギー類さんのほかに、高校生が2人と72歳の男性、80歳の男性の計5人で構成されています。 「まあ、えーらの会」は、マギー塁さんと高校生が会合で意気投合したことがきっかけ。それから、趣旨に賛同した認知症サポーター仲間を集めて「まあ、えーらの会」を結成したのだそうです。 また、若い世代にも認知症を理解する機会をつくることが大切だと思い、高校生2人もメンバーに加えたと言います。今後はほかの同級生にも声をかけ、地域の高齢者と交流を図っていきたいとしています。 「まあ、えーらの会」を結成した5人は、まず認知症の啓発を目的としたオリジナルLINEスタンプを制作。計16種類のデザインを用意したそうです。 マギー塁さんは「認知症になっても安心して暮らせる街づくりに、得意分野が役に立てば」と話しています。 「まあ、えーらの会」が交流イベントを開催 この度、「まあ、えーらの会」がイベントを焼津市の市民活動交流センターで開催。メンバーがカードや絵本などを使ったマジックを披露したり、参加者全員で簡単なマジックに挑戦したりしました。 真打ちとして登場したマギー塁さんは、封筒とリボンを使った手品を紹介。マギー塁さんの手本に続いて、参加者が即興で披露することもあったそうです。 また、メンバーのひとりが考案したという体操も実施。「手のひらを太陽に」のメロディーに合わせて、参加者みんなで手を動かしたと言います。 指先を動かすことで認知機能の維持や改善につながることは、これまでに多くの研究で示されています。機能訓練は楽しみながら続けられることが大切。「まあ、えーらの会」の活動のように、楽しみながらできる取り組みがほかの地域でも広まっていくと良いですね。

2023/07/10

#フレイル予防 #地域の取り組み #認知症予防

化粧が認知症予防に効果的!?明るい気持ちで脳の活性化をしよう

2023年5月18日、東京都青梅市で美容教室が開かれました。化粧をしたり顔をマッサージしたりすることで気持ちを前向きにして、要介護状態の前段階である「フレイル」の予防につなげたいとしています。 化粧がフレイル予防に そもそも、フレイルとは加齢によって心身機能が衰えた状態のこと。この状態になると、外出をするのがおっくうになったり、ちょっとしたことですぐに疲れてしまったりといった症状が現れます。 また、フレイルの状態が長く続けばやがて介護が必要な状態になってしまうため、なるべく早期のうちに適切な介入が必要だと言われています。 心身機能の低下を抑える試みのひとつとして、今注目されているのが「化粧療法」。化粧をすることで気持ちが明るくなり、外出する意欲が高まるのだそうです。 実際に、アメリカの精神科医であるマイケル・ペルチュク氏がおこなったうつ病患者を対象にした研究によると、対象者に数週間に渡ってメイクアップの指導をしたことで、抑うつ感や不安感といった症状が改善されたと言います。 美容で認知機能の低下を抑制 5月18日に東京都青梅市で開かれた美容教室では、20人の参加者が資生堂の専門指導員に教わりながら、化粧液をつけた顔のマッサージやファンデーションなどを用いたメイクアップを実践しました。 参加者からは「気持ちが落ち込んでいたが、化粧をしたことで明るい気持ちになった」などの声があったそうです。 資生堂の担当者は、化粧や身だしなみを整える効果について「化粧をすることで外出するきっかけになる。また、化粧品のポンプを押したり眉を左右対称に描いたりといった行為が脳の活性化にもつながる」と話しています。 また、化粧をする習慣がない人でも顔をマッサージしたり髪を整えたりすることで同じような効果が得られると言います。 化粧療法には、気持ちが明るくなったり生きる意欲が出たりといった効果があるため、高齢者施設のレクリエーションでもよく取り入れられています。 高齢になった親がいる人は、特別な日に化粧品をプレゼントしてみても良いかもしれませんね。 参考:「化粧による臨床心理学的効果に関する研究の動向」(目白大学心理学研究)

2023/06/13

#認知症予防

シニア向け「脳トレクラス」。認知機能の維持と改善を目指して

幼児教室やプログラミング教室を運営している株式会社フェアリーは、2023年6月1日から認知機能の維持と改善を目指す「シニア向け脳トレクラス」を開催することを発表しました。 これまで、約25年にわたって幼児教室を運営する中で蓄積してきた育脳トレーニングのノウハウを使って、高齢者の健康寿命の延伸を目指すとしています。 高齢者の5人に1人が認知症を患う社会に 高齢化社会の進展とともに、認知症を患う高齢者の数も年々増加傾向に。国立保健医療科学院の研究によると、65歳以上の高齢者のうち認知症にかかる人の割合が2025年には5.4人に1人程度になると推計されています。 以上のような現状と、フェアリーの代表の母親が認知症になって介護に悪戦苦闘した経験から、認知症に関する情報収集をおこなったと言います。 そこで、認知症の発症リスクを抑えるような取り組みの重要性に気づき、今回の脳トレーニングを実践することにしたそうです。 担当者は、「脳トレのレッスンをおこなうことで高齢者の認知機能を維持し、家族の負担とストレスを減らしていきたい」と話しています。 レッスン概要 今回の脳トレクラスの詳細は以下のとおりです。 開催日:2023年6月7日から毎週水曜日に開催 時間:10時30分~11時30分 場所:七田式なんば教室  行き方:大阪メトロ御堂筋線「なんば」駅から徒歩すぐ 認知症の発症リスクを抑えるためには、脳トレなど考える機会を設けて思考力の維持に努めるとともに、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。健康な生活習慣に近づけるために、現時点の生活サイクルを記録してみても良いかもしれませんね。

2023/05/26

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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