たん吸引が必要な人を受け入れている老人ホームはたくさんありますよ!ただ、たん吸引のタイミングによっては、看護師が24時間常駐している施設でないと対応できないこともあります。
また、お母様の場合、胃ろうの医療ケアが日常的に必要なので、医療体制が充実している介護施設を選ぶと安心して生活できますよ。
母が誤嚥性肺炎で入院しているのですが、口から食事ができなくなったので胃ろうを造設しました。入院して歩けなくなってしまったこともあり、在宅介護は難しい状態です。
なので、介護施設に入ってもらおうと自宅の近くの施設に問い合わせたところ、「たん吸引が必要な人は受け入れできません」と断られてしまいました。母は1日に何度かたん吸引が必要な状態です。そうなると、老人ホームでは受け入れてくれませんか?
いえ、たん吸引が必要な人を受け入れている老人ホームはたくさんありますよ!
ちなみに、お母様は1日に何回のたん吸引が必要ですか?
えーと、病院ではたん吸引を5回していると聞いています。
なるほど。夜もたん吸引が必要ですか?
はい。夜もたんが絡むことがあるみたいで…。
となると、看護師が24時間常駐している介護施設が理想です。たん吸引は医療行為なので、基本的には看護師や医師などでないとおこなえませんから。
あれ?介護施設って看護師さんが常にいるのが普通ではないんですか?
それがそうでもないんです。
日中だけ看護師がいる施設もありますし、そもそも看護師が勤務していない施設もあります。もしくは、老人ホーム自体には看護師を常駐させずに併設の訪問看護ステーションの看護師がケアにあたるケースもあるんです。
へー、いろんな形があるんですね。となると、母の場合はどんな施設であれば入居できるんでしょうか?
お母様のように、昼夜問わず1日に何度もたん吸引が必要な人の場合、以下のような施設であれば受け入れができるでしょう。
介護付き有料老人ホームは、看護師の常駐が義務付けられています。その中でも看護師が24時間常駐している施設であれば、夜間のたん吸引にも対応できます。
ただ、看護師が24時間常駐している施設は少ないうえに、医療体制が充実しているため料金が高めに設定されているのがネックです。
料金が高いんだ…。あまりお金がかかるのはちょっと…。
そこで、もうひとつの選択肢となるのが住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅です。この2種類の介護施設は、別途、介護サービスの契約が必要です。契約の手間はありますが、オーダーメイドでサービスを組み合わせられるのが魅力なんです。
中には、訪問看護ステーションを併設して医療ケアに力を入れている施設もあります。夜間に訪問看護を利用できる施設であれば、夜のたん吸引にも対応しているでしょう。
うーん、いろんな形があってややこしいですね…。
そうなんですよね…。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の場合、看護師の常駐義務がないので、医療体制のばらつきが大きいです。
医療行為の対応をほとんどしていない施設もあれば、胃ろうやたん吸引はもちろん、末期がんなどの医療依存度の高い人の受け入れもできる施設もあります。
つまり、施設によって医療体制が大きく異なるので、施設ごとに確認する必要があるんです。
では、結局、どんな施設を選べば良いんでしょう?
頻繁にたん吸引が必要な人の場合、たん吸引に対応しているだけでなく医療体制が全般的に充実している施設を選ぶのがベターです。
特に、たん吸引が必要だと胃ろうなどの医療ケアが必要なことが多いんです。そのため、たん吸引以外にも配慮することがあるので、医療が充実している介護施設を選ぶと安心して生活できますよ。
胃ろうを対応している施設については、以前のご相談でもお答えしています。参考にしてみてくださいね。
さっき、「たん吸引は看護師や医師などでないとおこなえない」と北野室長は言っていましたが、介護職員さんはたん吸引ができないんですか?
原則として、介護職員はたん吸引はできません。ただ、一部の特別な研修を修了した介護職員であれば、たん吸引ができます。
そうなんですね!
その研修というのが「喀痰吸引等研修」。講義と実地研修を受けてたん吸引をおこなうためのスキルを学んでいるので、介護職員でも安心して任せられるんです。
そのため、夜間帯に看護師が常駐していない施設でも、喀痰吸引等研修を修了している介護職員が常駐している施設であれば、夜間にたん吸引が必要な人の受け入れている場合があります。
たん吸引が必要な人の施設探しをする場合、たん吸引の回数とタイミングで必要な医療体制が異なるため、ややこしいところがあります。なので、施設選びに迷ったときは「いい介護 入居相談室」にお気軽にご相談くださいね。
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