いえ、自立の方でも入居できる老人ホームはありますよ!具体的には、「サービス付き高齢者向け住宅」「有料老人ホーム」「ケアハウス」といった施設が挙げられます。
ただ、介護が必要な人と同じ施設に入居する場合、「おしゃべりの相手がいない」などということも有り得ます。なので、まずは自立の方向けの施設に入居し、介護が必要になったら介護体制の手厚い施設に住み替えるのもひとつの方法です。
半年ほど前に夫に先立たれてから一人暮らしをしています。そのせいか、最近は「急に倒れたりでもしたら…」と不安を感じるようになりました。
なので、介護の必要はありませんが、今のうちから老人ホームに入ろうと近くの介護施設に問い合わせたところ、「自立の方の受け入れはできません」とのこと。まだ介護が必要ない状態だと老人ホームには入れないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありませんよ!自立の方も入居できる老人ホームはあります。ただ、多くの介護施設は介護が必要な人を想定して作られているので、数は限られてしまいます。
そうだったんですね…。どんな施設だと自立でも入居できるんでしょうか?
介護が必要のない”自立”の人も入居できる施設には、いくつか種類があります。順番にお話ししていきますね。
自立の方が入居できる施設は、以下のように民間の介護施設と公的な介護施設に分けられます。おおまかに把握しておくと、施設探しがスムーズになると思いますよ。
何だか似たような名前の施設が多いんですね。
そうなんです、ちょっとわかりにくいですよね。なので、各施設の特徴を簡単にまとめてみました。
自立の方が入居できる施設でも、それぞれ特徴が異なります。
「介護の手厚さよりも設備の充実度」「介護が必要になっても住み続けたい」「自由な生活を続けたい」などの希望に合わせた施設を選んでくださいね
いろんな施設があるから迷いますね…。結局、どの施設を選べば良いんでしょうか。
大きな病気があるわけではないのですが、年を取って健康面で不安があるのでできれば医療的なサポートが手厚い施設が良いです。
私が自立の方の施設探しをお手伝いするとき、施設の選び方に「2つのパターン」があることをお伝えしています。
2つのパターンですか?
はい。1つは「自立~要介護5まで受け入れている施設を終身利用」パターン。次に「自立の方向け施設から介護が必要な方向けの施設に移り住む」パターンです。
どちらの場合でもメリットとデメリットがあります。両方ともお伝えするので、メリットとデメリットを把握したうえで施設探しをすると後悔しない施設探しができるでしょう。
「自立~要介護5まで受け入れている施設を終身利用」というのは、どういうことですか?
先ほど、介護施設の中には介護の必要がない「自立」から最も介護を必要とする「要介護5」まで入居できる施設があることをお伝えしましたよね。
さっきのリストで言うと、「介護付有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」などですね。
その通りです!自立の状態でそういった介護体制が整っている施設に入って、最期までその施設で過ごすのが1つ目のパターンです。
私はそのつもりで施設探しをしていました。最期まで看てもらえる施設に入居するのではいけないんですか?
浅野さんのように、「終の棲家」を探している方はとても多いんですが…。実は、デメリットもあるんです。以下にメリットとデメリットをまとめてみました。
ずっと同じ施設で生活できることは、大きなメリットですよね。顔見知りのご入居者や介護職員さんと長く生活ができるわけですから。それに、違う施設に住み替えるとなると、再び施設探しをする手間や引っ越し費用がかかります。
ただ、介護が必要な方を受け入れている施設ですので、認知症や重介護度の方も同じフロアで生活する可能性も。そのため、「おしゃべりする相手がいない」「認知症の症状が気になる」といった問題が起こるかもしれません。
そうか!そういうこともあり得るんですね。おしゃべり相手がいないのは嫌だなぁ。
そうですよね。意外かもしれませんが、介護度のズレは気にする方が多いんですよ。自立の方が介護度の高いご入居者が多い施設に入居すると、気が滅入ったり部屋にこもりがちになってしまうことも…。
それがきっかけで認知症やうつになったり、筋力が低下して介護が必要な状態になることもあるくらいです。
えぇ!?老人ホームに入ったことで認知症になってしまうこともあるんですね。
残念ながらそうなんです。特に介護度が高い方が多い施設は、介護が手厚い反面、自由度が低いことが多いのが実情です。例えば、自由に外出ができなかったり食事も施設が提供したものしか食べられなかったり…。
自立の方向けの施設であればお出かけは自由ですし、居室にキッチンがある場合は自炊も可能です。
うーん。介護体制がしっかりしている施設に入ろうと思っていましたが、良いことばかりではないんですね…。
もうひとつのパターンは、「自立の方向け施設から介護が必要な方向けの施設に移り住む」でしたっけ。
そうです!つまり、このパターンは「身体状況によって老人ホームを住み替える」ということですね。まずは、今の身体状況に合わせて自立の方向けの施設に入居して、介護が必要になったら介護が必要な方向けの施設に引っ越します。
このパターンのメリットには、住み替えるのときの身体状況に応じて施設を選び直せることがあります。また、近い介護度の人が暮らしているので、他のご入居者とのギャップも感じにくいでしょう。
老人ホームの住み替えについては、以前のご質問でもお答えしているのでぜひ参考にしてみてください。
「自立向けの施設に入る」ということは、介護が必要になったら最初に入居した施設から引っ越ししないといけないんですよね?
おっしゃる通りです。はじめに入居した施設で介護サービスを受けられない場合、退去を求められることがあります。
そのため、どうしても引っ越しや退去手続きの手間がかかってしまいますね。それに、新しい環境が苦手な方の場合、次の施設に慣れるのに時間がかかるかもしれません。
この年齢になって何度も引っ越しするのはちょっと…。でも、介護度の高い人が多い施設に入って、話し相手がいないのも嫌なんですよね…。
うーん。とても悩みますね。
もちろん、今すぐにどちらのパターンにするのかを決めなくても大丈夫です。いくつか施設を見学したうえで決めても良いでしょう。
もし、どうやって施設を選んだら良いか迷ったときは「いい介護 入居相談室」にお気軽にご相談ください。今の状況だけではなく、将来的な生活のことも考慮したうえで浅野さんにぴったりの介護施設をお探ししますよ。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。