特養(特別養護老人ホーム)の特例入所とは何ですか?お金がないので、父親をどうしても特養に入れたいです

特養(特別養護老人ホーム)の特例入所とは何ですか?お金がないので、父親をどうしても特養に入れたいです

更新日 2024/03/18
特養に「特例入所」という制度があると聞きました。どんな制度か教えてください。

父親を特養に入所させたいのですが、区分変更の結果、要介護2になってしまったため入所できなくて困っています。特例入所の制度を使えば、父は特養に入所できるのでしょうか?

(上原さん・アルバイト・68歳)

特例入所とは、特別な事情がある場合に限って要介護1や要介護2の方でも、特養に入所できる制度です。ただ、「認知症などで在宅生活が困難」など、条件が厳しく、特例入所制度を活用して入所している方はかなり少ないのが実情です。

特例入所ができない可能性もあるので、特養以外の介護施設も合わせて検討しましょう。もし、金銭面で特養を希望されているのでしたら、「介護老人保健施設」や「グループホーム」なども良いかもしれません。

特養の特例入所とはどんな制度?

父の認知症が悪化して一人暮らしが心配なので、特養に入所させたいと思っています。ですが、区分変更の結果は要介護2。特養は要介護3以上じゃないと入れないのに…。

ネットで特養には「特例入所」というものがあることを知りました。介護度が要介護3より低くても入所できるとのことですが、この制度を利用すれば、父も特養に入れるのでしょうか?

確かに、特例入所は、要介護3以下でも特養に入所できる制度です。厳密に言うと、要介護1もしくは要介護2の方でも例外的に特養に入所できます。

ただ、特例入所をするには条件があって、それがかなりハードルが高いんですよ。

えっ、そうなんですか!?どんな条件なんでしょうか?

それでは具体的にお話ししていきますね。

特養の特例入所の条件とは?

以下のように、特養の特例入所の条件の方針を厚生労働省が定めています。

  1. 認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られること
  2. 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること
  3. 家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確保が困難であること、
  4. 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること
引用元:「介護保険最新情報 Vol.1141 令和5年4月7日」(厚生労働省)

うーん。これだけだと、よくわかりません。

ざっくりとした表現なので、具体的にイメージしにくいですよね。新潟県長岡市が公開している事例もふまえてご説明しますね。

一人暮らしの継続が難しいと判断されたケース

アパートで一人暮らしをしている要介護2の101歳の方のケースです。大変高齢な方ですが、ご本人の希望で、お隣さんの生活支援を受けながら一人暮らしをしていたそうです。しかし、そのお隣さんが施設に入所してしまい、支援が受けられなくなってしまいました。

しかも、ご本人はアパートの2階に住んでいて、歩行器を使って階段を登り降りしないといけない状況。そのうえ、居室にトイレはなく、用を足すには1階に降りないといけませんでした。

むしろ、101歳までこんな環境で一人暮らしできていたのがすごい…。

さらに、部屋にエアコンがなく、夏場は体調を崩すことが多くなったそうです。訪問介護ショートステイを利用していましたが、これ以上、夏や冬の時期を自宅で過ごすのは難しいと判断されて、特例入所が認められました。

家族による介助が難しいと判断されたケース

ご家族による在宅介護が難しいと判断されて、特例入所ができたケースもあります。

93歳で要介護2の認知症の方です。中心となって介護をしていた息子さんががん末期と診断され、介護ができなくなってしまいました。しかし、息子さんの奥さんは精神疾患と視力障害を持っており、お孫さんは知的障害と脳梗塞の後遺症の影響で要介護状態。介護ができるご家族がいない状態だったんです。

デイサービスとショートステイを利用していたものの、これ以上の在宅介護が難しいと判断されて特例入所が叶いました。

事例の2つとも、かなり特殊なケースというか…。「これ以上、自宅では生活できない」というギリギリの状態のように思えます。

そうですね。この2つの事例から、特例入所はかなりハードルが高いことがわかりますね。判断基準は自治体ごとに多少異なりますが、客観的に見てどうしても在宅介護が難しいと思えるような、ギリギリの状況でないと特例入所は難しいのかもしれません。

参考:「特別養護老人ホームにおける特例入所者の取扱いについて」(長岡市)

特養に特例入所するための手続きは?

特例入所をするための手続きは、通常の入所の手続きと大きくは変わりません。ただ、特例入所を申し込む理由を詳細に記載する必要がある点が異なりますね。

手続きは以下のように進みます。

  1. 特養に入所申込み
  2. 特例入所の適否を判定
  3. 入居順位の決定
  4. 入居

まずは、特養に入所の申し込みが必要なんですね。

そうです。特養に上原さんやお父様の状況を説明して、入所の必要性を理解してもらいます。そのうえで、特養が市区町村に特例入所の手続きをおこないます。

その後、特例入所の要件に当てはまるかどうか市区町村が判定し、認められた場合は特養が入所対象者名簿にお父様の名前を載せることになります。

えっ、すぐに入所できるわけではないんですか?

そうなんです。特例入所の要件を満たしていると判断されたとしても、入所対象者になることを認められただけなんです。そのため、他の申込者も含めて優先度が高いと判断された人から順番に入所していきます。

特例入所制度の実情

実は、特養の特例入所の制度は、厚生労働省が定めているものではありますが、すべての市区町村で上手く活用されているものではないのが実情です。

というと?どういうことですか?

以下のグラフを見てください。

参考:「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度調査)」(厚生労働省)

これは、市区町村の特例入所の運用状況を表したものです。約87%の自治体で運用されているものの、一部の自治体では特例入所の指針が決められておらず、上手く運用されていないんです。

また、一部では地域独自のルールで特例入所の可否を判断されていることも厚生労働省の調べでわかっています。

えーっと、地域独自のルールがあるなら、どうしたら良いんでしょうか?

入居を希望する特養で、特例入所の条件について改めて確認してみるのが良いでしょう。特養側で特例入所の条件を把握しているはずですから。

もしくは、お住まいの地域の役所で、特例入所について聞いてみるのもひとつの手です。役所の「高齢介護課」「介護保険課」といった窓口があるので、そこで確認すれば詳細を教えてもらえるでしょう。

特例入所できなかったときに検討する施設

北野室長の話を聞いていたら、なんだか父が特養に入所するのは難しい気がしてきました…。思ったよりも条件が厳しいですね。

そうですね。それだけ特別な場合にしか認められていない制度なんです。

そういえば、どうして上原さんは特養を選んだんですか?

他の介護施設よりも安いと聞いたからです。あまりお金が出せるわけではないので…。

そういうことだったんですね。でしたら、比較的、費用が安い他の介護施設もご案内しますよ

ぜひ、教えてください!介護施設ってたくさんあるから、自分ではなかなか調べられなくて…。

費用の設定は施設によって異なることもありますが、以下の種類の施設であれば、比較的、安い施設が見つかるでしょう。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、「老健」とも呼ばれる施設です。老健はリハビリ専門職が常勤していたり、医師の配置もあったりと医療面のサポートも手厚いという特徴があります。

ただ、老健はリハビリなどによって在宅復帰を目指す施設。そのため、一般的な入居期間は3~6ヵ月とされています。空室状況によってはもっと長期間の入所ができる場合もありますが、すべての施設で長期入所に対応しているわけではありません。

長期入所はできないんですか。最期まで父の面倒を見てくれる施設が良いのですが…。

はい。ただ、「特養や他の施設の入所順が回ってくる間だけ入所する」という手もあります。もしくは、「まず老健に入所して、その間に施設探しをする」という方法もあります。

そういう理由で入所するのもアリなんですね。最近、毎日のようにおもらしをしたり、わけのわからないことを言うことが増えたので、もう一人暮らしは無理だと思うんです。とりあえず、老健に入所させるのも良いのかな…。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類あります。

介護付き有料老人ホームは、食事介助や排泄介助といった介護サービスを施設が直接提供。対して、住宅型有料老人ホームは、介護サービスを受けるには外部の介護事業者を利用する必要があります。

費用面では、住宅型有料老人ホームの方が安くなる傾向があります。というのも、介護付き有料老人ホームは、介護サービスを利用料が少なくても介護サービス費を満額で払わないといけないのに対して、住宅型有料老人ホームは利用した分だけの費用で済むからです。

そうなんですね!住宅型有料老人ホームなら、介護サービスを最低限に抑えれば費用を安くできるということでしょうか?

おっしゃる通りです。ただ、介護が必要な量が多い場合、むしろ住宅型有料老人ホームの方が高くなってしまうこともあります。その場合は、介護サービスをたくさん使っても金額が変わらない介護付き有料老人ホームの方が安くなるでしょう。

つまり、お父様に必要な介護サービスの量によって、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームのどちらが安くなるのかが変わってくる、ということです。

また、有料老人ホームは施設によって、入居時費用が0~数千万円、月額11~30万円と大きく異なります。費用を事前に確認しておきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住」とも呼ばれる施設です。サ高住は住宅型有料老人ホームと同様に、介護が必要な場合は外部の介護事業者を利用します。

サ高住が住宅型有料老人ホームと異なるのは、生活支援サービスの有無。住宅型有料老人ホームは食事や掃除などの生活支援サービスを提供しますが、サ高住は安否確認と生活相談サービスのみです。

つまり、介護とまではいかないけど、生活のサポートサービスがあるのが住宅型有料老人ホーム。見守りだけを提供しているのがサ高住ということです。

サ高住は見守りだけなのかぁ。となると、父には合わないかもしれません。今でも掃除や洗濯などは私や私の妻がやっていますから。

グループホーム

グループホームは、認知症の方限定の施設です。最大9名のユニットごとの生活をしているため、アットホームな雰囲気が魅力です。

また、入居できるのが認知症の方だけとあって、職員さんも認知症ケアの経験が豊富なのが特徴。認知症の方が穏やかに暮らせる環境やケアが提供されます。

へぇ!父も認知症なので、グループホームが良いかもしれません。グループホームの費用はいくらなんですか?

グループホームの費用は、入居時費用が0~数十万円、月額費用は10~15万円です。グループホームも料金の幅があるので、事前に確認してくださいね。

北野室長の話を聞いて、特養に特例入所するのはかなり難しいことだとよくわかりました。近くの特養にかけあってみますが、特例入所できなかったときのために、特養以外の施設も探してみます。

介護施設はたくさんありますから、施設探しに迷ってしまったときはぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談くださいね。

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  • 特例入所をするのは、かなりハードルが高い
  • 特例入所できなかったときのために、他の施設も検討しよう

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