父の認知症がひどくなって、怒鳴り散らしたり、廊下などでおしっこをしてしまったり、目を離せなくなってしまいました。
週6回デイサービスに通っているものの、デイサービス以外の時間やデイサービスのない日は常に家族の誰かが付き添っていないといけない状態です。
仕事も家事も介護も…となると、もう限界。でも、父を介護施設に入れようと思ったら、親族に「親の介護は子どもの役目だろう、親不孝者!」と言われてしまって…。介護施設に入れるのは親不孝なのでしょうか?
そんなことはありません!!
在宅介護はとても大変なことです。認知症の方の介護は、特に大変なことでしょう。
介護を支えている介護保険制度は、ご家族だけでなく社会でご高齢者を支援するために生まれました。今、利用されているデイサービスと同じように、介護施設に入居することも介護サービスのひとつですから、罪悪感を持たなくて良いんですよ。
そうなんですかね…。
桑原さんは「すべて自分がやらないと」と思っているかもしれませんが、介護は誰かの助けを借りたり、介護サービスを使いながらするものです。お父様が安心して生活するためにも、積極的に介護サービスを活用していきましょう!
もしお父様が介護施設に入居したら、頻繁に面会に行きましょう。
面会時におしゃべりや散歩、外食など、一緒に過ごす時間を意識して作ると良いでしょう。
それはどうしてですか?
今まで同居されていた親御さんが介護施設に入ると、一緒に過ごす時間が途端に減りますよね。家事や介護や仕事で精一杯な状況だと、一緒の時間を楽しむ余裕がないですが、施設に入って余裕ができることで一緒に過ごす時間を楽しめると思いますよ。
適度な距離ができて一緒の時間が少なくなったからこそ、その時間を大切に感じられるようになると思いますよ。
うーん…。デイサービスを使えば、まだ自宅で介護を続けられそうですし、もう少しがんばろうかなとも思うんですが…。
桑原さんが無理をしていないのであれば、それでも良いと思います。ただ、無理をして介護を続けるのであれば、「介護離職」や「介護うつ」になってしまわないかが心配なんです。
介護離職と介護うつ、ですか?
それぞれについて、詳しくお話ししますね。
介護離職とは、介護が理由で仕事を辞めることです。当然ながら、収入が減って経済的に苦しくなりますし、おすすめはできません。
でも、仕事を辞めたら介護に集中できますし、時間に余裕ができそうですが…。現に私はパートの時間を短くしてもらっています。
確かに、仕事をしていた時間を介護や家事に回せるので、余裕ができるように思うかもしれません。でも、以下のように、「介護離職をしても負担が減るわけではない」という調査結果が出ているんです。
出典:「分科会B:介護~仕事と介護の両立 社員や企業が地域社会とつながることの可能性~」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
経済面の負担だけでなくて、精神面での負担も増している人が多いんですね!なぜでしょうか。
おそらく、仕事を辞めたことで生活が”介護一色”になってしまい、精神的な負担が大きくなったんでしょう。仕事を辞めると家庭の外との交流が一気に減りますから、気持ちの切り替えができずに、追い詰められてしまう可能性もあります。
私も離職を考えていましたが…仕事は辞めない方が良いんですね。
介護離職については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。
介護うつとは、介護が原因でうつ状態になることです。介護をする人は心身ともに疲労が溜まりやすいうえに、介護を受ける人のことを優先してしまいがちなので、うつになりやすいんです。
うつ病ですか…。確かに介護で常に疲労が溜まっていますが、どんな状態だと介護うつだと言えるのでしょうか?
例えば、以下の中に思い当たるものがあれば、介護うつになっているかもしれないので、受診をおすすめします。
食欲がなかったり、慢性的な頭痛や肩こりはありますね…。たまに眠れないときもあります。
もしかしたら、介護うつの状態かもしれません。まずは桑原さんの体調を優先して、病院へ行きましょう。
介護疲れに関しては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。
北野室長の話を聞いていたら、やっぱり介護施設に父を入れた方が良いような気がしてきました…。在宅介護はこれ以上続けるのは難しいかもしれません。
認知症の父でも入れる施設ってどんなところなんでしょうか?
施設入居について具体的に考えていただけて良かったです!
認知症の方を受け入れている介護施設は、主に以下のようなものです。
グループホームは、認知症の方だけが入居できる施設。認知症の方の特性を理解したケアを提供しています。
例えば、ユニットと呼ばれる最大9名の少人数単位で共同生活しており、認知症の影響で新しいことを覚えるのが苦手になった方でも、顔を覚えやすいように配慮されています。
共同生活ですか。父にできるかなぁ。
掃除や食事の準備などをご入居者がおこないますが、スタッフがサポートしながらなので問題ないと思いますよ。
有料老人ホームも、認知症の方が入居できる施設のひとつです。有料老人ホームには、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」があります。
介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐、看護師も日中常駐しています。そのため、夜間帯にトイレ介助やオムツ交換が必要な場合や、持病などで健康面で不安がある方も入居可能です。
もちろん、介護が十分配置されているので、認知症の方のケア体制もしっかりしていますし、終身利用が可能です。
父は高血圧なので、看護師さんがいるのは嬉しいですね。それに、トイレの誘導をしないとトイレまで行けないので、夜中も介護が必要なんですよね…。
もうひとつの住宅型有料老人ホームは、どんな施設ですか?
住宅型有料老人ホームは、利用できる介護サービスを自由に選べるのが特徴の施設。介護付き有料老人ホームが、施設に常駐しているスタッフが介護サービスを提供するのに対して、住宅型有料老人ホームでは、外部の介護事業者と契約をすることでサービスを受けられます。
そのため、住宅型有料老人ホームではデイサービスや訪問介護などをご自分で選択し、自由に組み合わせて介護サービスを受けられるんですね。
特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が入居できる公的な介護施設です。民間の介護施設よりも安価で終身利用ができるため、とても人気の施設です。
24時間の介護スタッフ常駐、日中の看護師の常駐など、しっかりした介護体制があります。認知症の方や寝たきりの方を介護をした実績も多数あるので、安心してお父様を任せられるでしょう。
安いのは助かります。それに、やっぱり最期まで介護してくれるところが良いですね。
北野室長が教えてくれた施設を中心に、探してみようと思います。
介護施設はいろんなものがあって迷うことが多いと思います。もし、施設探しでお困りのことがあったら「いい介護 入居相談室」までお気軽にご相談くださいね。
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