その可能性はありますね…。認知症の初期症状には、「もの忘れがひどくなった」「怒りっぽくなった」などがあり、そうした症状に当てはまる場合は認知症の可能性が高いので病院で検査をしましょう。
検査の結果、認知症でもそうでなくても、お母様がお一人で生活するのは難しい状態と考えられます。そのため、介護サービスを利用するなど、お母様の生活をサポートする体制を作っていきましょう。
3ヵ月ほど前、父が亡くなりました。両親は実家で二人で暮らしていたのですが、父が亡くなってからは母は一人暮らしに。それ以来、母の様子がおかしくて…。
きれい好きなはずなのに、家の中が散らかり放題でゴミが捨てられていないし、同じ食べ物を何個も買って腐らせていることも何度もありました。それに、冷蔵庫の中になぜか財布があって、入れたことを覚えていないようなんです。
このことを友人に話したら、「認知症かも」と言われました。もしかして、母は認知症になってしまったのでしょうか?
聞いた限りでは何とも言えません。…ですが、認知症の可能性は十分にあります。
心配であれば、早めに病院に行きましょう!
うーん。でも、認知症ではなくて、父を亡くして気持ちが落ちているだけかもしれませんし…。病院に行って良いものか迷います。
でしたら、認知症の初期症状に当てはまるかどうか、お母様の様子を考えてみてください。当てはまるものが多ければ、認知症の可能性が高いので受診をおすすめします。
認知症の初期症状は次の通りです。
もしくは、認知症のチェックリストを活用してみるのもひとつの手。東京都福祉局では「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を公開しています。気軽にできるものなので、活用してみてください。
年齢を重ねることで、人の名前が思い出せなくなったり、ものをどこにしまったかわからなくなったり、物忘れが多くなりますよね。でも、認知症による物忘れは加齢によるものと少し違います。
加齢による物忘れと認知症による物忘れの大きな違いは、「出来事の詳細を忘れるか、出来事そのものを忘れるか」。加齢による物忘れの場合、「数時間前の話の内容を忘れる」ですが、認知症による物忘れは「数時間前に話をしたこと自体を忘れる」という違いがあります。
母は、財布を冷蔵庫にしまったこと自体を忘れていました。少し前に話したことを忘れていることもたまにあります…。
認知症による理解力・判断力の低下は、これまでできていた手続きができなくなったり、会話の内容が理解できなくなるなどです。役所や銀行などの手続きができない、説明が理解できていない様子があると認知症の可能性が高いと言えます。
認知症になると、怒りっぽくなることがあります。これは、認知症によって物事が理解できなくなったり、今までできていたことができなくなったもどかしさや焦りによっていらだっていることが理由と言われています。
そのほかに、「今まで好きだったものに無関心になって、趣味活動をやらなくなる」「周囲の出来事に興味がなくなる」などの性格の変化もあります。
母は、もともと趣味があった人ではないので、そうした変化はわかりませんが…。部屋でぼーっとしている時間が増えたような気がします。
時間や場所がわからなくなる、というのはどういうことですか?
例えば、現在の日付や季節などがわからなくなったり、よく行く場所への道がわからなくなる、という状態です。朝と夜の感覚が乱れることもあります。
これは少し判断しにくいかもしれませんが、認知症になると集中力が落ちます。具体的には、計算や運転のミスが増えたり、家事や手芸などの集中力が必要な作業ができなくなります。
計算や運転、家事、手芸といったものは、ひとつの作業に長時間の集中力がいるうえ、作業の手順も考えなければいけません。認知症によって脳の機能が低下すると、そうした作業が苦手になります。
北野室長の話を聞いて、母に認知症の検査を受けさせた方が良い気がしてきました。認知症の検査って、病院の何科で受けられるんでしょうか?
認知症の検査は、いろんな診療科で受けられます。次の診療科を持つ病院でしたら、認知症検査を受けられるでしょう。
認知症の検査が何科で受けられるのかについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください
認知症検査ってどんな流れでおこなうんですか?
認知症検査は、次のような流れでおこなわれます。
まず、医師とご本人やご家族の面談があります。既往歴や今の状態、認知症を疑ったきっかけなどを話しておくと良いでしょう。心配事がある場合は、事前に話すことをメモにまとめておきましょう。
その次に、身体検査をおこないます。レントゲンや血液検査、尿検査などですね。認知症以外の病気によって、認知症と似たような症状が出ることがあるので、体全体の検査をするんです。
なんだか、普通の人間ドックと同じような内容なんですね。
身体検査が終わると、認知症の検査をおこないます。
認知症の検査というと、どんなものなんですか?
いくつか種類があるので、詳しくお話ししますね。
認知症の検査は、「神経心理学的検査」「脳画像検査」の2種類に分けられます。
神経心理学的検査は、医師などからの質問に答えていく形式が主です。質問に正確に答えられるかどうかで認知機能の状態を把握します。
脳画像検査は、CTやMRIといった脳内の画像を撮って機能低下を確かめる方法です。
「認知症検査」とひとくちに言っても、いろんな種類の検査があるんですね。
そうなんです。認知症検査には次のような種類があるんです。
北川さんのお話を聞いていると、お母様の認知症検査の結果、認知症であってもそうでなくても、介護サービスを使う必要がある状態だと思います。
介護サービスですか…。確かに、母はもうひとりで生活できる状態ではないかもしれません。
でも、介護サービスってどうやって利用すれば良いんですか?
要介護認定というのは、どうやったら受けられるんですか?
まずは、要介護認定の申請をしましょう。お母様がお住まいの地域の役所や地域包括支援センターで申請手続きができます。
その後は、次のような流れで進んでいきます。
なるほど…。要介護認定の結果、要介護度がわかったら介護サービスを利用できるようになるんですね。
おっしゃる通りです。
もし、遠距離介護をする場合、介護サービスを利用をするのとしないのでは、北川さんの負担がかなり違います。積極的に介護サービスを活用してくださいね。
遠距離介護については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。
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