田中 達也さんの
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大学卒業後、カンボジアに移住。NGOスタッフとして現地の子どもたちに日本語を教える。帰国後、2年にわたりグループホームの職員として認知症介護に従事した後に独立。現在はフリーライターとして、介護業界や海外観光などに関わる記事を執筆している。保有資格:介護職員初任者研修修了、日本語教師養成講座修了。
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【最新技術】自動運転も!介護施設にロボット車椅子「PathFynder」

神奈川県では、生活支援ロボットの実証実験の企画を全国から募集し、それを支援する「ロボット実証実験支援事業」という取り組みをおこなっています。 全国から集まった企画のうち、ロボットの導入や社会実装を進めているSenxeed Robotics株式会社が企画した、中国のUBTECH社のロボット車椅子「PathFynder」の実証実験をおこなうことが決定。2022年12月にその実証実験を実施しました。 ロボット車椅子「PathFynder」の実証実験について 今回おこなわれた、ロボット車椅子「PathFynder」の実証実験の概要は以下のとおりです。 目的:「PathFynder」の使用で、介護職員の業務削減につながるかを検証 日付:2022年12月23日 対象者:介護施設に入居している72~93歳の高齢者6人 この実証実験は、神奈川県にある介護付き有料老人ホームで実施。ジョイスティックを使った手動運転モードによる手動運転と、指定された目的地に移動できる自動運転モードによる自動運転をおこないました。 ロボット車椅子「PathFynder」について 「PathFynder」は、自動運転や運転アシスト機能を持つロボット車椅子です。自動運転機能を使えば、スマートフォンの操作によって指定された目的地に移動できます。 また、障害物を検知するなどの安全運転サポート機能も搭載されているため、利用者自身でも安全な運転が可能だとしています。 今回の実証実験で実際に運転した利用者からは「手動運転モードのジョイスティックが操作しやすくなっている。右半身にマヒがあるが、指先だけでジョイスティックを操作し運転できた。障害物検知モードもあるから、ぶつかる心配もない」と好評だったそうです。 また、実証実験に立ち会った介護職員は「今までだったら職員が後ろから車椅子を押して散歩していた。しかし、PathFynderなら自動運動モードがあるため、利用者の顔を見ながら外で散歩できるようになるかもしれない」と話しました。 「PathFynder」は、認知機能が正常なものの、通常の車椅子を動かす筋力がないような利用者にとって特に役立つものになるのではないでしょうか。今後実証実験を重ねて実際に介護施設で運用できるようになれば、介護職員の負担も軽減されそうですね。
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コロナ禍の外出制限で高齢者虐待が増加。”社会的つながり”が虐待を防ぐ

新たな研究で、コロナ禍での外出制限によって高齢者が虐待を受けるリスクが高まったことが明らかになりました。 この研究は千葉大学の研究グループによっておこなわれたものです。 虐待を調査するため3つの質問を設定 今回の研究では、全国11の市町村に住む65歳以上の高齢者1万8236人にアンケートを実施。そのうち78.3%から回答を得ました。 また、調査対象とした期間は、最も厳しい外出制限が敷かれた2020年4~5月に設定。この期間に「どのような行動が制限されたか」また「虐待を受けたか。受けた人はどんな虐待を受けたか」などを調査しました。 虐待があったかどうかを調査するために設定した質問は次の3つです。 殴られたり部屋に閉じ込められたりの身体的虐待を受けたか 暴言を吐かれたり無視されたりなどの自尊心を傷つける家族の行動を経験したか 家族の誰かが、勝手にあなたの貯蓄や年金を使うことがあったか 研究グループは、以上の質問のうちひとつでもチェックがあったら、対象者が虐待を受けたと見なしました。 行動制限が高齢者虐待を引き起こした 調査の結果、全体の約1.6%にあたる288人が「虐待を受けた」と回答したことがわかりました。 また、高齢者が虐待を受けるリスクを、行動を制限した場合としなかった場合で比べました。すると、行動を強く制限すればするほど虐待を受けるリスクが高まることが判明。具体的には、「食料や日用品の買い出し」を制限した人が1.36倍、「近隣住民との交流」を制限した人は1.56倍虐待を受けるリスクが上昇しました。 この結果を受けて、研究グループは「社会的なつながりが希薄になるほど虐待のリスクが高まることがわかった。これを防ぐためには、将来別のパンデミックが起きたとしても、適切な感染対策を施した上で社会的なつながりを維持する必要がある」としています。 過去の研究でも、社会的なつながりで虐待を防げる可能性が示されています。近隣に住む高齢者を街中で見かけたら、ちょっと声をかけてみるだけでも虐待を防止できると良いかもしれませんね。
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高齢者の半数以上がスマホを1日1時間以上!一番使うのは「LINE」

マーケティング支援事業などをおこなっているADKグループが、「シニアのデジタル白書」を発表。60歳以上の高齢者世代におけるデジタルテクノロジーを使った生活の実態を明らかにしました。 「ゆこゆこネット」の登録会員を対象に調査を実施 今回の調査は、ゆこゆこホールディングスが運営している高齢者世代向けの宿泊予約サービス「ゆこゆこネット」に登録された会員を対象におこなわれました。調査の概要は以下のとおりです。 調査期間:2022年7月19日~2022年7月24日 調査対象:「ゆこゆこネット」に登録している60歳以上の男女1119人 調査手法:インターネット調査 1日に1時間以上スマホを使う高齢者が半数以上に アンケートではまず、「スマートフォンを1日にどれくらい使うか」と尋ねました。すると「1~3時間」という回答が51.3%で最多となったことが判明。1日に4時間以上使うと回答した人も一定数見られています。一方、「1時間もスマートフォンを使わない」という回答も32.4%ありました。 次にスマートフォンの利用場面を尋ねたところ、「朝食後・昼食後・夕食後」という回答がそれぞれ50%以上に。このことから、食後にスマートフォンを使う人が多いことがわかりました。それから「起床直後」や「就寝前」という回答が約30%で続きました。 さらに、スマートフォンと他の情報媒体を同時に見聞きする「ながら視聴」をどの程度しているかを尋ねました。すると、約半数が「よく(たまに)する」と回答したことが明らかに。これを男女別にしてみると、男性より女性の方が約15%多く「ながら視聴」をしている人がいることがわかりました。 続いて、「スマートフォンではどんな検索サイトやアプリを使用しているか」と尋ねたところ、「LINE」という回答が79%で最多に。次に「『グーグル』や 『ヤフー』といった検索サイトを使っている」という回答が続きました。一方、FacebookやTwitter、InstagramといったSNSを使用している人は10%ほどにとどまりました。 以上のように、最近では高齢者世代でもスマートフォンに親しんでいる人が多くなっていることがわかりました。スマートフォンは便利ですが、架空請求など詐欺に使われることも少なくないため、怪しいサイトに注意しながら活用していくと良いですね。 参考:「ADKマーケティング・ソリューションズとADKダイレクト、「シニアのデジタル白書2022」を発表」(ADKホールディングス)
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高カロリーな加工食品を食べ過ぎるとより食べ過ぎる!?食べ過ぎの悪循環に

新たな研究で、糖質や脂肪が多く含まれる高カロリーな加工食品を食べ過ぎると、摂取するカロリーの量を調節する脳の働きが低下する可能性が示されました。 この研究は、ペンシルバニア州立大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「The Journal of Physiology」という学術誌に掲載されています。 ラットに高カロリー食を与えて経過観察を実施 今回の研究では、ラット205匹を使用。ラットに脂肪分が多い高カロリー食を与えた後、記憶や学習を司るニューロンと、それに栄養を運ぶ脳細胞の一種である「星状細胞」の動きを評価しました。 研究グループは、脳と脊髄をつなぐ脳幹にある細胞の動きを阻害したことで、ラットが覚醒しているときのニューロンの働きを評価できるようになったとしています。 高カロリー食でカロリー摂取量の調節機能が低下 研究の結果、脂肪分が多い高カロリー食を継続的に摂取したラットは、摂取するカロリーの量を調節する機能が低下したことが明らかになりました。 3~5日間、高カロリー食を食べたラットは、ニューロンに栄養を運ぶ「星状細胞」の働きが悪くなることがわかりました。「星状細胞」の働きが悪くなることで、満腹であることを指し示すシグナルの伝達経路に異常が出てきたのです。 さらに、高カロリー食を10~14日間にわたって食べ続けたラットは、ニューロンの働きをサポートしている「アストロサイト」と呼ばれる細胞が反応しなくなることが判明。これにより、カロリー摂取量を調節する脳の機能が低下したのです。 この結果を踏まえ、ペンシルバニア州立大学に所属するカースティーン・ブラウニング教授は「脳と肥満につながるメカニズムを解明することで、食べ過ぎを効果的に治療する治療法の開発に役立てたい」と述べました。 今回のラットを使った研究で明らかになったメカニズムが、人間にも言えるかどうかはまだ明らかになっていません。今後の研究に注目ですね。 参考:「Brainstem astrocytes control homeostatic regulation of caloric intake」 参考:「Why a high fat diet could reduce the brain’s ability to regulate food intake」
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認知機能検査が10分で!?時短検査でも高精度で認知機能低下を発見

株式会社脳活性総合研究所は、自社開発した認知機能検査「脳検」をもとに、さらに受検時間が短縮された検査内容を研究開発したことを明らかにしました。 この研究開発は、東京都立産業技術大学院大学と共同でおこなわれ、その研究結果は「Dementia and Geriatric Cognitive Disorders」という医学誌に掲載されています。 「脳検」とは 脳活性総合研究所が開発した「脳検」とは何でしょうか? 一言で表すと「脳の認知機能を自分でチェックする検査」です。オンライン上でおこなうため、パソコンやタブレット、スマホなどから受検できます。 「脳検」では、5つの検査項目があり、その結果がスコアで表示されます。「脳検」の検査項目は以下のとおりです。 数字の記憶:並んだ数字を覚えて、それを答える問題 言葉の記憶:6つの単語を覚え、別の問題を解いたあとで、覚えた単語を答える問題 空間把握:立体が複数あり、提示された立体とは違うものを答える問題 記憶と計算:画面に出てくる数字を覚えて、次に出てくる数字と足していく問題 変化推理:ルールに従って変化している図形の規則を推理する問題 以上のように、脳のさまざまな部分を使った問題を複数解くことで、脳の認知機能を多角的に調べることが可能。また、被験者の認知機能の低下具合を平均的な老化による低下スピードと比べることもできます。 「脳検」の短縮化に成功 今回の研究は、26~82歳の男女323人を対象に実施。25分かけて認知機能の検査をおこなう既存の「脳検」と、受検時間が10分になった短縮版の「脳検」を受検してもらい、その結果を比較しました。 すると、既存の「脳検」と短縮版の結果に、ほとんど差異がなかったことが明らかになったのです。 これだけ詳細な認知機能の検査を自宅でできるのは良いですね。時間も短くなったことで、スキマ時間に気軽に受検できそうです。
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都内のインフルエンザ感染数が増加傾向。特に八王子市と荒川区は要注意

東京都が、都内のインフルエンザ感染数が増加傾向にあるとして注意を呼びかけました。 東京都の報告によると、都内31ヵ所の保健所のうち、9ヵ所で1週間あたりのインフルエンザの患者報告数が10人を超え、「注意報基準」に達したことが明らかになりました。 インフルエンザが流行の兆し 東京都では、都内における感染症の感染状況が一定の基準に達した場合に発表をおこなっています。具体的には、各医療機関の1週間あたりの患者報告数が10人を超えた場合に「感染者数が注意報基準に達した」として発表されます。 また、この患者報告数がさらに増えて、1週間あたり30人を超えると「警報基準」となります。 東京都によると、都内の31ヵ所の保健所のうち9ヵ所で、1週間あたりのインフルエンザの患者報告数が10人を超え、「注意報基準」に達したそうです。 また、八王子市と荒川区の患者報告数は20人を超えており、インフルエンザが特に流行している地域と見られています。 インフルエンザを予防するために 今のところ、インフルエンザの感染状況は初期段階にありますが、今後さらに流行が拡大していくことが予想されます。 東京都は、インフルエンザと新型コロナの基本的な対策は同じなので、引き続き対策を徹底してほしいとしています。 改めて、感染対策を確認してみましょう。インフルエンザや新型コロナに有効だとされる感染対策は以下のとおりです。 ワクチンを接種する こまめに手を洗う 会話するときなど、必要な場面ではマスクを着用する 栄養バランスを考慮した食事を心がける 咳が出そうなときは口をハンカチなどで覆い、飛沫を減らす 適度に部屋を換気する 乾燥を防ぐために加湿器などを使う 人混みを避ける ワクチンは、人によってはアレルギー反応を起こすこともあります。以前アレルギー反応が起きたことがある人は、事前に医師に相談しておくと良いですね。
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ワインで糖尿病のリスクが低下!?「食事しながら飲む」と効果的

新たな研究で、食事中に飲酒する人は、食事以外のタイミングで飲酒する人に比べて糖尿病の発症リスクが下がったことが明らかになりました。 この研究はアメリカのテュレーン大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「American Journal of Clinical Nutrition」という医学誌に掲載されています。 糖尿病を発症していない人を対象に調査 今回の研究は、さまざまな環境が疾患に与える影響を調査するイギリスのデータベース「UK Biobank」に登録された、調査の初めの段階で糖尿病を罹患していない飲酒者約31万人の医学データを解析しました。 飲酒タイミングの内訳は、「食事中に飲酒」が43.9%、「食事以外のタイミングで飲酒」が20.2%、「飲酒のタイミングが不定」が35.9%でした。 平均して約10年にわたって対象者を追跡調査したところ、8598人が糖尿病をのちに発症したことがわかりました。 ワインを飲むと糖尿病の発症リスクが下がる 医学データを解析した結果、食事中に飲酒をする人と飲酒のタイミングが決まっていない人は、食事以外のタイミングで飲酒する人に比べて、糖尿病の発症リスクが低いことが明らかになりました。 また、食事中に飲酒する人は、飲酒量と糖尿病の発症リスクがU字型の相関関係にあることが判明。食事中にわずかしか飲酒しない人(毎週50g未満)に比べて、中等量飲酒する人(毎週100~200g)の方がより糖尿病の発症リスクが低くなったのです。 さらに研究グループは、どの種類のお酒を飲むと糖尿病の発症リスクが低くなるかについても分析。その結果、ワインを食事中に飲む人はリスクが低くなる傾向にあることがわかりました。 一方、ビールや蒸留酒と糖尿病の発症リスクの関連は認められませんでした。 この結果を受けて、研究グループは「飲酒量と糖尿病の発症リスクの関連を研究するときに、飲酒のタイミングも考慮しておくことの重要性が示された」としています。 今回の研究では、なぜ食事中にワインを飲むと、糖尿病の発症リスクを減らせるのかは言及されませんでした。今後、より研究が進んでいけば、ワインの効果もさらに明らかになっていきそうですね。
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キムチで肥満防止?乳酸菌が作り出す「単鎖脂肪酸」が基礎代謝を向上

新たな研究で、キムチなどの発酵食品に含まれる特定の乳酸菌が、肥満の予防や改善に役立つ可能性が示されました。 この研究は京都大学が主導する研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Gut Microbes」と呼ばれる学術誌に掲載されています。 乳酸菌の効果 乳酸菌は、腸内環境を良くする善玉菌と呼ばれる菌の一種で、さまざまな健康に役立つ効果があると言われています。 乳酸菌を摂取すると、乳酸菌から作られる乳酸によって腸内は弱酸性になります。腸内を酸性に保てれば、毒素を発する悪玉菌が増殖しにくくなる環境に。その結果、下痢や便秘などのお腹のトラブルを防げるのです。 乳酸菌の効果はそれだけではありません。 乳酸菌には、身体全体の免疫細胞のうち約70%を占める腸内の免疫細胞を活性化させる効果もあるとされています。そのため、乳酸菌を摂取することは風邪や感染症の予防にもつながるのです。 乳酸菌が肥満を防ぐ 研究グループは、キムチなどの発酵食品の発酵に用いられる「L.mesenteroides」と呼ばれる乳酸菌に着目。乳酸菌が代謝することによって生産される「EPS」と呼ばれる物質を分析しました。 「EPS」は炭水化物と同じ糖類の一種で、環境ストレスなどから身を守る働きがあるとされています。 研究グループが「EPS」を腸内に似せた環境に加えると、基礎代謝や免疫力を向上させて肥満を防ぐと考えられている「単鎖脂肪酸」が増加したことが明らかになったのです。 研究グループは「今後さらなる研究をおこない、肥満を予防したり改善したりするためのサプリメントや機能性食品の素材としてEPSが活用できる可能性もある」としています。 今後この研究がさらに進み、肥満が原因で生活習慣病になって苦しんでいる人の助けになれば良いですね。
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介護施設を運営する5法人が協定。クラスター発生時に互いに職員派遣を

2023年1月31日、神奈川県平塚市は市内で高齢者施設を運営している社会福祉法人と職員派遣協定を結んだことを明らかにしました。 市町村が単独で協定を結んだのは県内で初めてだということです。 市と社会福祉法人が職員派遣協定を結ぶ 平塚市が社会福祉法人と結んだ協定は、感染者が高齢者施設内で集団発生して職員が不足したときに、県の派遣システムを活用したり協定を結んだ別の施設から要請したりして職員を派遣するというものです。 この協定があれば、高齢者施設内で新型コロナの集団感染が発生した際に、介護職員への負担が軽減される可能性があります。さらに、今までは法人内の職員だけでクラスター対応するケースがほとんどでしたが、職員派遣協定があることで外部に援助を求めやすくなるでしょう。 市の担当者によると、感染者や濃厚接触者が生活する「レッドゾーン」と呼ばれるエリアは施設の職員が担当し、派遣された職員はそれ以外のエリアを担当することになるそうです。 職員派遣協定を結んだ法人は5法人。法人からは「行政が職員不足になったときの対策をしてくれるのは心強い」などの歓迎の声が上がっています。 平塚市の落合克宏市長は、「介護施設と市が連携できる体制を整えるのは重要だ。災害や他の感染症の対策を含め、継続的な計画に活用できるよう、参加法人をさらに増やしていきたい」と話しました。 コロナ禍による介護への影響 コロナ禍になって、介護職員への負担は大幅に増えました。 例えば、新型コロナが流行したことで、コロナ禍以前ではしなかった「施設の消毒」が職員の新たな業務に加わりました。消毒する箇所は手すり、エレベーターのボタン、テレビのリモコン、居室など。手の触れそうな場所はすべて消毒しなければならないため、時間がかかります。場合によっては、利用者と関わるために使っていた時間を施設の消毒に充てることもあります。 また、施設内で新型コロナの集団感染が起こったら、介護職員への負担はさらに増えます。 通常より少ない人数で業務をこなさなければならないので、時間外労働を強いられるケースも少なくありません。労働基準法の制限を受けない管理者などは、施設に泊まって四六時中対応に追われることもあるのです。 今回平塚市がおこなった職員派遣協定がうまく機能すれば、こうした悲劇も減っていく可能性があるので、それに期待したいですね。

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

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