田中 達也さんの
執筆記事一覧

大学卒業後、カンボジアに移住。NGOスタッフとして現地の子どもたちに日本語を教える。帰国後、2年にわたりグループホームの職員として認知症介護に従事した後に独立。現在はフリーライターとして、介護業界や海外観光などに関わる記事を執筆している。保有資格:介護職員初任者研修修了、日本語教師養成講座修了。
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強盗事件の被害者を「認知症」と決めつけ…警察「事件性ない」と判断

80代の男性が何者かに首を絞められ、車も奪われるという事件が岩手県で発生。この取り調べをする際、対応した警察官は男性の訴えを「認知症によるものだ」と決めつけ、事件性はないと判断していたことが明らかになりました。 現在、犯人は逮捕されているものの、容疑は否認しているといいます。 被害を訴えるも「事件性はない」と判断される 警察などの調べによると、容疑者の男は2023年8月15日の夜、岩手県雫石町の神社で高齢男性の首を絞めて殺害しようとした上、男性の車を奪った疑いが持たれています。この際、被害を受けた男性は打撲などの怪我をしたそうです。 その翌朝、犯行現場の近くの道路を、怪我を負った状態で歩いている男性を見かけた通行人が警察に通報。駆けつけた警察官が男性に話を聞くと「暴行され、車を奪われた」と訴えたといいます。 しかし、この警察官は男性の説明があいまいだったことから「認知症によるものだ」と決めつけ、事件性はないと判断したそうです。 被害者の車が見つかり捜査が始まる 事件から3日が経った8月18日、青森県内で男性の車がナンバープレートが付け替えられた状態で見つかったことを受けて、警察は初めて事件性があると判断。その後、容疑者を特定し、19日に強盗殺人未遂の容疑で全国に指名手配したそうです。 容疑者の男は8月21日、青森県内で警察車両に車を衝突させ、公務執行妨害の疑いで逮捕。男は怪我の治療のために青森県内の病院に入院したといいます。 それから怪我の回復を待って、8月28日に男を強盗殺人未遂の容疑で岩手県警が再逮捕しました。男性と容疑者の男に面識はなかったそうです。 警察は事件のいきさつについて、さらに詳しく調べる方針です。 高齢者だからといってすぐに認知症と決めつけるのではなく、ファクトチェックを入念におこなっていれば、今回のような失敗は防げた可能性があります。同じ轍を踏まぬよう、再発防止に努めていってほしいですね。
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新素材の介護職員用ユニフォーム!施設の職員の意見を聞きながら開発

サステナブルな衣料品ブランドを展開する株式会社アダストリアが、「もくせい」という特別養護老人ホームの介護職員用ユニフォームを作成。速乾性と伸縮性を生かした素材を使用し、スタッフが職務にまい進できるデザインに作り上げたといいます。 アダストリアが特養のユニフォームを製作 今回、衣料品ブランドを展開するアダストリアは、茨城県水戸市にある特別養護老人ホーム・救護施設もくせいの介護職員用ユニフォームを製作したことを発表。この製作にあたり、同社のプロジェクト「Play Fashion! for ALL」が監修したそうです。 もくせいは「Play Fashion! for ALL」が掲げる、「年齢やジェンダー、障害にかかわらずファッションが楽しめる社会を創りたい」という理念に共感し、アダストリアにユニフォーム製作を依頼。約1年半にわたって開発したといいます。 機能性とファッション性を備えたユニフォーム アダストリアは、介護職員のユニフォーム製作にあたって、介護職の特性やスタッフ一人ひとりの要望を聞き取りながら開発したといいます。 約1年半を経て製作したユニフォームには、アダストリアが独自に開発した「cotatto®」という新素材を使用。この素材は速乾性と伸縮性に優れているため、服が汚れたり濡れたりして洗濯することが多い介護職員のユニフォームに最適だとしています。 また、介護職員は常に手が空いている必要があるため、申し送りなどに使うペンやメモ帳などを収納できるように、ユニフォームのポケットは大きめに設計したそうです。 特養は、ほかの形態の介護施設以上に介助をおこなう場面が多くなるため、怪我をしないように動きやすいデザインのユニフォームを着用する必要があります。アダストリアが開発した今回のユニフォームなら伸縮性に優れているため、スムーズな介助ができそうですね。
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果物を食べると糖尿病のリスクが減る!?適量なら食べたほうが健康に

糖尿病を患っている人の中には、「果物には糖質がたくさん含まれている」と思って食べるのを控える人も少なくありません。しかし、近年の研究によって、果物を適量食べるとむしろ糖尿病リスクが低下することがわかってきました。 今回紹介する研究は、中国カドリーバイオバンクによっておこなわれたもので、その研究結果は「PLOS MEDICINE」という医学誌に掲載されています。 50万人の成人を対象にした大規模調査を実施 今回、研究グループは、30~79歳の中国全土に住む50万人を対象にした大規模調査を実施。対象者は生活習慣にまつわる詳細なアンケートに回答し、身体測定と血液検査を受けました。それから、研究グループは約7年間にわたって追跡し、対象者の生活習慣と健康状態を調査しました。 対象者のうち、1万7409人は調査開始の段階から糖尿病を患っていることが判明。また、調査開始の段階では糖尿病ではなかった残りの48万2591人の中でも、追跡調査中に、新たに9504人が糖尿病を発症したことがわかりました。 研究グループが、アンケートの中で果物の摂取量を尋ねると、対象者のうち18.8%が毎日果物を摂取していると回答。また、6.4%はほとんど摂取しないと報告しました。 果物を食べると生活習慣病リスクが低下 研究グループが対象者のデータを解析した結果、研究開始時に糖尿病に罹患していなかった人では、果物を毎日摂取すると、ほとんど摂取しなかった場合に比べて糖尿病の発症リスクが12%低下したことが明らかになりました。 また、研究開始時にすでに糖尿病になっていた人でも、週に3回以上果物を摂取すると死亡リスクが17%低下したことがわかりました。 また、果物を食べる習慣がある人は、果物をほとんど食べない人に比べて心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが下がる可能性も今回の研究で示されました。 以上の結果を受けて、研究グループは「果物は糖分が比較的多いため、糖尿病患者は摂取を控えたほうがいいと考えられることがあります。しかし今回の研究で、適量の果物を食べることはむしろ健康的であることがわかりました」と述べています。 果物には、食物繊維やビタミン、ポリフェノールなどの栄養が豊富に含まれています。食べ過ぎには注意しながら普段の食事に取り入れていきたいですね。 参考:「Fresh fruit consumption in relation to incident diabetes and diabetic vascular complications」(PLOS MEDICINE)
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がんや認知症に効く新たな薬開発!?東工大と東歯大の共同研究始まる

2024年度に東京科学大学として統合される予定の東京工業大学と東京医科歯科大学が、認知症やがんなどに有効な新薬の開発を目指す、共同研究組織を設立することを明かしました。 共同研究組織の名称は「中分子創薬コンソーシアム」。既存の薬では治療が困難な病気にも優れた効果を発揮する次世代の医薬品「中分子薬」の開発をしていくといいます。 中分子薬について ところで「中分子薬」とは、どのような医薬品なのでしょうか? そもそも、医薬品は病気に有効な物質の大きさで分類され、小さなものから「低分子薬」「中分子薬」「高分子薬」と呼ばれています。その中で、低分子薬は製造コストが低く、従来の飲み薬のほとんどを占めています。 一方、遺伝子組み換え技術などで製造される高分子薬は、がんなどの疾病に高い効果が期待できるものの製造コストが極めて高く、投与手段も注射や点滴に限定され、使いにくいという難点があります。 そこで、現在世界中から注目を集めているのが、今回取り上げる中分子薬です。中分子薬は化学合成による大量生産が可能なため、製造コストも抑えられ、一部は低分子薬のように経口摂取も可能。なおかつ、低分子薬以上に高い効果が期待できるといいます。 「中分子創薬コンソーシアム」の創設が決定 今回「中分子創薬コンソーシアム」を創設し、薬の共同開発を目指すのは、東京工業大学と東京医科歯科大学。薬の合成で高い技術を持つ東京工業大学と数々の医学研究をおこなっている東京医科歯科大学、さらに複数の製薬企業が連携して、効果を最大化していくといいます。 今後、両大学の研究者100人ほどの参加を目指し、中分子薬の研究組織としては国内最大規模になる見込みだそうです。 東京医科歯科大学の副学長は「異分野の研究者が日常的に議論することで、技術革新につなげていきたい」と話しています。 医療が発達すれば、それだけ高齢者が長く健やかに生きられる社会の実現に近づきます。今後の動向に注目していきたいですね。
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ヨガで記憶力が良くなる!?瞑想しながらのヨガでストレス発散しよう

アルツハイマー病のリスクのある高齢女性がヨガに取り組むと、記憶力に関連する脳領域の活動が活発になる可能性が示されました。研究グループは、特に多くのストレスを抱えているような女性に有効だとしています。 この研究はアメリカのカリフォルニア大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Alzheimer's disease」という学術誌に掲載されています。 ヨガに取り組んだ対象者は脳の活動がより活発的に 今回、研究グループは、アルツハイマー病のリスクが高いと判定された60歳以上の女性22人を対象に調査を実施。従来の記憶力トレーニングに取り組むグループとヨガトレーニングに取り組むグループに分け、毎日約20分間のトレーニングをおこなうように指示しました。 12週間後に、脳のさまざまな領域の活動を測定できるfMRIと呼ばれる装置を使って、記憶力に大きく関連しているとされる「海馬」の活動量を分析しました。 その結果、ヨガに取り組んだグループでは、海馬の記憶力に関連する領域の活動がより活発になっていることが明らかになったのです。 以上の結果を受けて、カリフォルニア大学ヘルスシステム神経科学研究所に所属しているヘレン・ラブレツキー氏は「ヨガは、ストレスを感じやすく、主観的な記憶障害のある女性に対して有用である可能性が示された。身体機能が低下した高齢者であっても、身体の動きや呼吸に焦点を当てた穏やかなヨガであれば、安全に取り組めるだろう」としています。 ヨガが介護ストレスをも軽減 カリフォルニア大学の同じ研究グループは、これまでに認知症の高齢者を介護している45人を対象としたヨガの研究も実施。ヨガが介護のストレスに対しても有効であることを発表しています。 その研究によると、1日に12分間の瞑想を取り入れたヨガに取り組んだ人は、そうでない人に比べてメンタルヘルスが改善し、身体の炎症反応も低下したことが明らかになったといいます。 ラブレツキー氏は「特に、高齢の介護者は生活の満足度が低下しやすく、心身の健康状態が悪化しやすいことが知られている。しかし、今回の研究で、ヨガがストレスを緩和する可能性が示されたことはとても元気づけられる発見だ」と述べています。 ヨガや瞑想は心身を落ち着けるのにとても有効だとして、世界中から注目が集まっています。場所も取らず気軽にできるため、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。 参考:「Impact of Yoga Versus Memory Enhancement Training on Hippocampal Connectivity in Older Women at Risk for Alzheimer’s Disease」(Journal of Alzheimer's disease)
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【マイナ保険証】資格情報記載の新カード配布!未対応の医療機関で利用

2023年8月23日、厚生労働省は氏名などの情報が記載されたカードや文書を配布することを明らかにしました。 健康保険証が廃止される来年秋以降も、一部の医療機関ではシステムの未整備などでマイナ保険証が利用できない状態が続くとされており、必要な情報を記載したカードを作ることで保険診療を受けられるようにするねらいです。 資格情報を示すカードを配布 厚生労働省が新たに配布するカードや文書は「資格情報のお知らせ」と命名される予定で、保険診療を受けるのに欠かせない被保険者番号や窓口での自己負担割合などを記載するといいます。 一応、全国の保険医療機関や薬局は今年の4月からマイナ保険証を読み取る資格確認システムの導入が義務付けられているものの、医療機関の代表者が高齢だったり廃業を予定していたりする場合はシステムの導入が免除されます。 そのため、一部の医療機関では従来の保険証が廃止されてからも、システムでの資格確認が不可欠となるマイナ保険証を利用できない可能性があり、今回のカードや文書の配布をおこなうことになったのです。 配布されるカードや文書だけでは保険診療ができない? 注意が必要なのは、個人の情報を確認するために配布されるカードや文書だけでは、医療機関で保険診療を受けられないということ。保険診療を受けるためには、マイナ保険証と一緒に提示する必要があるため、医療機関を受診する際は常にマイナ保険証を携帯しておきたいですね。 保険診療を受けるのに必要な情報を記したカードや文書は来年秋以降、新たに健康保険証を取得する人に配布する予定。その他の人の取得方法などについては今後議論を進めていく方針です。 健康保険証の代わりとなる資格確認書やマイナ保険証とは異なる新たな対応策が示されたことで、医療機関の窓口で混乱が生じるおそれが懸念されています。なるべくスムーズに対応できるように、政府には周知を徹底してもらいたいですね。
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家でスーパーの買い物ができる!?スマートグラスで店内風景そのまま

長野県飯綱町は、8月1日~来年の2月22日にかけて、スマートグラスを活用した買い物サポート事業をおこなっています。 対象となるのは、飯綱町に住んでいる65歳以上の高齢者。「移動手段がなくて買い物に行けない」「重い商品を持ち帰るのが大変」「体調が悪くて買い物が困難」などの高齢者ならではの悩みを解消するねらいがあるそうです。 買い物支援プロジェクトを開始 2021年度、飯綱町は少子高齢化や過疎化の進行、公共交通機関の不足などで食料品などの買い物に課題を抱えている地域住民が増加しているとして、スマートグラスとタブレットを用いた「買い物支援実証実験プロジェクト」を実施しました。 その結果、利用した地域住民から高い評価を得たことから、今年度から支援金を活用して本格的に買い物支援プロジェクトに取り組むことになったのです。 今回、飯綱町がおこなうのは、店内の風景をそのままの目線で撮影できる「スマートグラス」と利用者のタブレットをつなぎ、利用者が自宅から映像を見て買い物ができるというサービスです。 さらに具体的に言うと、町から委託を受けた「お買い物サポーター」が店内でスマートグラスを装着。利用者はスマートグラスが撮影した映像をもとに、タブレットからほしい商品を選択し音声で伝えるという仕組みなのだそうです。 購入した商品は、身分証を持参したお買い物サポーターが利用者の自宅まで配送し、そこで代金を支払うといいます。 サービスの利用方法 今回の「買い物支援サービス」の概要は以下のとおりです。 対象者:飯綱町在住の65歳以上の高齢者、高齢者を中心に構成されている町内の団体 利用可能日時:年末年始を除く、毎週火曜日と木曜日の13~15時 利用料:原則無料 サービス対象店舗:コンビニやスーパーなど15店舗(7月24日時点) なお、このサービスを利用できるのは、時間ごとに1人までの先着順とのこと。また、1回の利用につき1000円以上の買い物をしてほしいと呼びかけています。 交通機関が発達しておらず、買い物に苦労している地方在住の高齢者は少なくありません。今回のようなサービスがほかの地域にも広まっていくと、より快適な生活を送れるようになりそうですね。
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認知症に効く薬が現実に!?早くて10月には日本でも使えるかも

そもそも、「レカネマブ」とはどのような医薬品なのでしょうか? レカネマブは、日本の大手医薬品メーカーであるエーザイとアメリカの医薬品メーカーであるバイオジェンが共同で開発した医薬品。アルツハイマー型認知症の要因とされる、「アミロイドベータ」と呼ばれる特殊なたんぱく質を除去する効果があるとされています。 アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドベータが蓄積し、健康な神経細胞が破壊されて脳萎縮が起こると言われていて、今回承認が了承されたレカネマブは、それを防ぐ効果が期待されているのです。 また、日本やアメリカでおこなわれた大規模研究によると、軽度の認知症の進行を27%程度遅らせることに成功したという報告がなされています。 ただ、すでに承認されたアメリカのレカネマブの薬価は約390万円と非常に高価。そのうえ、レビー小体型認知症や血管性の認知症などアルツハイマー型以外のタイプには使用できず、アルツハイマー型認知症であっても早期の患者にしか投与できないという制約もあります。 レカネマブの承認を了承 2023年8月21日に開かれた医薬品第一部会にて、専門家グループは国内におけるレカネマブの使用を了承。これを受けて、厚生労働省大臣が近日中に正式に承認する流れとなります。 仮に大臣が8月中に承認した場合、実際に日本の医療現場で使えるようになるのは早くても10月頃になる見込みです。 レカネマブを使用するには、脳内のアミロイドベータの蓄積具合を確認するために、脳せき髄液を採取する髄液検査や陽電子放射断層撮影(PET)といった高度な検査が必要。しかし、髄液検査は身体に負担がかかり、PETができる施設は全国に約60ヵ所ほどと多くありません。 以上のような課題があるものの、認知症の原因物質に直接作用する効果は魅力的で、今後の認知症治療を大きく変える可能性も秘めています。これからの動向にも注目ですね。 参考:「新規の抗認知症薬レカネマブについて」(可知記念病院)
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視力の低下で認知症に!?目の健康を大切にして視力の低下を防ごう

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感のうち、視覚は特に認知機能に大きな影響を与えていると言われていて、視力が衰えると思考力や記憶力に悪影響を及ぼすことが指摘されています。 今回紹介する新たな研究でも、視力が低下した人はそうでない人に比べて、認知症の発症リスクが高まる可能性が示されました。 この研究は、アメリカのミシガン大学医学部ケロッグ眼科センターの研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「JAMA Ophthalmology」という医学誌に掲載されています。 3000人以上の高齢者を対象に調査を実施 研究グループは、2021年におこなわれた「国民健康高齢化傾向調査」に参加した71歳以上の高齢者3817人のデータを分析することに。国民健康高齢化傾向調査とは、アメリカの高齢者向けの公的保険サービスであるメディケアを受給している人を対象とした研究で、10年以上にわたって続けられています。 今回、研究グループは3000人以上の対象者に、近くのものと遠くのものをそれぞれ見られるかどうかを測る視力検査、背景の色に対してあまり明暗がはっきりしていない文字を見られるかどうかを測る視力検査、記憶力と思考力を測る認知機能検査をおこない、その結果を解析しました。 視力が低下した人では認知症の有病率が上昇 研究グループが検査結果を分析した結果、対象者全体のおよそ12%が認知症を患っていることが判明。特に、近くを見る視力に問題があるグループでは、認知症を患っている人の割合が22%近くに達したことが明らかになったのです。 また、現段階では認知症を患っていなくてもその兆候がみられる人の割合を調べたところ、視力に問題がない人に比べて、遠くを見る視力に中程度以上の問題がある人では、72%も多くの人に認知症の兆候が見られたことがわかりました。 一方、今回の研究では、白内障の手術などで視力が回復した人は認知症の発症率が時間とともに低下する可能性も示されています。 以上の結果を受けて、研究グループは「目の健康を優先することは、視覚だけでなく全般的な健康や幸福につながる可能性が示された。視覚の最適化が認知症の発症リスクを軽減するかどうかについては、さらなる研究が必要だ」と述べています。 白内障などで視力が低下すると、日常生活そのものにも大きな影響が出てしまいます。手遅れになる前に医療介入ができるよう、定期的に眼科を受診すると良いかもしれませんね。 参考:「Objectively Measured Visual Impairment and Dementia Prevalence in Older Adults in the US」(JAMA Ophthalmology)

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

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