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長引くコロナ禍で、老人ホームでは家族の面会に制限を設けているところが多くあります。なかには新型コロナの拡大が始まって以来、ずっと面会を止めている施設や、感染状況に応じて面会時間や人数などの制限をして対応しているところもあります。 なかなか以前のように面会ができない状況ですが、一部の施設ではオンラインツールを使ったオンライン面会に対応しているところも。しかし、WEBツールが浸透しているとはいえない介護現場では、オンラインツールを使うのも一苦労なケースもあるようです。 そこで、Web会議ツールを提供しているRSUPPORT(アールサポート)株式会社は、専用リモコン・スピーカー・カメラを設置するだけで簡単にオンライン面会ができる「RemoteMeeting BOX」を老人ホームに提供しています。 これは、専用のパソコンがなくてもリモコンだけで操作ができるので、パソコンの操作に不慣れな人も手軽に操作できるそうです。 パソコンなしでオンライン面会を Web会議ツールを提供しているRSUPPORT社が、販売している「RemoteMeeting BOX」は、リモコン・スピーカー・カメラがセットになったオンライン会議ツールです。 一般的なオンライン会議ツールでは、パソコン内に専用ソフトをインストールする必要があったりと、パソコンの操作に慣れていない人にとってはハードルの高いものでした。そのため、パソコン操作が苦手な人の多い介護現場では、オンライン会議の拡大があまり進んでいないそうです。 対して、今回のオンライン会議ツールはパソコンは不要。カメラやスピーカーもついているので、テレビやモニターをつなぐだけでオンライン面会ができるようになっています。 変化が減った生活に刺激を 感染対策のためにしょうがないとは言え、面会ができなかったり施設内での催し物がなくなったりと、施設で暮らす入居者の刺激が少なくなってしまう傾向があります。 しかし、変化の少ない生活が続くと、脳への刺激も減って認知症になってしまうおそれもあるのです。 そこで、オンラインという形でも家族と顔を合わせられるのは、高齢者の健康のためにも良いのかもしれません。オンライン面会であれば、感染リスクはありませんし、遠方にいる家族とも気軽に面会ができます。 ただ、多くの施設ではオンライン面会に予約が必要。家族が入居している施設ではオンライン面会に予約が必要なのか、事前に確認してくださいね。
2022/08/18
認知症の予防を心がけて生活していますか?もしかしたら、「まだまだ元気だから」と考えて具体的な対策をとっていないかもしれません。 しかし、日本の65歳以上の人の約16%が認知症を患っており、この割合はさらに増加すると見込まれています。なんと、2040年には25%もの高齢者が、2060年になると30%以上の高齢者が認知症を発症するという試算も出ているのです。 こうしたことを受けて、自治体でも認知症予防に積極的に取り組んでいるところがあります。そのひとつが、石川県白山市。白山市では、今年9月から簡易認知機能スケール「あたまの健康チェック(R)」を導入して、運動による認知症予防の効果をチェックする事業を開始しました。 元気なうちから認知症予防を 白山市では、今年9月から市内の65歳以上の市民300人を対象に、筋力トレーニングや有酸素運動による健康プログラムを開始することを発表しました。 このプログラムでは事前に参加募集した市民に対して、株式会社ミレニアが提供する簡易認知機能スケール「あたまの健康チェック(R)」を実施。その後、公立松任石川中央病院に併設されているスポーツ施設「ダイナミックHakusan」で週1回の筋トレや有酸素運動などの運動プログラムを提供するそうです。 あわせて、栄養についての講座も月1回おこない、運動と栄養の両面で市民の健康をサポートするとのこと。これらの指導は健康運動指導士や管理栄養士という各分野の専門家が担当するそうです。 そして、この健康プログラムが終了する来年の2~3月には再度「あたまの健康チェック(R)」や体力測定を実施。プログラムの開始前後で認知機能や身体機能がどのように変化しているのかを調査し、効果を検証する予定です。 このプログラムは、白山市の「あたまとからだの健康増進事業」によるもの。市民が元気なころから自分の認知機能を把握し、早い段階で認知症に気がついたり予防に取り組むことを目指しています。 認知症予防に”早すぎ”はない! 元気に生活していると、認知症について「まだ大丈夫」と思ってしまいがち。しかし、認知症のひとつであるアルツハイマー型認知症の原因物質が脳に溜まり始めるのは、発症の20年も前とされています。 つまり、70歳で発症した場合は50歳から原因物質が溜まり始めていたということに。これは生活習慣によっては認知症リスクが高まることもあるので、認知症予防をするのに早すぎるということはないのです。 そこで、今回の白山市の事業のように元気なうちから認知機能検査が受けられて、専門家による指導があるなんてとても助かります。「早めの認知症予防を」と言われても何をすれば良いかわからないので、こうした事業が多くの自治体で取り組んでもらえると、私たちも認知症予防のハードルが下がるのではないでしょうか。
2022/08/17
30年ほど前、ビリヤードがブームになったことを覚えている方も多いのではないでしょうか? トム・クルーズ主演の映画の舞台になったこともあり、巷にはビリヤードをしながらお酒を楽しむ“プールバー”がたくさんあったものです。 そんなビリヤードをプレーする際の移動の歩数と見立てて“ウォーキング”として健康増進につなげようとする動きが全国に広まりつつあるようです。 ビリヤードで健康増進&認知症予防。その根拠は? 眉唾もの…というわけでもなく、「高齢者施設などで健康とコミュニケーションをつなぐ、文部科学省が推奨する生涯スポーツ」というもの。ビリヤードは、例えば2時間ほどプレーすると、その間に約3000歩も歩くことになるそうで、それが健康の増進につながるというのです。 またそれだけでなく、チーム戦にしたりすればメンバーとのコミュニケーションが生まれます。このコミュニケーションが非常に大切で、社会的なつながりのある人は認知症リスクが70%低減すると言われているほど。 さらには、ビリヤードをプレーする際には腕を動かしてキューでボールを突き、突かれたボールを目で追い…という行為が脳の活性化につながり、それが認知症予防につながるとも考えられているのです。 今後はビリヤードイベントの開催も このウォーキングビリヤードを実践した方々からは、以下のような意見が出ているそうです。 ビリヤードには昔から興味があった。初めてやってみたが、教えてもらうとすぐに出来て楽しい。チームでやるとすごく楽しい。これから楽しみです。(70代・男性) 昔から運動は苦手で、こんな年からでも出来るとは思わなかった。ポケットにボールが落とせるのが面白い。色々なチームを作ると面白い。楽しい。(80代・女性) 一般社団法人日本コーチングプロビリヤード協会(千葉県流山市)では「ウォーキングビリヤードクラブ」をつくり、専属インストラクターによる初心者講座やビリヤードイベントを開催していくそう。 楽しみながら健康増進、楽しみながら認知症予防。興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか? 出典:「ウォーキングビリヤードクラブとは」(一般社団法人日本コーチングプロビリヤード協会)
2022/08/17
「トマトの効能がスゴイらしい」「コーヒーが認知症にいいみたい」など、身近な食べ物・飲み物で健康に良いものってたくさんありますよね。 それらと同じように、よく“健康に良い”と言われる納豆に、新たに「認知症のリスクを抑えられる」という調査結果が発表されました。 以前から、循環器疾患による死亡リスクを抑えられるとも言われていた納豆のこの効能。果たしてどのようなメカニズムになっているのでしょうか。 納豆の摂取量が多い“女性”で認知症リスクが低くなった! この研究は、国立がん研究センターが主導する多目的コホート「JPHC研究」グループによるもの。その研究成果は専門誌「European Journal Of Nutrition」にも掲載されました。 研究対象となったのは、1995年と1998年に秋田、長野、沖縄、茨城、高知の5保健所管内に在住していた45~74歳の4万1447人(男性 1万8,991人、女性 2万2,456人)。2016年まで追跡調査をおこない認知症発症との関連を調べたということからも、いかに大規模な調査だったかがわかります。 調査対象者には食事のアンケートをおこない、1日あたりのイソフラボンの摂取量を計算。その摂取量の多いグループと少ないグループとを比較するなどした結果、特に、納豆の摂取が多い女性のグループで認知症発症のリスクが押さえられていることがわかったのだそうです。 認知症リスク低減の肝はイソフラボン&ナットウキナーゼ 納豆の原材料である大豆にはポリフェノールの一種であるイソフラボンが、また大豆を発酵させた納豆にはナットウキナーゼやポリアミンなどの酵素が多く含まれています。今回の調査結果では、これらの摂取が認知症発症リスクの低減に作用したのでは、と見られています。 これらの成分が認知症の発症リスクにつながるアミロイドβの蓄積を抑えることが動物実験でも報告されており、上記の調査結果にも蓋然性の高さが見て取れますね。 同じ大豆食品でも、みそは認知症リスクを高める!? 「納豆がいいなら、みそでもいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。なぜなら、みそには多くの塩分を含んでいるから。実際に調査結果からも、みその摂取量が多いグループでは認知症のリスクが高かったそうなのです。 塩分の摂取過多は高血圧や脳卒中にもつながりやすく、それが認知症リスクを高めることにもつながっているのでは、と見られています。年をとるほど、やはり塩分摂取は控えるようにした方が良さそうですね。 ちなみに今回の調査結果では、序盤でもお伝えした通り「女性のグループで認知症発症のリスクが押さえられている」とされています。男女差が発生する理由は明確ではなく、今後も研究を進めていくそうなので、男性読者の皆さんは、今後のニュースをお待ちください。 参考:「大豆製品摂取と認知症リスクとの関連」(国立がん研究センター)
2022/08/16
つらい出来事がトラウマとなってさまざまな症状を発症する「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」。特徴的な症状には、過去を追体験する(フラッシュバック)や悪夢を見る、重度の不安に悩まされるなどがあります。 そんなPTSDの重い症状を女性が長期にわたって経験すると、中年における認知機能低下を悪化させる可能性があることが、最新の研究で明らかになりました。 アメリカを拠点とする研究チームは、PTSDが中年女性の認知機能を低下させるリスク因子なのかどうかを確認するために大規模な研究を実施。その結果を発表しました。この研究には、50歳から71歳の女性1万2270人が参加。そのうち67%の人にPTSDの症状があったそうです。 およそ2倍の速さで認知機能が低下 研究では、参加者の学習記憶、作業記憶、注意力、精神運動速度を3年にわたって評価。その結果、PTSDの症状が重かった女性は、症状がまったくなかった女性に比べて、学習記憶と作業記憶の認知機能がおよそ2倍の速さで低下していたことがわかりました。 ちなみに、認知機能の低下は混乱や記憶障害の頻発を招き、運動機能に支障をきたすこともあるそう。例えばアルツハイマー病や、他のタイプの認知症、入院率の上昇、フレイル(加齢により心身が衰えた状態)につながったり、死期が早まったりすることがあるとも言われます。そして、PTSDと認知症はともに女性が発症する場合が多いそうです。 認知症の進行を早期に食い止めることができる? 研究チームは「女性のPTSDと認知症の生涯有病率が高いことを踏まえると、PTSDをリスク因子と特定することは、PTSDそれ自身が問題であるだけでなく、認知機能の健全性にも関連している可能性がある。このような知見は、PTSD患者を対象にした認知機能検査を早期に実施することがいかに重要かを裏づけている」と述べています。PTSDによって女性の認知機能低下が加速することを知っていれば認知症の早期発見につながり、早めの対策ができるかもしれません。
2022/08/01
認知症を発症する危険因子に、糖尿病や喫煙習慣などがあることはご存じでしょうか。 カナダのベイクレスト高齢者医療センターは、認知症の危険因子がない高齢者では「10〜20歳若い人と同じように脳の健康が保たれている」との研究結果を明らかにしました。 危険因子のない高齢者の脳は若者と同等 カナダのベイクレスト高齢者医療センターは、脳の健康状態を簡単に評価できる「コグニシティ 脳の健康 評価ツール」を利用して、認知症のリスクについて調査しました。 このツールで調べられるのは、認知症の危険因子として知られている高血圧、糖尿病、喫煙習慣、難聴、外傷性脳損傷、アルコール・薬物乱用、うつ病、低教育などの項目です。 今回の調査には、18~89歳の2万2117人が参加。自宅でこのツールを使って認知症リスクについて判定を受けました。その結果、高齢者(66~89歳)は、中年者(45~65歳)や若年者(18~44歳)に比べ、危険因子が多い傾向があったそうです。 しかし、40代~70代で危険因子を持たない人は、多くの危険因子をもつ10~20歳年下の人と認知能力は同等であることがわかりました。 さらに、認知症の危険因子が増えるにつれて認知能力の低下も進むそうです。たとえば、3つの危険因子をもつ人は、9歳分の年齢を増すほどの認知能力の低下につながる可能性があるのです。 加えて今回の調査は、若年期から高齢期までの長い期間の危険因子を生活スタイルから調べた初めての調査でした。その結果、認知症の危険因子は、できる限り人生の早期から対処していくとリスクを減らす可能性があることが分かりました。 認知症予防は何歳からでも始められる 今回の調査結果では、認知症の対策は人生の早いうちに始めると効果的であることがわかりました。認知症予防が若いうちから始めても効果があるとは驚きですね。 さらに今回の研究では、すでに糖尿病の人や喫煙習慣のある人でも、生活スタイルを改善して対策を始めれば認知症のリスクを減らせることも分かりました。 ということは、認知症予防に年齢は関係ないようです。食生活の見直しや運動、禁煙などできることから始めてみるといいかもしれません。
2022/07/26
心臓病や脳卒中の予防や、ストレスの軽減など、さまざまな健康効果があることで知られているコーヒー。健康効果を求めているだけでなく嗜好品としても楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。 そんなコーヒーが、認知症予防に効果がある可能性を新潟大学が発見したことを発表しました。 研究によると、コーヒーを1日3カップ以上飲む人は認知症リスクが低かったそうです。 コーヒーで認知症リスクが軽減 新潟大学が、コーヒー・緑茶・カフェインの摂取量と認知症リスクの関連性についての研究結果を発表しました。 この研究は、40~74歳の約14000人を対象におこなったもの。コーヒー・カフェイン・緑茶の摂取量や食事についてアンケートで調査し、8年間にわたって認知症の新規発症率と比較しました。 その結果、コーヒーの摂取量が多い人ほど認知症の発症リスクが低いことが判明。特にコーヒーを1日3カップ以上飲んでいる人の認知症リスクは、コーヒーを飲んでいない人より47%も減少していたそうです。 しかし、こうした結果は男性で顕著だったものの、女性でははっきりとした違いは出ませんでした。 また、カフェインを多く摂取している人も認知症の発症率が低下。たくさん摂取している人の認知症リスクは、そうでない人よりも37%も減っていました。 一方で、緑茶を多く飲んでいる人も認知症リスクが下がる傾向はありましたが、緑茶をあまり飲まない人との明確な差はなかったそうです。 今回の結果を受けて研究グループは、「認知症予防にはカフェインが関わっている可能性がある」としたうえで、コーヒーの効果に男女差があった点についてのメカニズムは明らかになっていないのでさらなる研究が必要、と述べています。 シミ予防も?万能すぎるコーヒーの効果 多くの人にとって身近な飲み物であるコーヒーで認知症予防ができるのであれば、とても手軽に認知症対策ができそうですね。 さらに、コーヒーにはカフェイン以外にも健康効果のある複数のポリフェノールが含まれていることもわかっています。このポリフェノールは、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の予防に効果があり、そのうえ紫外線によるシミを防ぐ効果もあるそうです。 そんな一石何鳥にもなるコーヒーですが、よく知られているように飲み過ぎると睡眠に悪影響が出ることもあります。睡眠への影響は個人差が大きいので、夜の睡眠に影響が出ない程度のコーヒーの量を見極めて取り入れたいですね。
2022/07/21
厚生労働省の推計によると、2020年には630万人が発症しているとされる認知症。さらに、2040年には950万人、2060年には1150万人にまで増えるという予測も公表しています。 このような「認知症の人が増えていく」というこれまでの常識を覆す新しい研究結果が今回、発表されました。 それは、国立長寿医療研究センターが近年の研究を取りまとめて分析したもの。それによると、2010~2017年にかけて、認知機能障害が疑われる高齢者は男女ともに減っているそうです。 シニア世代の認知機能が向上している? 高齢者の健康に関わる研究をおこなっている国立長寿医療研究センターが、高齢者の認知機能ついての研究結果を公表しました。 この研究は、日本人の高齢者を対象とした複数の研究を取りまとめて分析したもの。各研究が2010年と2017年におこなった認知機能検査の点数を解析して、「認知機能障害を疑われる人」「認知機能が良好な人」の割合を比較しています。 その結果、2010年よりも2017年の点数の方が良いという結果に。認知機能障害が疑われる高齢者は男女ともに減少しました。さらに、認知機能が良好な高齢者の割合は、どの年代でも増加していました。 「認知症の人が減る」という研究結果も 世界的な高齢化によって、認知症の人の数は増加するという予測がある一方で、認知症の患者数が今後、減少するという研究結果も報告されています。 例えば、東京大学が今年5月に明らかにした研究では、認知症の人は2043年には465 万人に減るとしています。ちなみに、2016年時点の認知症の人は510万人なので、高齢化が進むにも関わらず今から20年後には認知症の人が減る、という予測が出たのです。 これまで厚生労働省が明らかにしていた推計では、2040年には約1000万人まで増えると予想されていました。しかし、この数字は高齢者の健康状態や学歴が向上していること、年齢や性別などによって病気にかかる状況が大きく異なることについては考慮されていなかったそうです。 そこで、東京大学は近年の高齢者の健康状態などをシュミレーションして、新しい予測を実施。その結果、「高齢化の影響で認知症の人の数が増加する」という、これまでの常識を覆す結果になりました。 国立長寿医療研究センターや東京大学のような研究結果になったのは、多くの人が健康を意識するのが当たり前の時代になり、私たちの健康状態が向上したということもあるのかもしれませんね。
2022/06/29
認知症の検査をする方法は、CT検査やMRI検査など脳の画像を調べるものや、記憶力や注意力を測るテストなどさまざまなタイプがあります。 しかし、その多くが費用が高かったり時間がかかるなど、検査を受ける人やその家族の負担が大きいのが課題。そのため、簡易的に認知症をチェックできる方法の開発が進められています。 そこで、今回、花王が発見したのは「認知機能の低下と歩行速度の変化」の関係性。認知機能が低下している人は、午後の歩行速度が低下する傾向があることがわかりました。 つまり、歩行状態を確認することで簡易的に認知症をチェックできる可能性があるとのことです。 普段の”歩き”から認知症がわかる? 洗剤や衛生用品などの製造をしている花王が、「認知機能の低下」と「1日の中での歩行速度の変化」に関係があることを発見したことを明らかにしました。 これは、今月2日~4日にかけておこなわれた日本老年医学会学術集会で発表した研究によるものです。 この研究では、要介護状態ではない60~91歳の約1500人の歩行速度を1日10時間以上、7日間にわたって計測。歩行速度と認知機能テストの結果を比較しました。 その結果、認知機能が低下している人は、12時以降の歩行速度が低下していることがわかりました。 さらに同社は、高齢者に多い小股でゆっくりとした不規則な歩行を「加齢歩数」として計測。それによって、歩行の安定性の変化をチェックできる可能性があると考えて、幅広い年代を対象に検証をおこないました。 その結果、加齢歩数はすべての年代の歩行のなかであらわれるものの、年齢を重ねるごとにその割合が増えることがわかったそうです。 こうしたことから、普段の歩行状態を計測することで認知症の簡易的なチェックや、歩行の安定性のチェックができる可能性があります。 負担のない検査方法が求められている 認知症の検査は、費用や時間などの負担が大きいことに加えて、心理的なハードルがあることも課題のひとつです。 というのも、「認知症の検査をする」と聞くと、検査を受ける人は自然と身構えてしまうため。なかには、検査を受けるのを拒否することもあるかもしれません。 そこで今回の研究のように、普段の歩行状態を確認するだけで認知症のチェックができるのであれば負担が少なくて済みそうです。 特に、検査を拒否しそうなケースでは、散歩に連れ出すついでに歩行状態を測定できるようになると、気軽に認知症チェックができて助かりますね。
2022/06/23
「とりあえずビール」という言い回しがあるほど、日本でよく飲まれているお酒であるビール。ちなみに、日本のビール消費量は世界7位で、ビール大国ドイツの次に消費が多い国なのです。 今回、そんな身近なお酒であるビールを製造・販売しているキリンホールディングスらの「ホップが認知機能の改善に効果がある」という研究が、日本抗加齢医学会の2021年度の研究奨励賞を受賞したことを明らかにしました。 また、同時に「牛乳を原料とする『βラクトペプチド』が中高年の認知機能を改善する」という研究も同じ賞を受賞しています。 牛乳とホップが認知機能を改善? キリンホールディングスのキリン中央研究所による、βラクトペプチドと熟成ホップの認知機能への効果に関する研究が研究成果と証拠の信憑性が認められて、日本抗加齢医学会の2021年度の研究奨励賞を受賞したことを明らかにしました。 βラクトペプチドとは、キリンホールディングスが独自に発見した有効成分。牛乳に含まれているタンパク質をキリン独自の発酵技術によって分解し、この成分が発見されました。 この成分は、記憶力や集中力などの認知機能の改善、脳の血流を増やすことが期待されています。 また、熟成ホップというのは、キリンの熟成技術によって独自開発された素材。人間の消化管にある苦味センサーを通じて、神経を刺激して認知機能や抑うつ状態を改善する効果があることがわかっています。 さらに、中高年を対象とした臨床試験もおこなっており、苦味が軽減された熟成ホップを摂取することで注意の制御機能や不安感が改善することが判明しています。 今回、これらの研究の確からしさが認められて、国内の老化に関する研究で中心的な学会である日本抗加齢医学会の研究奨励賞を受賞したそうです。 身近なものから発見される健康成分 日本ではホップといえば「ビール」というイメージがありますが、西洋ではハーブとして昔から利用されている植物。ホップの苦味成分は食欲増進や消化促進、不安を解消する鎮静作用などもあるとされているのです。 また、βラクトペプチドも牛乳などに含まれている、実はとても身近な成分。普段、何気なく食べたり飲んだりしている食品の健康成分が、最新技術によって明らかになるのはとてもおもしろいですね。
2022/06/21
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。