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新型コロナウイルスの拡大が始まって2年以上。各地で高齢者の集いが縮小や中止され、活動に影響が出ています。 例えば、福島県でおこなわれた高齢者のスポーツの祭典「すこやか福島ねんりんピック」は3年ぶりの開催となりました。 また、群馬県の群馬県年金協会は、主催するさまざまなイベントが中止したことで、会員数が減少。ピーク時の6分の1にまでになってしまったそうです。 中止になったイベントが再開 今月19日、福島県では「すこやか福島ねんりんピック」が開催。新型コロナの拡大によって2大会連続で中止にしており、3年ぶりの開催となりました。 これは、県内の60歳以上の高齢者が参加できるもので、今年は約2000人もの選手が出場。卓球、ゲートボール、なぎなた、囲碁など21種目で高齢者が競い合いました。 ちなみに、この大会は今年11月におこなわれる神奈川県での「全国健康福祉祭 神奈川大会」の代表選考会も兼ねているそう。今回の大会の成績を参考にして福島県代表選手を選ぶとのことです。 対して、群馬県年金協会はコロナ禍でのイベント中止などによって会員数の減少に悩まされています。 昨年度末の会員数は5598人。2003年のピーク時の6分の1にまで減少しているのです。 この協会は、会員同士の交流や健康づくり、生きがいづくりなどを目的に設立。ゴルフコンペや親睦旅行などを通して会員の交流機会を創出していましたが、コロナ禍で中止していました。 昨年になり、ゴルフコンペやゲートボール大会などの一部イベントは再開しているものの、まだ以前の活動には戻っていないのが実情です。 さらに、会員減少の背景には、会員の高齢化や知名度不足もあるそう。それにコロナ禍でのイベント中止が追い打ちをかけ、この2年で退会者も出ています。 今年の活動は、感染対策をしながらスポーツ大会などを県内でおこなう予定。活動の再開によって、会員数が戻ることを期待しているそうです。 ”集まり”に参加することで介護予防に 住民同士の交流会や介護予防教室、趣味活動など、高齢者の集いの場は各地域にありますが、なかなか参加者が集まらないものもあるようです。 しかし、高齢者の健康について研究している日本老年学的評価研究によると、こうした集い場に参加することで要介護リスクが下がることがわかっています。さらに、継続して参加することで、介護度の重度化リスクがほぼ半分になるという研究もあります。 コロナ禍で、人が集まる場所に行くことに抵抗を感じることもあるかもしれませんが、過度な外出自粛はむしろ健康を損ねる原因になる可能性も。頻繫でなくても、少しずつ人と交流したり身体を動かす機会に参加していきたいですね。
2022/05/24
高齢者の新型コロナウイルスの治療に関して、さまざまな問題が発生しています。 高齢者が新型コロナに感染すると、症状が重症化しやすいだけでなく、持病の悪化や誤嚥性肺炎などの他の病気を発症することも。さらに、入院・療養によって身体機能や認知機能が低下するリスクもあります。 そこで東京都は、介護施設に対してリハビリ専門職員の派遣を開始することを明らかにしました。 理学療法士や作業療法士などの専門家が、入居者の状況に応じたリハビリプログラムを提供するそうです。 専門家が療養後のリハビリを支援 今月16日、東京都が新型コロナの感染者が発生した介護施設にリハビリ専門職員の派遣をすることを発表しました。 派遣されるのは、理学療法士・作業療法士というリハビリに特化した専門のスタッフ。施設の状況や入居者の身体状況に応じたリハビリプログラムを提供します。 具体的には、「立ち上がりができなくなった」「歩行ができなくなった」という高齢者に対して、理学療法士が動作の練習をおこなったり身の回りの環境を整備することで動作の回復を支援します。 さらに、「表情の変化が少なくなった」「呼びかけへの反応が薄くなった」などの認知機能の低下が疑われる場合には、レクなどの参加の仕方を提案したり離床している間の活動についての助言をおこないます。 こうした支援を受けられるのは、新型コロナの感染終息1ヵ月以内に3回。また、職員の派遣に伴う介護施設の費用負担はなく、支援時に利用する備品などの負担のみで済むそうです。 コロナ療養で状態が悪化 今回の東京都の取り組みが始まった背景には、感染した高齢者が療養が終わった後に身体機能や認知機能が低下しているケースが少なくないという問題があります。 新型コロナの療養中は、ベッドの上で寝たきりでほとんど運動ができません。こうした状況が長引くと、筋力が落ちて立ち上がりや歩行といった日常動作ができなくなることもあります。 さらに、他の入居者やスタッフとの交流もなくなるため、刺激が減って認知機能が低下することもあるのです。 そうした状況の回復には、理学療法士・作業療法士といった専門家の支援が重要。しかし、多くの介護施設ではそれらの専門家が常駐しておらず、適切な対策が難しい状況です。 そのため、今回の東京都の支援は高齢者の状態を回復するのに効果がありそうですが、対象が施設内療養をおこなった場合に限定されているのが懸念。入院して身体状況が悪くなった人には適用されないようなので、注意が必要です。
2022/05/17
世界一の長寿国ということもあり、多くの地域で高齢者の介護予防のための活動がおこなわれています。 例えば、静岡県湖西市では介護予防教室が開かれて、顔の体操などを実施。さらに、大分県杵築市ではボランティア団体による介護予防体操などがおこなわれています。 しかし、こうした取り組みには課題もあります。それは、運営団体のメンバーの高齢化。それにより人手不足という問題が起きているそうです。 介護予防教室が継続できない 高齢化に伴って、各地では地域の高齢者に対して介護予防教室などの取り組みが盛んにおこなわれています。 例えば、今月11日には静岡県湖西市の老人福祉センターで介護予防教室が開催されました。 この教室では、手で口角を引き上げたり口の中で舌を回したりなど口周りを動かす体操や、発声練習などをおこなって顔の筋肉を動かす運動を実施。こうした体操をおこなうことで、コロナ禍でマスク生活が長引くなかで固まりがちな顔を動かして印象アップできるそうです。 また、大分県杵築市ではボランティア団体「ねこの手」による介護予防のための活動がおこなわれています。 具体的には、団体のメンバーが高齢者宅を訪問して、高齢者の健康状態を確認しながら体操の指導をしたり、介護認定を受けていない高齢者向けの体操や散歩なども実施しています。 しかし、この団体を運営するメンバーが高齢化しており、担い手不足に直面。60~70代の運営メンバー29人で活動を支えているそうです。 運営メンバーが集まらないのには、活動がシフト制のため運営希望者が仕事の時間を融通しにくいことが参加のハードルになっていることがあるそう。若い現役世代の担い手の確保が急務となっているものの、難しいのが実情です。 こうした状況を受けて杵築市は、まずは退職した60代に参加を呼びかけていくとのこと。ボランティア養成講座などを通して、新しい担い手の育成を継続していくそうです。 「ボランティアは無償が当たり前」を変える 全国的に「介護予防教室」などが開催されていますが、それを支える人手が不足しているのが現状のようです。 湖西市の活動のように、地域包括支援センターなどの自治体が主体となって運営しているのであればこうした問題は起こりにくいのですが、市民ボランティア団体が主体となると今後も人手の確保は難しいでしょう。 そこで、ボランティアを無償ではなく有償にするのもひとつの手。「社会貢献活動は無償が当たり前」という私たちの意識を根本から変えていかないと、将来的にこうした活動がなくなってしまう可能性もあるかもしれません。
2022/05/17
コロナ禍で外出自粛が長引いており、運動不足になりやすい状況が続いています。ただ、注意したいのが、高齢になるとその運動不足が要介護状態を引き起こす原因になる場合もあるということです。 しかし、運動不足を感じつつも、具体的に何をしたら良いのかわからないこともあるのではないでしょうか。 そこで、神奈川県藤沢市にある「湘南ロボケアセンター」が装着型サイボーグ「HAL(ハル)」を使った介護予防の無料体験会を開催。トレーニングやエクササイズなどを専門スタッフが指導してくれるそうです。 ロボットを使って介護予防 神奈川県藤沢市の「湘南ロボケアセンター」が、「ロボケアFIT無料体験会」をおこなうことを明らかにしました。 この体験会では、センターを運営するサイバーダイン社が開発した装着型サイボーグ「HAL」のデモンストレーションや、ボールエクササイズなどを実施。5月と6月にかけて計6回おこなわれ、各回5名までの予約制です。 HALとは、脚や腰に装着することで動作の補助をおこなうロボット。人間の神経に流れる微弱な電気信号をキャッチして、それにあわせて「立ち上がる」「歩く」といった動作を支援します。 単なる筋力の補助とは異なり、「動きたい」という電気信号によって動くため、事故や病気で身体を動かせなくなった人も自分の意思で身体を動かすことが可能に。そして、HALを使ってトレーニングをしているうちに神経や筋肉の動きが促進されて、身体機能を回復できるそうです。 このセンターでは、このロボットを使ったトレーニングプログラムを提供。脊髄損傷や麻痺などで身体を動かせなくなった人や筋力が低下した人などの歩行トレーニングをおこなっています。 今回の体験会では、専門のスタッフが指導。少人数なのでスタッフと話しながら和気あいあいとした雰囲気で進められるそうです。 運動不足が要介護を引き起こす? 外出自粛によって運動量が減ると、身体機能が衰えやすくなります。加えて、人との交流も減るので、 認知症リスクも上昇。そうした状況をそのままにしておくと、要介護状態になってしまうかもしれません。 だからといって、すぐに「外に出て運動しよう」とは思えないもの。普段、運動する習慣がないと何をしたら良いのかわかりませんし、「怪我をしたらどうしよう」と不安になってしまいますよね。 そうしたときに、今回の体験会のようなきっかけがあると良いかもしれません。さらに、ロボットに支えてもらいながらだと、自分ひとりでは難しいこともサポートしてもらえそうですよね。
2022/05/13
2年以上にわたるコロナ禍で「誰かと一緒に笑う」という場面が減った人もいるのではないでしょうか。 外出の自粛によって家族や友人と会う機会が減り、1日中、誰とも会わない日がある人もいるかもしれません。 しかし、東北大学の研究によって「友人と笑う」人は、「1人で笑う」人よりも要介護リスクが3割も低いことがわかりました。 「誰かと一緒に笑う」が介護予防に 今年4月、東北大学は「友人と一緒に笑う高齢者は1人で笑う高齢者よりも介護リスクが下がる」という研究結果を発表しました。 この研究は、「笑う場面」や「誰と一緒に笑うか」に着目したもの。これまでの研究では、笑いの頻度のみに着目しており、これらの要因と要介護リスクの関係を調査したものはなかったそうです。 今回の研究では、約1万2600人の高齢者を約6年間にわたって追跡調査。アンケートで「友人と話をしているとき」「子供や孫と接しているとき」「テレビやビデオをみているとき」といった場面を対象者が選択することで、「笑う場面」「誰と一緒に笑うか」を調べました。 その結果、誰かと一緒に笑う人は1人でいるときのみ笑う人よりも要介護リスクが23%低いことがわかりました。さらに、誰かと笑う場面が多い人ほど要介護リスクが低いことも明らかになったそうです。 加えて、友人と笑う人は1人で笑う人よりも要介護リスクが約30%低いことも判明しました。 孤独が要介護リスクを高める 内閣府の調査によると、単身高齢者世帯が増加傾向。そのうえ、長引くコロナ禍で孤立する高齢者が増えています。 こうした高齢者の孤独は、要介護の前段階であるフレイルや要介護リスクを上昇させることがわかっています。 というのも、外出の頻度が下がることで活動量が減って身体機能が低下したり、人との交流がないことで気持ちが落ち込んだり認知症のリスクが高まるから。そのため、孤独を避けることが要介護リスクを下げることにつながります。 さらに、今回の研究で「友人と笑うこと」が要介護リスクを低下させることもわかりました。 コロナ禍では、直接会うことは難しいですが、電話やオンライン会議アプリなどを使って友人と話す機会を増やしていきたいですね。
2022/05/11
この数年、日本の介護予防の対象は「要介護リスクの高い人」から「高齢者全員」という方針に変化。全国の自治体では、地域の高齢者に対して介護予防を促す取り組みがおこなわれています。 例えば、佐賀県みやき町では「みやき健幸大学」を3ヵ月にわたって開催。60歳以上の高齢者を対象に、認知症や生活習慣病、運動などの健康管理に関わる講座をおこなうそうです。 高齢者限定の「大学」とは? 佐賀県三養基郡みやき町では、町内の60歳以上の高齢者を対象に週2回の「みやき健幸大学」を開校しました。 この大学では認知症や生活習慣病、薬といった高齢者が抱える健康全般の悩みから、介護用具や在宅介護についてなど将来に備える内容までさまざま。福岡大学や総合病院、地域のクリニックなどの専門家が講師となり、専門的な講義内容を受けられます。 例えば、九州に25店舗を展開している堺整骨院が「健康寿命と肩甲胸郭(姿勢)の重要性」の講座を実施します。 健康寿命とは、病気や身体機能などの低下によって日常生活が制限されずに暮らせる期間のこと。日常的に介護を必要とせずに生活できる年数のことを表します。 この講座では、この健康寿命を延ばすために”姿勢”の観点から講座をおこなうそう。できるだけ介護を必要とせずに生活できる期間を延ばせるような講座内容になっています。 また、週1回はみやき健幸大学の会場である「市村清記念メディカルコミュニティセンター」内にある「MIYAKI GYM(みやきジム)」で筋力トレーニングも実施。高齢者でも使いやすいトレーニングマシンを使い、座学だけではなく身体を動かすこともできます。 この大学は、月曜日と水曜日の午後に開講。1コマ50分の講義を8月24日までおこなう予定です。 すべての高齢者が介護予防する時代に 高齢化に伴って、日本では高齢者全体の介護予防に注力するようになりました。 というのも、これまでの「要介護リスクが高い人を選別して介護予防をする」という方法では、対象者が介護予防教室などの参加を拒否することが多かったから。そのため、高齢者すべてを対象とすることで、より多くの人に介護予防の意識を持ってもらう方針に変更したのです。 また、こうした介護予防教室などに通うことは、知識を付けるだけではなく、地域とのつながりを作ることにも。社会参加をしている人は要介護リスクが低いという調査結果もあるので、今回のみやき健幸大学に参加するだけでも介護予防になるかもしれませんね。
2022/05/09
高齢になると、身体機能の衰えから歩行が難しくなることで外出の機会が減ってしまうことがあります。 その状態が続くと、さらに身体機能が落ちたり気持ちも落ち込んでフレイル状態になることもあるのです。 そこで、多数のロボットを開発しているZMPが自動走行するロボット「ラクロ」を開発。今回、介護施設と医療機関の間を結ぶ地域住民向けのサービス「医療ベルト」を開始するそうです。 施設と医療機関をロボットで移動 無人宅配ロボや無人フォークリフトなど、数多くのロボットを開発してきたZMPが自動運転の1人乗りのロボット「ラクロ」を開発。今回、試験的に介護施設と医療機関を結ぶ移動サービス「医療ベルト」を東京都中央区で提供するそうです。 このロボットは、自動運転で走行。利用者は取り付けられたタブレット端末を操作するだけで、運転する必要はありません。 また、時速6キロメートル以下で走るため、分類としては電動車いすなので公道を走行可能。センサーによって、赤信号での停止や人や自転車などが飛び出してきたときの一時停止もできるので安全面でも配慮されています。 さらに、ロボットの正面には目があり、すれちがう歩行者に笑顔でアイコンタクトを取るそう。街中でも溶け込めるように親しみやすいデザインにしています。 今回開始する「医療ベルト」は、このロボットを使って医療機関同士や介護施設と医療機関をつなぎ、手軽にアクセスできるようにするのが目的です このサービスが開始された中央区は、公共交通があるものの乗り換えが必要で高齢者にとって移動が大変なエリア。そこで、医療機関や介護施設を結ぶことで、交通の利便性を上げる狙いがあります。 今後は、さらに多くの医療機関や駅にも移動できるように新しいルートの整備をおこなうそうです。 フレイル予防になるかも? このロボットを使うことで、利用者はもちろんのこと付き添いの介護者が車いすやシニアカーの運転から解放されて負担が減るのではないでしょうか。 また、長距離の歩行が難しかった人がこのロボットを使うことで、外出のハードルが低くなって外に出る回数が増える可能性も。フレイル状態の予防にもなるかもしれませんね。
2022/05/02
テレビゲームをスポーツのように競い合う「eスポーツ」。ゲームは若者たちのものと思いがちですが、脳が活性化されて認知機能が高まるという研究もあり、高齢者の参加を促進する取り組みが広まっています。 例えば、NTT東日本は、東北福祉大学と仙台eスポーツ協会と連携して、eスポーツを活用した高齢者のフレイル予防、デジタル格差の解消を目指した実証実験をおこないます。 また、高齢者専用の「シルバーeスポーツジム」が埼玉県に登場。地域の高齢者の集いの場になっているそうです。 「高齢者×eスポーツ」が注目 NTT東日本がおこなうのは、東北福祉大学と仙台eスポーツ協会と連携した共同実証実験。高齢者の健康増進やフレイル予防にeスポーツやデジタル機器が良い効果を与えるのかを検証します。 この実証実験では、高齢者向けのeスポーツ体験会やタブレット端末などのデジタル機器の体験会を開催。それらの体験によって得られたデータを分析して、具体的にフレイル予防・デジタルデバイド解消の効果を測定するそうです。 また、昨年12月には埼玉県さいたま市に55歳以上の人向けのコミュニティカフェ「シルバーeスポーツジム」がオープンしました。 この店内には、複数のゲーム機と座席を用意。1人用が4台、2人用が2台、4人用の大スクリーンが1台設置されており、1人でも友人と一緒でも楽しめるようになっています。 ここで用意されているゲームは、初めてゲームをする人向けのものや中級者以上向けのものも。もちろん、初めての人にはジムのスタッフが丁寧にレクチャーしてくれるそうです。 また、コーヒーやお茶などのドリンクバーのオプションもあるそうです。 ゲームで高齢者が健康に 「若者向け」というイメージが強いeスポーツですが、高齢者の健康増進に効果があるという研究結果もあるそうです。 というのも、身体を動かすスポーツだと高齢者には負担が大きいですが、ゲームであれば激しく身体を動かすことがないので高齢者にうってつけ。ゲームの成績を競い合ったり、協力してゲームを進めるといった人との交流のきっかけにもなるので、フレイル予防の効果も期待されています。 だからといって、やったこともないゲームを始めるのには抵抗がありますよね。そういうときに、「eスポーツジム」などレクチャーしてもらえる環境があると初めてでも挑戦しやすいかもしてません。 「ゲームなんて難しくてできない」と思わずに、新しいことにチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。
2022/04/22
コロナ禍が長引いていることで、身体を動かす機会が減って不調を感じている人もいるかもしれません。 例えば、「ひざが痛んで歩くのが大変」「肩が痛くて腕が上がらない」など生活に支障が出るような状態になると、さらに身体を動かすのが辛くなりますよね。 そうしたときに、病院に通うのではなくトレーニングジムで身体を動かすシニアが増えているようです。 例えば、岐阜県にあるスポーツジム「energy」では、高齢者専用のトレーニングマシンを使って身体の不調が改善するシニアが増加。「杖なしで歩けるようになった」などの効果を感じている人もいるそうです。 そこでこのジムでは、毎週日曜日の「羽島健活!ジム利用無料開放サービス」を開始。多くのシニアが活用しています。 高齢者専用の筋トレマシン? 岐阜県羽島市にあるリアル筋力ジム「energy」では、毎週日曜日に「羽島健活!ジム利用無料開放サービス」を実施しています。 これは、コロナ禍の外出自粛によって身体機能が落ちた高齢者が要支援・要介護状態にならないように気軽に身体を動かせる機会を作ることを目的としているそうです。 また、このジムでは高齢者専用の筋トレマシンを12台設置しています。 これらの筋トレマシンが一般的なものと異なるのは、「立ち上がり」「ひざ上げ」「腕ふり」といった日常生活でおこなう動作をマシンでトレーニングするところ。正しい姿勢での身体の動かし方を筋肉に覚えこませることを目的としており、このマシンを使うことで自然と姿勢が矯正されていきます。 このマシンを使うとひざや腰などの痛みの原因となる姿勢の崩れを改善するため、徐々に日常生活が楽になっていくそう。重りを使って筋肉に強い負荷をかけてトレーニングするわけでないので、関節を痛めることもないとのことです。 また、不調の改善は1回10分ほどのトレーニングで感じられる人も多くいるそうです。 コロナ禍の運動不足解消に 外出自粛で運動不足を感じていても、なかなか1人では運動ができない人も多いのではないでしょうか。 特にひじやひざなどの関節は、動かさなくなるとだんだん動きづらくなっていくもの。コロナ禍で身体を動かす機会が減って「身体が固くなった」と感じている人もいるかもしれません。 そこで、こうしたジムがあると気軽に運動できて、運動不足が解消できそうです。 ただ、高齢者向けのトレーニングマシンを設置しているジムがまだ多くないのが現状。このジムで設置されているようなマシンが一般的になって、気軽に利用できるようになってほしいですね。
2022/04/22
2025年には65歳以上の高齢者が3677万人にもなり、その後も増加すると想定されています。 それに伴って、介護が必要になる人も増加する見込み。そのため、いかに健康寿命を延ばすのかがこれからの日本社会のカギになるとされています。 そこで日本医学会連合は、「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」を発表。介護が必要になるきっかけの大部分を占める「フレイル」と「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の予防と改善を呼びかけています。 要介護の原因のフレイルとロコモとは 日本医学会連合は「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」を発表しました。 「フレイル」とは、老化によって心身の機能が低下している状態。歩行速度が遅くなるなどの身体機能の衰えに加えて、意欲の低下などのメンタル面での不調も含まれます。 また「ロコモ」とはロコモティブシンドロームの略称で、立ったり歩いたりといった広い意味での移動機能が低下している状態のこと。特に身体の能力に注目した考え方です。 日本医学会連合によると、フレイルは介護が必要になった原因のほとんどに関連しており、ロコモは骨折や関節疾患などの運動器の障害によるものと関連しているそうです。 そのため、健康寿命を延ばしていつまでも元気に過ごすためには、フレイルとロコモの対策をすることが大切。そこで、日本医学会連合は次の4つの宣言を発表しました。 フレイル・ロコモは、生活機能が低下し、健康寿命を損ねたり、介護が必要になる危険が高まる状態です フレイル・ロコモは、適切な対策により予防・改善が期待できます 私たちは、フレイル・ロコモ克服の活動の中核となり、一丸となって国民の健康長寿の達成に貢献します 私たちは、フレイル・ロコモ克服のために、国民が自らの目標として実感でき実践できる活動目標として80歳での活動性の維持を目指す「80GO(ハチマルゴー)」運動を展開します 健康寿命を延ばすために 世界一の長寿国である日本。しかし、高齢者の生活の質を上げるには。介護や病気などによって日常生活に制限がない期間である「健康寿命」を延ばすことが大切だそうです。 その健康寿命は平均寿命より10年ほど短く、健康寿命と平均寿命の差が縮まらないのが実情。長く元気で活動し続けるためには、フレイルとロコモの予防や改善が重要です。 また、フレイルやロコモの予防をすることは要介護状態になることを予防することにもつながります。自分らしい生活を続けるためにも、運動や食事など健康的な生活習慣を続けることが大切なのかもしれませんね。
2022/04/20
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。