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#地域の取り組み

#地域の取り組み #要介護者の避難計画

石川県、高齢者ら「災害弱者」避難所を設置。3.11の死者9割が高齢者のワケは

2024年1月1日、能登半島を中心に巨大地震が発生。これを受けて、特に被害が大きいとみられる石川県は、高齢者や障害者など、より手厚い支援を必要とする人々(要配慮者)が安心して避難できる「二次避難所」の設置に向けた準備を始めたことを明らかにしました。 災害の被害を最小限に食い止めるためには、要配慮者が速やかに避難できたり支援を受けられたりする仕組みづくりが欠かせないということが過去の教訓からわかってきています。 2011年に日本列島を襲った東日本大震災では、「震災関連死者」の大半が66歳以上の高齢者であることが判明。これを受けて政府は高齢者や障害者、妊産婦など、避難に手厚い支援が必要な人をまとめた名簿の作成を、全国の各自治体に義務付けたのです。 高齢者など「災害弱者」のための二次避難所を設置 2024年1月1日、能登半島を中心に最大震度7相当の地震が発生。特に被害が大きかった石川県では、「二次避難所(福祉避難所)」の設置に向けた準備を始めたと言います。 「二次避難所」とは、高齢者や障害者、乳幼児など、災害時に特に手厚い支援や配慮が必要となる「要配慮者」が対象となる避難所のこと。手厚い支援を必要とする要配慮者が十分な支援を受けられるようにするため、一般の人は直接二次避難所に避難することはできません。 石川県によると、二次避難所は石川県南部の南加賀を中心とした13市町で設置予定とのこと。建物は旅館やホテル、公共施設などを活用していくそうです。 今後、金沢市のスポーツセンターで希望の聞き取りをおこなったあと、二次避難所の利用を希望する要配慮者から順番に二次避難所に移ることになります。 東日本大震災の死者9割近くが高齢者!? これまでのデータから、高齢者は特に震災における死亡リスクが高いことが明らかになっています。 復興庁のデータによると、2011年3月11日に起きた東日本大震災における震災関連死のほとんどは66歳以上の高齢者であることが明らかになりました。 ちなみに「震災関連死」とは、地震による建物の倒壊や津波など直接的・物理的な理由ではなく、長引く避難生活などで身体的に強い負担がかかることで起こった疾病などにより間接的な理由で亡くなることを指します。 東日本大震災の影響が特に大きかった岩手・宮城・福島の3県における震災関連死者数は以下のとおりです。 都道府県合計震災関連死者数(人)66歳以上(人)66歳以上の割合福島2313207989.8%宮城92980987.1%岩手46940486.1% 参考:「東日本大震災における震災関連死の死者数」(復興庁) 以上の図を見るとわかるように、岩手・宮城・福島のいずれにおいても、震災関連死と認められた人の85%以上が66歳以上の高齢者でした。 では、なぜ高齢者の震災関連死が多いのでしょうか? 災害の現場で高齢者などの要配慮者の対応をおこなう「防災介助士」の育成を手がけている日本ケアフィット共育機構によると、「災害時において特別な支援を必要とする要配慮者を想定した防災がなされていない」と言います。 例えば、津波の状況などを知らせる緊急情報は、放送などの音声でのみ伝えられることも少なくありません。しかし、それだと耳が不自由な人は重要な情報を入手できない可能性もあるのです。 高齢者などの要配慮者も安全に避難できる環境を整えるためには、包括的な対策を考えていくことが重要だと考えられるでしょう。 東日本大震災を経て”災害弱者”名簿作成へ 多くの死傷者を出した東日本大震災の教訓から、高齢者や障害者などの要配慮者に関する情報提供や避難生活中の対応が不十分な場面が多数みられたことがわかりました。 それを受け、政府は2013年に災害対策基本法を改正。災害が起きたときに自力で避難することが困難な高齢者や障害者、妊産婦等をまとめた「避難行動要支援者名簿」を作成することが全国の市町村に義務付けられました。 「避難行動要支援者名簿」に掲載された情報は、当事者の同意の上で平常時から民生・児童委員をはじめとした各地域の防災組織や地域包括支援センター、消防機関、警察機関等に共有され、状況確認や避難訓練など、災害に備えた活動に活用されます。 個別避難計画の策定が終わっているのはほんの一部 日本は地震だけでなく、台風の被害にもしばしば見舞われます。特に2019年に発生した台風19号は、全国的に大きな被害をもたらしました。 これを受けて、政府は2021年にも再度災害対策基本法を改正。高齢者や障害者、妊産婦等の避難行動要支援者について、個別避難計画を策定することを市町村の努力義務としました。 その後、個別避難計画の進捗状況を把握するため、内閣府と消防庁は各自治体の団体に対して調査をおこないました。その結果、個別避難計画の策定がすべて終了している団体は、わずか8.7%に留まることが明らかになったのです。 参考:「個別避難計画の策定等に係る進捗状況の把握について(フォローアップの結果)」(内閣府、消防庁) 避難計画の策定が遅れている要因について、内閣府の防災担当者は「福祉関係者を含む多様な関係者を巻き込み、支援者を確保するための具体的な方策が確立していないからではないか」と分析しています。 地域とのつながりが希薄になりがちな現代社会において、要配慮者が安全かつ適切な避難を実行するためには福祉専門職の協力が欠かせません。地域に住む高齢者が安心して日々を過ごせる社会をつくるためにも、福祉と自治体がうまく連携できるような枠組みをつくっていってほしいですね。

2024/01/12

#介護職員 #地域の取り組み #社会問題

介護職員へ居住手当を支給。介護業界の人材不足の改善を目指して

2024年1月7日、東京都は2024年度から都内で働く介護職員に対し、1人当たり最大月2万円の居住支援手当を支給することを明らかにしました。 団塊世代の全員が75歳以上の後期高齢者となる2025年が近づく中、少しでも介護人材を確保しようというねらいがあるそうです。 1人1~2万円の居住支援手当を支給 1月7日、東京都は2024年度から都内で働くおよそ16万8000人の介護職員に対して、居住手当を支給することを明らかにしました。対象となるのは、居住支援手当を新たに設けた介護事業所に務める職員とケアマネジャーで、1人当たり月1万円を支給するとしています。 また、給料が伸びにくい若手を支援し、介護業界への転職を促すため、勤続5年以内の職員にはさらに月1万円を加算するそうです。 さらに、障害福祉サービス事業所で働く職員に対しても同様の手当を支給すると言います。 2025年問題とは 今回、東京都が介護事業所で働く職員に対して手当を支給する背景には、「2025年問題」があると考えられます。 そもそも、この「2025年問題」とはどのような問題なのでしょうか? 2025年は、ベビーブームだった1947~1949年の期間に生まれた、いわゆる「団塊世代」が全員75歳以上の後期高齢者となる年。人口比率が高い世代の人たちが全員後期高齢者となることで起こる、さまざまな問題を総称したものが「2025年問題」なのです。 中でも深刻な課題だと言われているのが「労働力不足」。これは介護業界でも同様で、東京都の調査では、2025年度には都内の介護人材が3万人以上不足するとみられています。 今後も高齢者が適切な福祉にアクセスできる体制を維持していくためには、労働力を少しでも介護・福祉に集める施策を打つことが重要です。そこで、都は職員に手当を支給することを決めたのだと考えられます。 今回の施策がうまくいって、少しでも多くの若手人材が介護業界を志してくれるといいですね。

2024/01/09

#介護予防 #地域の取り組み

体操で歩く能力を伸ばす!?動画を見て簡単に「ロコモ体操」ができる

厚生労働省は、国民が高齢になっても健康な毎日が送れることを目指した「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環として、「毎日かんたん!ロコモ予防」と題した特設ウェブコンテンツを公開したことを明らかにしました。 ロコモとは立ったり歩いたりなどの身体能力が低下した状態のこと。この状態を放置すると、将来要介護や寝たきりの状態になりやすくなるといいます。 担当者は、「本コンテンツが、国民一人ひとりの健康づくりや健康支援に役立てられることを願っている」と述べています。 「ロコモ」とはどのような状態か ロコモは、正式には「ロコモティブシンドローム」と言い、2007年に日本整形外科学会が提唱した言葉だと言われています。 日本整形外科学会によると、ロコモとは加齢にともなう筋力の低下や関節・脊椎の病気、骨粗しょう症などが原因で要介護や寝たきりになったり、そのリスクが高かったりする状態のことを指すそうです。 東京大学22世紀医療センターの研究によると、現在日本におけるロコモとその予備軍の人口は、推計4700万人にも上ることが判明。これは、4000万人弱の人がかかっているとされる、高血圧の人口よりさらに多い数字です。 日本整形外科学会によると、特に女性がロコモの状態になりやすいとのこと。厚生労働省の調査では、要介護状態になる原因の3割を筋肉や骨などの運動器の障害が占めていることが明らかになっています。 ロコモの状態を防ぐためには? では、ロコモの状態を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか? 厚生労働省が今回公開したウェブコンテンツ「毎日かんたん!ロコモ予防」では、日本整形外科学会が推奨している「ロコトレ」という運動を動画で視聴可能。高齢者でも取り組みやすいようにアレンジされたスクワットなどのやり方が公開されています。 日本整形外科学会も「ロコモを防ぐためには、運動が最も大切である」と述べています。長く健康に過ごすためにも、毎日少しずつ運動の習慣を取り入れていきたいですね。 参考:「毎日かんたん!ロコモ予防」

2023/11/10

#お役立ち情報 #地域の取り組み

高齢者でも使いやすい!?気軽にキャンプやバーベキューが楽しめる!

グランピング施設の開発支援などを手がける株式会社ユースリーは、今回初めて開業するグランピング施設「Flat Glamping Nagasaki」の予約受付を開始したことを発表しました。 施設全体を通して、身体機能が衰えた高齢者や障害のある人が使いやすいユニバーサルデザインなのが大きな特徴。2023年12月16日にオープン予定だそうです。 新しいグランピング施設はユニバーサルデザイン ユースリーは、今回初めて手がけるグランピング施設「Flat Glamping Nagasaki」の予約受付を開始したことを明らかにしました。 「Flat Glamping Nagasaki」のオーナーを務める宮田貴史氏は理学療法士でもあり、その専門的知見をもとにだれもが楽しめる「ユニバーサルデザイン」の空間設計をおこなったといいます。 ユニバーサルデザインとは、健常者はもちろん、高齢者や身体障害がある人も安全かつ快適に使えるデザインのこと。例えば「Flat Glamping Nagasaki」では、施設全体でスロープでの移動を可能にしたり上体を起こすのが難しくなった高齢者でも置きやすいリクライニングベッドなどを導入したりしているそうです。 朝日を眺めながらコーヒーを堪能できる ユースリーが今回新たに開くグランピング施設の概要は以下のとおりです。 施設名:Flat Glamping Nagasaki 開業日:2023年12月16日 住所:長崎県長崎市長浦町1812-17 設備:ドームテント内にプライベートウッドデッキ、個別シャワー、バスタブ、トイレ付き 施設では、必要に応じてベッド柵や点滴スタンドなどの福祉用具のレンタルが可能。手すり付きのお風呂や車椅子ごと入りやすいトイレなど、高齢者も使いやすい設計になっているといいます。 また、「Flat Glamping Nagasaki」から大村湾が臨めるといい、朝日を眺めながらコーヒーを飲むこともできるそうです。高齢者が過ごしやすい新しい形のグランピング、気になった方は予約してみてはいかがでしょうか。

2023/10/26

#介護 #地域の取り組み #調査結果

介護施設で旅行イベント!?入居者と家族や友人のみんなで東京観光

全国各地で高齢者施設を展開している株式会社サンガジャパンは今回、全国55ヵ所にある自社の有料老人ホーム「翔裕館」の入居者向けの旅行企画を立ち上げました。第一弾は東京観光で、国会議事堂や東京スカイツリーなどを見学するといいます。 「大人の旅行倶楽部」を立ち上げ サンガジャパンは「翔裕館」の入居者に向けて、「大人の旅行倶楽部」という外出を楽しむ企画を立ち上げたことを明らかにしました。 翔裕館では、これまでも熱海旅行などの旅行企画を実施。入居者が旅行を励みにリハビリに取り組む姿などを目の当たりにしたことで、今回新たに、入居者の家族や友人と一緒に楽しめる企画を打ち出すことにしたそうです。 また、旅行には介護職員も帯同し、必要であれば食事などの介助をおこなうとしています。 「大人の旅行倶楽部」第一弾の具体的な内容は以下のとおりです。 開催日時:2023年11月9日(木)9時30分~17時45分 対象:座った姿勢が保てる翔裕館の入居者とその家族、もしくは友人 費用:大人ひとり2.5万円 当日は、国会議事堂や東京スカイツリーを見学し、銀座で鉄板焼きを楽しむ予定だといいます。 旅行をする人は失望感が低い傾向に 最近の研究で、旅行によく行く人はそうでない人に比べて、人生の失望感を抱くことが少ない傾向にあることが示されました。 東北大学加齢医学研究所が3年間にわたって、約90人を対象に調査を実施。対象者に「自分の人生は退屈だと感じるか」「将来に不安があるか」「自分の人生は意味がないと感じているか」という「失望感」を測る質問を載せたアンケートをおこない、その結果を分析しました。 その結果、過去5年間の旅行回数が多い人ほど、人生に対する失望感が低い傾向にあることが明らかになったのです。 施設に入居してから、外出の機会が大きく減ったという人も少なくありません。今回のような取り組みが広まっていけば、入居者がより前向きな気分で毎日を過ごせるようになりそうですね。 参考:「旅行をすれば認知症を予防できる?高齢者の「主観的幸福感」を向上」(保健指導リソースガイド)

2023/10/16

#地域の取り組み #認知症

認知症の方によるレストラン!?店長と料理長として、もう一度お店に

東京都八王子市で、認知症当事者が店長と調理長を務めるレストランがオープンしました。発生した収益は材料費やスタッフの謝礼に使われ、今後、月2回ほど店を開くといいます。 認知症当事者がレストランをオープン 認知症当事者である男性2人が店長と調理長を務めるレストランが、東京都八王子市でオープン。ポークカレーとキーマカレー、合わせて50食を訪れた一般客に提供しました。 2人は、認知症になる前は飲食店を営んだりファミリーレストランの店長をしていたりしたといいます。現在は2人とも市内にあるデイサービスに通っており、そこで「もう一度お客さんの前に立ちたい」という思いを打ち明けたそうです。 2人の思いを聞き入れたデイサービスの事業者は、市内のシェアキッチンを借り、店舗の準備をスタート。一定の準備期間を経て今回の実施にこぎつけたといいます。 店長と調理長という大役を担った男性2人は、「調理場に立つと昔のことを思い出して懐かしくなる」「また店に立てて良かった。帰るときに『おいしかった』と言ってもらえるとうれしい」と話しているそうです。 料理をすることが認知機能の改善にも 最近の研究で、料理をすることがさまざまな心身機能の改善につながる可能性が示されています。 京都教育大学の湯川夏子氏は、各地の高齢者施設などでおこなわれている「料理療法」を「料理活動を介して、心身の障害の機能回復や情緒の安定、豊かな人間関係の構築と生活の質の向上を目指すもの」と定義。料理がもたらす効果を、自身の論文で示しました。 また、アメリカの研究で、調理が認知症の症状の改善にもつながることが示唆されています。具体的には、メニューを考える、複数の作業を平行しておこなう、冷蔵庫にある食材を思い出すなどの調理にまつわる一連の行為が、認知症やその前段階である軽度認知障害において特に低下しやすい種類の認知機能を刺激するそうです。 料理をすることは、「自分にも美味しい料理が作れる」「みんなの役に立てた」という自尊心の回復にもつながります。今回紹介したような取り組みがさまざまな場所で広がっていけば、認知症になってもより豊かに生きられる社会になりそうですね。 参考:「料理療法 ─調理による認知症ケアと予防の効果─」(日本調理科学会)

2023/10/12

#介護職員 #地域の取り組み

外国人を介護業界が積極採用!?利用者と異文化コミュニケーション

過疎化や高齢化などが原因で人口減少が続く福島県では、介護・福祉分野においても人手不足に悩んでいる事業所が少なくありません。そこで福島県では、外国人人材の積極的な登用を推進。その結果、10年前と比べて介護・福祉分野で働く外国人人材の数は10倍になったことがわかりました。 福島県で外国人人材の積極的登用が進む 福島県がおこなった調査によると、県内の要支援・要介護者認定者数は2022年9月末時点で11万3968人であることが判明。介護保険制度が始まった2000年の4万1622人と比べると、大幅に増加していることがわかります。 以上のように介護業界における人材の確保が急務となる中、県は老人福祉施設協議会に委託して、面接会や説明会など、外国人人材と介護施設をつなげるマッチングの場を設けているといいます。 その結果、県内の「社会保険・社会福祉・介護事業」分野で働く外国人は、286人に上りました。これは、10年前のおよそ10倍にもなる人数です。関係者は「福島県の介護現場で働く外国人は今後も増えていく」としています。 一方、外国人人材を受け入れる施設側からは「外国人向けの指導要綱が確立されていないため、育成は手探りの状態だ」「指導のノウハウを共有できる場を増やしてほしい」などの声が挙がっているそうです。 外国人人材の受け入れ窓口になっている老人福祉施設協議会の事務局長は、「(外国人受け入れに対する理解の促進や外国人同士の交流の場を設けるなど)外国人が働きやすい環境の整備に努めていく」と話しています。 「施設の世界観が広がった」好意的な声 福島県福島市にあるとある介護事業所では2021年から外国人人材を採用しており、現在はベトナム、ネパール、ミャンマー、中国から来日している計17人が働いているそうです。 利用者が聞き取りやすいように、ジェスチャーを交えながらゆっくり話しかけたり母国の文化を紹介したりして、利用者と打ち解けていく外国人スタッフの姿を目の当たりにした職員は「異文化の風によって、施設の世界観が広がった」と好意的です。 今後、日本各地の介護事業所で外国人人材の受け入れがおこなわれていくことが見込まれています。利用者と外国人人材ともに過ごしやすい環境をつくっていってほしいですね。

2023/10/10

#人材不足 #介護職員 #地域の取り組み

高齢者施設に子どもがいる!?「子連れ出勤」で職員も入居者も笑顔に

高齢者施設の運営などをおこなっている株式会社サンガジャパンは、子どもを持つスタッフがより働きやすい環境を目指して「子連れ出勤」を推進。働き手不足が深刻になる「2025年問題」を目前に、労働環境の整備を図るねらいです。 2025年問題とは そもそも、「2025年問題」とはどのような問題なのでしょうか? 2025年問題とは、1947~1949年に生まれた団塊世代の人が全員75歳以上の後期高齢者になることで起こる問題のこと。内閣府の調査によると、2025年には75歳以上の後期高齢者の人口が2180万人に達すると予測されています。実に、国民のおよそ5人に1人が75歳以上となる計算です。 以上のように、高齢化社会が高度に進展することで、働き手不足や医療・介護体制のひっ迫などが懸念されているのです。 「子連れ出勤」でより働きやすい環境に サンガジャパンが運営している高齢者施設「翔裕館(しょうゆうかん)」では、勤務の際に子どもを連れてくることが可能。施設内でお手伝いをしてもらうことで、子ども自身も心理面で職場に滞在しやすくなり、レクリエーションもより活発化するそうです。 子どもにしてもらう「お手伝い」は、工作などのレクリエーションの補助やテーブル拭きなどさまざま。施設の利用者にとっても、小さな子どもがいることが刺激になるようで、普段は無口な人が積極的に子どもに話しかける場面も見られるといいます。 また、今までは子どもの預け先が見つからなければ仕事を休まなくてはならなかったスタッフが、子連れ出勤制度が導入されたことで勤務可能に。シフトの穴を開けずに済むようになったため、受け入れ側にとってもメリットがあるといいます。 異世代間で交流する場をつくることは、利用者のコミュニケーション力の維持と向上にもつながります。今回のような取り組みがさらに多くの施設でおこなわれるようになれば、利用者もより楽しく毎日を過ごせるようになりそうですね。 参考:「労働力不足、医療人材不足、社会保障費の増大——間近に迫る「2025年問題」とは?」(日本財団ジャーナル)

2023/10/03

#ヤングケアラー #地域の取り組み

ヤングケアラーの無料相談窓口を開設!スマホからいつでも気軽に相談

本来大人が担うべき家族の介護やケアをおこなう「ヤングケアラー」を支援するため、東京都町田市は2023年10月1日から、LINEにて相談窓口を設置することを明らかにしました。 無料相談のほかに、過去にヤングケアラーだった人の体験談やコラムも閲覧できるといいます。 「ヤングケアラー」とは そもそも、「ヤングケアラー」とは、どのような人々なのでしょうか? こども家庭庁によると、ヤングケアラーとは、家族にケアを要する人がいる場合に、本来は大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的におこなっている、18歳未満の子どものことだといいます。 ヤングケアラーが担っているとされる、具体的な仕事の例は以下のとおりです。 障害や病気のある家族の代わりに、掃除や料理などの家事をしている 障害や病気のある家族の身の回りの世話(入浴や食事の介助など)をしている 家計を助けるために労働をしている アルコールや薬物、ギャンブル問題を抱える家族の対応をおこなっている 町田市が相談窓口を設置 以上のような問題を抱えるヤングケアラーの子どもたちを支援するために、東京都町田市は2023年10月1日からLINEにて相談窓口を設置することを明かしました。 10月1日からまちだ子育てサイトに公開される、案内ページにしたがってLINEの友だち追加をおこなうと、過去にヤングケアラーだった人の体験談やコラムを閲覧することが可能に。また、「自分もヤングケアラーかもしれない」と思っている子どもたちが、無料かつ匿名で元ヤングケアラーのカウンセラーに相談できるといいます。 相談者からのメッセージ送信は、24時間365日いつでも可能。ただし、カウンセラーが対応できるのは、平日の午前11時〜午後8時の間だそうです。 ヤングケアラーの実態は年々明らかになりつつありますが、支援の手が届きにくい実情があります。今回の町田市の取り組みが全国的に普及していけば、よりスムーズに子どもたちに支援を届けることができるようになるかもしれませんね。 参考:「ヤングケアラーについて」(こども家庭庁)

2023/10/02

#介護者への支援 #介護職員 #地域の取り組み

ケアマネ同士が交流できる!スキルを高める講座「ケアマネcafe」

NPO法人未来をつくるkaigoカフェは、ケアマネジャーが集まってお互いのスキルを高めていく新たなプラットフォーム「未来をつくるケアマネcafe」を創設することを明らかにしました。原則として、すでにケアマネジャーの資格を持っている人、もしくはこれから資格取得を目指す人が対象だといいます。 コミュニティに参加すると、2ヵ月に1回開催される専門講座とそのアーカイブ視聴、参加者同士の勉強会、非公開フェイスブックグループなどに参加できるそうです。 また、現在予定される専門講座の概要は以下のとおりです。 10月16日:「ケアマネに求められるコミュニケーション力とは」  12月22日:「知っておきたい2024年介護保険制度改正」 2024年2月21日:「医療との連携に必要なことは」 専門講座はコミュニティに所属していない一般の人も参加可能な形で開催するとしています。 未来をつくるkaigoカフェとは NPO法人未来をつくるkaigoカフェは、これまでにも介護業界で働いている人々が対話できる場として、「未来をつくるkaigoカフェ」というイベントを度々開催してきました。 2012年にこの事業を開始してから現在にいたるまで、介護関係者を中心に、のべ3万人以上が参加。都内のカフェで月に1回、介護や医療に関するグループワークをおこなったり専門家を招待して講演会を開いたりしているそうです。 また、通常のkaigoカフェ開催のほか、小・中・高校での介護にまつわる出張授業、専門学校や大学でのキャリアアップ勉強会や公園なども手がけてきたといいます。 NPO法人未来をつくるkaigoカフェの代表を務める高瀬比左子氏は「この活動を通じて、高齢になっても、障害を持っても、自分らしく豊かに生きられる人を増やしていきたい」と話しています。 kaigoカフェは50を超える全国の拠点で開催されているといいます。多くの介護に携わっている人が参加していけば、より高齢者が豊かに生きられる社会をつくっていけそうですね。 参考:「NPO法人未来をつくるkaigoカフェ」

2023/09/29

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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