看取りができるグループホームはありますよ!グループホームは少人数のユニット体制のため、介護職員さんや他の入居者さんも見知った顔の中で最期までの時間を過ごせるのが魅力なんです。
ただ、医師や看護師が常駐していない施設がほとんどなので、医療処置が必要な場合はグループホームでの看取りは難しいです。また、すべてのグループホームで看取りの対応をしているわけではないので、事前に確認しておきましょう。
最近、母の認知症が進行してきて、自宅では介護しきれなくなってきたので介護施設に入居させようと考えています。母は大人数が苦手なので、介護施設の中でも少人数体制のグループホームが合っているんじゃないかと思って施設探しをしています。
ただ、母はもう89歳。今後のことを考えると、看取りの対応をしている施設が良いです。グループホームでは看取り介護をしてもらえるのでしょうか?
グループホームで看取り介護をしているかどうかは、施設ごとに異なります。看取りができるグループホームもあれば、看取りの体制が整っていないところもあるんです。
そうなんですね。じゃあ、施設に確認しなきゃいけないんですね。
おっしゃる通りです。高齢化に伴って介護を必要とするご高齢者が増えて、それに合わせて看取りができるグループホームも増加しています。
とはいえ、まだまだ看取りができない施設も多いのが実情です。
看取りができるグループホームを探している、と言いつつ、看取り介護でどんなことをするのかをよくわかっていません。グループホームではどんな対応をしてくれるんでしょうか?
グループホームに限らず、看取りケアは以下のような流れでおこなわれます。
医師が「回復の見込みがない」かつ「医療機関での処置の必要性が低い」と判断した人が看取りケアの対象となります。ほとんどのグループホームには医師が常駐していませんから、この判断は協力医療機関の医師がおこないます。
その後、医師からご家族に看取りケアの必要性を説明し、同意を得ます。この際に、ご家族は「グループホームで看取り介護をおこなう」という選択はもちろん、「医療機関に入院する」という選択も可能です。
なるほど。医師からの説明があるなら安心できますね。
そして、グループホームで最期を迎える場合、医師や看護師などと連携してケアマネジャーが看取りケアの計画を作成します。ここで、具体的なケア内容を決めるわけですね。ご家族の要望もこの計画に盛り込むことができます。
そうして決定した計画に基づいて、看取り介護が開始されます。ちなみに、看取りケアでは血圧などのバイタルチェックはおこないますが、点滴などの医療的ケアはおこなわれません。こうした医療処置をおこないたい場合は、医療体制の整っている介護施設か病院に入院する必要があるので注意してください。
点滴はグループホームではできないんですね。では、具体的にはどんなことをしてもらえるんですか?
グループホームでの看取りに限らず、看取り介護では以下のようなケアを実施します。
看取り期の人は、口からの栄養摂取ができない状況であることが多いです。それでも、無理のない範囲でゼリーなどで水分・栄養摂取をします。
合わせて、口腔ケアも重要です。口の中にゼリーなどが残っていたり唾液が溜まってしまうことで、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。穏やかな最期を迎えていただくためにも、口腔ケアは大切なんですね。
食事をしないから口腔ケアは必要なさそうですが、重要なんですね…。
また、同じように体位変換や褥瘡ケアも大切。看取り期の人はベッドの上で長時間、横になっているわけですから、褥瘡ができやすい状態です。さらに、ほとんど栄養を摂らず皮膚が弱くなっていることも褥瘡の原因になります。
そのため、定期的な体位変換で褥瘡の予防をおこないます。
「コミュニケーション」というのは何ですか?看取りの人は意識がないので、会話はできないですよね?
ええ、ほとんど会話はできない状態であることが多いです。意識がはっきりしていなくても、聴覚は最期まで残っていると言われています。そのため、看取りケアでも名前を呼びかけたり声をかけてあげるんです。
…と、このように、看取りケアではその人がなるべく苦痛がなく穏やかに最期を迎えられるように支援をおこなっていきます。
ここまで、グループホームでおこなう看取りケアについてお話をしてきました。グループホームでの看取りケアについてイメージできたでしょうか?
はい。最期まで自宅で過ごせない以上、やはりグループホームで看取りケアをしてもらう方が良いかな、と考えています。
それはよかったです。ただ、グループホームでの看取りケアには注意点があります。
注意点ですか?どんなことでしょう?
ほとんどのグループホームに医師・看護師が常駐していないということです。
えっ!グループホームって、ドクターや看護師さんが常駐していないんですか?
そうなんです。中には看護師が日中は勤務しているグループホームもありますが、ごくわずかです。そのため、協力医療機関の医師が定期的に往診していたり、訪問看護を利用して医療処置を受けているケースが大半です。
もし、「何かあったときにすぐに医師や看護師のケアが欲しい」と考えている場合は、グループホームでの看取りケアは難しいですね…。
そう聞くと不安になりますね…。どうしたら良いんでしょうか?
「やっぱり看護師がいる環境で看取り介護を受けたい」という場合は、特別養護老人ホームや有料老人ホームを選ぶのがおすすめです。グループホームのように、少人数体制でない施設が多いのですが、日中は看護師が常駐していますよ。
もちろん、元気なうちはグループホームに入居して、医療的ケアが必要になったら特養や有料老人ホームに転居するのもひとつの手です。
そういった方法もあるんですね!グループホームしか考えていなかったので、その他の施設も視野に入れてみます。
もちろん、状態が安定していれば、グループホームでも看取りの受け入れは十分可能です。ただ、事前に医師や看護師が常駐していないことを理解したうえで、グループホームで看取りをするかどうかを決めてくださいね。
看取りケアに対応しているかどうかは、グループホームによって違うんですよね?いくつもあるグループホームの中から、どうやって看取りケアをしている施設を探せば良いんでしょうか?
グループホームが看取り対応しているかどうかは、契約内容について記載している「重要事項説明書」を見ればわかります。この重要事項説明書で「看取り介護加算」を算定しているグループホームは、看取りケアの対応が可能です。
ただ、重要事項説明書はネット上で公開している施設もありますが、いちいち探すのも面倒なのが正直なところ。なので、やはり手っ取り早いのは、グループホームに直接問い合わせる方法でしょう。
それはそうですよね。施設に電話すればどんな対応ができるのかも聞けるでしょうし…。でも、どこにどんなグループホームがあるのかもよくわからないので、問い合わせのしようがないというか…。
そうなんですよね。なので、看取り対応をしているかどうかをグループホームに問い合わせたい場合は、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。近隣の複数のグループホームに問い合わせがまとめてできますよ。
グループホームでの看取りは、小規模体制ならではの温かみを感じられるものです。ただ、必ずしも看取りの対応ができるとは限らないので、事前にしっかり確認してくださいね。
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