老人ホームの入居待ち期間をどう乗り切れば良いですか?もうこれ以上、在宅介護は続けられません!

老人ホームの入居待ち期間をどう乗り切れば良いですか?もうこれ以上、在宅介護は続けられません!

更新日 2024/03/14
老人ホームに入居の申し込みをしたのですが、満室で入れないと言われてしまいました…。しかも、入居待ちをしているのは900人と言われ、どうしたら良いのか…。

最近、実家で一人暮らしの母の認知症が悪化して、1人で出かけて家に帰れなくなってことがありました。それ以来、帰省する回数を増やしたりしてできるだけ母を1人にしないようにしているのですが…。私も仕事をしているので限界を感じています。

900人待ちとなると、どれだけ時間がかかるのか…。入居待ちの間、どうやって介護をしていけば良いんでしょうか?

(杉浦さん・会社員・61歳)

入居の申し込みをしたのは、特別養護老人ホームでしょうか?特別養護老人ホームは入居の待ち期間が長くなる傾向があるので、申し込み後も介護を続けられる体制を作ることが大切です。

入居待ち期間は、「在宅介護をする」「ショートステイを利用する」「民間施設に入居する」といった方法で乗り切りましょう。

また、特養の場合、入居の申込み書類に具体的に入居申込理由を詳しく書くことで、入居待ち期間が短くなることも。特養は必要性が高い人から入所できるので、入所の必要性をしっかり伝えましょう。

老人ホームの入居待ち期間はどう過ごす?

一人暮らしの母が入る老人ホームを探しています。でも、近所の老人ホームに入所申し込みをしたら900人も入所待ちをしていると言われてしまいました。

900人待ちなんて、入所がいつになるのか…。母の認知症が進行してしまって、先日は迷子になって警察に保護されました。なので、できるだけ母を1人にさせないように頻繁に帰省しているのですが、仕事もありますし、厳しい状況です。

老人ホームに入れるまで、どうやって介護をしていけば良いのでしょうか?

900人待ちですか!申し込みしたのは、特別養護老人ホームですか?

そうです。

特別養護老人ホームは、老人ホームのなかでも入所待ち期間が長い施設なんです。そのため、入所できるまでの介護体制についても考えておくことが大切です。

入所できるまでは、どうやって介護していけば良いんですか?

主に次の3つのパターンが考えられます。

  • 在宅介護をする
  • ショートステイを利用する
  • 民間施設に入居する

在宅介護をする

まずは、在宅介護を継続する方法です。在宅介護サービスを活用しつつ、できるだけ負担の少ない形で介護を続けていきましょう。

具体的には、デイサービス訪問介護を利用して、お母様が1人になる時間を減らすこと。入所待ち期間がどれだけかかるのかわかりませんから、杉浦さんに負担がかからない体制を作っていきましょう。

うーん。といっても、在宅介護をするなら私が実家に通わないと成り立たないんですよね。今も仕事の時間を短くしてもらっているのに、これ以上、仕事の時間を減らすことはできないですね…。

なるほど…。でしたら、他の方法も考えてみましょう!

ショートステイを利用する

在宅介護を継続するのでも、ショートステイを積極的に活用することで介護の負担を大幅に減らせます。

ショートステイですか…。使ったことはないんですよね。

ショートステイは1日から利用できて、連続で最大30日間、介護施設に宿泊できます。泊まっている間の食事や入浴、排泄などのケアはすべて施設が対応してくれるので、杉浦さんの介護の負担はかなり減るでしょう。

30日も宿泊できるんですか!それはかなり助かるかも…。

ただ、30日泊まったら、最低でも1日は自宅で過ごさないといけません。

ショートステイに30日泊まって、1日自宅に戻る、というのを繰り返して、老人ホームの入居待ちを乗り切っている方も意外といるんです。この方法を「ロングショート」「ショートのロング」と呼んだりします。

確かに、母を実家で1人にしておけないですし…。ショートステイを活用するのも良いのかもしれないですね。

他の老人ホームに入居する

希望の施設が入居待ちですぐに入れない場合、別の老人ホームに入って順番待ちをする方法もあります。

入居待ちをしているのに、他の老人ホームに入居しても良いんですか?

はい。まったく問題ありません!

特に、特別養護老人ホームの入所待ちが必要で在宅介護が難しい場合、待機期間だけ有料老人ホームなどの民間施設に入居するケースは珍しくありません。

でも、「特別養護老人ホームの入所待ちの間だけ入居させてください」って言うのは、施設さんに申し訳ない気が…。

そんなことはないですよ。そういった要望は多いので、民間施設のスタッフも慣れているので大丈夫ですよ!

老人ホームの入居待ち期間はどれくらい?

申し込みをした特別養護老人ホームに、入所を待っている人が900人と言われましたが、どれくらい待たないといけないんでしょうか?

うーん。こればかりはまったくわかりませんね…。特別養護老人ホームの入所待ち期間は2~3年ほどとも言われますが、順番は入所の緊急性に基づいて決められているので、参考程度にしかなりませんね。

入所の緊急性ですか?

特別養護老人ホームの場合、「入所判定基準」に沿って入所の優先度が判断されます。これは、ご本人の生活状況や介護者の状況、介護サービスの利用状況などをもとに、点数化されるもの。点数が高い人から入所できます。

入所判定基準は、市区町村によって定められています。例えば、以下の北九州市の入所判定基準は「本人の状況」「介護者の状況」「個別評価」の3つの項目で判定されます。

本人の状況

項目 配点 説明
要介護度 要介護1 20点 申し込み時の要介護認定が1である場合
要介護2 40点 申し込み時の要介護認定が2である場合
要介護3 60点 申し込み時の要介護認定が3である場合
要介護4 80点 申し込み時の要介護認定が4である場合
要介護5 100点 申し込み時の要介護認定が5である場合
特別な状況 排泄 10点 介護者が、オムツや尿とりパットの交換などの介助を要する場合に限る
摂食 10点 食事中に介助を要する場合に限る
徘徊 15点 当てもないのに外へ出かけてしまう、自宅や施設などでひっきりなしに歩き回ったりする行動がある場合に限る
暴力などの問題行動 15点 介護者が話しかけたり、介護をおこなう際に、手で払いのける、足で蹴る、たたくなど、介護の支障となる行動を取る場合に限る
非該当 0点 上記の特別な事情のいずれにも該当しない場合

参考:「入所判定基準」(北九州市)

介護者の状況

項目 配点 説明
身寄りなどの有無 身寄りなし 80点 同居・別居を問わず、身寄り(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいない場合に限る
実質的な介護者なし 70点 同居の介護者(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいる場合は、その者が要介護3以上であること。また、同居の介護者がいない場合は、その者が県外であるか、要介護3以上の場合に限る
状況 独居 20点 県内に介護者(親、配偶者(内縁関係を含む)、子、子の配偶者)がいる場合で、本人が一人暮らしをおこなっている場合に限る。世帯分離は対象外。
介護者が高齢または持病 20点 主たる介護者が70歳以上の高齢である場合や、障害者(障害者手帳等を有するもの)、病気療養中の者(軽度の者は除く)である場合。もしくは主たる介護者が県内で北九州市に隣接しない市町村に在住する場合に限る
介護者が就労・複数介護・育児 20点 主たる介護者が週に20時間以上就労している場合(非正規雇用等も含む)や、複数介護、就学前の育児をおこなっている場合に限る
非該当 0点 上記の介護者の状況のいずれにも該当しない場合

参考:「入所判定基準」(北九州市)

個別評価

項目 配点 説明
待機場所 在宅 50点 在宅で生活をしている場合。短期入所生活介護等の入所サービスを受けている場合も含む
病院 30点 病院に入院している場合
軽費老人ホーム・ケアハウスなど 20点 軽費老人ホーム、ケアハウス(一般)、有料老人ホーム(住宅型)などに入所している場合
養護老人ホーム・グループホーム老健・療養型病床 10点 養護老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、療養型病床、介護保険適用外施設などに入所している場合
特別養護老人ホーム・特定施設入居者生活介護 0点 特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、ケアハウス(介護型)などに入所している場合
特殊事情 特殊事情 10点 待機場所が特養の場合で、ユニットから多床室、多床室からへのベッド移動、または施設移動を希望するやむを得ない事情がある場合
非該当 0点 上記の事情がない場合
住環境 住環境が不適応 15点 住む家がない場合、もしくは、屋外の環境により適応できない場合 例えば、エレベータのない住宅で2階以上の階に住んでおり、車椅 子を使用している方など
非該当 0点 上記の住環境のいずれにも該当しない場合
待機期間 1年以上の待機 10点 要介護3以上で、入所待機期間が 1年以上の場合
非該当 0点 上記の待機期間に該当しない場合

参考:「入所判定基準」(北九州市)

へぇー、こんな厳密に設定されているんですね。

ちなみに、民間施設の入居の順番は、基本的には申し込み順です。民間施設であれば、特別養護老人ホームよりも入居待ちの人数は少ないので、比較的に早く入居できるでしょう。

特別養護老人ホームの待機者数については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。

特養の入居待ち期間を短くする方法は?

入所までに2~3年も待たないといけないかもしれないなんて…。入所待ちの期間を短くすることはできないですよね?

必ず入所待ち期間を短くできると断言はできませんが、以下の方法で多少は短くできるかもしれません。

  • 申し込み理由欄を詳しく書く
  • 施設に報告をする
  • 複数の特養施設に申込みをする
  • 介護サービスを積極的に利用する
  • 仕事をする

申し込み理由欄を詳しく書く

先ほどお話しした通り、特別養護老人ホームの場合は入所の順番が緊急度によって決められます。

そのため、入所申込書の申し込み理由欄に詳しく記入することで、緊急度が上がる可能性があります。

申し込み理由欄…そういえば、書類にあったような気がします。それに何を書けば良いんですか?

主には「在宅介護が難しい理由」です。その他にも介護しているご家族がいかに困っているのか、を書くと特別養護老人ホームに入る必要性を伝えられるでしょう。

意外と申し込み理由欄を簡潔に書いてしまう方が多いのですが、丁寧に詳細に書くことで入所の順番を早められることがあります。

施設に報告をする

お母様の状態やご家族の状況が変わったら、申し込みをしている施設にその都度、報告しましょう。

入所待ちをしている間に、認知症が進行したり身体機能が低下したりと、より介護が大変になっていくことが考えられます。そのため、状況が変わったら施設にその都度、報告をすることで入居順が早くなる可能性があります。

複数の介護施設に申込みをする

入所の申し込みをするときは、複数の施設に申し込みをしましょう。

えっ!?そんなことをして良いんですか?

大丈夫ですよ!実際に複数の施設に申し込みをしている方は結構いらっしゃいます。複数の施設に申し込むことで、早く順番が回ってきた施設から入所できますから。

また、特別養護老人ホームのなかでも「ユニット型」という種類は比較的に入所待ち期間が短くなる傾向があるのでおすすめです。

どうして、ユニット型は入所待ち期間が短くなるんですか?

ユニット型は、多床室や個室タイプに比べて費用が数万円ほど高いからです。反対に、多床室などの安い施設の方が入所希望が多いので、入居待ち期間が長くなりやすいですね。

入居待ち期間が短くなる代わりに費用が高くなるんですね。悩みますね…。

でしたら、地域を広げて施設探しをするのがおすすめです。都市部の方が入所の待機者数が多くなる傾向がありますから、待機者数が少ないエリアの特別養護老人ホームにも申し込みしておきましょう。

介護サービスを積極的に利用する

介護サービスを積極的に利用するのも、入所待ち期間を短くする方法のひとつです。

特に入所申し込みをしている特別養護老人ホームが、ショートステイやデイサービスなども提供している場合、利用することでより入所待ち期間を短くできることがあります。

どうして、入所待ちしている特別養護老人ホームの介護サービスを使うと、入所待ち期間が短くなるんですか?

というのも、特別養護老人ホームのスタッフさんにお母様の状況を随時、把握してもらえるからです。先ほどもお話しした通り、施設側にお母様の状況を把握してもらうことで入所の優先順位を上げてもらえることがあるからです。

また、介護サービスを頻繁に利用しているということは、家族だけでは介護ができない状況ということ。介護が大変な状況であることをアピールする材料にもなります。

仕事をする

特別養護老人ホームの入所順を早めるために、介護をしている方が仕事をしたり仕事を増やしたりするのも良いでしょう。

つまり、私が仕事を増やす、ということですか?介護のために、仕事を時短勤務に変えてもらったのに…。フルタイムに戻したら、介護ができないですよ。

在宅介護が難しいことを、施設にアピールするんです。先ほどお伝えした入所判定基準にも、介護している人の就労状況が考慮されています。

なので、杉浦さんが仕事を増やすことで、さらに入所の緊急性を上げられるでしょう。もちろん、無理に勤務時間を延ばして、杉浦さんが体調を崩したら元も子もありません。無理にならない程度に調整してくださいね。

  • 入居待ち期間は、特養で2~3年、有料老人ホームは待機人数によって大きく異なる
  • 在宅介護を継続、ショートステイの利用、民間施設に入居などで入居待ち期間を乗り切って
  • 複数施設に申し込む、申込み理由欄を詳しく書く、などで特養の入居待ち期間が短くなることも

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