Q&A
実家で一人暮らしをしている母の介護をしています。週に1~2回、通って介護をしているのですが、私が実家に帰るとガスコンロの火がつけっぱなしになっていることが何度もありました。 その度に強く注意するのですが、「ちょっと忘れただけじゃない!」と反発してきて、口論になってしまいます。それでも、火の消し忘れは改善されません。今のところ火事にはなっていないものの、いつか火事を起こしてしまうんじゃないかと心配です。 ガスの元栓を閉めて使えないようにするしかないのでしょうか? (横田さん・会社員・63歳) ガスコンロを使えないようにするのもひとつの手です。しかし、お母様の行動を大きく制限してストレスになるかもしれないので、まずは別の手を考えてみましょう。例えば、安全装置付きのガスコンロやIHコンロに変えたり、ご家族などがいるときだけは火を使えるようにするといったことです。それでも火の消し忘れが避けられない場合に、コンロの元栓を閉めることを考えてみてください。 認知症の人がガスコンロを消し忘れてしまうのはどんなとき? 実家で一人暮らしをする認知症の母の介護をしています。週に1~2回、通っているのですが、これまで何度かガスコンロの火がつきっぱなしになっていることがあり、やかんを空焚きしたり鍋を焦がしたりしています。私がそれを見つける度に母に注意しているものの、「ちょっと忘れただけじゃない!」と怒鳴られ、しょっちゅう口論になって疲れます…。 認知症になると、記憶力や注意力が低下することがあるので、コンロの火をつけていたことを忘れやすくなってしまうんですよね。 記憶力の低下で、火をつけていたことを忘れるのはわかるのですが、何で注意力が関係するんですか? 注意力が低下することで、ちょっとしたことで注意が別のものに移ってしまい、もともとやっていたことや考えていたことが頭から抜けてしまうんです。具体的には、やかんで火を使っている最中に来客や電話があったりすると、すぐにそちらに気が向いてしまいます。そのうえ、認知症の影響で新しい物事の記憶を忘れやすくなっていますから、注意が移る前に何をしていたのかを忘れてしまうんです。 なるほど。母も火を使っている最中に何かに注意が移ったことで、コンロの火のことが頭から抜けてしまったというわけなんですね。 ガスコンロの火の消し忘れはどう対策する? うーん。母がコンロの火を消し忘れてしまう状況はわかりました。でも、どうしたら消し忘れを防げるんでしょう?やっぱり、ガスの元栓を閉めて、コンロを使わせないようにしないといけないんでしょうか? 確かに、それも方法のひとつとしてあるでしょう。ただ、そうするとこれまで料理を作っていたお母様の行動に大きく制限をかけることになりかねません。なので、コンロの使用をストップする前に別の手で解決できないか考えてみましょう。例えば、以下のような方法ではどうでしょうか? 誰かが近くにいるときだけガスコンロを使う 安全装置付きのガスコンロに替える 火を使わない生活にシフトする 誰かが一緒にいるときだけガスコンロを使う 火の消し忘れがあると、お母様が一人のときにコンロを使うのは心配だと思います。そのため、ご家族など誰かがご実家にいるときに、お母様が料理をするのはどうでしょうか?また、もし訪問介護サービスを利用しているのであれば、ヘルパーさんがいる時間帯も火を使ってOK、としておくのも良いかもしれません。 うーん。でも、母は頑固なので理解してくれなさそうな気がします。何回も言い聞かせても、隠れて一人のときにコンロを使ってしまうんじゃないかな。 なるほど…。料理をする機会をなくさずに火の消し忘れを防げる方法だと思ったのですが…。 うちの母は頑固だし、認知症が進行して、言ったことをすぐに忘れてしまうので合わない方法だと思います。あまり認知症が進んでいない人であれば、効果があるかもしれませんね。 安全装置付きのガスコンロに替える 最近は安全装置が備わったガスコンロが増えているので、ご実家のコンロを交換するのはどうでしょうか?最近のガスコンロには、センサーが温度を感知して約250℃を超えるとガスを自動停止するものや、一定時間以上、火がついていると自動で消火してくれる機能がついていますよ。 へー!実家のガスコンロはずいぶんと古いものなので、これを機に交換するのも良いのかも。そういえば、IHクッキングヒーターってありますよね。あれだったら火を使わないし、安全になりますかね? そうですね。IHクッキングヒーターも良いかもしれません。ですが、ガスコンロとIHクッキングヒーターは使い勝手が大きく違います。もしかしたら、使い方がわかるようになるまでかなり時間がかかるかもしれません。特に認知症の人は、新しいことを覚えるのが苦手になる傾向がありますから、「IHクッキングヒーターに交換したものの、使い方がわからなくてまったく使わなくなってしまった」なんてことになる可能性もあるんです。 あぁ、確かに。この間、テレビのリモコンを文字の大きいものに取り替えたら、使い方がわからなくて、しばらく「テレビがつかない!」と大騒ぎしていました。もっと若いうちだったら良いかもしれないけど、うちの母にはIHクッキングヒーターは難しいかも…。 でしたら、できるだけ今のガスコンロと使い方が変わらない、安全機能のついたガスコンロに交換するのが良いかもしれませんね。 火を使わない生活にシフトする ここまでお話しした2つの方法でも火の消し忘れが防げないようでしたら、ガスコンロを使わないような生活に変えていきましょう。ただ、「コンロは使っちゃダメ」「料理しちゃダメ」といろんなことを禁止する形だと、お母様のストレスが大きくなって、認知症の症状に悪影響が出る恐れがありますから、そのあたりに注意が必要ですね。 というと、どういう風にガスコンロを使わないようにしていけば良いんでしょう? ひとつは、「こういうときはこうして」とお願いする方法です。例えば、「みそ汁を温めるときはレンジを使って」「お茶が飲みたいときは電気ケトルを使って」というような言い方ですね。もうひとつは、「ガスコンロが壊れた」とガスコンロが使えないことを伝える方法です。嘘をついてしまうことになりますが、こういう言い方にすれば、火の消し忘れを原因にしていないのでお母様のプライドを傷つけることはないでしょう。 ガスコンロが壊れたことにして、ガスの元栓を閉めてしまえば、火は付かないですもんね。 それに、普段から食事を火を使わなくて良いものに変えていくのもひとつの手。配食サービスを活用したり、惣菜を買ってきて、レンジで温める形にしても良いでしょう。しかし、お母様が料理をする機会がなくなってしまうので、こうしないと火の消し忘れが防げない状況でなければ避けたいですね。どの方法も、認知症の症状やその人の生活スタイルなどによって、向き不向きがあります。いろいろな方法を試して、お母様に合った方法を見つけてくださいね。 火を使っている最中に、来客や電話などに気を取られて消し忘れが起こることが多い 誰かが一緒にいるときだけ、安全装置付きのガスコンロに替えるなどの対策ができる コンロを使わない生活は、ストレスになることがあるので最終手段として考えて pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...
2023/05/30
最近、同じことを何度も聞いたりぼーっとしていることが増えたり、父の様子がおかしいです。父は認知症になってしまったのではないかと不安になっています。どんな状態だと認知症の検査を受けるべきですか?また、検査を受けるには病院は何科を受診すれば良いのでしょうか? (工藤さん・自営業・62歳) 例えば、「ぼーっとしていることが多くなった」「同じ話をするようになった」「お金の管理ができなくなった」など今までと変わった様子があったら、認知症の検査を検討してください。検査は、精神科、脳神経内科、脳神経外科、老年科などいろんな診療科で対応していますので、まずはかかりつけ医に相談してみるのが良いでしょう。状況に合わせた病院を教えてくれると思いますよ。 どんな様子だと認知症の検査を受けるべき? 認知症の検査ってありますよね。あれってどんな様子がある場合に受けるべきなんでしょうか?最近、父の様子がおかしくて、もしかしたら認知症かもしれないと考えていて…。 そうですね…。認知症の初期症状のような様子があれば、一度、病院で検査を受けてみても良いかもしれません。例えば、「同じことを何回も尋ねる」「よく捜し物をする」「趣味や社会活動をやめた」「怒りっぽくなった」「お金の管理ができなくなった」などが認知症の初期症状に当てはまります。認知症については、こちらのご質問でも回答しているので、ぜひ参考にしてみてください。 父は何度も同じことを聞くようになりました。それに、老人会の集まりにも行かなくなったし…。なんだか気力がなくて、ぼーっとしているんです。でも、一時的に気持ちが落ち込んでいるだけなのかと思っていたのですが、認知症でもそういう症状があるんですね。でも、なかなか認知症という確信が持てなくて、検査を受けさせるか迷っています。 そうですよね…。なかなか決意できないところだと思います。受診のきっかけとして、自分でできるチェックリストを活用してみるのも良いかもしれません。東京都の福祉保健局が以下のようなすぐにできるチェックリストを公開しているので、その結果を見てから検査を受けてみるのはどうでしょうか? こういうチェックリストがあるんですね!試しにやってみます。 認知症は何科を受診すれば良い? もし、認知症の検査を受ける場合、病院は何科を受けたら良いんでしょうか? 認知症の検査を受けられる診療科は、精神科、脳神経内科、脳神経外科、心療内科、老年科などさまざまあります。それぞれの診療科で得意な検査方法や治療方法を生かして診療しているんです。例えば、精神科では認知症の二次的な症状である「行動・心理症状(BPSD)」に対応しています。BPSDは、認知症の症状によって気持ちが不安になっているときに強く出やすいので、精神科では気持ちを安心させる治療をおこなうんですね。 認知症の症状についても精神科で対応しているんですね、知らなかったです。 あと、認知症は脳に関わる病気ですので、脳神経内科や脳神経外科といった診療科でも検査を受けられます。脳神経内科や脳神経外科ではMRIやCTという画像検査を受けられます。合わせて脳や脊髄の異常による身体の麻痺や認知機能の低下にも対応。認知症のような症状の原因が脳や脊髄にある場合は脳神経外科で治療すると良いでしょう。 なるほど…。あと、老年科というのは何ですか?なんだか漠然とした名前ですが…。 そうですね、老年化はご高齢者の健康の悩み全般に対応している診療科です。認知症はもちろん、骨粗しょう症、加齢によって筋力が低下した状態であるフレイルなどの身体の健康にも対応しています。認知症かどうか判断がつかないときには、老年科を受診してみるのも良いかもしれないですね。 うーん、認知症の検査や治療は、いろんなところでできるんですね。逆にどこに受診したら良いのか悩みます。 そうですよね。そういうときは、まずかかりつけ医に相談してみてください。お父様の普段の様子をよく把握しているでしょうから、状況に合った病院を紹介してくれると思いますよ。 病院を受診するのを拒否されたら… 認知症の検査をするにあたって、もうひとつ心配なことがあって…。父に「認知症の検査に行こう」と言っても、素直に検査を受けてくれないと思うんです。きっと嫌がりますし、無理やり連れて行くしかないんでしょうか? 無理に受診するのは、おすすめできません。というのも、無理やり連れて行くと不安が強くなってしまって、継続的に受診できない可能性が高いです。認知症は、検査はして終わりではなく長期的に治療が必要な病気です。今後の治療のことも考えて、じっくり説得していきましょう。 「じっくり説得」と言っても、どうすれば良いんでしょう?父は頑固な人なので、一度「嫌だ」と言ったらなかなか首を縦に振らないと思います。 それなら、伝え方に気をつける必要がありますね。例えば「認知症かもしれない」とストレートに言ってしまうと、傷つけられて検査を拒否されてしまうことが考えられます。なので、「予防のために、みんな早めに検査しているみたいだよ」とか「健康診断として行ってみよう」といった言い方で伝えてみると進んで検査を受けてくれるかもしれません。 そうですね。試しに「健康診断に行ってみよう」と言ってみます。 あとは、他のご家族から勧めてもらうのもひとつの手。実の娘さんや息子さんが説得しても聞かなかったのに、義理の娘さん・義理の息子さんから伝えたら上手くいったというケースもあります。それでも難しい場合には、担当のケアマネジャーさんやかかりつけ医から勧めてもらうのも良いでしょう。専門家から検査を勧められると、スムーズに話が進むこともありますよ。 認知症の検査はどんなものがある? 先ほど、MRIやCTの話がありましたが、認知症の検査って具体的にはどんなことをするんですか? 認知症の検査には、「神経心理学検査」「脳画像検査」の2種類があります。MRIやCTは、脳画像検査の方ですね。主な認知症の検査には、以下のようなものがあります。 改定長谷川式認知症スケール ミニメンタルステート検査(MMSE) 時計描写テスト(CDT) 脳画像検査 脳の状態をみる検査(CT、MRI) 脳の働きをみる検査(SPECT) 神経心理学検査というのは、医師の質問や計算などの簡単な作業をすることで認知機能を測定するものです。神経心理学検査でよく実施されているものに、「改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」があります。この検査では、日付や場所などについて答えたり、単語の記憶などで記憶能力などを調べます。他にも、正しく時計を描けるかを調べる「時計描画テスト(CDT)」など、認知機能を調べる検査にはいろんな種類があります。 ひとくちに「認知症検査」と言っても、そんなにいろんな種類があるんですね。 そうなんです。受ける検査によっても多少変わることもありますが、検査は以下のような流れで進みます。 面談・問診(診察) 身体検査 神経心理学検査 脳画像検査 診断 認知症の検査以外に、身体検査もするんですね。 はい。他の病気の可能性も考えて、血液検査やレントゲン検査、心電図検査などもおこなうんです。こうした身体全体の健康状態を確認して、これからの介護や医療の方針を決めるわけですね。さまざまな検査をおこない、後日、医師から結果が伝えられます。診断結果を聞くときには、できればご家族も同行してください。というのも、「認知症」と聞いたショックで医師の説明が頭に入らないということもあるんです。医師からは、今後の介護のアドバイスなどの重要なことも伝えられるので、ご家族も一緒に診断結果を聞くように予定を空けておいてください。 確かに…。私も改めて認知症と診断が下りたらショックを受けそうです。しっかり心の準備をしてから、受診したいと思います。 もし、認知症であってもご自身を責める必要はまったくありません。むしろ、早いタイミングでわかったことで、お父様やご家族の生活の見直しをする時間ができた、ととらえる方が気持ちも明るくいられると思いますよ。 同じことを何度も話す、お金の管理ができなくなったなど「様子が違うな」と思ったら早めに検査を 認知症の検査は精神科、脳神経内科、脳神経外科、老年科などで受けられる 検査を拒否されても、無理やりはNG!別の人から伝えたりすると検査を受けてくれるかも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...
2022/09/27
先日、母が「アルツハイマー型認知症」と診断されました。最近、ついさっき話したことを忘れるなど様子がおかしいところはあったのですが、今後、認知症の症状が進むとなると不安でたまりません。これから認知症が進行していくと、どんな症状が出るのでしょうか。また、どうやって対応していけば良いのか教えてください。 (小野さん・パート・65歳) アルツハイマー型認知症の症状には、「記憶障害」「見当識障害」「実行機能障害」「失行」などがあります。直近の記憶がなくなったり、自分のいる場所がわからなくなったりと、進行すると日常生活を送ることが難しくなります。大切なのは、そういった症状に対して否定的な態度をとらないこと。話を合わせてそれとなく気をそらせたりすると、興奮せずに穏やかに過ごせると思いますよ。 アルツハイマー型認知症とは?どんな症状が出る? 先日、母の検査したところ、「アルツハイマー型認知症」という診断が下りました。確かに最近、直前に話したことをすっかり忘れていたり、テレビの付け方がわからなかったり様子がおかしいところはあったのですが…。これから認知症が進行していったらどんな症状が出てくるのでしょうか?母が変わっていってしまうのではないかととても心配なんです。 そうですよね、認知症になるとまるで人が変わってしまったんではないかと感じるときもあるかもしれません。でも、アルツハイマー型認知症の症状を理解しておくことで「これは認知症の症状によるものだ」と受け止められることも増えると思いますよ。特に認知症の方の介護は、介護をする人にとって負担が大きくなりやすいです。アルツハイマー型認知症の特徴や症状を把握しておくことで気持ちが楽になるかもしれません。 そうなんですね…。アルツハイマー型認知症の特徴というと、どんなことがありますか? まず、アルツハイマー型認知症というのは認知症の中のタイプの1つです。原因によって他にもいくつかタイプがありますが、主なものとして「レビー小体型認知症」と「脳血管性認知症」があります。その中でもアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβ(ベータ)という特殊なタンパク質がたまって脳細胞を傷つけることで認知機能に障害を起こすと言われています。これによって脳全体が変形したり、萎縮してしまうんですね。 「脳が萎縮する」というのは、聞いたことがあります。 このようなアルツハイマー型認知症は、認知症の中でももっとも多いとされています。次のグラフのように、70%近くがアルツハイマー型認知症というデータもあるくらいなんです。 また、アルツハイマー型認知症に限らず、65歳未満の人が認知症を発症することを「若年性認知症」と言います。若年性認知症については、以前のご質問で答えているので参考にしてみてください。 アルツハイマー型認知症の症状とは アルツハイマー型認知症には、どんな症状があるんでしょうか? アルツハイマー型認知症の症状は、「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」に分けられます。中核症状というのは、脳が損傷することで引き起こされるため誰でも現れる症状のこと。BPSDは中核症状が原因となって引き起こされる症状で、症状が現れるかどうかは個人差があります。以下で、中核症状とBPSDをまとめてみました。 中核症状 記憶障害 見当識障害 実行機能障害 理解・判断力障害 行動・心理症状(BPSD) 幻覚や妄想 攻撃的な言動 徘徊 いくつかよくわからないものがあります。「見当識障害」というのは何ですか? 見当識障害とは、時間や場所がわからなくなるのことです。例えば、今何時かわからなくなったり、季節がわからないので夏なのにコートを着て外出しようとする、といった症状があります。 母に「今日は何日?」とよく聞かれることがありますが、そういうことだったんですね。 おそらく見当識障害の症状でしょう。他にも「実行機能障害」というのもわかりにくいかもしれません。実行機能障害は、計画を立てて行動をするのが難しくなる症状です。例えば、料理をするだけでも、買い物をしたり調理の段取りを考えながら作業をしなければいけないですよね。そういった順序立てて行動する力と、複数の動作を同時にこなすこともできなくなるんです。 なるほど…。最近は、手元が危なっかしいので料理をさせていないので何とも言えませんが、そういうこともできなくなっているかもしれません。…あと、「失行」というのはどんな症状ですか? 失行は、それまでできていたことができなくなることです。道具の使い方がわからなくなったり、服を自分で着れなくなる、という症状が出ることもあります。お母様の「テレビの付け方がわからなくなった」というのは、失行に当てはまるかもしれませんね。 そうだったんですね。これまで当たり前にできていたことができなくなるのは、なんだか怖いですね。 はい。おっしゃる通りだと思います。そうした恐怖や不安は、認知症を患うご本人も感じていることもあり、それが原因でBPSDの症状が出てしまうんです。 どういうことですか? 例えば、見当識障害によって自分の居場所がわからなくなると、自宅にいるのに「家に帰る」と言って出ていってしまうことがあります。いわゆる「徘徊」ですね。周囲からは「自宅から勝手に出て行って、帰ってこれなくなる」と見えてしまうんですが。ご本人にとっては、「知らない場所から自宅に帰ろうとしたら道がわからなくなった」という状況なんです。このように、中核症状である見当識障害が原因で、BPSDの徘徊の症状が出るわけです。 なるほど…。認知症の人が徘徊して行方不明になるというニュースを見ますが、きちんと理由があるんですね。 アルツハイマー型認知症の人への対応は アルツハイマー型認知症について、いろいろとわかってきました。これから、母にはどういった対応をしていけば良いんでしょうか? そうですね、まずはご自宅の環境を整えることから始めてみると良いかもしれません。例えば、認知症の人はトイレやお風呂といったものがどこにあるのかがわからなくなりますから、大きな文字でドアに「トイレ」「お風呂」と書いて貼っておいたりするのはどうでしょう。それと、通院などの大切な用事があるときは、お母様がよく目にする場所に予定を大きく書いて貼るのも良いですね。環境を整えるだけでもご自身でできることが増えると思いますよ。 それは良いですね。すぐにやってみます。 あとは、普段の接し方もポイント。認知症の人はついさっき言ったことを忘れてしまう傾向がありますから、何度も同じ話をしたり、同じことを聞いてくることもあると思います。そういうときに「さっき言ったでしょう」と否定してしまったり、感情的に声を荒げるのは良くありません。認知症の症状で、”話したこと自体”の記憶が丸ごと消えているので、怒られると不安になったり、精神的に不安定になってしまうんです。 私、母があまりにもしつこく同じことを聞いてくるので、いらだって怒鳴り返してしまうことがありました…。良くなかったんだ。 忙しいと、やはりイライラしてしまうのは仕方がないことですよ。ただ、「認知症の症状なんだ」と受け止めることで、多少はそのイライラが軽くなるかも知れませんね。認知症の人への対応の基本は、「否定しない」ことです。例えば、認知症の症状のひとつに「物盗られ妄想」があります。財布やバッグなどを盗られたと思い込んでしまうことですね。そういうときにも、話を合わせて一緒に探したり、探しながら話題を変えてみるといった対応をすると妄想自体を忘れてしまうので落ち着くこともあるんです。 そんな対応方法があるんだ…。私も、「否定しない」ということを心がけてみます。 アルツハイマー型認知症の治療方法 アルツハイマー型認知症の診断を受けた後、病院から薬をもらいました。でも、症状を抑えるだけみたいで。認知症を治す薬は使えないんでしょうか? うーん、実は、まだ認知症を根本から治す薬は開発されてないんです。 そうなんですか!認知症って治らないんですか!? はい。認知症の原因を完全に治療する、という意味では治らないです。ただ、病院でもらった薬のように、症状を抑える薬はあります。対処療法ではありますが、症状を抑えられるだけでかなり生活がしやすくなることもありますよ。 そうなんですね…。薬を飲んでいくしかないのかな…。 薬以外にも治療法はありますよ。例えば、認知症の症状を緩和させるためのリハビリがあります。病院やリハビリ施設では、作業療法士という専門家がおこないますが、ご自宅でもできることがあります。 自宅でも?どんなことですか? いくつかありますが、簡単な家事やお母様の趣味に関するものはどうでしょうか。具体的には、家事だと洗濯物をたたむ、掃除をする、テーブルをふくなどの簡単なことをお母様に任せてみたり、編み物や塗り絵、囲碁などお母様の趣味をしてみたりするのが良いかもしれません。家事は意外と身体を使いますし、趣味などで指先を動かすことは脳に刺激を与えますから、認知症の症状の抑制につながるとされています。 家事も趣味も、する機会が全然なくなっていました。家ではぼーっとテレビを見ているだけなので、何か任せてみようかな。 認知症の人や家族を支えるサービス ここまで、アルツハイマー型認知症の症状や対応法などについてお話ししてきました。でも、しっかり理解していたとしても介護を続けていると辛くなったり、負担が大きくなることもあると思います。そこで、認知症の人やその介護をするご家族を支援するサービスについてお伝えしますね。例えば、「認知症カフェ」という認知症の人やそのご家族が集まる場が全国で設けられています。同じように認知症のことやその介護で悩む人と話をして、悩みを共有したり相談できるんですね。 へぇー、そういうところがあるんですね。周りに認知症の家族を介護している人がいないので、行ってみたいかも。 悩みを話すだけでも気持ちが楽になることってありますからね。それに、介護の専門家も参加しているので、アドバイスももらえるかもしれません。それと、やはり介護サービスを活用していくのが大切です。訪問介護やデイサービスといった、日々の介護を支援してくれるサービスを使うのはもちろんなんですが、ショートステイを効果的に利用することでだいぶ介護が楽になると思いますよ。 ショートステイですか?知ってはいますが、使ったことはありませんね。 ショートステイは、その名の通り、介護施設で短期間の宿泊ができるサービスです。これは、介護する人が一時的に介護から離れてリフレッシュすることを目的としているんです。もちろん、冠婚葬祭で家を開けなければいけない、といった場合でも利用できます。が、定期的にショートステイの利用をすることで、計画的に”介護休み”を作っている人もいます。介護は長く続くものですから、適度に休みを入れつつ、介護疲れでダウンしてしまわないようにしているんですね。 じつは、このところ母の症状が悪化しているのか夜に起きてくることもあって睡眠不足なんです。疲れも溜まっていますし、もしかしたらショートステイを利用した方が良いのかもしれませんね。 介護疲れで小野さんが倒れてしまったら、元も子もありません。1人で抱え込まず、うまく支援サービスを活用して、少しでも介護を楽にしてくださいね。 アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも最も発症率が高い 症状は、中核症状とそれが原因となる行動・心理症状に分けられる 言葉を否定しないで話をあわせるのが大切 認知症を根本から治療する方法はまだない、薬やリハビリで症状を抑えることはできる pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...
2022/09/16
地域の広報誌で「認知症サポーター」というものがあることを知りました。認知症サポーターとはどんなことをするのでしょうか?両親が高齢になってきたこともあり、認知症や介護について学んでおきたいと考えています。 (山崎さん・会社員・58歳) 認知症サポーターとは、地域の認知症の人やその介護をする人の支援をおこなう人のことです。「認知症サポーター養成講座」に参加すればサポーターになれます。養成講座は認知症について詳しく学べる内容になっていますよ。 認知症サポーターとは 「認知症サポーター」ってなんですか?先日、市の広報に書いてあったのが目に止まって…。 認知症サポーターとは、地域の認知症の人やその介護をする人の支援をおこなう人のことです。「認知症サポーター養成講座」に参加すればサポーターになれます。養成講座は認知症について詳しく学べる内容になっていますよ。 へー!具体的にはどんなことをしているんですか? 認知症サポーターだからといって、特別なことをする必要はありません。例えば、道ばたで「認知症かな?」と思った人がいれば、困っていることがないか声をかけてみたり、認知症の人を介護しているご家族の話を聞いてあげたり…。理解して、偏見を持たないで接してあげることが大切なんです。ちなみに、厚生労働省が「認知症サポーターに期待されること」として、次の5つを挙げています。 認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。 認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。 近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。 地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。 まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。 出典:
2022/08/25
最近、母の物忘れがひどくなっていて認知症なのではないかと心配です。本人も物忘れを気にしており、メモに残したりしているので生活に影響は出ていないのですが、これからさらに進行してしまうのではと不安に感じています。母は認知症なのでしょうか? (柴田さん・主婦・63歳) 病院で検査をしないとはっきりとはわかりませんが、もしかしたら、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」かもしれません。早いうちから対策をすれば、認知症にならずに回復することもあるので、病院で検査をしてみることをおすすめします。 ただの物忘れ?軽度認知障害かも 一緒に住んでいる母の物忘れがひどくなっていて心配なんです。料理が得意な人なのに、料理の段取りが悪くなったり、何度も同じことを聞かれることもあるし…。まだ自分のことは自分でできるので、そうは思いたくないのですが…母は認知症になってしまったんでしょうか? 認知症の検査をしてみないとなんとも言えませんが、もしかしたら軽度認知障害の可能性がありますね。 軽度認知障害、ですか?初めて聞きました。 軽度認知障害というのは、認知症の一歩手前の状態です。認知症になると日常生活に支障が出て、誰かの手を借りないと生活ができない状態になりますが、軽度認知障害ではそこまで進行していません。ちなみに、厚生労働省は軽度認知障害について、次のように定義しています。 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。 本人または家族による物忘れの訴えがある。 全般的な認知機能は正常範囲である。 日常生活動作は自立している。 認知症ではない。 出典:「軽度認知障害」(厚生労働省 e-ヘルスネット) 例えば、「同じ話をする」「ついさっき食べたものを忘れる」などの記憶障害が代表的な症状です。他にも、「お金の計算やスケジュール管理が難しくなった」といった管理能力の低下も見られることがあります。さらに、「趣味をしなくなった」「頭がぼんやりしてすっきりしない」「疲れやすくて元気がない」といった気持ちの面の変化もあるようです。もし、こういった状況があれば、軽度認知障害を疑っても良いでしょう。 いくつか母に当てはまるものがあります。軽度認知障害なのかなぁ。 病院で検査を受けて早期発見を 軽度認知障害の症状に思い当たるものがあるのであれば、早めに病院で検査を受けてくださいね。 病院って何科に行けば良いですか? 認知症や軽度認知障害の専門の診療科は、心療内科や精神科、脳神経外科などです。ただ、かかりつけの病院があるのであれば、先にそこの医師に相談してみるのも手ですね。かかりつけ医であれば、これまでのお母様の様子を良く知っていると思いますし、専門の病院を紹介してもらうこともできるでしょう。 そうですね。定期的に通院している病院があります。そこの先生に相談してみますね。 専門の病院を紹介してもらったら、そこで認知機能の検査を受けます。検査にはいくつも種類があって、それぞれ検査方法が異なります。例えば、認知症の検査にも使われる「改訂 長谷川式認知症スケール」「MMSE(Mini-Mental State Examination)」は、5~7分かけて医師の質問に答えたり、図形の模写などの問題をおこないます。その点数によって、認知機能の程度を診断します。 うーん、母の場合、緊張してしまって上手く先生の質問に答えられなさそうな気がします。 そうなんですよね。実際に検査を受けた人からもそういう声があるんです。そこで、軽度認知障害のチェックの場合は、もっと簡単にできる「MCIスクリーニング検査」という診断法もあります。この検査は、アルツハイマー型認知症の原因物質について調べるものです。アルツハイマー型認知症は、アミロイドベータペプチドという物質が脳にたまって神経細胞を傷つけることで発症します。なのでこの検査では、血液中のアミロイドベータペプチドの毒性を弱める機能を持つタンパク質の量を調べることで、軽度認知障害のリスクを判断します。少量の採血のみなので、問診の緊張はないですし、受ける人の負担も少ないのではないでしょうか。 血液で認知機能が低下しているかどうかがわかるんですね!すごい時代ですね。 「軽度認知障害かも」と思っても、なかなか「検査を受けてほしい」とは言い出しにくいこともありますよね。そういうときは、自分で確認できるチェックリストがあるのでそれを使ってセルフチェックをしてみるもの良いんじゃないでしょうか。例えば、東京都が簡単にできる認知症チェックリストを公開しています。当てはまるものが多ければ、スムーズに受診を勧めやすいでしょう。 認知症に進行させないために もし、検査の結果、軽度認知障害と診断されたらどうしたら良いんでしょう。認知症になると覚悟しておいた方が良いですか? 「認知症になるリスクが高い」ということは理解しておいてください。というのも、軽度認知障害をそのままにしておくと、約5年で半分以上の人が認知症に進行してしまうとされているんです。 5年で半分以上が!?これは覚悟しておかないと…。 ただ、対策をすれば認知症にならずに回復することもあります。1年で16~41%の人が健康な認知機能の状態に戻ったという調査結果もあります。もし軽度認知障害と診断されたら、大きなショックかもしれませんが、その後の予防が大切。予防法を学んで対策するように心がけてください。 予防法というと、どんなことをすれば良いんですか? 生活習慣の改善が効果的とされています。例えば、栄養バランスの良い食事を意識することですね。塩分や糖分の摂りすぎに気をつけたり、肉や魚、豆類といったタンパク質をきちんと摂ることも大切です。あわせて有酸素運動も有効です。脳への血流が増えることに加えて、認知症の原因となる糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の予防にもなりますよ。定期的にウォーキングや水泳などに取り組んでみましょう。 認知症の予防というよりは、健康的な生活を心がければ良いんですね。 おっしゃる通りです!「認知症予防」というと、特別なことやストイックに取り組まなければいけないと思いがちですが、全然そんなことはありません。どちらかというと、楽しんでできることの方が脳に良い刺激を与えますから、趣味やレクリエーションを謳歌することが認知症予防につながったりするんですよ。それに、趣味やレクを通じていろんな人と交流することも予防になりますから、楽しんでできることに取り組んでみてくださいね。 「母が認知症にならないように、いろいろと対策をしなきゃ」と気構えていたんですが、そんな必要なさそうですね。軽度認知障害と診断されても、やっていけるような気がしてきました。 それはよかった!軽度認知障害と言われるとショックを受けてふさぎこんでしまって、余計に状態が悪くなってしまう人もいるんです。もし軽度認知障害と診断されても、「早めに認知症の対策や心構えができる準備期間をもらえた」と思うと少し気持ちが楽になるかもしれませんね。 確かに。軽度認知障害の段階でわからずに急に認知症と診断される人もいるんですもんね。ちなみに、どんな準備をしておけば良いんですか? 例えば、認知症の症状について知っておくこと。「食事したこと自体を忘れてしまう」「自分がいる場所がわからない」「外出して家まで帰って来れない」といったものが主な症状です。あわせて、認知症に対しての支援も把握しておきましょう。お住まいの自治体で支援があったり、「認知症カフェ」という認知症のご本人やご家族が集まる場が設けられていることがあります。いざというときにすぐに支援を受けられるように、早いうちに情報を集めておくとかなり気持ちが軽くなると思いますよ。 「物忘れがひどい」と思ったら早めに軽度認知障害の検査を 軽度認知障害をそのままにすると認知症になることも 健康的な生活が認知症の予防につながる 認知症になったときの備えもしておこう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...
2022/08/24
「老人ホームの入居者同士で恋愛をすることがある」と知人から聞いたのですが、本当でしょうか。もうすぐ介護施設に入居する予定の父がおり、もし他の入居者と恋愛関係になったらどのように対応したら良いでしょうか? (中村さん・53歳・パート) 老人ホーム内での恋愛は実際にあります。特に高齢者の場合、恋愛をすることで認知症の症状が改善したり、身体機能が向上することもあるので、悪いことばかりではありません。ただ、トラブルになることも多いのでお2人の様子を冷静に見守りましょう。 老人ホームの入居者同士でも恋愛はある! 友人から「老人ホーム内で入居者同士の恋愛がある」と聞いたのですが、本当ですか?もうすぐ父がサービス付き高齢者向け住宅に入居するので、どうなのか気になって…。 もちろんありますよ!老人ホームでは、同じ空間で過ごす時間が長いので恋愛関係になることはめずらしくないんです。それに、意外かもしれませんが、恋愛をすることで良いこともあるんですよ。 良いこと?どんなことでしょう? 例えば、「認知症の症状が改善した」というケースがあります。恋をすることで気持ちが明るくなったり、身なりに気をつかうようになったり…生活の中で脳への刺激が増えることで認知症が改善するのかもしれませんね。あとは、「恋愛相手と一緒にリハビリをがんばって身体機能が向上した」なんて話も聞いたことがあります。 そうなんだ…。「年をとってから恋愛なんて」と思っていたのですが、恋愛をすることで良い影響もあるんですね。 入居者同士だからこそのトラブルも 恋愛には良い面もあるのですが、同じ介護施設の入居者同士だからこそトラブルになりやすい点に注意です。 トラブルですか! 私が話をよく聞くのは、入居者同士で三角関係になってしまうケースです。施設でのレクリエーション時に、1人の男性入居者の隣の席を女性入居者2人で取り合いになってしまったり、親密な関係にある男性入居者が他の女性入居者と話をしているだけで嫉妬をして嫌がらせをしたり…。 同じ空間で距離が近すぎるから、修羅場になりやすいんですね…。 あと、相手を思う気持ちが強くてストーカーのようになってしまうことも。「好意を寄せている異性の入居者が、急に居室に入ってきた」というケースもあるみたいです。老人ホームだと居室にカギをかけることは「身体拘束」として虐待になってしまいますからカギをかけていないことが多く、他の入居者さんも入れるので、こうしたことが起きることもあるんです。 そんなことがあるんですね、怖いなぁ…。 家族はどんな対応をすれば良い? もうすぐ父がサービス付き高齢者向け住宅に入居するのですが、北野さんのお話を聞いていて少し不安になってきました…。もし、父が施設の中で恋愛をしたら私はどう対応したら良いでしょう? そうですねぇ。まずは「恋愛を頭ごなしに否定しない」ということでしょうか。恋愛によって生活が楽しくなることもあるので、「いい年して恥ずかしい」などと否定をせずに、まずは温かく受け入れてあげてください。「老人ホーム」「施設」というネーミングから、”恋愛ご法度”みたいなイメージをしてしまいがちですが、入居者にとってみては集団生活をしている「お家」ですから、恋愛をするのは自然なことなんです。 確かに。そうですよね。 ただ、トラブルになりやすいのも事実です。思い込みの激しいタイプの人や、相手への気持ちが強くなりすぎている場合は、行き過ぎた行動をしないように注意深く見守る必要があります。 高齢になっても恋愛することは自然なこと! 認知症改善・身体機能向上など、恋愛で元気になることも 施設内だからこそ、トラブルもおきやすい 恋愛を否定せず、冷静に見守ろう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...
2022/07/19
「認知症カフェ」はどんなことをするところでしょうか?また、私が介護をしている認知症の父は、たまにトイレに失敗するものの、まだ自分のことはできています。認知症の症状が軽い状態でも参加しても良いのでしょうか?(山口さん@57歳・会社員) 認知症カフェは、認知症や介護に悩む方などが集まってお茶を飲んだり、勉強会をおこなう場所です。認知症のご本人やその介護をするご家族の他にも地元の方が参加していますから、遠慮せずに飛び込んでみてください! 認知症カフェでは何をしている? 「認知症カフェ」というものがあると聞いたのですが、何をするところですか? 認知症カフェとは、認知症や介護について相談したり悩みを共有することができる場所です。”カフェ”という通り、お茶やコーヒーを飲みながら自由におしゃべりをすることが多いですね。 私の父は、認知症の診断が出ていますが、身の回りのことはたいてい自分でできていますし、そこまで症状が進んでいるわけではないんです。そんな状況でも参加して大丈夫ですか? もちろんです!認知症カフェは、認知症の方やそのご家族だけでなく地域の方も参加しています。認知症について関心がある人や悩みがある人が気軽に集まれる場所なんですよ。 そうなんですね。でも、認知症カフェはただお茶を飲むだけでしょうか?それだとその名の通り”カフェ”というだけな気がしますが…。 それが大切なんです!山口さんも、悩みを誰かに話して気持ちが楽になったことってありませんか?認知症カフェには、「認知症介護が大変」というご家族や「認知症と診断されて自分が変わっていくのが怖い」といった不安を持ったご本人が参加されます。同じ悩みを持った人同士が語らうことで、悩みが解消したり不安が軽くなったりするんですね。 なるほど、人に悩みを話すだけで気が楽になることもありますよね。じゃあ、基本的にはカフェに集まって話をするだけなんですか? カフェによってさまざまですが、認知症や介護についての勉強会や音楽イベントなどのレクレーションを企画しているところもあります。あと、専門家が参加しているので、介護についての相談もできますよ。 そもそも認知症カフェの目的は? 認知症カフェは、オランダの「アルツハイマーカフェ」をもとにしたものなんです。日本は「病気」というと、閉鎖的で隠してしまう傾向がありますが、オランダのこのカフェではオープンにして社会全体で認知症の人やその家族を支えていこうという考え方ですね。 へー、そういう考え方もあるんですね。 そこで日本では、厚生労働省が定めた「オレンジプラン」やその後の「新オレンジプラン」によって「認知症カフェ」という名前がつけられ、各地で開催されるようになりました。認知症カフェもオランダのアルツハイマーカフェと同様に、地域や社会で認知症の人やその家族を支援できるように認知症という病気をオープンにして理解を広める活動をしています。 だから、認知症の人だけでなくて地域の人も参加できるんですね。 認知症カフェが外出するきっかけに 先ほど、カフェによって活動内容が異なることをお話ししましたが、プログラムはカフェによって特徴があります。例えば、宮崎県日之影町という町でおこなわれている認知症カフェでは、ラジオ体操で身体を動かすことの他に、クリスマスケーキ作りやそうめん流しといった季節に合わせたイベントをしているそうですよ。 へえ!なんだかデイサービスみたいですね。 認知症カフェは、認知症の人が家にこもりきりにならないように、出かけるきっかけになることも目的のひとつなんです。ですから、活発にレクリエーションやイベントをおこなって、認知症カフェを暮らしの楽しみにしてもらおうというわけですね。 認知症とわかってから、父がこもりがちになってしまったんです。なので、認知症カフェに連れ出してみようと思います。どこで開催しているのかは、どうやったらわかりますか? 役所や地域の福祉をとりまとめている「地域包括支援センター」で聞けば、開催日時や場所についても教えてもらえますよ。ぜひ、認知症カフェに足を運んでみてください! 認知症カフェは誰でも参加OK! 認知症や介護の悩みを吐き出せる場所 カフェごとに内容は異なるので、近くの認知症カフェを探してみて pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...
2022/07/08
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。