特集
有限会社KODENは、船舶用の水洗トイレの技術を活かし介護用の水洗トイレを開発。今回開発された介護用水洗トイレは、ホースを2本つなぐだけでどこの部屋にも設置できる水洗トイレです。このトイレは軽くて持ち運びがしやすく、寝室のベッドの横にも設置できるそうです。 船の技術が活かされた介護用水洗トイレ 有限会社KODENの創業時は漁船のメンテナンスなどの技術を活かし、自社でオリジナルの船舶用水洗トイレの開発・販売をおこなっていました。その船舶用水洗トイレを応用して開発されたのが介護用水洗トイレ「まりん」だそうです。 介護用水洗トイレ「まりん」は給水用のホース・排水用のホース・電源コンセントを繋げる場所であれば、どこの部屋にも設置できます。また、排泄物を細かく砕きホースを通して自動で排出してくれるので後始末の必要がなく、介護をしている人の負担も減らせます。 介護のトイレ問題はデリケート 高齢になりトイレの失敗をしてしまう人は多くいます。トイレの失敗はデリケートな問題です。一見とても小さい失敗に思えても、本人や家族の精神的に大きなダメージを与えてしまうこともあります。 トイレの失敗を改善するためには、トイレまわりの環境を整えるのが大切です。環境を改善するポイントは主に以下です。 寝室からトイレまで移動しやすいようにする(トイレと近い部屋に移動する、手すりをつける、など) トイレのドアを開き戸から引き戸にする 脱ぎ着しやすいズボン・下着にする ポータブルトイレを利用する ポータブルトイレは便座の下にあるバケツに排泄物が入り、バケツを取り外して排泄物の処理をする作りが多いです。バケツタイプのポータブルトイレはこまめに洗わなければいけないため、介護者の負担になります。また、臭いや衛生面が気になる人もいるでしょう。今回開発された介護用トイレは温水洗浄トイレなので衛生面でも安心できますね。 トイレの失敗を恐れて、「飲食を控える」「あまり寝付けない」という高齢者も多いかもしれません。加えて、トイレを我慢してしまうと思わぬ病気につながることもあります。高齢者本人にとっても、介護者にとっても、安心して清潔に利用できるトイレが近くにあるのは良いことですね。 参考:「介護用水洗トイレ『まりん』」(有限会社光電)
2024/04/03
農林水産政策研究所がおこなった調査により、食料品などの買い物が困難な65歳以上の高齢者は全国で25.6%いることがわかりました。 今回の調査での「食料品などの買い物が困難」とは、スーパーやコンビニが近くになく自動車も使えない状態のことを言います。 都心も地方も買い物が困難な高齢者は同じ比率 農林水産政策研究所は、2020年の食料品アクセス困難人口の推計値を2024年3月19日に発表しました。「アクセス困難人口」とは、スーパー、コンビニ、百貨店、小売業などの店舗が自宅から500m以上かつ自動車を利用できない65歳以上の高齢者を指します。 アクセス困難人口とされる買い物が困難な65歳以上の高齢者は、全国で25.6%いることがわかりました。また、買い物が困難な高齢者を地域別に見ると、東京圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)は22.5%、名古屋圏(愛知・岐阜・三重)は26.4%、大阪圏(大阪・京都・兵庫・奈良)は26.0%、そのほかの地方圏は26.9%と、都心部も地方も大きな差がありませんでした。 高齢者が買い物困難な理由は? 福岡市社会福祉協議会は、高齢者が買い物が困難になってしまう理由として以下をあげています。 虚弱高齢者の増加(横断歩道を青信号中に渡れない、重い荷物を持てない、など) 単独高齢者の増加 地域の公共交通サービスの衰退(バスなどの路線廃止、減便など) 買い物環境の変化・減少(近くの商店が移転した、撤退した、など) 運転免許証の自主返納の増加 近所、家族、社会などの人間関係の希薄化 福岡市社会福祉協議会は高齢者が買い物が困難になってしまう理由を踏まえて、地域や企業、商店、事業所などと連携し、移動販売、買い物の送迎、宅配などのさまざまな買い物支援をおこなっています。 福岡市に限らず、ほかの地域でも高齢者が買い物をしやすいようにする支援が広まっています。食品や日用品などの買い物は生活するうえで必要不可欠なもの。意外と身近に知らなかった買い物支援があるかもしれません。興味がある人は、インターネットで自分の住んでいる地域や農林水産省の買い物支援のパンフレットを探してみましょう。
2024/04/02
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の生活意識で「苦しい」と感じている人は30.2%、「大変苦しい」と感じている人は18.1%と半数に近い48.3%の人が生活が苦しいと感じていることがわかりました。 一方、「普通」と答えた人は45.1%で回答の中で最も多く、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と答えた人と合わせると、半数以上が金銭面に不満がないことがわかりました。 高齢者世帯の半数以上が「生活にゆとりがある」と回答 今回おこなわれた厚生労働省の調査では、「高齢者世帯」「児童のいる世帯」「母子世帯」に分けて生活意識を調査。高齢者世帯では、生活意識は「普通」と答えた人が最も多く45.1%、次が「やや苦しい」と答えた人で30.2%、その後は「大変苦しい」が18.1%、「ややゆとりがある」が5.8%と続きました。 今回の調査の結果では、生活意識に「普通」と答えた人と「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と答えた人を合わせると、生活にゆとりを感じている高齢者世帯が半数以上いることがわかります。 また、2019年におこなわれた生活意識の調査と比べると「普通」「ややゆとりがある」と答えた人は増え、「やや苦しい」「大変苦しい」と答えた人は減っています。 高齢者世帯の毎月の赤字は約2万円 別の調査では、統計局が各世帯の家計収支を調査。調査結果では、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上で無職の世帯の実収入をみると、65~69歳の世帯は27万1086円、70~74歳の世帯は24万8556円、75歳以上の世帯は23万9876円でした。また、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は23万6576円でした。 実収入と消費支出を比べた家計収支を見てみると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では平均1万8525円不足するという試算が出ています。 昨今では「老後資金に2000万円必要」などと言われており、将来に不安を感じる高齢者も少なくありません。しかし、別の内閣府の調査でも経済的な暮らしに心配ないと答える高齢者が半数以上いるという結果も出ているので、実際には大きな不安を持たなくても良いのかもしれませんね。 「毎月家計に赤字が出ていて大変…」と不安を感じている人は、家計を見直したり、思い切って働いてみたり、できることから工夫をしてみましょう。 参考:「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省) 参考:「Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支」(統計局)
2024/03/29
今月、愛媛県松山市内のサービス付き高齢者向け住宅で95歳の女性の腕を骨折させるという事件が発生しました。女性に暴行を働いた相手は同施設で働いている看護師の男で、暴行を受けた女性は全治3ヵ月から4ヵ月の大怪我だったと言います。 高齢者向け住宅で暴行事件が発生 警察の調べによると、2024年3月8日の午後7時ごろ、愛媛県松山市内のサービス付き高齢者向け住宅で看護師が入居していた95歳の女性の左腕をひねるなどして骨折させるという事件が発生。一連の暴行事件の容疑で同施設で看護師として働いている30歳の男が逮捕されました。 この事件は、被害者の女性の家族が警察に相談をし、相談を受けた警察の捜査により発覚。警察による聞き取りや防犯カメラの映像などから容疑者を割り出し、3月27日に容疑者の男を逮捕しました。 警察の調べに対し、男は容疑を認めていると言います。警察は引き続き動機や余罪などについて、さらに詳しく捜査を進めていくとしています。 「虐待かも?」と思ったら、まずは専門家に相談を 今回の事件は、被害者の家族が早い段階で警察に相談したことにより発覚しました。高齢者への虐待は、どれも高齢者の尊厳を著しく傷つけてしまったり、場合によっては命の危険につながったりすることもあります。そのため、虐待の疑いを持った段階で速やかな通報をおこなうのが望ましいです。 施設内で起こる高齢者への虐待は表面化しにくく早期発見が難しいという特徴があります。家族など周囲の人が虐待の兆候に気づいたときには専門機関に相談しましょう。高齢者虐待の相談窓口は、地域包括支援センターや法務省の常設する人権相談所など、公的な窓口が複数用意されています。 家族など周囲の人が高齢者本人や入居している施設に対して「虐待かもしれない」「このままでは虐待につながってしまうかも…」など、虐待のおそれがあると気づいた段階で相談・通報することで高齢者虐待の早期発見や防止につながります。 虐待の疑いを持っても「通報」と考えると勇気がいるかもしれません。まずは信頼できる施設のスタッフやケアマネジャーに相談するのも良いです。一人で抱え込まずに身近な人に相談してみましょう。
2024/03/28
2024年3月10日、仙北市のあきた芸術村で「劇団ひこばえ」のシニアミュージカル「顔晴(がんば)れ!秋田の米農家!令和の中学生体験記」が上演されました。 「劇団ひこばえ」とは、東北を代表する劇団「わらび座」が高齢者に声掛けをし、結成された劇団のこと。わらび座は高齢者が出演するミュージカルである「シニアミュージカル」の普及を後押ししています。 高齢者約15人と結成した劇団がミュージカル公演 今回、シニアミュージカルを上演した劇団ひこばえは、約15人の高齢者で結成されました。劇団に所属する高齢者が台本を作成し、上演に向けて半年間も練習を重ねてきたそうです。 劇団ひこばえは、東北を代表する劇団のわらび座が、地元のシニア層を中心にミュージカルの楽しさを知ってもらおうと高齢者にシニアミュージカルの参加を呼びかけ結成されました。わらび座は高齢者で結成されたほかの劇団もサポートしており、シニアミュージカルを広める活動をおこなっています。 ミュージカルはフレイル予防に良い 高齢者にミュージカルを広めるわらび座の取り組みに、認知症に詳しい秋田大学院医学系研究科の講師も協力。講師はシニア劇団員に定期的に体力測定などをし、ミュージカルの効果を研究しました。 その結果、一般的な運動教室へ通う場合よりも、シニア劇団員としてミュージカルに出演した場合の方が記憶力の面で大きな上昇がみられたそうです。また注意力や情報処理の速度の面でも数値が向上。ミュージカルを演じるうえでおこなう、全身運動や台詞を覚えたり大きな声を発したりする身体の動きが良い影響を与えていると考えられます。 また、劇団に所属してシニアミュージカルに出演することで、皆で同じ演目を上演するための共通の目標を持ち、人のつながりもできます。 東京都医師会は健康長寿に大切な3つの柱を「栄養」「運動」「社会参加」としています。シニアミュージカルに参加することで健康長寿に大切な3つの柱のうち「運動」と「社会参加」の2つを自然とおこなえるので、フレイル予防の効果が期待できますね。 観るのも出演するのも楽しいミュージカル。高齢者が楽しく意欲的に参加できる取り組みが今後も増えると良いですね。 参考:「フレイル予防」(東京都医師会)
2024/03/27
しゅふJOB総研は、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にアンケートを実施。その結果、現在介護をしている人・現在は介護をしていない人共に半数以上の人が「介護と仕事を両立するのは難しいと感じている」ことがわかりました。 介護と仕事の両立は難しいと感じる人が多い しゅふJOB総研は、「介護と仕事の両立」をテーマに仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にアンケートを実施しました。 「現在、誰かの介護をしているか」という質問には約9割の87.3%の人が介護をしていないと回答。さらに介護をしていないと回答した人に「今後介護をおこなう可能性」について質問をしたところ、「いずれは介護をすることになりそう」と答えた人は42.7%、「近いうちに介護をすることになりそう」と答えた人は9.6%と、約半数の人が将来家族の介護をする可能性を感じていることがわかりました。 また、介護と仕事の両立についての質問では、現在介護をしている人と現在介護をしていない人に分けてアンケートを実施。現在介護をしている人の中で「介護と仕事の両立は難しい」と答えた人は61.8%、現在は介護をしていない人の中で「介護と仕事の両立は難しい」と答えた人は71.2%と、どちらも半数以上の人が介護と仕事の両立は難しいと感じていることがわかりました。 介護と仕事を両立するために 厚生労働省では、介護と仕事を両立するためのポイントとして、以下の項目を挙げています。 職場に「家族等の介護をおこなっていること」を伝え、必要に応じて勤務先の仕事と介護の両立支援制度を利用する 介護保険サービスを利用し、自分で介護をしすぎない 介護保険の申請は早めにおこない、要介護認定前から介護保険サービスの調整をする ケアマネジャーを信頼し何でも相談する 日ごろから家族や要介護者本人の近所の人たちと良好な関係を築く 介護を深刻に捉えすぎないように自分の時間を確保する また、厚生労働省は家族の介護を理由に現在の仕事を辞めてしまう「介護離職」を防ぐために「介護休業制度」の案内をする特設サイトを運営しています。 自宅での介護は閉鎖的で孤独を感じてしまう人が多くいます。家族、職場、介護事業者、ケアマネジャーなど、さまざまな人と協力して在宅介護をするのが良いですね。 参考:「仕事と介護 両立のポイント」(厚生労働省)
2024/03/27
米国食品医薬品局は、ヨーグルトに関するさまざまな研究結果を踏まえて「ヨーグルトを食べると2型糖尿病のリスクを軽減できる」という健康強調表示を支持すると発表しました。 「ヨーグルトを食べると2型糖尿病のリスクを軽減できる」という健康強調表示は、食品会社より出された要望を受けたことにより発表。米国食品医薬品局は、ヨーグルトと2型糖尿病のリスク低下に関する信頼できる研究結果がいくつかあるための判断だそうです。 ヨーグルトを食べると糖尿病のリスクが低下する ヨーグルトを食べる習慣がある人は糖尿病のリスクを低下するという研究結果は、いくつかの研究で証明されています。 例えば、英国の大学がおこなった研究では、ヨーグルトを食べている人は、そうでない人に比べて2型糖尿病のリスクが最大で28%低いことがわかっています。この研究は同国に在住する3502人の成人を11年に渡り調査した結果です。 また、米国の大学院による10万人以上の健康データを解析した3件の大規模な研究でも、1日に28gのヨーグルトを毎日食べている人は、そうでない人に比べて2型糖尿病のリスクが18%低いことがわかりました。 ヨーグルトは週に2カップ食べるのがおすすめ 米国食品医薬品局は、ヨーグルトと糖尿病のリスク低下に関するいくつかの研究結果を踏まて「週に少なくとも2カップ(3回分)のヨーグルトを定期的に食べると、2型糖尿病のリスクが軽減される可能性があります」という文面の健康強調表示を認めることを発表しました。 米国食品医薬品局は、1週間あたり2カップ (3回分) のヨーグルトを健康強調表示の最低量とみなしています。ヨーグルト1カップは約100g~200gです。 ヨーグルトなら調理をしなくてもそのまま食べられるので、高齢者にも手軽に食べられます。ヨーグルトは朝食やおやつにも向いているので、気軽に毎日の食卓に加えたいですね。
2024/03/22
ピクシーダストテクノロジーズ株式会社とシオノギヘルスケア株式会社は、「ガンマ波サウンド」の取り組みの強化の一環として、店内のBGMなどに利用する音楽配信サービスと業務用BGMアプリに「ガンマ波サウンド専用チャンネル」を開設。ガンマ波サウンドのオリジナル楽曲の2曲を配信するそうです。 「ガンマ波サウンド」とは、音によって脳に刺激を与えるサウンドのこと。ガンマ波サウンドによる脳の刺激は認知症のケアに役立つという研究結果が出ています。 「ガンマ波サウンド」とは 「ガンマ波サウンド」とは、脳の認知機能に影響を与える「40Hzの変調音」を組み込んだ音楽です。 米国でおこなった研究では、アルツハイマー病患者に40Hzでの感覚刺激を6ヵ月間与えたところ、アルツハイマー病の特徴である脳萎縮が軽減されたことがわかりました。この研究結果により40Hzのガンマ波は、アルツハイマー病による脳の萎縮の軽減と細胞の損傷を防ぐ効果があることがわかったのです。 音のある場所で認知症ケアを ピクシーダストテクノロジーズ株式会社とシオノギヘルスケア株式会社は、スマートフォンなどの個人のデバイスや公共の場でのBGMなど、「音」のあるさまざまな場所でガンマ波サウンドが聴ける環境を作る取り組みをおこなっています。ガンマ波サウンドが聞けるさまざまな場所で認知症ケアができる環境を作り、認知症問題の解決に挑むことを目指しているそうです。 同社は店内などに利用するBGMの配信サービスと業務用BGMアプリに「認知機能ケアを目指すガンマ波サウンド」という専用チャンネルを開設。また、ガンマ波サウンドのオリジナル楽曲を2曲作成し、2024年3月より専用チャンネルでの配信を開始しました。 音楽を聞くことで認知症ケアになるのは手軽で良いですね。自分でスマートフォンなどを操作して音楽を聞くのが難しい高齢者でも、街中で自然と流れている音楽なら聞きやすいでしょう。生活の中のさまざまな環境が認知症のケアや予防につながる取り組みが今後も広がると良いですね。 参考:「コグニート・セラピューティクス、6ヶ月間の独自のガンマ感覚刺激がアルツハイマー病患者の白質萎縮を軽減すると発表」 参考:「認知機能に作用する自然な音「40Hzガンマ波サウンド」を共通開発」(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)
2024/03/21
八王子市が取り組む「練り歩き隊」の活動が、NHK厚生文化事業団による「第7回認知症とともに生きるまち大賞」を受賞したそうです。 「認知症とともに生きるまち大賞」とは、認知症になっても安心して暮らせる街づくりの取り組みを表彰するもの。今回受賞した「練り歩き隊」は、八王子市内に住む認知症当事者が地域を回り、認知症の人が利用しづらいと感じた点を指摘する活動をしています。 認知症の人が「利用しづらい」を指摘 「練り歩き隊」は、八王子市内に住む認知症当事者と、認知症当事者をサポートするデイサービス事業者、高齢者あんしん相談センターの認知症地域支援推進員、行政、企業や学生ボランティアなどが所属しています。 練り歩き隊の活動内容は、練り歩き隊のメンバーである認知症当事者と認知症当事者をサポートをするメンバーが、地域の図書館やスーパー内を歩いて案内表示など施設を利用するうえで「認知症の人が利用しづらい」と感じた点などを指摘する活動をしています。 また、施設側は、指摘された内容を参考に認知症の人が利用しやすい環境や利便性を向上するのに役立てています。 認知症の人が「利用しづらい」環境とは 認知症の人にはどういった環境が「利用しづらい」と感じるのでしょうか。株式会社ソーシャルデザインネットワークスがおこなった調査では、一般的にはわかりやすい記号が認知症の人にはわかりにくい場合があることがわかりました。 例えば、男女が立って並んでいるトイレのマーク。認知症の人が見る場合には「人が2人立っているマーク」「男と女のマーク」など、「トイレのマーク」と認識できていない人が半数以上いました。 一方、人が便座に座っており、背景が青い色のマークは「男性トイレ」、女性のシルエットで背景が赤い色のマークには「女性トイレ」と正しく認識している人が多いそうです。この結果から、認知症の人には絵柄の内容ではなく、色で伝える方が認識しやすいということがわかりました。 認知症の人が「わかりにくい」「利用しづらい」と思うものがどんなものなのかは、認知症の当事者でないとわからないことが多いです。練り歩き隊のように、認知症の人の声を聞きながら、認知症の人が生活しやすい環境を整える活動が広がると良いですね。 参考:「認知症の人にも優しい記号の調査」
2024/03/19
トイメディカル株式会社は、塩分の過剰摂取を防ぐ新たな「塩分コントロール技術」を応用した食品の研究開発に着手したことを発表しました。 今回発表された塩分コントロール技術は、塩分を体内に入れた際の吸収をコントロールする技術。身体が吸収する塩分の量を減らせるので、食事の塩分を減らすことなく塩分の過剰摂取を防ぐことができるそうです。 塩分の吸収を抑える「塩分吸着ファイバー」 トイメディカル株式会社は、塩に含まれるナトリウムを吸着する性質がある「塩分吸着ファイバー」に注目。研究開発を重ね、独自の塩分コントロール技術を確立しました。この技術は同社のサプリメントに生かされており、そのサプリメントを飲めば、食事の味わいを変えること無く減塩と同等の効果が期待できます。 今回の発表では、「塩分吸着ファイバー」と、麺、加工肉、製菓、ファストフードなどのさまざまな食品を掛け合わせた、新たな食品の開発に着手したそうです。塩分コントロール技術を利用した食品なら、「健康を気にして塩味の美味しい食事に罪悪感を感じること無く、好きな食事を楽しむことができる」と言います。 塩分の過剰摂取は身体にさまざまな影響がある 厚生労働省が発表する「日本人の食事摂取基準」では、1日あたりの食塩摂取の目標値は約7gとされています。しかし、実際には7gを超えた量を摂取していると言われており、世界的に塩分の過剰摂取が問題視されています。 アメリカの研究では、食卓で料理に塩をかける頻度が高い人・濃い味の料理を好む人は、そうでない人に比べて糖尿病を発症するリスクが28%も高いことが明らかになっています。 また、塩分を多く摂取することは、糖尿病だけでなく、心血管疾患、脳卒中、腎不全などの生活習慣病のリスクも高めることが知られています。 濃い味付けの食事は美味しく魅力的で、ついつい食べ過ぎてしまいますね。食事は生活に大きく関わるので、美味しく楽しい食事ができることが望ましいですが、食事で健康が害されては意味がありません。新たな技術で美味しく健康な料理が広まっていくと良いですね。 参考:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)
2024/03/15
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。