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#最新研究

#最新研究 #糖尿病予防

糖尿病だと血栓リスクが上昇!?更年期障害でさらにリスクアップか

新たな研究で、糖尿病を患っている人はそうでない人に比べて、血管内に血の塊ができる血栓症の発症リスクが上昇することがわかりました。 この研究はオーストリアのウィーン医科大学によっておこなわれたものです。 血栓症とは 今回の研究で言及されている「血栓症」とは、端的に言うと血管内に「血栓」と呼ばれる血の塊ができて、それが血管を詰まらせてしまう病気です。 血栓は主にふくらはぎや太ももの血管でできることが多く、それが血流に乗って肺などに運ばれることでさまざまな症状が出現。足から心臓へと血液を戻す深い部分の静脈に血栓ができた場合は、足に痛みが出たり、足が赤黒く腫れたりもします。 また、足の血管にできた血栓が肺まで運ばれると、胸の痛みや動悸などの症状が出るほか、場合によっては呼吸困難で命に危険が及ぶこともあります。 一方、血栓ができただけでは症状が出ない場合も。ただ、その血栓が肺まで運ばれると重症化する危険があるため、それまでに処置する必要があります。 調査の概要 今回の研究では、オーストリアで保管された2003~2014年にわたる約4500万件の医療データを活用しました。 研究の対象者は、糖尿病と診断された男女約18万人。構成は、男性が10万9295人、女性が7万739人です。 調査の詳細 研究グループは、対象者の医療データを分析。その結果、糖尿病を患っている人はそうでない人に比べて、血栓症を発症するリスクが男性で1.3倍、女性で1.52倍上昇したことが明らかになったのです。 糖尿病を患っている中年女性は特に血栓症になりやすく、50代女性は1.65倍まで血栓症のリスクが引き上がることも判明。この理由について、ウィーン医科大学のカロラ・ダイシンガー氏は「50代は更年期の影響を受けやすいことも、リスクが上昇した一因なのではないか」と分析しています。 では、血栓症はどうすれば予防できるのでしょうか? イギリスのブリストル大学に所属するセトール・クヌーソル氏は「パソコンの前で何時間もデスクワークをするなど、座ったままの時間が長くなる場合は、30分ごとに立ち上がってストレッチをしたり軽く周りを散歩したりすると良いでしょう」と、小まめに身体を動かす機会をつくるように勧めています。

2023/01/16

#心疾患 #最新研究

3~4分の運動で心疾患の死亡リスクが半減!?ジムに行かなくてOK?

新たな研究で、1分間の少し息が上がる程度の運動を毎日3~4回するだけでも、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを大幅に減らせることが明らかになりました。 この研究は、オーストラリアのシドニー大学やイギリスのオックスフォード大学など複数の大学が共同でおこなったもので、研究成果は医学誌「Nature Medicine」に掲載されています。 研究の概要 研究グループは、病気の発症・進行に遺伝や環境がどう関わっているかを調べているイギリスの大規模研究に参加した男女のうち、運動習慣がない人およそ2万5000人の健康データを分析しました。 また、今回の研究では7日間、対象者の手首に運動量や心拍数などが測れる装置を装着しデータを収集。その後、約7年にわたって追跡調査を実施しました。 研究の詳細 対象者の健康データを分析した結果、1分間程度の簡単な運動を毎日3~4回おこなうだけで、心筋梗塞など心血管に起因する病気の死亡リスクが約50%減らせることが明らかになったのです。 この研究をリードしたシドニー大学のエマニュエル・スタマタキス教授によると、運動のためにまとまった時間を取ったりジムに通ったりしなくても、毎日の生活を少し工夫するだけで心疾患の死亡リスクは減らせるそうです。 研究グループは、以下のような少し息が上がる程度の運動を毎日続けると良いとしています。 いつもより少し速度を上げて歩く 手前の駅で降りて、1駅分歩いて帰宅する エレベーターやエスカレーターではなく、できるだけ階段を使う ペットボトルをダンベル代わりにして、軽い筋トレをする 1日のうち数分なら、運動習慣がない人でも身体活動を毎日の生活に取り入れられそうですね。歩行が不安定な高齢者の場合は、つかまり立ちをしながら足踏みをしたりかかとの上げ下げをしたりすると良いかもしれません。

2023/01/13

#最新研究 #糖尿病予防

海苔から血糖値を上げにくい甘味料ができる!?「イソフロリドシド」に注目

新たな研究で、のりに含まれる成分「イソフロリドシド」の仕組みが解明されました。 この研究を進めている佐賀大学は、イソフロリドシドが天然の甘味料として活用できる可能性があるとしています。 のりに含まれる「イソフロリドシド」とは のりには「イソフロリドシド」と呼ばれる成分があります。 佐賀大学がこのイソフロリドシドを分析した結果、砂糖や人工甘味料などと同じように、舌など甘味を感じる部分に働きかける物質であることが確認されました。 さらに研究を進めると、イソフロリドシドは砂糖と以下の点で異なっていることも明らかになったのです。 食べても身体に消化吸収されない 食欲を減らす 糖の代謝を促すインスリンの濃度を増やすホルモンが分泌されやすくなる この結果を受けて、佐賀大学はイソフロリドシドの研究をさらに進め、摂取しても血糖値が上がりにくい、天然由来の甘味料の実用化を目指したい、としています。 血糖値の急上昇を防ぐ食べ方 白米や麺類、または砂糖をふんだんに使ったスイーツなどを食べると、血糖値の急上昇を引き起こします。血糖値が上昇した状態が続くと糖の代謝を促すインスリンの働きが鈍くなり、糖尿病のリスクが高まることも知られています。 そのため、糖尿病を予防するには血糖値の急上昇を防ぐことが大切です。 では、どのようにすれば血糖値の急上昇を防ぐことができるのでしょうか? 十和田市中央病院の糖尿病ケアチームによると、以下のような対策が有効だそうです。 1日3食食べる 血糖値が上がりにくい食品を選択する 食物繊維の多い食べ物から食べる 3食の中で食事を抜いてしまうと、その次の食事後の血糖値が急上昇するそうです。 また、血糖値が上がりにくい食品を選ぶことも重要です。一般的には、「白い穀物」より「茶色い穀物」のほうが血糖値が上がりにくいとされています。例えば、白米より玄米、食パンよりライ麦パンのほうが血糖値が上がりにくいと言われています。 さらに、野菜やキノコ類など食物繊維の多い食べ物から食べることで血糖値の上昇を抑えられることも、過去の研究から明らかになっています。 今回のイソフロリドシドが実用化されれば、血糖値の上がりにくい甘味料として新たな選択肢となるかもしれません。今後、イソフロリドシドからできた天然由来の甘味料ができれば、より健康に適した甘いものを食べられるようになりそうですね。

2023/01/12

#最新研究 #糖尿病予防

腸内細菌が糖尿病を予防!?インスリンの効きやすさに善玉菌が影響か

新たな研究で、「コプロコッカス属」と呼ばれる腸内細菌が多い人は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きやすい傾向にあることが明らかになりました。 この研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ医療センターによって実施されたものです。 腸内フローラとは 腸内フローラとは腸内に生息する細菌の環境のことを言います。 人の腸内には、500~1000種類の腸内細菌が生息していると言われています。そんな多種多様な細菌が、腸内に一面に広がると花畑に見えることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになったそうです。 腸内フローラを構成する細菌には、有害な物質をつくる悪玉菌、悪玉菌の侵入を防いだりお腹の調子を整えたりする善玉菌、悪玉菌と善玉菌の様子を探って優勢なほうにつく日和見菌があります。 腸内細菌のうち、悪玉菌が1割、善玉菌が2割、日和見菌が7割を占めています。これらのバランスが乱れると下痢や便秘だけでなく、免疫力低下やうつ病などさまざまな疾患を引き起こすと考えられています。 研究の概要 今回の研究は、アメリカのシダーズ・サイナイ医療センターによっておこなわれました。 研究グループは、40~80歳で、今まで糖尿病と診断されていないアメリカ人352人を2018年から追跡調査。調査期間中に、28人が糖尿病と診断され、135人が糖尿病予備軍の判定を受けました。 研究の詳細 研究対象者のデータを分析した結果、食べ物の消化吸収を促す善玉菌の一種である「コプロコッカス属」の細菌が多い人は、糖の代謝を促すインスリンが効きやすい傾向にあることが判明したのです。 逆に「フラボニフラクター属」と呼ばれる腸内細菌が多い人は、インスリンが効きにくい傾向にあることも明らかになりました。 シダーズ・サイナイ医療センターの内分泌遺伝学研究室の所長であるマーク・グダルジ氏は「どの腸内細菌が糖尿病を予防したり治療したりするのに有用であるか調べるためには、さらに詳細な研究が必要だ」と述べました。

2023/01/12

#最新研究 #認知症予防 #認知症対策

難聴の人が補聴器を使うと認知機能が改善!?聴覚と認知機能の関係

高齢者によく見られる症状のひとつに、耳が聞こえにくくなる難聴があります。「難聴は高齢者の認知機能の低下や認知症をもたらす」と以前からの研究で指摘されています。 しかし新たな研究で、補聴器でその難聴の状態を改善すれば、認知機能の低下を抑制できる可能性が示されました。 この研究は、シンガポール国立大学を中心とした研究グループによるものです。 難聴と認知症の関係 なぜ、難聴になると認知機能が低下したり認知症を発症したりすると言われているのでしょうか? 一説によると、難聴になり脳に送られる情報量が極端に減少することで、脳の神経細胞の働きが鈍くなり脳が萎縮する可能性があるそうです。 耳は24時間休むことなく脳に外界の情報を伝達し、脳も耳から送られてきた情報を処理するために活発に働いています。しかし難聴になると、その情報量が減ります。情報量が減れば、脳も情報を処理する機能を使わなくなります。脳は各部位ごとに連携して動いているため、ある部位が使われなくなると脳の働きそのものも鈍くなってしまうリスクがあるのです。 2011年にアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学でおこなわれた研究によると、軽度の難聴がある人は認知症の発症リスクが、難聴でない人の2倍になったそうです。 また、難聴で会話に参加できないために人とのコミュニケーションが減り、抑うつ状態につながることも考えられます。抑うつ状態も、認知症発症の要因だとされています。 補聴器の使用で認知機能の低下を抑制 シンガポール国立大学を中心とする研究グループは、約12万6000人を対象に実施された、8つの研究を分析。その結果、補聴器を使用している人は、補聴器を使用していない難聴の人に比べて認知機能の低下が19%緩やかだったことが明らかになったのです。 また、補聴器を使用しているグループと使用していないグループに対して、短期記憶に関する認知テストを実施した研究も分析。補聴器を使用している人は使用していない難聴の人より、3%ほどスコアが良いことも判明しました。 以上の研究により、耳が聞こえることで得られる効果の高さがわかりました。 補聴器は決して安くはない買い物ですが、高齢者が難聴で悩んでいたら検討してみても良いかもしれませんね。

2022/12/28

#フレイル予防 #介護予防 #最新研究

コロナ禍で高齢者の運動機能が3倍以上低下!?歩行能力、柔軟性などに影響

新たな研究で、新型コロナウイルスの流行によって高齢者の身体活動量が減少し、身体能力の大幅な低下が見られることが明らかになりました。 この研究は筑波大学によっておこなわれ、研究結果は「日本老年医学会雑誌」という医学誌に掲載されています。 研究の概要 今回の研究の対象者は以下のとおりです。 茨城県笠間市在住の高齢者(平均年齢73.2歳) 高齢者の健康や体力、身体活動に関する調査「かさま長寿検診」に参加した240人(男性107人、女性133人) 今回の研究では、対象者の身体活動や体力に関する2016~2020年のデータを解析しました。 研究の詳細 集められたデータを解析した結果、新型コロナウイルスの流行下では通常に比べて、より高齢者の体力や身体機能が低下したことが明らかになりました。 特に低下が大きかったのは、移動動作能力、歩行能力、柔軟性でした。 移動動作能力は、「Timed Up & Go」と呼ばれるテストを使って対象者の能力を測定。「Timed Up & Go」は、椅子に腰かけた状態からスタートし、合図があったら対象者は立ち上がり、3m前方にあるコーンを回って再び椅子に腰かけるというテストです。また対象者は、この動作を自分ができる最大速度でおこないます。 このテストは対象者に、立ち上がる、歩行する、コーンを回るなど複合的な動作を要求します。そのため、高齢者の下半身の筋力やバランス、歩行能力などの全体的な身体機能を評価できるのです。 このテストを対象者におこなった結果、通常の加齢に伴う変化と比べて新型コロナ流行以後のほうが、3倍以上も高齢者の移動動作能力が低下していたことが判明しました。 さらに対象者に、5mを通常の速さで歩いてもらったり、上半身を前方に伸ばして柔軟性を測る長座体前屈をしてもらったりもしました。 やはり通常の加齢に伴う変化と比べて歩行能力、柔軟性ともに大幅に能力が低下していました。特に柔軟性では、通常の加齢変化に比べ5倍以上も低下していることが明らかになったのです。 この結果を受けて、研究グループは「新型コロナ流行など日常生活に制限がある中では、移動動作能力や柔軟性が低下することがわかりました。高齢者の体力を維持するために、介護予防プログラムを実施する必要があると考えられます」と、高齢者の体力を維持するような取り組みの必要性を訴えました。

2022/12/26

#うつ病 #最新研究

温泉に多く入る高齢者は「うつ」になりにくい?ストレス緩和効果が影響か

新たな研究で、温泉を習慣的に利用していると、うつ病の発症が抑えられる可能性が示されました。 この研究は九州大学の研究グループによっておこなわれ、研究結果は「Complementary Therapies in Medicine」という医学誌に掲載されています。 研究の背景 高齢になると、近しい人が亡くなるなど何かを喪失する経験が増え、それに加えて加齢による病気なども増加。そのため、高齢者はうつ病になりやすいと言われています。 高齢者のうつ病防止のために温泉が有効なのではないか、と以前から考えられてきましたが、詳細は不明なままでした。 こうしたことから、高齢者のうつ病予防に温泉が本当に効果的なのか確かめるために、今回の研究に至ったのです。 研究の概要 今回の研究では、2011年に実施された、温泉の利用状況と病気の既往歴に関するアンケート調査を解析。そのアンケートは、65歳以上で別府市在住の高齢者のうちランダムに選ばれた2万人に送信したものです。 研究では、2万人のうち研究に有効な返答があった10429人のデータを分析しました。 研究の詳細 アンケートに有効な返答があった10429人のうち、219人にうつ病の既往歴がありました。その人らの属性を分析した結果、以下の特徴に当てはまる人が特にうつ病の既往歴がある人の割合が高かったことが判明したのです。 不整脈、脂質異常症、腎臓病、アレルギーの既往歴がある 温泉の利用回数が月1回未満 女性である 反対に、習慣的に温泉を利用している人の中では、うつ病の既往歴がある人の割合が少ないことも明らかになりました。 以前から、温泉には精神的なストレスや睡眠障害を緩和する働きがあることが知られています。 つまり、うつ病の発症リスクとなる精神的なストレスや睡眠障害を温泉によって緩和したことで、うつ病を予防できたのではないかと考えられるでしょう。 研究グループは、今後さらに詳細な調査を進めていきたいとしています。

2022/12/26

#最新研究 #腎臓病

「慢性腎臓病」の5人に1人は診断まで5年!悪化すると透析が必要に…

新たな調査で、「慢性腎臓病」と診断された人のうち、約2割は診断に至るまでに5年以上の期間が経過していたことが明らかになりました。 この調査は、政策提言などをしている一般社団法人ピーペックと、製薬会社日本ベーリンガーインゲルハイムが合同でおこない、研究結果は「Advances in Therapy」という医学誌に掲載されました。 慢性腎臓病とは 慢性腎臓病(CKD)とは、腎機能が持続的に低下する疾患です。慢性腎臓病の治療を受けず放置していると腎不全になり、透析治療や腎臓移植が必要になることもあります。 また慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクになることも知られています。 調査の背景 これまで、慢性腎臓病患者が受けた診断の経緯や負担に関する調査は少なかったため、ピーペックとベーリンガーインゲルハイムは合同で調査を実施することにしました。 今回の調査は、慢性腎臓病の患者342人を対象にインターネット上で実施。アンケート形式で、患者が慢性腎臓病の診断に至った背景や日常の負担などを質問しました。 この調査の中で、慢性心臓病の診断のきっかけを尋ねたところ、81%の人が「健康診断」や「他の病気を治療しているとき」と回答。一方で、約20%の人が慢性腎臓病の診断を受けるまでに5年以上かかったことが明らかになったのです。 この結果を受けて、今回の研究のアドバイザーである大阪医科薬科大学の美馬晶氏は「今回の研究で、明確な診断基準があるにも関わらず診断まで5年以上かかった患者が約2割もいたことがわかった。慢性腎臓病に対する理解促進の場をつくる必要がある」と述べました。 さらに調査では、日常でどんな負担を強いられているか尋ねました。すると、70%以上の人が塩分やタンパク質などの食事制限を強いられていることが判明。ほかにも「病気のために仕事などがうまくいかないときに、怠け者だと見られるのがつらい」という心理的な負担を感じている人がいることも明らかになりました。 慢性腎臓病は症状が出現しないことも多いと言われています。手遅れにならないうちに、定期的に健康診断などを受けると良いかもしれませんね。

2022/12/23

#最新研究 #糖尿病予防

メカブで血糖値上昇を抑える?”めかぶファースト”で糖の代謝アップ!

新たな研究で、メカブを先に食べると食後の血糖値の上昇が抑えられる可能性が示されました。 この研究は、和洋女子大学家政学部と、海藻類の加工品を販売しているトリトンフーヅが共同でおこなったものです。 海藻の効能 海藻には豊富な食物繊維が含まれています。食物繊維は腸などの消化管が糖を吸収するのを穏やかにし、食後の血糖値が上昇するのを抑える働きがあることで知られています。 また、近年の研究では、白米や麺類など炭水化物が多い主食を食べる前に、海藻や野菜など食物繊維が豊富な食べ物を先に食べることで、インスリンの分泌を促す「GLP-1」と呼ばれるホルモンが分泌され、糖の吸収が穏やかになることが指摘されています。 研究の内容 今回の研究では、まず成人女性7人を以下の3つのグループに分けました。 白米200gのみを食べたグループ メカブ40gを食べたあとに白米を食べたグループ キャベツ40gを食べたあとに白米を食べたグループ それから、食前と食後30分おきに、インスリンの分泌を促すGLP-1の血中濃度を検査。その結果、メカブを40g食べたグループでは、食後の約2時間にわたってGLP-1の濃度が高いことが判明しました。 一方、キャベツを先に食べたグループでは、30分後はGLP-1が豊富に分泌されていましたが、60分後になると血中のGLP-1の濃度が白米のみを食べたグループと同程度まで落ちていたことが明らかになりました。 インスリンの分泌を促すホルモンであるGLP-1の濃度が高いということは、それだけ糖の代謝も活発になり、その結果、血糖値の上昇も抑えられると考えられるでしょう。 和洋女子大学家政学部健康栄養学科の多賀昌樹准教授は、「メカブを摂取することが、消化管のホルモンにどう作用するのかについては、まだ解明されていないことも多い。今後も海藻を食べることでもたらされる、生活習慣病の予防効果について調べていきたい」としています。

2022/12/21

#最新研究 #認知症予防

ベリー類やワインが認知機能の低下を抑える!?「フラボノール類」がカギ

新たな研究で、ベリーや葉物野菜などに多く含まれる「フラボノール類」と呼ばれる抗酸化物質を摂取すると、高齢者の認知機能が改善する可能性が示されました。 この研究はアメリカのラッシュ大学医療センターで実施されました。その研究結果は「Neurology」と言う医学誌に掲載されています。 「フラボノール類」とは フラボノール類はポリフェノールの一種で、体内で有害物質を生み出す活性酸素を除去する抗酸化作用があると言われています。さまざまな研究によると、ホウレンソウやケールなどの葉物野菜や、トマト、ベリーなどに多く含まれているそうです。 研究の概要 今回の研究は、認知症がない60~100歳(平均年齢81歳)を対象におこなわれました。また、対象者は平均して約7年の追跡期間中に、年1回食事に関するアンケートに回答。19種類の認知機能の検査も受けました。 さらに、1日のフラボノール類の摂取量に応じて、対象者を5グループに分類。1番多くフラボノール類を摂取したグループは、1番摂取量が少ないグループに比べておよそ3倍にあたる、葉物野菜1カップに相当する量を摂取していたそうです。 研究の具体的な内容 研究対象者に対して実施された認知機能検査を分析すると、1日当たりのフラボノール類の摂取量が最も多いグループは最も少ないグループに比べて、認知機能の低下が緩やかだったことが判明しました。 この結果について、ラッシュ大学医療センターに所属しているトーマス・ホーランド氏は「抗酸化物質であるフラボノール類を摂取すると、体内で脂質と結合し有害物質を生み出す活性酸素を破壊する。すると、脳や心臓、血管、その他の臓器をダメージから守ってくれる」と説明しました。 また、ホーランド氏は「フラボノール類はサプリメントで摂取するのではなく、食品から摂取するほうがより多様な栄養を得られる」と、フラボノール類を食品から摂取することを推奨しています。 ホーランド氏によると、認知機能の低下を防ぐためにはフラボノール類を摂取するだけでなく、栄養バランスの取れた食事を摂り、適度に運動することが大切だそうです。 健康な毎日を過ごすために、毎日の生活習慣を見直してみると良いかもしれませんね。

2022/12/21

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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