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#最新研究

#最新研究 #認知症予防

「Century Brain Project」で100歳でも認知症にならない脳を目指す

少し昔のことですが、「脳トレ」がブームになったことを憶えていますか?これは、人間誰しもが「元気な脳と共に長生きしたい」と思っていることの表れではないでしょうか。 しかし、一般的に高齢になればなるほど脳の機能は衰え、認知症になって介護が必要になる可能性は高くなってしまいますよね。 そこで、多くの研究機関でそうしたリスクを減らすことはできないか、研究が続けられています。 今回はそのうちのひとつ、「Century Brain Project」というプロジェクトと、それに対して運転免許更新の際の認知機能テストを作成している会社が協力する取り組みを紹介します。 100歳を超えても健康な脳を目指す「Century Brain Project」 「Century Brain Project」は、一般社団法人ブレインインパクトが推進しているプロジェクトです。 このプロジェクトでは、脳の画像データを解析して脳の健康状態を見える化した「BHQ」(Brain Healthcare Quotient)という指標を用いて、脳も心も元気な高齢者にその秘けつを教えてもらうことを目標にしています。 具体的には80歳以上の元気な高齢者に協力してもらい、脳の構造や機能をMRIで計測する他、アンケートなどで心理状態や生活習慣を調べ、それらの関係性を調査していきます。 特に重点的に研究するのは以下の3点です。 元気な高齢者はBHQが高いのか?BHQが高い高齢者は、幸福で肉体的、精神的、社会的に満たされていると感じる「Well-being」も高いのか?なぜ年齢を重ねても脳の健康度を高く保てるのか? このような疑問を明らかにすることで、誰もが健康な脳で100歳を迎えるために研究を続けるとしています。 プロジェクトに運転免許の認知機能テストを提供 このプロジェクトに対し、株式会社ベスプラは、研究へ参加する候補者の判定に使用する認知機能テストとして「運転免許の認知機能テスト」を提供すると発表しました。 このテストは、75歳以上の高齢者が運転免許の更新時、高齢者講習の際に受ける認知機能検査への対策として作成されているものです。 研究への参加候補者は、このテストを受けることによって認知機能の状態を知ることができます。プロジェクトの被験者にふさわしいかどうかわかるのですね。 運転免許の認知機能テストが提供されれば、よりスムーズに研究が進むことが期待されます。高齢になっても健康な脳と共に幸福な毎日を過ごせるようになると良いですね。

2022/10/17

#最新研究 #糖尿病予防 #糖尿病治療

ヨガ・瞑想が糖尿病薬と同じ効果?「心身プラクティス」が血糖値を抑制

糖尿病患者の3分の2が「糖尿病のせいで、気持ちが落ち込むことがある」と感じています。糖尿病とともに生きる人の多くが、心理的な負担に苦しめられているのです。糖尿病ケアを効果的に進めるには、体のケアだけでなく、こころのケアも必要です。 そこで今回は、今注目されている糖尿病ケア「心身プラクティス」というトレーニング法について紹介します。 心身プラクティスとは 「心身プラクティス」は、自分がストレスなどに対処しやすくなるためのトレーニング法で、代表的なものに「ヨガ」や「瞑想」があります。米国では、糖尿病患者において心身プラクティスが実践されており、2型糖尿病などの病気と闘うための方法として人気が高まっています。 2型糖尿病とは、食生活や運動不足、あるいはそれらに基づく肥満など、環境因子により起こる糖尿病のことです。 薬と同じくらいの効果が期待できる「心身プラクティス」 米国の研究グループは、ヨガや瞑想などのストレス軽減につながる行動が、血糖値にどう影響するかを調査。その結果、心身プラクティスを良好におこなうことが血糖値の大幅な低下につながることが明らかになりました。 特に「ヨガ」は、医師から処方された治療薬と同じくらいの効果が期待できるということが示されたということです。 メンタルヘルスと向き合おう「世界メンタルヘルスデー」 10月10日は、「世界メンタルヘルスデー」です。世界保健機関(WHO)が協賛し、正式な国際デーとなっています。メンタルヘルスとは「精神面における健康」や「心の健康状態」を表す言葉で、世界規模で「メンタルヘルスケアの大切さ」が呼びかけられています。 こころの病気は身近な問題ですが、そのことに自分自身が気づいたり周囲の人が気づいたりすることは難しいものです。世界メンタルヘルスデーをきっかけに「自分のこころは大丈夫かな」「周囲でこころの不調を感じていそうな⼈はいないかな」などメンタルヘルスについて考えてみてはいかがでしょうか。

2022/10/13

#嚥下 #最新研究 #肥満

肥満が歯の喪失の原因に?BMI25以上で40代でも歯を失うリスク増加

今回の滋賀医科大学糖尿病分泌・腎臓内科の研究グループの研究は、滋賀医科大学糖尿病分泌・腎臓内科の研究グループとサンスターが共同でおこなったもの。口腔と全身の健康状態には、さまざまな関連があることが分かりました。 肥満は万病のもと? 最近の研究で、肥満は歯周病の発症や進行のリスクを増大、歯の喪失リスクとなることが報告されています。 しかし、肥満が残存歯に及ぼす影響を年代別・歯の部位別に検討した研究はこれまでありませんでした。そこで、滋賀医科大学の研究グループが診療報酬明細書(レセプト)と定期健康診断結果から構成される大規模データベースを用いて研究を始め、肥満が歯の喪失リスクを高めることが確認されました。 また、肥満の歯の喪失に対する影響について、他に考えられるリスクとして喫煙や糖尿病の関与も考えられるとの研究結果もまとめました。 衝撃の研究結果 今回の研究では、20歳から74歳の成人23万3517人の年代ごとにBMIと歯の本数の関係を分析。以下の2つのことがわかりました。 各年代のBMI階層ごとの歯の残存数 40代以上の各年代で、BMI(体格指数)が高いほど歯の本数が少ないという結果が出ました。⼀般的に⻭の喪失が起こりはじめる50代よりも若い段階で、肥満度が⾼いほど⻭を喪失しやすい傾向にありました。 肥満の有無と⻭の部位別の保有者率 肥満者(BMI25以上)では、非肥満者(BMI25未満)と比較すると、多くの部位の歯を失っており、特に奥歯の喪失がもっとも多くみられました。 さらに肥満に喫煙が加わるとさらに増え、肥満のみとは異なる部位の歯の喪失にも影響があることが分かりました。 「これまでも、肥満が歯の喪失と関係することが知られていましたが、20万人を超えるビッグデータを用いたことで、BMI階層や部位別の分析を実施することができました」と研究者は述べています。 歯を守るには正しい歯磨きだけだと思いがちですが、減量・禁煙など全身の健康も必要なのですね。みなさんもこの機会に食生活・生活習慣を見直してみましょう。

2022/10/07

#最新研究 #糖尿病治療 #認知症予防

糖尿病の人の認知症リスク54%減!「7つの健康的な生活習慣」を心がけて

認知症の効果的な治療法はまだ開発されておらず、予防することが重要とされています。 最新の研究では、糖尿病の人は健康な人と比べて認知症のリスクが大きく上昇することがわかっています。 今回は、研究の一部と、糖尿病の人が認知症を予防するために大切なことを紹介します。 健康的な生活スタイルで認知症リスクが低下 研究グループは、研究開始時に認知症を発症していなかった、60歳以上の16万7946人を対象に調査を実施しました。 研究では、参加者に対し7つの生活スタイルについてアンケート調査をおこない、0~7点のスコアを計算しています。 その結果、同じ糖尿病の人でも、健康的な生活スタイルのうち全てを実行していたスコアが7点の人は、0~2点のあまり実行していない人に比べて認知症リスクが54%低かったことが判明しました。 7つの健康的な生活スタイル 7つの生活スタイルは以下の通りです。 タバコを吸わない タバコは動脈硬化やがんなど、さまざまな病気のリスクを高めます。もちろん糖尿病にも良くありません。 健康的な食事 動物性脂肪の多い加工肉や赤身肉は食べ過ぎない。朝食を毎日食べ、高カロリーの間食はしないなどして、適正な体重を維持しましょう。 運動を習慣としておこなう 運動には「血糖値が下がる」「血圧を下げる」などさまざまな効果があります。ウォーキングなどの運動を毎日おこなうことを目標にしましょう。 座ったまま過ごす時間を減らす 運動以外にも、仕事や家事などでなるべく体を動かすようにしましょう。 適度なアルコール摂取 アルコールの適量には個人差があるので、どの程度の量で自分がどんな状態になるか知っておくことも大切です。 睡眠をしっかりとる 不眠・睡眠不足が続くと日中の活動に支障をきたすだけでなく、うつ病や糖尿病などのリスクも高まります。 社会的交流を活発にする 社会活動への参加は、認知機能とメンタルヘルスの改善に関係があります。 7つの生活スタイルを2つ以下しか実行していない糖尿病患者は0.69%が認知症を発症しましたが、全て実行している糖尿病患者の認知症の発症は0.28%に抑えられていたそうです。 健康に不安がある人こそ、健康的な生活スタイルを心がける必要があることが分かります。まずは自分の健康から見直して、家族の健康にも気を配れるようになると良いですね。

2022/10/06

#最新研究 #認知症予防

うつ病・認知機能低下リスクが2倍!?不規則な生活がメンタルに悪影響

加齢により低下すると言われている認知能力ですが、高齢でも認知能力の高い人はいますよね。いったい何が違うのか、気になりませんか? アメリカのピッツバーグ大学などによる研究で、加齢とメンタルの健康についてとても重要なことが明らかになりました。 それは規則正しい生活を送り、活発な活動をしているということです。1日を通して活動的な生活をしている高齢者は、幸福を感じやすく、認知テストもより良い成績を収めているそうです。 1日を通して活動的に過ごすことが大切 研究グループは、参加者に活動計を7日間装着してもらい、うつ病や軽度認知障害などのメンタルヘルスについて評価しました。 データを解析した結果、朝早く起きて活動的な生活をしている高齢者に比べ、不規則な生活で活動が弱い高齢者はうつ病とも認知能力の低下がも2倍多くみられたとのことです。 また、メンタルヘルスの向上には生活のパターンが規則的というだけでは不十分なこともわかりました。 朝遅い時間に起きたり、夕方早い時間に活動をやめてしまったりして結果的に1日の活動時間が短くなっている人は、1日15時間ほど活動している高齢者に比べうつ病の症状が多く、認知機能も低下していたそうです。 研究に参加した30%の高齢者は、生活が不規則で日によって一貫性がない傾向がみられました。そうした高齢者はうつ病の割合も、認知テストの結果も最も悪かったと言います。 意識して体内時計を整えることも必要 体内時計と概日リズムを同期させるには、毎日決まった時刻に起き、太陽の光を浴び、運動を習慣として続け、食事も一定の時間に摂ると良いとされています。 「ほとんどの人は、睡眠の質を高めることや、運動をすることが重要だと理解していますが、体内時計と概日リズムを整えることはあまり考えていません」 「必要なことは、活動的に毎日を過ごし、やりたいことに取り組み、規則正しい生活をおくること。目的ややりがいのある1日を過ごすことは、私たちが夜にぐっすりと眠り、より良く年齢を重ねるために重要なことかもしれません」と研究者は語ります。 季節の変わり目、気候が変わるこの時期は、生活リズムや食生活が乱れがち…という人も多いのではないでしょうか。 自分や家族の健康のため、もう一度生活を見直してみる時期なのかもしれませんね。

2022/10/03

#最新研究 #糖尿病治療

糖尿病の治療を最適化することで寿命が最大10年以上延ばせる!

糖尿病の治療を続けて血糖値を適切に管理していれば、健康な人と変わらない生活をおくれ、寿命も平均で4年から最大10年近く延びるという研究が発表されました。 糖尿病患者の現状 糖尿病の人は「心臓病や、脳梗塞リスクが2~4倍高い」、「血糖値を適切に管理していないと、さまざまな合併症を引き起こす」と言われています。 特に2型糖尿病の管理に苦労している人は、このようなネガティブな情報を聞いて悲観的になっているかもしれません。 421人の患者の研究結果 米フロリダ大学・テューレン大学・インペリアルカレッジロンドン・ピッツバーグ大学・米国疫病予防管理センターの共同研究グループが糖尿病の治療に関する研究結果を発表しました。 研究グループは、5つの指標に焦点をあてて調査をおこないました。それは過去1~2ヵ月の血糖値を反映するHbA1c、血糖値、体格指数(BMI)、血圧値、悪玉のLDLコレステロールといった糖尿病の人の健康観察に使われる情報です。 調査の結果、治療により余命を最大で10年以上延ばせる可能性があることが判明。さらに糖尿病の治療は進歩しており、2型糖尿病の人の寿命は延びて管理体制も改善されている傾向があることも示されました。 今回の結果から、研究グループは「糖尿病のある人は、適切に治療を受け検査値を少しでも改善することが大切」と述べています。 後悔のない糖尿病管理を 糖尿病管理を理想的に進めるには、患者さんに分かりやすく説明し、それぞれの患者さんに合わせた治療をすることが望まれます。 「あのときにちゃんと治療しておけばよかった!」と後悔することがないように、治療にしても生活改善にしても、自分ができることを精一杯頑張ってみませんか?

2022/09/28

#最新研究 #老後の備え

健康で長生きする秘訣は「歳をとるのを楽しむこと」

老化の満足度が高いと死亡リスクが低い!? 皆さんは、エイジング(老化)に対する考え方が健康・長生きに影響を及ぼすことをご存じですか? というのも、老化に否定的な人よりも肯定的に考えている人の方が健康で長生きするのではないかとする論文が、過去20年間で複数発表されているのです。 今年の2月にも、全米の50歳以上の約1万4000人を対象としておこなわれた調査の結果が発表されています。それによると、老化に対する満足度が高い人は低い人に比べて死亡リスクが43%低いというものでした。 また、糖尿病・脳卒中・がん・心臓病のリスクも低く、認知機能や体力も優れていて、睡眠障害も少ない傾向にありました。さらに、そのような人は仲間が多い・楽観的・目的意識が強いという結果も出ているのです。 「老化を楽しむ」ための3つのポイント この研究論文を発表した、カナダのブリティッシュコロンビア大学、米ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院に所属するEric Kim氏と、老化の捉え方と健康や幸福感との関連を研究している米アリゾナ州立大学のHannah Giasson氏は以下のようにアドバイスしています。 1「.目的意識」をもつ 「退職後何をしたら良いかわからない」という話をよく聞きます。そのような場合には、「価値観に合った何らかの計画」を立ててみましょう。 目的意識を持てば、日々の行動が有意義になります。何のため(目的)にやっていること(目標)がハッキリするからです。その結果、「やりがい」も生まれやすくなります。 2.「ポジティブエイジング」を目指す 「ポジティブエイジング」とは、老化を受け入れ、年齢を重ねることを楽しみながら、充実した内面の輝きが見える美しさを目指すという考え方です。 ありのままの自分を受け入れることで、肩の力が抜けて居心地の良さを感じるのではないでしょうか。 3.社会的な「絆」を維持する 歳を重ねるにつれて、家族・友人などの愛する人を失う可能性が増します。その結果、社会的に孤立してしまうと、身体的・精神的健康が失われてしまいます。それを防ぐためには、社会的なつながりを維持することが大切です。 Eric Kim氏は「失ったものを、何か新しいものに置き換えることが重要だ」と解説しています。具体的には、地域のコミュニティや趣味のサークルなどに参加して友人・知人を作ることだと言っています。 「この年になって…」みたいに言う方もいますが、新しいことを始めるのに年齢は関係ありません。年齢に伴う変化を楽しみながら、いきいきとした毎日を過ごしましょう!

2022/09/26

#最新研究 #糖尿病治療

インスリンが錠剤になる!? 糖尿病治療の新しい研究が進行中

糖尿病治療のひとつとして広くおこなわれているのがインスリン注射です。 効果が認められている一方で、インスリン注射は定期的に続けなくてはならないのが難点。体力・気力が低下しやすい高齢者や認知症患者が自力での注射が困難になったり、介護者の負担が増えたりといったケースも多いのではないでしょうか。 今回は、そうした糖尿病治療の難点が「劇的に変わるかもしれない」と注目されている研究をご紹介します。 インスリン注射に代わる錠剤を研究中 カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究グループは、注射の代わりに“錠剤”として利用できるインスリン製剤を開発中です。 研究グループはラットを使った実験をおこない、インスリンの錠剤を注射と同じように体内に吸収させることに成功したと発表。今回試された方法は、インスリン製剤を錠剤にし、ラットの頬の内側や唇の裏側にある粘膜で溶かすというものでした。 実験の結果、これまでの研究では胃に蓄積されることがほとんどだったインスリンが、投与後30分でほぼ100%肝臓に取り込まれました。吸収されたインスリンの効果は2~4時間持続するので、注射と同じように利用できる可能性があります。 今後の目標はヒトを対象とした臨床試験の実施 ただし、この研究にはまだ課題点も。開発中のインスリン錠剤は、注射製剤と比べて数倍の量が必要になる可能性があり、より効率良く体に吸収される製剤を開発する必要があります。 さらに、研究段階としてはヒトを対象とした臨床試験を始めるまでには至っておらず、開発を進めるためには、より多くの時間・資金と協力者が必要になります。 糖尿病患者の負担を減らす研究として期待 インスリン錠剤の研究は、糖尿病の新しい治療法につながると期待されています。 気温によって保管が難しい、大量の廃棄物が出るなど従来のインスリン製剤の問題点も、錠剤になれば解決されます。 また、インスリンをより安価に使えるようになれば医療費が減り、患者の生活の質を向上させることもできるのではないでしょうか。糖尿病を患っている高齢者や家族の負担軽減にもつながるかもしれませんね。

2022/09/26

#介護予防 #最新研究 #認知症予防

多趣味な人は認知症リスクが33%減少!?生きがいが高齢者の健康を維持

秋が深まる今、読書やスポーツなどを楽しむために最適な季節を迎えていますね。 今回、こうした趣味の活動が認知症などの予防にどのような影響を与えるのか、という調査の結果が発表されました。  趣味と認知症罹患リスクとの関連調査 国立がん研究センターなどの「JPHC研究」の研究グループは、主に中年期の男女を対象に趣味とその後の認知症罹患リスクとの関連を調べました。 その結果、認知症の罹患リスクは、趣味が「ない人」に比べて、趣味が「ある人」では18%、趣味が「たくさんある人」では22%、それぞれ低いことが明らかになりました。 また、年齢層を中年期(40~64歳)とそれ以上(65~69歳)で分けて分析した場合、いずれの年齢層でも趣味をもつ人は認知症の罹患リスクが低いという結果が出ています。 さらに、趣味が「ない人」に比べて、趣味が「ある人」、趣味が「たくさんある人」では、脳卒中既往のない認知症の罹患リスクが23%低いということ判明。その一方で、趣味と脳卒中既往のある認知症とのあいだには、明らかな関連はみられないそうです。 とくに65歳~69歳の趣味が「たくさんある人」では、認知症のリスクが32%減少しています。 趣味が総合的に認知症リスクを下げる? これまでの多くの研究では、知的活動や身体活動に取り組む人は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症、脳血管疾患をともなう認知症、混合型認知症のリスクが低いことが報告されているそうです。 また、知的活動や身体活動は、認知症リスクを高める糖尿病や高血圧、肥満といった危険因子も改善し、認知症の予防につながるとみられています。 つまり趣味を通して生きがいを持つもつことが、認知症の発症予防につながるというわけです。 今回の調査結果から、趣味に取り組むことにはさまざまな健康効果があることがわかります。趣味を楽しみながら、認知症予防につなげていけたら良いですね。

2022/09/20

#コロナ対策 #最新研究 #糖尿病治療

緊急事態宣言中、受診遅れが3.7倍!?特に女性の受診控えが増加

今回は、新型コロナウイルスと糖尿病治療の関係を調査した研究についてお伝えします。 糖尿病は、放置するとがんや認知症といった合併症を引き起こす可能性もある怖い病気です。高齢者に多い病気で、日本では高齢者のおおむね5人に1人が糖尿病ではないかと疑われている現状があるので、関心のある方も多いのではないでしょうか。 この糖尿病治療のためには早期の発見や、定期的な受診が重要とされています。 しかし、福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教室の前田俊樹氏らの研究から、新型コロナウイルスの流行によって、糖尿病の定期的な受診が困難であったり、敬遠されたりしている可能性があることがわかりました。 特に女性患者に、より大きな影響があったことが注目されています。 新型コロナ流行中に糖尿病患者の受診頻度が減少 前田氏らは都内の運輸業関連健康保険組合の2017年10月〜2020年9月の医療費請求情報を分析。2017年度中に血糖値を下げる薬が処方された1118人を研究対象としました。 そして受診・処方の間隔が3ヵ月以上空いた場合を「受診・処方の遅延」と定義して、その発生状況を調査。その結果、「受診・処方の遅延」発生率は緊急事態発令前が5.6%、緊急事態発令中は11.2%と明らかな差が見られました。 年齢、性別、被保険者/被扶養者、月収などの条件を調整した後でも、緊急事態発令中の期間は受診・処方の遅延が約3.7倍多く発生していたことが判明しています。 受診・処方の遅延は女性患者でより多く発生 次に、年齢、性別などでグループ分けして解析を実施を施行。その結果、女性患者で受診・処方の遅延がより多く発生していたことがわかりました。 その理由については、女性は被扶養者であることが多いため、産業医からの受診継続の働きかけが届きにくいことなどが考えられています。 重症化や合併症のリスクを減らすために定期的な治療を 今回の研究で、定期的に受診を継続していた糖尿病患者に、新型コロナの流行が受診・処方の遅れといった悪影響を及ぼしたこと事、そして女性患者でより大きな影響があった事がわかりました。 糖尿病患者の受診中断は、病状の悪化や合併症の発症につながります。継続的・定期的な治療が大切という点は忘れずにいたいですね。特に女性はそうした意識を強く持つことが必要ではないでしょうか。

2022/09/16

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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