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#最新研究

#心疾患 #最新研究

死亡リスクが15%減⁉心不全、脳卒中…コーヒーの健康効果がすごすぎる!

健康増進のために、食事に気を付けたり運動したりといった習慣を取り入れている人も多いのではないでしょうか。 そうした習慣に加えて、毎日のコーヒーを取り入れてみるのも良いかもしれません。というのも、毎日のコーヒーが心疾患や不整脈、さらには長生きにも関わることが3つの研究で明らかになったのです。 心不全、脳卒中…いろんなリスクを下げるコーヒー オーストラリアの心臓・糖尿病研究所が3つの研究をおこない、それによって1日に2~3杯のコーヒーを飲むことが心不全や不整脈、死亡リスクの低下に効果があることがわかりました。 これらの研究結果は米国心臓病学会で報告される予定だそうです。 まず1つめの研究では、約38万人ものデータを追跡してコーヒーの接種と心疾患や脳卒中の発症リスクの関係を調査。その結果、1日に2~3杯コーヒーを接種している人は、冠動脈疾患・心不全・不整脈・死亡のリスクが10〜15%低下していることがわかりました。 次に2つめの研究は、心血管疾患を患っている約3万4300人を対象に同様の内容を調査。こちらも1日に2~3杯のコーヒーを飲むことで、全く飲まない人に比べて死亡リスクが低下していました。 さらに、不整脈のひとつである心房細動を患っている人が1日1杯のコーヒーを飲んだ場合、死亡リスクが20%近く下がっていたそうです。 そして3つ目の研究では、インスタントやカフェインレスなどコーヒーの種類によって心疾患のリスクに違いが出るのかを調査をおこないました。 その結果、豆を挽いたコーヒーやインスタントコーヒーのどちらでも不整脈や脳卒中、心不全のリスクが低下。死亡リスクは、コーヒーの種類に関わらず低下することがわかりました。 これらの研究をまとめると、コーヒーを飲むことが心不全や不整脈、脳卒中、死亡などのさまざまなリスクの低下と関係しているという結果になりました。 いつものコーヒーで健康に? コーヒーが健康に良いという研究結果がいくつも出ているようですね。 これまで、コーヒーを眠気覚ましとして飲んだり嗜好品として好んで飲んでいる人は多いと思いますが、その習慣が健康につながっているなんてちょっとお得に感じますね。 今回のもの以外にも、コーヒーの健康効果についての研究がいくつもおこなわれています。以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-6889/ https://e-nursingcare.com/guide/news/news-2653/ カフェインが苦手な人は無理しない方が良いですが、そうでない人は健康増進の習慣として毎日のコーヒーを取り入れてみるのも良いかもしれないですね。

2022/04/07

#最新研究 #高血圧

高齢者の高血圧リスク1.7倍⁉奥歯の噛み合わせが血圧に関係していた!

生活習慣の乱れが原因で発症するとされる高血圧。食事を改善したり禁煙をするなどの予防法が一般的ですが、最新の研究で口腔ケアも予防法のひとつになる可能性が出てきました。 その研究とは、兵庫医科大学などのチームがおこなった「歯の噛み合わせと高血圧のリスクの関係性について」。それによると、噛む能力が落ちている高齢者の高血圧リスクは1.7倍に上昇するとのことです。 噛み合わせが悪いと高血圧に? 兵庫医科大学・新潟大学・丹波篠山市の共同研究チームが、「血圧や食事内容と口の働き」の関連を調査しました。 同チームは、これまでの研究で「噛む能力が落ちている高齢者は、身体機能が低下して転倒リスクが上がる」ということを発見。また、さまざまな研究で歯周病や歯の本数が高血圧と関連することが報告されているそうです。 今回の研究では、対象となった高齢者の残存する歯の本数、噛む力、奥歯の噛み合わせなどを詳しく調査。合わせて、食事内容や運動習慣、喫煙習慣などもアンケートしています。 その結果、特に奥歯の噛み合わせがない高齢者は高血圧のリスクが約1.7倍も高いことがわかりました。 しかし、まだ詳細な因果関係はわかっていないことから、「口の働きを良い状態に保つことがどのように高血圧予防になるのかを解明していきたい」と研究チームは述べています。 歯の状態は食事内容に直結する 歯の噛み合わせと高血圧が関係しているとは、とても意外な研究結果ですよね。 この結果になった理由として、噛む力が落ちている人はやわらかくて食べやすい食事に変更しているためである可能性があります。 というのも、噛む力が落ちてやわらかい食事に変更すると、噛む回数が減って満足感も減る傾向があります。そのため、食事量が増えたり味付けのしっかりした食事が増えて高血圧リスクが高まるかもしれません。 今回の研究から、噛む能力を維持することが高血圧予防になるかもしれないことがわかりました。噛む能力を維持することは健康的な食生活を維持することにもなるので、他の生活習慣病の予防にもつながるのではないでしょうか。 また、「口腔細菌と高血圧リスクの関係」についての研究もありますので、気になる人は以下の記事を読んでみてください。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-6994/

2022/04/05

#介護予防 #最新研究

肥満予防に「発酵おから」⁉”麹×おから”の日本食が体重増加を抑える

日本の伝統的な食品であるおからは、健康に良いことが広く知られていますよね。しかし、その多くは産業廃棄物として捨てられているそうです。 そこで早稲田大学などの研究チームは、おからの新たな活用法を見出すために麹菌による発酵をおこない、栄養成分が増加していることを発見しました。 さらに脂質の多い食事に発酵おからを混ぜると、内臓脂肪や皮下脂肪、肝臓コレステロールなどの数値が良くなるという実験結果も公表しています。 発酵おからが太りにくくする⁉ 早稲田大学などの研究グループが、「発酵おからを食べることで脂肪蓄積や体重増加を抑える可能性がある」という研究結果を発表しました。 発酵おからとは、研究グループが麹菌を使って独自に発酵させたおからのこと。発酵することで、タンパク質やアミノ酸などの栄養が増加することがわかりました。 さらに、発酵おからをエサに混ぜてマウスに食べさせることで、身体にどんな影響があるのかについても調査。通常のおからを混ぜた場合などと比較して、効果を検証しました。 その結果、発酵おからを食べさせたマウスは体重の増加量が一番小さい結果に。加えて、通常のエサを食べさせたマウスよりも内臓脂肪や皮下脂肪の増加も抑えられていることがわかりました。 この結果について「脂質の代謝や合成に関わる遺伝子の発生が変化しており、体重増加や脂肪の蓄積を抑制する可能性がある」と研究グループは述べています。 日本の伝統食材で肥満予防を 肥満は生活習慣病のリスクが上がるだけでなく、加齢によって筋肉量が低下することで要介護のリスクが上がります。 また、「筋量が低下した肥満の高齢男性がうつ病を発症するリスクは2.7倍に上がる」という研究結果もあり、高齢者の肥満は若い世代とは異なる危険があるのです。 そこで、おからのような日本人になじみ深い食品で肥満対策ができるのであれば、生活に取り入れやすいですよね。 ただ、今回の研究で使用された「発酵おから」は、研究チームが独自に作成したもの。市販品ではないのですぐには活用できません。 今後について研究チームは「実用化のためには多くの解決すべき課題があります」としています。将来的に、発酵おからを使った料理が食卓に並ぶこともあるかもしれませんね。

2022/04/05

#フレイル予防 #最新研究 #糖尿病予防

朝食を食べることがフレイル予防に⁉体内時計の異常で筋肉が減少

「食欲がないから朝食はいらない」と毎日の朝食を食べずに済ませてしまう人もいるかもしれません。 よく知られているとおり、朝食を抜くことの健康への悪影響は大きいもの。その具体的なものについて名古屋大学が調査しました。 その結果、朝食を抜くことで筋力低下を引き起こし、それによって高齢者は糖尿病やフレイル、要介護リスクを高める原因になりかねないそうです。 朝食がフレイル・メタボ・糖尿病を予防 名古屋大学が、習慣的に朝食を摂らない「朝食欠食」の健康への影響についての研究結果を公表しました。 今回の研究では、朝食を抜いたマウスの身体状況を調査。その結果、マウスの脂肪組織の重量が増加して体重が増え、筋肉の重量が低下することも判明しました。 こうしたことが起こったのは、体温や脂肪組織などに関係している体内時計に異常が出たためと考えられるそうです。 今回の結果から、朝食を摂って体内時計を正常に保ち筋肉を維持することが太りにくい体質を作りメタボを予防すると言えるそうです。 さらに、筋肉の低下によってインスリンが効きにくくなることがあるため糖尿病予防にも効果があるそう。そして、身体機能が低下するフレイルの予防にもつながると研究チームは述べています。 簡単なものでも朝食を食べる習慣を 筋肉の減少は高齢者にとって深刻な問題です。 なぜなら、筋肉が減少することで身体機能が落ちてフレイル状態となり、それが悪化すると要介護状態になりかねないから。朝食を抜くことが要介護状態を招くことになるかもしれません。 もし「朝は食事の準備をするのが面倒」という場合は、手軽に食べられるものを決めておくと良いのではないでしょうか。 例えば、「ごはんと納豆」「パンと目玉焼き」といった筋肉の材料となるタンパク質が含まれた食事にすると、よりフレイル予防につながるでしょう。 年を重ねると若い世代よりも筋肉の維持が大切になるため、少しずつフレイル予防をしていきましょう。

2022/04/04

#最新研究 #糖尿病治療

糖尿病治療には個別化した食事内容が有効!体重、中性脂肪の減少も

糖尿病の治療をしている人の多くは、1日に摂取するエネルギー量を抑えるなどの食事療法によって血糖値のコントロールをしています。 しかし、それまでの自由なものから食事ががらっと変わるので食事療法が上手くいかないこともあり、栄養士による食事指導が重要です。 そこで、東京大学などの研究チームが個別化した食事指導についての調査を実施。その結果、これまで現場でおこなわれている食事指導に比べて個別化した食事指導の方が血糖値の改善効果があることがわかりました。 「従来型」VS「個別化」 東京大学などの研究チームは、「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」を使った個別の食事指導は従来の方法よりも血糖値が改善されることを明らかにしました。 この「簡易型自記式食事歴法質問票」とは、食品に関する約80問に答えることでその人の食習慣やどんなものを多く食べているのかなどを調査するもの。肉や野菜、お菓子などさまざまな食品を「1週間のうちに何度食べたか」を回答して栄養士が現在の食生活を把握します。 対して従来型の食事指導とは、あらかじめ設定された目標エネルギー摂取量や献立例をもとに患者に指導をおこなうもの。食生活の詳しい調査はおこなわず、当日の会話で得られた情報のみで栄養士が各自で判断して指導していました。 こうした2つの食事指導法を比較したのが今回の研究です。 個別化した食事指導のグループは、BDHQの結果をもとにした評価シートを使った指導を実施。従来型の食事指導グループは、1日に1600キロカロリー・1840キロカロリー・2000キロカロリーのうち1つの目標エネルギー摂取量を設定し、それに合わせた食事内容を指導しました。 その結果、個別化した食事指導グループの方が血糖値が低下。加えて、体重・中性脂肪・悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増加する傾向があったそうです。 個別の食事指導は難しい? 今回の研究のように、糖尿病の患者一人ひとりにあわせた食事指導をすることが理想ですが、実際の現場では業務量やシステムの都合上、難しい可能性があります。 現場でも一人ひとりにあわせた指導が望ましいことがわかっていながらも、それが実現できない実情もあるのでしょう。 ただ、もし個別化した食事指導をすることが当たり前になれば、それに合わせて環境が変わる可能性はあります。 今回の研究で、この食事指導法が糖尿病治療に効果的であることがわかったので、個別化した食事指導が標準になる取り組みが進むかもしれませんね。

2022/04/01

#コロナ対策 #最新研究

感染予防の”がんばりすぎ”が逆効果⁉ストレスで感染・重症リスク上昇

新型コロナの感染が長期化していることで、ストレスを感じている人が多いことでしょう。 しかし、あまり神経質になりすぎていると、むしろ新型コロナに感染した際に重症化しやすくなるという研究が発表されました。 これはイギリスのノッティンガム大学が明らかにしたもので、「感染拡大の初期にストレスや不安を強く感じていた人は、感染や重症化のリスクが高い」ということが示されています。 ストレスで感染・重症化リスク上昇 イギリスのノッティンガム大学が公表したのは、「新型コロナの感染拡大が始まった時期に強いストレスや不安を感じていた人は、感染や重症化するリスクが高い」という研究結果です。 この研究は2020年におこなわれたもので、約1000人の成人が対象。ストレスやうつ、孤独感、ポジティブな気持ちなどの心理的要因を回答してもらい、新型コロナの感染や症状について追跡調査を実施しました。 その結果、心理的苦痛が強い人は新型コロナの感染・発症した割合が高いことがわかりました。 これまでも、ストレスなどの心理的要因によってウイルス性疾患が重症化するという研究はあったそう。それが新型コロナでも同様である可能性が示されました。 この原因について、研究チームは「ストレスやネガティブな感情が免疫を低下させる」「ストレスがワクチンの免疫に影響する」「休眠状態だったウイルスが活性化する」の3つが考えられるとしています。 こうしたことから「感染対策は心理的要因も考慮しながら実施する必要がある」と研究チームは述べています。 息抜きが感染予防のひとつに? 外出を控えたり、人と会うのを止めたりと感染予防のためにさまざまなことを我慢している人も多いのではないでしょうか。 しかし、それにストレスを感じるほど気をはりつめすぎると、むしろ逆効果になる可能性があることが今回わかりました。 そのため、感染対策をしながらも息抜きをしていくことが大事。特に高齢者は、若い世代と比べて重症化リスクが高いとされているので、息抜きも感染予防のひとつと考えると良いかもしれないですね。 電話やオンラインで家族や友達と話をしたり気晴らしに散歩してみるなど、いくつか息抜きになるものを考えておくと”withコロナ”生活を乗り切れるのではないでしょうか。

2022/04/01

#最新研究 #認知症予防

1時間以上の昼寝で認知症リスク1.4倍⁉1日20~30分に抑えて

年齢を重ねると、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなる傾向があることがわかっています。 そのため、夜間の睡眠の質が落ちて日中に眠くなることもあります。 それを昼寝をすることで眠気を解消している人もいるかもしれませんが、長時間の場合はアルツハイマー型認知症の発症リスクが上がることがアメリカの研究チームによって明らかになりました。 それによると1日1時間以上の昼寝をする人は、そうでない人と比べて1.4倍もアルツハイマー型認知症リスクが高かったそうです。 長時間の昼寝で認知症リスク上昇⁉ ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究チームが、高齢者の長時間の昼寝がアルツハイマー型認知症の発症リスクと関係していることを発表しました。 これまで、アルツハイマー型認知症の人が昼寝を長時間する傾向があることは知られていましたが、発症リスクとの関連ははっきりしていなかったそう。そこで、研究チームは長期的に高齢者の昼寝の状況を調べることで、2つの関連を明らかにしました。 この研究では、高齢者約1200人を14年間にわたって追跡調査。睡眠状態や認知機能、活動パターンなどを分析しました。 その結果、対象者のうち24%が調査期間中にアルツハイマー型認知症を発症。1日の昼寝時間が1時間以上の人は、1時間以内の人の1.4倍も発症リスクが高かったそうです。 加えて、昼寝の頻度が増えるごとにアルツハイマー型認知症の発症リスクが上昇していることもわかりました。 昼寝は20~30分が目安 昼寝が習慣になっている高齢者は多いですが、1時間以上も寝ていたり昼寝の頻度が多い場合は要注意。アルツハイマー型認知症の前兆の可能性があるということが、今回の研究でわかりました。 一方で、20~30分の昼寝はアルツハイマー型認知症を発症しにくくなるという研究も。日中に長時間寝てしまうと夜の睡眠に影響が出てしまうこともあるので、昼寝は短時間で済ませるようにするのが良いのかもしれません。 上手に昼寝をして、脳の健康を維持していけると良いですね。

2022/03/31

#最新研究 #糖尿病予防 #糖尿病治療

”食事とワイン”で糖尿病リスクが14%低下⁉飲酒のタイミングが重要

糖尿病や「血糖値が高め」と診断されているため、食事の管理を厳しくしている人もいることでしょう。もしかしたら、「アルコールは一切飲めない」と思っている人もいるかもしれません。 そうした人にうれしい研究結果が発表されました。 それは、「食事と一緒にワインを飲むと糖尿病リスクが下がる可能性がある」というもの。少量のワインであれば健康に良い効果があるそうです。 ”食事と一緒にワイン”が糖尿病リスクを下げる⁉ アメリカのチューレーン大学の研究グループが「食事と一緒にワインを飲むことが糖尿病リスクを低下させる可能性がある」という研究結果を発表しました。 この研究は、がんや糖尿病、心疾患などを発症していないイギリス人約31万人の健康データを分析したもの。10年前後の追跡期間のなかで約8500人が糖尿病を発症したそうです。 今回、研究グループが注目したのは「アルコールの種類」と「アルコールを摂取するタイミング」。これまで飲酒量と糖尿病リスクの関係を調査したものはありましたが、飲酒のタイミングに着目したものはなかったそうです。 そこで、今回は飲酒習慣のある人を「食事と一緒に飲む」「食事時には飲まない」「決まっていない」の3グループに分けて分析しました。 その結果、食事と一緒に飲酒するグループは、他のグループに比べて糖尿病リスクが14%減少。なかでもワインを飲む人だけが糖尿病リスクが低く、ビールなどの他のアルコール飲料ではリスク低下との関係がなかったそうです。 また飲酒量については、女性はワイン1日1杯まで、男性は最大2杯までが目安。節度を持って飲むことが大切としています。 やっぱり適量が大切 お酒が好きな人にとっては、完全に断酒しなければいけないわけではないのはうれしいですよね。 しかし、やはり量は少なめに抑える必要がありそう。「お酒は一切飲めない」と無理に我慢するのではなく、適量に留めることが大切ということですね。 もちろん、だからといって勝手な判断で飲酒するのはNG。医師の指導のもとで、無理なく自分に合った量でお酒を楽しむのが良さそうです。

2022/03/30

#コロナ対策 #最新研究

コロナ感染者の腸内で善玉菌が減少⁉腸内細菌が炎症を悪化させていた

感染拡大が長引いている新型コロナウイルス。特に高齢者は若い世代よりも重症化のリスクが高いと言われており、新型コロナの研究がいち早く進むことを期待している人も多いのではないでしょうか。 こういった状況のなか東京大学は、新型コロナと腸内細菌の関係についての研究を発表。それによって、感染した人の腸内では善玉菌が減少していることがわかりました。 コロナ感染者は善玉菌が減っている⁉ 東京大学が、新型コロナの感染と腸内フローラの関係についての研究を発表しました。 腸内フローラとは、腸内の細菌が種類ごとにグループを作ってすみついている状態のこと。この腸内細菌の状態がお腹の調子だけでなく、全身の健康に関わっていることが研究でわかっています。 そして新型コロナでは、呼吸器系の症状だけでなく下痢や吐き気といった消化器系の症状が出ることも。ウイルスが腸内で検出されることもあるそうです。 そこで研究グループは、新型コロナの感染と腸内フローラがどのように関係しているのかを調査しました。 今回の研究は、新型コロナ感染者22人の血液と便の検査を実施。入院初期と退院前、退院から1ヵ月後の状態を調査しました。 その結果、発症直後から腸内フローラが徐々に変化。発症から8~14日目にもっとも大きな変化があったそうです。 具体的には、腸内に存在するファーミキューテスという細菌グループが減少。発症から8~21日目が減少のピークで、その後は回復していました。 ファーミキューテスは、腸内環境の維持に関係するとされる細菌グループ。この善玉菌の細菌グループが減っていたのに対して、大腸菌などの悪玉菌が増加していたことがわかりました。 加えて腸内フローラが変化したことで、腸から細菌や毒素が体内に入り込みやすくなり、全身の炎症を強くさせている可能性があるそうです。 重症化予測ができるように? 肺炎や咳などの症状で知られている新型コロナが、腸内フローラにも影響があることには驚きですね。 今回の結果を受けて、「腸内フローラと体内の炎症に関係があることから、新型コロナの重症化の予測と予防に役立つと期待ができる」と東京大学の研究グループは述べています。 現在流行中のオミクロン株は重症化率が低いとされていますが、それでも重症化する人がいることは確かです。 そこで、今回の研究のように重症化を予測する方法があると、少しは安心につながるのではないでしょうか。 そうなれば、重症化リスクの高い人から優先的に治療を受けられるので、死亡率の低下や医療現場の負担減少にもつながるかもしれませんね。

2022/03/30

#フレイル予防 #介護予防 #最新研究

「孤食」高齢者の栄養状態が低下?死亡や介護リスクが上がる可能性も

単身世帯の増加やコロナ禍の長期化によって、誰かと一緒に食事をする「共食」の重要性が改めて注目されています。 この共食について、東北大学が調査を実施。その結果、共食の頻度が低い高齢者は体重が減少するリスクが高いことがわかりました。 体重減少は高齢者の栄養状態の悪化の指標とされており、要介護状態になったり死亡するリスクとの関連もあるとされています。 1人で食事すると体重が減少? 東北大学が「共食」と高齢者の体重減少についての研究結果を発表。それによると、共食がほとんどない高齢者は、体重減少のリスクが高いということがわかったそうです。 この研究は、要介護認定を受けていない約5万7000人の65歳以上の高齢者を対象に実施。2016年から3年間にわたって追跡調査がおこなわれました。 そしてこの研究では、対象者の共食の頻度と3年間に体重の5%以上の減少があったかどうかを調査しています。 「5%以上の体重減少」は、高齢者の栄養状態の悪化の指標のひとつ。体重が5%以上減少すると、死亡リスクが上がるという研究結果が報告されています。 加えて、意図していない体重の減少は、フレイル(虚弱)の特徴でもあります。フレイルは要介護状態の前段階であり、対策をしないと生活に介助が必要になってしまうとされています。 今回の研究では、共食の頻度によって「毎日」「週に何度か」「月に何度か」「年に何度か」「ほとんどない」の5グループに対象者を分けて分析しました。 その結果、対象者のうち5%以上の体重減少があったのは約15%。共食の頻度が「毎日」の人と比べて、「年に何回か」の人は1.07倍、「ほとんどない」は1.17倍も体重減少のリスクが高くなりました。 この結果から、共食の機会を増やすことが高齢者の健康を維持することにつながる可能性があるとのことです。 当たり前だった共食が介護予防に 「共食」に対して「孤食」という言葉があります。孤食とは1人で食事をすること。このコロナ禍において、孤食が社会問題となっています。 こうした孤食をしている人は、共食の人に比べて栄養に対する関心が薄くなることがわかっています。加えて、摂取カロリーや栄養も減少する傾向があり、身体の栄養状態が悪くなるそうです。 孤食の研究については、こちらの記事で紹介しています。参考にしてみてください。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-6997/ そして、孤食によって栄養状態が悪くなると体重減少につながり、体力や身体機能が落ちることも懸念点のひとつ。現在は介護が必要なくても、孤食によって身体機能が落ちて介護リスクが上がるかもしれません。 これまで当たり前だった「誰かと一緒に食事をする」という何気ない習慣が、高齢者の介護予防になる可能性が今注目されています。

2022/03/24

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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