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在宅介護

認知症 施設入居 在宅介護

認知症になっても一人暮らしはできる?親の様子がおかしく、認知症かもしれません

母が実家で一人暮らしをしています。数日前、久しぶりに帰省したら母の様子がおかしくて心配です。きれい好きなのに家の中が散らかり、スーパーで買った惣菜が放置されて腐っていました。 会話が噛み合わないこともあったし…もしかしたら、認知症になってしまったのかも…。もし、認知症だとしたらこのまま一人暮らしは続けられるものなんでしょうか? 私が母を引き取って介護するのはとてもじゃないけどできません。どうしたら良いのでしょうか? (岡村さん・会社員・58歳) お母様の状況にもよりますが、認知症になっても一人暮らしを続けることは可能だと思います。ただ、そのためには在宅介護サービスや配食サービスなど、生活を支援するサービスを利用することが大切です。一方で認知症の方が一人暮らしするのは、火の不始末による火事や薬の管理ができなくなるなどのリスクがあります。そのため、各サービスを活用しても一人暮らしが難しいと感じた場合は、老人ホームへの入居を検討してみてください。 認知症になっても一人暮らしは続けられる? 実家で一人暮らししている母が認知症になってしまったかもしれません。というのも、先日、久しぶりに帰省したら家の中が散らかり放題。スーパーの惣菜がシンクの中に放置してあり、腐っていました。きれい好きな人だったのに…。もし、認知症になってしまったのだとしたら、今後、母は一人暮らしを続けられるでしょうか?母を自宅に引き取って介護する状況ではなくて…。 お母様の状況にもよりますが、一人暮らしは続けられると思います。そのためには、在宅介護サービスなど、生活を支援するサービスを活用する必要があります。ただ、何にせよ、まずは認知症かどうかをはっきりさせましょう。 認知症かどうかをはっきりさせるって、どうしたら良いんですか? 病院を受診して、認知症検査を受けましょう。 受診ですか…。認知症という確信が持てないのに、病院に行って良いものか…。 もちろん問題ありません!むしろ、早めに認知症検査をすることをおすすめします。もし、認知症かどうかある程度の確信を持ってから検査したいのであれば、東京都福祉局のホームページで公開している「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を使ってみてください。簡易的なチェックですが、病院で検査を受ける後押しをしてくれると思いますよ。 ネット上で簡単にできるものがあるんですね!早速、やってみます。 認知症の親の一人暮らしを支援する方法 もし、母が認知症だった場合、私はどうしたら良いんでしょう?先日の実家の様子を考えると、これまでと同じようには生活できないと思うのですが…。だからと言って、私が遠方に住んでいるので頻繁に手伝いに行けるわけでもありません。 そうですね…。まずは、ご家族の中のメインの介護者を決めましょう。メインの介護者は直接介護する人というわけではなく、介護スタッフとの連携や手続きを中心となっておこなう人のことです。介護はご家族や介護スタッフなど、チームでおこなうものです。チームのリーダーとして進めていく人を1人決めておくと、連携も取りやすくなりますからおすすめです。 リーダーですか。となると、私になるのかな。弟がいますが海外で暮らしているので。私がメインの介護者として動くとして、どんなことをしていけば良いのでしょうか? 遠距離介護の場合、頻繁に通って介護をするのは難しいので、できるだけ直接介護をしなくても問題ない体制を作るのが重要です。そのため、以下のような方法でお母様の生活を支援していきましょう。 在宅介護サービスを使う 配食サービスを使う 自治体の支援サービスを使う 近所の人とつながる 在宅介護サービスを使う まずは、在宅介護サービスを利用できる体制を整えましょう。在宅介護サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定の結果、「要支援1・2」「要介護1~5」という介護の必要な度合いを示す「要介護度」の判定が下り、要介護度に応じた在宅介護サービスを受けられます。 はじめに要介護認定を受けるんですね。どうやって受ければ良いんでしょう? 要介護認定は、役所もしくは地域包括支援センターで申請できます。申請後、以下のような流れで調査がおこなわれ、在宅介護サービスが利用できるようになりますよ。 配食サービスを使う ご高齢者向けの配食サービスを使うのもおすすめです。認知症が進むと、食事を買いに行ったり食事の支度をしたりすることが難しくなると想定されるためです。ご高齢者向け配食サービスでは、ご高齢者に必要な栄養がしっかり摂れるように考えられています。噛む力が衰えた場合でも食べやすいメニューも用意されていることが多いので、おすすめです。 確かに…。実家には食パンが何袋もカビた状態で置いてありましたし、買った物の管理がうまくできていないのかもしれません。届いた弁当を温めて食べるくらいならできると思うので、配食サービスは良いかもしれないですね。 自治体の支援サービスを使う 高齢化が進んでいることを受けて、自治体のなかには一人暮らしの高齢者を支援するサービスを提供しています。内容は自治体によって大きく異なりますが、例えば、金銭管理の支援や安否確認などのサービスを提供しています。ご実家のある地域で、支援サービスがあるか確認してみてくださいね。 近所の人とつながる やはり、ご近所の人とのつながりも大切です。認知症の方の一人暮らしとなると、予想だにしないことが起こる可能性も。例えば、認知症が進行すると出かけたまま家に帰ってこれなくなることがあるんです。実家のご近所さんとつながっておき、お母様の様子がおかしいときに連絡してもらえるようにしておくとより安心ですよ。 認知症の親が一人暮らしをするリスク 認知症の方が一人暮らしをする場合、さまざまなリスクがあります。事前にリスクを把握して備えておくことが大切です。 どんなリスクがあるんですか? 例えば、以下のようなことです。 火の不始末 外出時の事故・行方不明 トイレトラブル 服薬管理の不備 金銭の管理ができない 食事の偏り ご近所トラブル 火の不始末 火の不始末、本当に心配なんですよね。ガスコンロの火のつけっぱなしや、ストーブから出火して火事になるという話をよく聞きますし…。 対策としては、空焚き防止機能のあるガスコンロやIHコンロに切り替えることでしょうか。また、お母様が料理を頻繁にしないのであれば、電子レンジや電気ケトルなどで済ましてもらうという手もありますよ。認知症の方の火の不始末については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 外出時の事故・行方不明 認知症の影響で、外出して家に帰れなくなることがあります。家に帰ろうとして、道がわからなくなってまったく異なる場所に行ってしまったり、交通ルールがわからなくなって道路を飛び出して交通事故に遭ってしまったり…。 認知症の人が行方不明になる話はよくニュースで見ます。もしかしたら、母もそうなってしまうかもしれないんですよね…。 最近ではGPS機能の付いたキーホルダーなども販売されています。お母様がよく持ち歩く杖やカバンなどに付けておいて、万が一のときに備えるのもひとつの方法です。 トイレトラブル 加齢や認知症の影響で、失禁などのトイレトラブルが増えることも考えられます。また、失禁して尿で汚れた下着類を自分で洗濯できなくなる可能性も。衛生的にも良くないので、訪問介護を定期的に利用したりして、お母様の変化にすぐに気がつける状態を作っておきましょう。認知症の方のトイレトラブルについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 薬の管理ができない 持病などで定期的に飲まないといけない薬がある場合、認知症の影響で適切に服薬できなくなる場合があります。 薬の飲み忘れですね。母もちょこちょこ飲み忘れがあるようで、心配です。 薬の飲み忘れだけでなく、飲み過ぎの危険性もあります。薬を飲んだことを忘れてしまって、再び飲んでしまうんです。高血圧の薬を飲みすぎて意識障害を起こしてしまう危険性も…。それを防ぐために、薬局で薬を1回分ごとの個包装にしてもらったり、定期的に訪問看護を利用するのが良いでしょう。 金銭の管理ができない 認知症が進んで判断能力が低下すると、お金の管理ができなくなることがあります。高額な健康食品を買ってしまったり、詐欺に遭ってしまう危険も…。 高齢者が詐欺の被害に遭うニュースはよく見ますよね。心配だな…。 基本的な対策としては、ご家族がお金の管理をすること。お母様の財産を把握しておいて、不審な出費がないか確認するんです。また、認知症の影響で家賃や公共料金の支払いができなくなる場合もあります。そういったことも含めて、ご家族がお母様のお金の管理をすることをおすすめします。 食事の偏り 食事の偏りは感じています。料理をしなくなったようで、スーパーの惣菜やパンといった簡単に食べられるもののゴミばかりでしたから。 おっしゃる通り、認知症が進行すると料理をすることが難しくなります。なので、必然的に出来合いのものが多くなってしまうでしょう。また、認知症になると異常に食欲が湧いてたくさん食べてしまったり、反対に食べる気力がなくなって食事を摂らなくなる可能性もあります。 そんなこともあるんですね…。 きちんと食事を摂ってもらうためには、配食サービスを利用するのがおすすめ。また、食事が摂れているのか確認のために定期的に訪問介護も利用してみると良いかもしれません。 ご近所トラブル ご近所トラブルと言うと、どんなものがあるんでしょうか? 例えば、ゴミ出しができなくなって家がゴミ屋敷状態となってしまい、ご近所ににおいが漏れてしまったり、コミュニケーションが上手くできなくなって人間関係のトラブルにつながる可能性もあります。こういうことが起こる前に、ご近所にお母様が認知症であることを伝えて協力してもらうことが大切。ゴミが溜まっていたり、お母様の様子がおかしいと感じたときに連絡してもらえるような関係性を作っておきましょう。 認知症の親の一人暮らしが難しいと判断するタイミングは? もし、母が認知症だったとしても一人暮らしを続けられるようにしていこうと思っています。ただ、いつまでも一人暮らしができるものなんでしょうか?もっと母の状態が悪くなったら一人暮らしが難しくなるんじゃないかと思って…。 確かに、お母様の心身の状態が進行したら一人暮らしができなくなるでしょう。もし、一人暮らしできない状態となったら、ご家族が同居して介護をするか介護施設に入居するかを選ばないといけなくなるでしょう。 うちには子どもが2人いますし、母を引き取って介護できる状態ではありません…。となると、介護施設に入居させることを考えないと。どんな状況になったら介護施設に入居させることを検討したら良いでしょうか? 介護施設に入るタイミングは、その人やご家庭の状況によってさまざまです。が、以下の状況になったときは、入居を検討するタイミングの目安となると思いますよ。 各サービスを使っても一人暮らしが難しいと感じたとき 介護者の負担が大きいと感じたとき 各サービスを使っても一人暮らしが難しいと感じたとき 先ほどお話しした、在宅介護サービスや配食サービスなどの支援サービスを活用しても、安全に生活できないと感じた場合、介護施設に入居することをおすすめします。例えば、外出して帰って来られなくなることが増えたり、自宅での転倒が増えたり…。支援サービスを活用しても、どうしても24時間365日、見守りの目があるわけではありませんから危険な瞬間が出てきてしまうんです。各支援サービスを利用してもお母様の安全を守れないと感じたら、介護施設への入居を検討しましょう。 いろんなサービスを利用してもダメそうだったら、介護施設に入居させるんですね。 介護者の負担が大きいと感じたとき また、ご家族の介護の負担が大きいと感じたときも介護施設に入居するタイミングと言えます。認知症が進行すると、先ほどお話ししたように転倒したり行方不明になることが増える可能性があります。すると、その度に介護事業者や警察などから呼び出しを受けることもあるでしょう。そうした呼び出しは、遠方に暮らすご家族にとって大きな負担になります。頻繁に呼び出されるために仕事を休まないといけなくなったり、睡眠時間を削って対応する必要もあるかもしれません。 確かに、頻繁に呼び出されるようになったらかなり厳しいかも…。実家まで片道3時間はかかるので…。 遠いですね…。となると、やはり頻繁に帰省しないといけない状況になったら、お母様の一人暮らしは難しいと思います。ぜひ介護施設に入居していただきたいですね。認知症の方が介護施設に入居するタイミングについては、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 「親が認知症かも」と思ったら、まずは認知症検査、メイン介護者を決めよう 在宅介護サービスや配食サービスなどを使って、直接介護をしなくても良い体制を整えよう 認知症の人の一人暮らしは火事や行方不明、金銭トラブルなどの問題が起こる可能性がある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/30

在宅介護 介護認定

とりあえず要介護認定を受けておくことは可能ですか?家族で介護ができているので、しばらく介護サービスを利用する予定はないのですが…

すぐに介護サービスを利用しなくても、要介護認定を受けておくことはできますか? 母が高齢になって、普段の生活で手伝いが必要な場面が増えてきました。まだ家族で介護できているものの、今後、体の状態が悪くなったら介護サービスを利用するようになると思っています。 介護サービスを利用するには要介護認定を受けないといけないと友人から聞いたので、今のうちから受けたいのですが…。可能なのでしょうか? (豊田さん・会社員・64歳) すぐに介護サービスを利用しなくても、要介護認定を受けておくことはできます。ただ、身体状態が変化してから介護サービスを利用するのであれば、そのときのお母様の状態と要介護度にズレが出てしまうことも。また、要介護認定には有効期限がありますから、サービスを使わずに有効期限が切れ、サービスを利用するときには再び要介護認定を受けることになる可能性もあります。二度手間になってしまう可能性があるので、「そろそろ介護サービスを使おうかな」と思ったタイミングで要介護認定を受けることをおすすめします。 ”とりあえず”要介護認定を受けておくことは可能 母親の介護をしています。今はまだ家族で介護できているものの、もっと母の体が悪くなったら介護サービスを利用するようになると思っています。なので、すぐに介護サービスを利用できるように要介護認定を受けておきたいのですが、それは可能ですか?今すぐに介護サービスを使いたいというわけではないのですが…。 はい、今すぐ介護サービスを利用するわけでなくても、要介護認定を受けておくことはできますよ。豊田さんのおっしゃる通り、要介護認定を受けておけばすぐに介護サービスを利用できます。それに、直接介護を受けるサービスだけではく、福祉用具のレンタルができたり介護リフォームの補助金を受けられるようになります。 なるほど。介護サービスって、訪問介護やデイサービスなど、直接介護をしてもらうものばかりではないんですね。 介護を直接受けるサービスを利用するだけでなく、福祉用具をレンタルしたりご自宅を生活しやすいようにリフォームをするのも、ご自宅での生活を便利にすると思いますよ。 ”とりあえず”要介護認定を受けるときの注意点 介護サービスをすぐに利用しなくても、要介護認定を受けられます。ただ、以下のような注意点があることも頭に入れておいてくださいね。 要介護度と身体状態のズレが起こることがある 気が付かないうちに有効期限が切れる可能性がある 自立(非該当)になることがある 要介護度と身体状態のズレが起こることがある 要介護認定は、そのときの心身の状態に合わせて結果が出されます。そのため、要介護認定を受けてから介護サービス利用までに期間が空くと、要介護度と実際の身体状況がズレてしまう可能性があります。 「要介護度と実際の身体状況がズレてしまう」?具体的にはどういうことですか? 「身体的に介護が必要になったら介護サービスを使いたい」という場合、身体状況が変わるタイミングで介護サービスを利用しますよね。そうなると、認定を受けた時点と介護サービスを利用する時点で身体状況が異なると考えられます。例えば、要介護認定を受けたときは要介護1。その後、身体状態が悪くなったので介護サービスを使いたい場合、要介護度が低くて介護サービスが必要な量に足りない、という可能性があります。 そういう場合、どうしたら良いんですか? もし、実際の身体状態と要介護度がズレていると感じた場合、「区分変更申請」で要介護認定のやり直しができます。なので、大きな問題はないのですが、改めて要介護認定を受ける手間はかかってしまいますね。区分変更申請については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 気が付かないうちに有効期限が切れる可能性がある 実は、要介護認定には有効期限があるんです。 そうなんですか!?一度受ければずっと有効なのかと思っていました。 初回の要介護認定の場合、有効期限は原則6ヵ月です。自動更新ではないので、有効期限が切れる前に更新の手続きをする必要があります。有効期限が切れる60日前に更新のお知らせハガキが届きますが、要介護認定を受けてから介護サービスを利用していないと忘れてしまうかもしれません。せっかく要介護認定を受けたのに、有効期限切れで「介護サービスを使えない!」とならないように更新は忘れないようにしましょう。 自立(非該当)になることがある 「自立(非該当)」って何ですか? 要介護度は「要支援1・2」「要介護1~5」の7段階に分けられます。そのどれにも当てはまらないお元気な方のことを「自立」もしくは「非該当」と呼びます。介護現場では「自立」と呼ばれることが多いですね。 へぇー。自立になると何か問題があるんですか? 自立とは、「介護が必要ない状態」という判定結果。介護保険を適用して介護サービスを使うには「要支援1」以上の要介護度が必要ですが、自立の人はそれに該当しないので介護サービスを利用できません。もし、とてもお元気な状態で要介護認定を受ける場合は、注意しておきたいですね。 そうなんだ…。「自立」になってしまって介護サービスを利用できないのは困るなぁ。 要介護認定の流れ 要介護認定を受けるには、まず「要介護認定申請」をしないといけません。その後、以下のような流れで認定が進められます。 まずは、市区町村に依頼されたケアマネジャーなどが自宅を訪問して聞き取り調査をします。心身の状態や生活状況などについて質問されます。この聞き取り調査の結果や、主治医の意見書などをもとに一次判定がおこなわれ、専門家による二次判定に回されます。そして、審査の結果が要介護度として通知されるわけですね。 要介護認定ってどれくらいの期間がかかるんですか? 要介護認定は申請から1ヵ月程度かかります。ただ、高齢化が進んでいる影響で、通知に時間がかかる場合も。その場合は、自治体からお知らせがありますよ。 意外と時間がかかるんですね。 そうなんです。意外と手間と時間がかかりますし、あまりにも早い時期から要介護認定を受けておくと二度手間になってしまいかねません。早い段階から要介護認定を受けるのは可能ですが、「そろそろ介護サービスを使おうかな?」と思ったタイミングで認定を受けるのがおすすめです。 介護サービスを利用しなくても要介護認定だけを受けることは可能 要介護認定を受けると在宅や施設での介護サービスを使えるようになる 認定を受けてからサービス利用まで期間が空くと身体状態とのズレが生じることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2023/11/30

認知症 在宅介護

認知症の母親がおむつを嫌がるときの対処法を教えてください。尿もれで洗濯や掃除が大変なんです

認知症の母親が夜に尿もれをするようになったのでおむつを履かせたいのですが、嫌がって履こうとしません。どうしたら良いですか? 昼間は私や他の家族が介助しているのであまり漏らしたりはしないのですが、問題は夜です。これまではトイレに行くときに私を起こして一緒にトイレに行っていたのに、最近は私を起こさなかったり、そもそも母が起きないことも…。 トイレに行かないと、朝におもらしをしていて服も布団もぐっしょり。洗濯も大変ですし、においがしてしまってもう大変なんです。 (角田さん・パート・63歳) 掃除に洗濯…排泄介助が上手くいかないと介護の負担が増えて大変ですよね…。なんですが、無理やりお母様におむつを履かせるのはおすすめできません。というのも、おむつを履いたとしてもおむつを脱いでしまったり、おむつ交換を拒否されてしまったり…余計に心身の負担が大きくなってしまうかもしれないからです。そのため、布パンツにパッドを入れたり、紙パンツを使ったりして段階的におむつに慣れてもらいましょう。とはいえ、おむつを履くというのは、お母様の尊厳を傷つける可能性が高いので最終手段と考えておきましょう。寝たきりになったりしてトイレに座れない状態でなければ、おむつを使わずに済むように工夫してみてください。介護サービスも活用しながら、負担の少ない介護をしてくださいね。 嫌がる認知症の親におむつを履かせるには? 認知症の母親の介護をしています。最近、夜におもらしして服や布団を汚すことが多くなって困っています。服や布団が汚れて洗濯が増えるし、家の中ににおいがこもってしまって…。なので、夜はおむつを履かせたいのですが、「おむつなんか履かない!」と拒否されてしまって…。母におむつを履かせるにはどうしたら良いでしょうか? おもらしがあると、洗濯や掃除が多くなったりにおいが気になって心身ともに負担が大きくなって大変ですよね…。うーん、ただ、おむつを無理やり履かせるのはおすすめできません。 えっ、なぜですか?こんなに介護が大変なのに! 角田さんのお気持ちはよくわかります。とは言え、無理におむつを履かせると、介護拒否につながってしまう可能性があるんです。例えば、おむつを履いたのは良いものの、こっそり脱いでしまって意味がなくなったり、おむつ交換を嫌がったり…。別の問題が起きかねないんです。おむつ外しやおむつ交換の拒否については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 とりあえずおむつを履いてくれれば…と思ったのですが、そう上手くはいかないんですね…。 おむつに段階的に慣れてもらう おむつを嫌がる原因は、おむつに良いイメージがないからでしょう。急に「おむつを履いて」と言われて履きたいと思う人はそうそういないと思います。そうした気持ちをふまえても、おむつに段階的に慣れてもらうことが履いてもらう方法のひとつです。 具体的にはどうすれば良いんですか? 以下のような段階を踏んで、おむつや紙パンツ、尿とりパッドに慣れてもらうんです。 布パンツ+尿とりパッド 紙パンツ+尿とりパッド おむつ+尿とりパッド 現段階でおむつや紙パンツ、尿とりパッドなどを利用していない場合、おむつを使うのは心理的なハードルがかなり高いでしょう。「おむつを使わないといけないなんて」と、情けなく感じるかもしれません。なので、はじめは普段使っている布パンツに尿とりパッドを入れて使ってみます。使っているうちに尿とりパッドを入れていることに慣れたり、尿とりパッドの吸水力に気がついて便利だと感じてくれることもあるでしょう。 母は、昼間はトイレに行って漏らすことはあまりないので、まだ普通の布パンツだけです。よく考えてみれば、普段は布パンツを履いているのにいきなりおむつを履くのは嫌ですよね。 「布パンツ+尿とりパッド」を使っても尿もれが続くようだったら、「紙パンツ+パッド」や「おむつ+尿とりパッド」に段階的に変えてみましょう。また、「おむつ」という言葉も心理的な抵抗感につながりやすいです。なので、「使い捨てパンツ」などと言い換えるのもおすすめです。 おむつにできるだけ頼らない介護を おむつを勧める方法についてお話ししましたが、正直なところ、本当はおむつを使わないで済むのが一番なんです。 えっ!?そうなんですか?なぜでしょう? おむつの交換は、すべて誰かにしてもらうことになりますよね。なので、尊厳が失われたり「下の世話をしてもらうなんて情けない」と感じやすいんです。そのせいで気力がなくなって今まで自分でできていたこともやらなくなり、さらに身体機能が低下したり認知症が進行するきっかけになることもあるんです。 そんな影響があるんですか!? なので、まだ歩けるのであればトイレを使うのが一番。歩くのが難しいのであれば、お母様の布団やベッドの近くにポータブルトイレを置いて、すぐに用を足せるようにしておくなどの工夫をしてみてください。 今まで夜中も母がトイレに行きたいタイミングで、母に起こされていました。でも、認知症が進んだせいか最近は起こしてくれなくて…。こういう場合、どうしたら良いんでしょうか? 夜中のトイレの時間を決めるのはどうでしょうか?ご自分でトイレに行く場合でも時間はある程度決まっていることが多いですから、その時間に合わせてお母様を起こしてトイレに行けば、おもらしがなくなるかもしれませんよ。 排泄介助を介護サービスに頼ろう 排泄介助は、介助のなかでも身体的にも精神的にも大変なもののひとつ。特に夜間の排泄介助は大変です。ですので、ご家族だけでやろうとせずに、介護サービスを活用して介護のプロを頼ってください。 どんな介護サービスが使えるんでしょうか? 次の在宅介護サービスなら、夜間の排泄介助にも対応してくれますよ。 夜間対応の訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 訪問介護のなかには、夜間も対応しているところがあります。ただ、日中だけの対応としているところが多いので、サービス提供時間を事前に確認してくださいね。 昼間だけしか対応してもらえないと思っていました!夜も介護してくれるのは助かるなぁ。 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、「定期巡回・随時対応サービス」とも呼ばれるサービスです。このサービスでは、事前に決められたタイミングで訪問介護・訪問看護が1日に複数回受けられます。さらに、緊急時などに通報を受ければ、すぐに介護スタッフや看護師が駆けつけてくれるんです。24時間365日対応しているので、夜間の排泄介助もお願いできますよ。 私は昼間に仕事をしているので、夜中に起こされるのは本当にしんどくて…。介護サービスを使ってみようかなぁ。 夜中の排泄介助はとても負担が大きいと思います。なので、おむつを使いたくなる気持ちはよくわかります。ただ、おむつは最終手段と考え、できるだけおむつを使わない介護をする方が、最終的には負担が少なくなることもあるんです。夜間の排泄介助が必要な場合は、積極的に介護サービスを利用してくださいね。 布パンツにパッドを組み合わせたり、おむつに段階的に慣れてもらおう おむつは最終手段。できるだけトイレで排泄できるように工夫してみて 排泄介助が大変なときは、積極的に介護サービスに頼ろう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2023/11/28

認知症 施設入居 在宅介護 介護認定

認知症の父親の要介護度が「要支援」に下がり、急に老健を退所に…。退所後はどうしたら良い?

老健(介護老人保健施設)に入っている父親の介護認定の更新をしたところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、老健からは退所を求められており、急いで退所後の行き先を決めないといけなくなってしまいました。 父はリハビリのおかげで自分で歩けるようになりましたが、認知症が進行していて数分前のことも忘れたり、家電の使い方がわからなかったり…以前のように一人暮らしできるとは思えません。 だからと言って、私はフルタイムで働いていますし、父を引き取って介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? (平山さん・パート・58歳) お父様のケースだと在宅介護か他の施設に入居するか、2つの方法があると思います。在宅介護の場合、ショートステイをメインにデイサービスや訪問介護を使う方法です。別の施設に入居する場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームが選択肢になるでしょう。いずれにしても、実情とそぐわない要介護度が出てしまった場合、区分変更をすることをおすすめします。区分変更は改めて要介護認定をおこないますので、今度は適切な結果が出るかもしれません。区分変更をする場合、認定調査に平山さんが同席しましょう。認定調査でご本人がはりきってしまって要介護度が実際よりも低くなるケースが珍しくありません。そのため、平山さんが普段のお父様の状況を伝えることが大切です。 要支援に下がって老健を退所しないと!どうしたら良い? 先日、父の介護認定の更新をおこなったところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、今入っている老健を退所しないといけません。ただ、要支援2と言っても、数分前のことを忘れたりテレビのリモコンが操作できなかったり…。入所したときよりも認知症が進んでいて、自宅で介護できる状態ではありません。私はフルタイムで働いていますし、介護はできないと思います。でも、要支援2になってしまったので、1ヵ月以内に退所してほしいと老健に言われています。どうしたら良いのか教えてください! それは大変です!まずは、今後の介護の方針を決めましょう。お父様の場合、「在宅介護をするか」「別の介護施設に転居するか」の2つの選択肢があります。それぞれ、詳しくお話ししますね。 在宅介護をする 「在宅介護をする」と言っても…。先ほどお話しした通り、父は自宅で介護できる状態じゃないんです。在宅介護ができる方法が何かあるんですか? 在宅介護サービスを活用して、できるだけ負担を減らしながら介護する方法です。具体的には、以下の在宅介護サービスを利用しながら介護をします。 ショートステイ デイサービス 訪問介護 ショートステイとは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊している間、食事や入浴、排泄などの介助が提供されます。ショートステイは、最大30日まで連続で利用できますので、空きがあれば「30日ショートステイを利用して1日自宅に戻る」という使い方も可能です。 宿泊できるサービスなんてあるんですね!父は病院からそのまま老健に入所したので、在宅介護についてまったくわかっていなかったです。 また、デイサービスを利用する方法もあります。デイサービスは日中の時間帯に介護施設に通うもの。デイサービスでも食事や入浴、排泄介助などのサービスが受けられるので、その時間帯は施設に完全に任せられます。デイサービスやショートステイを利用していない日に訪問介護を利用すると、より安心して生活ができるようになるでしょう。 そういう方法もあるんですね。この方法で上手く在宅介護ができるのかな…。 お父様やご家庭の状況によっては、在宅介護サービスを駆使しても在宅介護が難しい可能性があります。そのときは、やはり他の介護施設に入る必要があるでしょう。 別の介護施設に入る 別の介護施設と言うと、どんなものがあるんでしょう。確か、いろんな種類があるんですよね?今の老健は入院していた病院から紹介されて入居したので、他の施設についてよくわかっていなくて…。 確かに、老人ホームは種類が多くてややこしいですよね。お父様の場合、以下のような介護施設がおすすめです。 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。「住宅型」と「介護付き」の大きな違いは、介護サービスが付いているかどうか。住宅型は介護サービスが付いてないので、利用する場合は外部の介護サービス事業者と別途契約が必要です。対して、介護付きは介護サービスが付随しています。24時間、介護スタッフさんが常駐しているため、おむつ交換など夜間に介護が必要な場合でも対応してもらえますよ。 なるほど…。となると、介護付きの方が良いのかな。おむつ交換は必要ないですが、認知症のせいで1人でトイレに行けないので。 ただ、注意していただきたいのは費用の面です。住宅型は介護サービスがなかったり、介護スタッフさんが少ないこともあって、介護付きより費用が安い傾向があります。そのため、出費を抑えたい場合は住宅型がおすすめです。が、住宅型は利用した分だけ介護サービス費が発生するため、頻繁に介護が必要な場合は介護付きよりも高くなってしまうことがあります。 介護付きは、頻繁に介護サービスを利用しても料金が高くならないんですか? はい。介護付きの介護サービス費は、要介護度に応じた定額制。たくさん使っても費用は上がりません。逆に言うと、あまり介護を必要としない場合は料金が割高になってしまうので、住宅型の方がおすすめです。 グループホーム グループホームは認知症の人限定の施設です。要支援2から入居できるので、お父様もご入居いただけます。グループホームは少人数のユニットごとに生活するのが特徴。料理や掃除などをご入居者とスタッフさんが協力しながらおこなっています。少人数で共同生活をしながら生活したい場合にはおすすめです。 少人数で生活できるのは良いですね!父は人が多いところが得意ではないので。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、自由な生活がしやすい施設です。住宅型有料老人ホームと同様、介護サービスは付いておらず、介護が必要な場合は外部の介護事業所と契約をします。サービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要がない元気なご高齢者向けの施設もある一方で、重度の要介護度の人も受け入れている施設も多いです。受け入れ状況は施設によって大きく異なるので、事前に施設に確認しましょう。 施設ごとに受け入れ状況が異なるんですね。よく確認しておかないと。 ご紹介した3つの施設のなかでも、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は比較的に入居待ちすることが少なく、急いで転居先を決めたい場合におすすめです。 実際よりも低い要介護度が出たらどうする? やっぱり、父が要支援2になったのが納得いかないんです。友人のお母さんが要支援2なのですが、ほとんど介護は必要なく、自分で料理や洗濯をしています。どう考えても、うちの父と同じ要介護度とは思えません。 確かに。お話を聞く限り、お父様が要支援2なのは違和感があります。もし、今の要介護度に納得がいかない場合、要介護認定のやり直しが可能です。 要介護認定のやり直しなんてあるんですね! やり直しの方法は2つあって、「不服申し立て(審査請求)」と「区分変更」です。不服申立ては、市区町村の判断に異議を唱えて取り消しを求めるもので、再び結果が出るまでに数ヵ月かかることがあります。なので、もっとスピーディーに結果が出る区分変更をすることが多いです。区分変更は、要介護認定の更新の前に状態が変わって要介護度と合わなくなったときにおこなわれる手続き。1ヵ月ほどで結果がわかります。 その区分変更の手続きは、どうしたら良いんですか? では、区分変更の流れについてお伝えしますね。 要介護認定の区分変更の流れ 区分変更の流れは、初回の要介護認定や更新と同じ流れです。まずは、役所に「区分変更申請」をする必要があります。老健のケアマネジャーさんとうまく連携できているのであれば、ケアマネジャーさんに区分変更申請の相談をしてみましょう。その後は以下のような流れで進みます。 訪問調査 一次判定 二次判定(介護認定審査会) 認定結果通知 適切な要介護度が出るためのコツ 区分変更の際、適切な要介護度が出るためにぜひ平山さんに認定調査に同席していただきたいんです。 都合が付けば、同席できますが…。どうしてですか? 要介護認定で実際よりも軽い要介護度が出てしまう理由のひとつに、認定調査で”頑張って”しまうということがあるんです。 頑張ってしまう? 認定調査は、市区町村から派遣された調査員によって聞き取り調査などがおこなわれます。初対面の相手に自分ができないことを見せたくはないですよね。なので、できないことを「できる」と言ってしまったり、頑張ってしまうんです。 なるほど…。父は見栄っ張りなので、できないことも「できる」と言ってしまいそうです。 特に認知症の人の場合、普段と違う状況だったり初対面の人の前だと意識がはっきりすることも。なので、普段は認知症の影響で会話が上手くいかない人が認定調査のときはしっかり受け答えできることも珍しくないんです。 そうなんですね。今回の要介護認定の更新のときの認定調査には同席しなかったのですが、きっと”頑張って”しまっていたんでしょうね…。今回の認定調査には同席するように都合をつけます。それで、私は認定調査のときにどうしたら良いんでしょうか。 普段の様子を調査員にしっかり伝えましょう。現在は老健に入所されているので難しいかもしれませんが、できるだけ普段の身体状態や認知症の症状を把握して、調査員に話してください。もし、お父様の心身の状態で困っていることがあれば、それも合わせて調査員に伝えましょう。自宅で介護できる状態ではないことを詳しく伝えると、より実情に近い要介護度が出ると思いますよ。 老健のスタッフさんに聞いて、父の状況を把握しておきます。 区分変更申請はできるだけ早くしておくことをおすすめします。介護保険は申請時点に遡って適用されるので、要介護度が高くなった場合はよりたくさんの介護サービスを利用できますよ。 そうなんですね!すぐに老健のケアマネジャーさんに相談してみます。 ただ注意していただきたいのは、区分変更の結果、要介護度が上がらなかった場合、超過した分の介護サービス費は全額自己負担になります。かなり出費がかさんでしまうので、気をつけてくださいね。 老健退所後、在宅介護をするか別の施設に転居するかをまず考えよう 想定よりも低い要介護度になった場合、区分変更で要介護認定を再度受けるのがおすすめ 適切な要介護度が出るために認定調査でいつもの様子を伝えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/16

施設入居 在宅介護

母親が入院中に要介護5になり、在宅介護は無理!どうしたら良い?

先日、母が高熱が出て誤嚥性肺炎で入院しました。体調が戻ったと思ったらまた発熱して…と繰り返して入院が長引いたせいか、自分で歩けないほどに体力が落ちてしまいました。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、入院中に要介護5になってしまったんです。 ここ1週間ほどは体調が落ち着いているので、もう少し様子を見て問題なさそうだったら退院、と言われています。ですが、仕事があるので私が母を引き取って介護するのは無理だと思っています。母を家に1人にするわけにはいかないし…。 自宅で介護をするのが難しい場合、どうしたら良いのでしょうか?老人ホームに入居させることになるのでしょうか?介護のことがまったくわからず困っています。 (小倉さん・会社員・59歳) そうですね、老人ホームへの入居も選択肢のひとつだと思います。もしくは、在宅介護サービスを利用しながらご自宅で介護をする方法もあります。が、要介護5というと、自分の身の回りのことがほとんど自分ではできない状況。在宅介護をするのは、ご家族の負担がとても大きいものになるでしょう。なので、できれば老人ホームへの入居をおすすめします。有料老人ホームや特別養護老人ホーム、介護医療院でしたら要介護5の方でも安心して生活できる施設ですよ。費用の面から老人ホームに入ることを迷っているのでしたら、安い老人ホームや介護費・医療費の減免制度を活用して出費を抑える方法もありますよ。 入院中に要介護5に…。在宅介護は無理? 母が誤嚥性肺炎で入院しています。発熱を繰り返してかなり入院期間が長引いてしまったせいか、どんどん体力が落ちてしまって…。入院前は問題なく一人暮らしをしていたのに、今は歩くこともできなくなり、何をするにも介助が必要になってしまいました。そのため要介護認定を受けたところ、要介護5に。しかし、このところ母の体調が落ち着いており、もう少ししたら退院しないといけなくて…。母が回復したのは良いんですが、退院後の生活をどうするか悩んでいます。私は仕事をしているので、母を引き取って自宅で介護するのは無理だと思っています。が、自宅で介護するのが良いのか、施設に入れるのが良いのか、まったくわからず…。一般的に要介護5だと在宅介護は無理なのでしょうか? うーん。要介護5の人を在宅介護するのは無理ではありませんが、かなり難しいというのが正直なところです。要介護5の人だと、身の回りのことほとんどすべてに介助が必要な状態だと思います。そのため、ご家族だけで介護するのは負担が大きすぎて難しいでしょう。ただ、要介護5のご家族を在宅介護しているご家庭もあります。その多くは、複数の在宅介護サービスを駆使してできるだけ、ご家族の負担を減らしているんです。 在宅介護サービスですか…。介護のことはよくわからないのですが、どんなサービスなんですか? 主な在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 デイサービス ショートステイ 訪問介護はヘルパーさんがご自宅に訪問して、掃除や調理といった家事、排泄・入浴・食事の介助をおこなうサービスです。デイサービスは、日中に介護施設に通うことで排泄・入浴・食事の介助を受けられるサービス。昼食も提供され、デイサービスに行っている時間帯はご家族が自分の時間を自由に使えます。 日中の間だけでも母を介護施設に任せられるのはとても助かりますね。昼間は仕事で家を空けてしまいますし。 その次のショートステイは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊中は排泄・入浴・食事介助やレクリエーションなどが提供されます。最大30日連続で宿泊できるので、ご家族の”介護休み”や老人ホームに入居するための順番待ちの間に利用されることが多いです。最後の小規模多機能型居宅介護は、ここまでにお伝えした訪問介護・デイサービス・ショートステイがひとつになったサービス。同じ介護施設で複数のサービスを受けられるので、「デイサービスの後にそのままショートステイ」など、柔軟な利用が可能です。また、緊急時に訪問介護を利用するといった対応もできます。 へぇ!それは便利ですね!小規模多機能型居宅介護を利用すれば、母を自宅に引き取って介護するのもありかも…。 要介護5で入れる老人ホームは? 在宅介護サービスを活用してご自宅でお母様を介護する方法をお伝えしましたが、もちろん老人ホームに入居するのも選択肢のひとつです。 やっぱり老人ホームなのかな…。老人ホームについてもまったく知識がなくて、施設に入れるべきか悩んでいるんですよね。要介護5は、もっとも介護が必要な状態だと聞きました。そんな状態の母を受け入れてくれる老人ホームはあるんでしょうか? もちろんです!以下の老人ホームでしたら、要介護5の人も受け入れていますよ。 有料老人ホーム 特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健) 介護医療院 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。どちらも要介護5の人を受け入れていますが、特に介護体制が充実しているのは介護付き有料老人ホームの方です。介護付き有料老人ホームには、24時間介護スタッフが常駐し、看護師は少なくとも日中帯に常駐しています。また、介護サービスを何度使っても介護サービス費が上がらない定額制のため、おむつ交換など夜間にも介助が必要な人や頻繁に介護が必要な人にぴったりの施設です。 特別養護老人ホーム 特養も24時間介護スタッフが、日中に看護師が常駐している施設。介護付き有料老人ホームと異なるのは、特養は公的施設のため費用が安い点です。そのため、ほとんどの特養で入居の順番待ちが発生。施設によっては入居まで数年待つこともあるほど人気の施設なんです。 何年も待つんですか!だったら、母の退院までに間に合わないかな…。 介護老人保健施設 老健は、医師が常駐しているため医療面のケアも可能な施設。主な目的はリハビリによる在宅復帰で、3~6ヵ月ごとに入所を継続するかの判定がおこなわれるのが特徴です。自宅に戻っても問題ないと判断されたら、退去しないといけません。 えっ!長期的に入所できないんですか?それは困ります。 ただ、病院から退院後、移り住む施設が見つからない場合に老健に一時的に入所して、その間に施設探しをするのもひとつの方法です。入院したままだと病院から退院を迫られて焦ってしまいますよね。とりあえず老健に入所して、その期間に落ち着いて他の老人ホーム探しをするケースも珍しくないんですよ。 なるほど、そういうやり方もあるんですね。すぐに老人ホームが見つからなかったらやってみようかな。 介護医療院 介護医療院は、医療ケアと介護を同時に受けられる施設。点滴や経管栄養、在宅酸素など、日常的に医療ケアが必要な方が多く入所しています。もしお母様に医療ケアが必要な場合、有力な候補のひとつとなるでしょう。 老人ホームの費用の抑え方 もし、母を老人ホームに入れるとなると、お金がすごくかかりますよね。そんなにお金をかけられるわけではないので、そこがネックで…。 確かに在宅介護をするよりも、老人ホームに入居する方がお金はかかります。ただ、費用を抑えて老人ホームに入居する方法はありますので、それをお伝えしますね。 安い老人ホームに入る 老人ホームの費用を抑える方法のひとつめは、安い老人ホームに入ることです。 と言っても、安い老人ホームってどうやって探すんですか?見分けられるものでしょうか? 絶対ではありませんが、安い老人ホームには以下のような特徴があります。この特徴の施設を探すと、費用を抑えられるかもしれません。 公的な老人ホーム 地方や駅から遠い 建物が古い 多床室 うーん、あまり私の家から遠い地方だと困ります。何かあったときに、私がすぐに駆けつけられないのはちょっと…。 おっしゃる通り、施設探しをするうえでゆずれないポイントはあると思います。そのため、どうしてもゆずれないポイントと安い施設の条件を比べて、”ちょうど良い”施設を探してくださいね。 減免制度を利用する 老人ホームの費用を抑えるためには、安い施設に入居することとあわせて減免制度も活用しましょう。介護費用の減免制度には、以下の2つがあります。 高額介護サービス費 高額介護合算療養費 高額介護サービス費 高額介護サービス費とは、毎月の介護サービス費に上限額を設け、それ以上を支払ったときに超過分が払い戻される制度です。この上限額は、ご利用者本人や世帯の所得によって次の表のように定められています。 区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯) 高額介護合算療養費 高額介護合算療養費は、介護サービス費と医療保険の自己負担額の合計が、上限を超えたときに超過分が戻ってくる制度です。この上限額も所得に応じて、次のように設定されています。 70歳以上70歳未満年収約1160万円以上212万円212万円年収770万~1160万円141万円141万円年収370万~770万円67万円67万円年収156万~370万円56万円60万円市町村民税世帯非課税31万円34万円市町村民税世帯非課税(所得が一定以下)19万円34万円 高額介護サービス費も高額介護合算療養費も、負担の上限額が所得によって異なるんですね。事前に確認しておかないと…。 もし、老人ホーム探しで迷ったら、ぜひ「いい介護 入居相談室」にご相談ください。老人ホームに詳しいベテランの入居相談員が、お母様にぴったりの施設をお探ししますよ。 要介護5でも在宅介護はできるが、家族の負担がとても大きい 介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどが要介護5でも入れる 安い施設に入る、減免制度を使う、などで費用を抑えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/14

認知症 施設入居 在宅介護

母親が入院中に認知症に!退院後、自宅で介護をするのは無理な状態です。どうしたら良いですか?

先日、一人暮らしをしている母が自宅で転倒してしまい、脚を骨折して入院しました。脚の治療は順調なのですが、意味のわからないことを言ったり、亡くなった父が病室にやって来た、などと言うように…。様子がおかしいので検査してもらったところ、認知症であることがわかりました。 骨折の治療が終わったら退院しないといけません。ですが、今の状態の母では一人暮らしはできないだろうし、仕事と子育てで私が介護するのも無理です!どうしたら良いでしょうか? (上村さん・会社員・58歳) 主な退院後の選択肢としては、「在宅介護サービスを使って自宅で介護をする」「老人ホームに入居する」「別の病院に転院する」の3つがあります。いずれにしても、退院までの短い時間でお母様の今後の生活を決めないといけません。まずは今後の方針を入院中の病院のケースワーカーさんに相談しましょう。方針が決まったら、それに合わせて、今後の生活の基盤を整えていきます。老人ホームに入居する場合、一般的に入居までに1ヵ月ほどかかります。また、希望の施設が満室ですぐに入れないことも。その場合、一時的に介護老人保健施設(老健)に入所したり、ショートステイを利用するなどの方法がありますよ。 親が入院中に認知症に。どうすれば良い? 先日、一人暮らしの母が自宅で転倒して骨折のため入院しました。しかし、入院中に亡くなった父が病室にやって来たと言うようになったり、話の辻褄が合わなくなったりと様子がおかしくなり、検査をしました。そうしたら、アルツハイマー型認知症ということがわかりました。その後、リハビリ病院に転院したのですが、症状は悪化していくばかり。私のことはわかるのですが、私の妻や娘のことはわからなくなってしまいました。こんな状態なのに、「認知症の対応はできない」と言われて、残り1ヵ月ほどのリハビリ期間が終わったら退院しないといけません。一人暮らしに戻るのは無理だし、私が仕事と子育てで忙しく家で引き取って介護するのも難しいです。どうしたら良いでしょうか? 入院をきっかけに認知症を発症してしまったんですね…。つまり、退院までの期間でお母様の今後の生活について判断しないといけない状況というわけですね。退院後の選択肢としては、以下の3つが挙げられます。 在宅介護サービスを使って自宅で介護をする 老人ホームに入居する 別の病院に入院する 在宅介護サービスを使って自宅で介護をする 自宅での介護はかなり厳しいと思います。私も妻も働いていますし…。それに我が家に引き取っても、昼間、母は1人になってしまいます。1人ではほとんど何もできない状態なので、母を1人にしてはおけません。 そうですね…。例えばですが、以下のような在宅介護サービスを活用しても在宅介護は難しいでしょうか? 訪問介護 デイサービス ショートステイ 特に日中は家を空けるのであれば、デイサービスを利用するのはどうでしょう。デイサービスとは、昼間に介護施設に通う形のサービス。食事や入浴、排泄などの介助を受けられます。ご家族が家を留守にする平日はデイサービスに通い、お仕事が休みの日は自宅で過ごす、という生活をしている人もいます。 そういうサービスがあるんですね。介護のことを考えたことなんてまったくなかったので、すべて自分たちでやらないといけないと思っていたので…。日中、母を介護施設に面倒見てもらえるのなら、うちに引き取るのもありかも。 また、ショートステイというサービスも人気です。これは1日から介護施設に宿泊できるもので、宿泊中は食事、入浴、排泄、レクリエーションなどのサービスを受けられます。宿泊中は介護をすべて施設にお任せできるので、ご家族の「介護休み」として利用されることも多いんです。 老人ホームに入居する 老人ホームに入居するのもひとつの手です。在宅介護よりも費用がかかる傾向がありますが、何より介護のプロからケアを受けられるので安心して生活できます。 でも、母は認知症です。認知症でも入れる老人ホームってあるんですか? もちろんありますよ!積極的に認知症の人を受け入れている施設はたくさんあります。例えば、以下の種類の老人ホームは、認知症の人を受け入れていることが多いです。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 この中でも特に人気なのは、特別養護老人ホームです。認知症の人を受け入れているうえに終身利用が可能。そして、費用も安いので常に入居の順番待ちがいるほど人気です。 確かに、安くて終身利用が可能ってかなり魅力的ですね。でも、すぐに入れないのか…。 そうなんです。なので、急いで入居したい場合は特別養護老人ホームだけではなく、他の種類の施設も検討しておくことが大切。いくつか見比べて、すぐに入れる施設を選ぶ人も多いですよ。 別の病院に入院する 今の病院で「認知症の対応ができない」と言われて退院するのに、母を受け入れてくれる病院があるんですか? 精神科や脳神経科のある病院であれば、認知症の人も受け入れてくれることがあります。 そうなんですか!てっきり、認知症だと入院はできないものかと…。 認知症の対応は特殊ですから、一般の病院では入院できないことが多いんです。ですが、精神科や脳神経科は認知症の治療ができる診療科ですから、認知症ケアに対応できるんですよ。もし、入院してしっかりと認知症治療をしたい場合は、入院も検討してみてください。認知症の人が入院できる病院については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 退院までに時間がないときはどうする? 母の退院後、いくつか選択肢があることはわかりました。ただ、退院まで1ヵ月しかないのに、どうやって対処していけば良いのやら…。 まずは、お母様が入院している病院のケースワーカーさんに相談しましょう。ケースワーカーさんは、退院後の患者さんの生活を支援するのも仕事のひとつです。在宅介護にするのか、老人ホームに入居するのか、転院するのか、退院後のお母様の暮らしの方針を決めるうえで、ケースワーカーさんへの相談はかかせません。それに、ケースワーカーさんは地域の老人ホームの情報を持っていることもあり、スムーズに入居先が決まることもあります。とにかく、まずはケースワーカーさんに相談です。 まずは、ケースワーカーさんに相談、ですね。 お母様の状況や今後の生活方針によっては、以下のような相談先もあります。 ケアマネジャー 役所・地域包括支援センター 老人ホーム紹介センター もし、お母様に既に担当ケアマネジャーさんがいるのでしたら、介護のことはケアマネジャーさんに相談してみましょう。在宅介護をするにしても、老人ホームに入居するにしても、ケアマネジャーさんに相談するとスムーズに話が進むでしょう。 うちの母はこれまで介護サービスを利用していなかったので、担当ケアマネジャーさんがいないんですよね。 でしたら、お母様がお住まいの地域の役所や地域包括支援センターに相談しましょう。役所や地域包括支援センターに行けば、介護のことを一からサポートしてもらえますよ。 介護のことをまったくわかっていないので、相談しに行こうかな…。 もし、老人ホームに入居すると決めたのであれば、老人ホームの紹介センターを利用するのもおすすめ。紹介センターではいろんな施設を紹介しているため、複数の施設を見比べるときに便利です。「いい介護 入居相談室」では、老人ホームに精通した入居相談員が一から老人ホーム探しをサポートします。施設探しをする場合は、ぜひご相談くださいね。 入院中に認知症になってしまったら、在宅介護、施設入居、転院の選択肢がある 認知症の症状などによっては、介護施設や転院を考える必要があることも 退院までに時間がない場合は、まずは入院先のケースワーカーに相談しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/10

認知症 排泄 在宅介護

認知症の母親が汚れた下着をタンスに隠してしまいます。どうしたら止めさせられますか?

認知症の母が失禁して汚れた下着やズボンを隠すのを止めさせたいんです。どうしたら良いでしょうか? タンスの奥や畳と布団の間に隠すので、他の服や畳、布団までも汚れてしまいます。洗濯物は増えるし、家中においがするし…本当に困っています。 (渋谷さん・パート・66歳) 洗濯物が増えたりにおいがするのは困りますね…。まずは失禁対策をして失禁の回数を減らすことから始めてみましょう。あわせて、汚れた下着類を入れるためのカゴなどを用意して、ご自分で汚れた衣類を片付けられるようにすると、隠すことが減るかもしれません。認知症の人が汚れた下着を隠すのは、失禁をしたことが恥ずかしくて隠したいという気持ちがあることが多いです。そうした気持ちを尊重しながら、対策をとっていけると良いですね。 認知症の親が汚れた下着を隠す!どうしたら良い? 認知症の母親が失禁して汚れた下着やズボンなどを隠すんです。すぐに洗濯できないから、汚れが落ちないし、家の中ににおいがこもってしまって困っています。それに、タンスの奥や畳と布団の間に隠すので、他の衣類に汚れが付いたり、畳や布団がシミになってしまって…。 それは大変ですね!洗濯物が増えたり掃除しないといけないから、渋谷さんの負担も増えるのではないですか? そうなんです!何度も「おもらしして汚れた服は隠さないで」と叱っているんですが、認知症のせいですぐ忘れてしまうんです。 渋谷さん。お母様が汚れた衣類を隠したときに、叱ったり責めたりするのはNGな対応なんです。 えっ、そうなんですか!?なぜですか? 認知症の人が失禁して汚れた衣類を隠すのは、「失禁したことを隠したい」という気持ちからであることが多いんです。誰しも失禁することは恥ずかしいと感じますから。そのため、叱ってしまうとお母様の自尊心を傷つけてしまう可能性があるんです。 なるほど…。では、どう対応したら良いんでしょうか? 汚れた衣類を見つけても責めずに回収しましょう。出かけていたり別の部屋にいたりと、ご本人に見られていないタイミングだと自尊心を傷つけずに衣類を回収できるでしょう。また、お母様が汚れた下着やズボンを隠すことを減らすために、以下のような方法も有効かもしれません。 失禁予防をする 洗濯物入れを設置する 失禁予防をする そもそもの失禁の回数を減らすことも大切。そうすれば、洗濯物が増えなくて済みますし、お母様がおひとりでトイレに行けるなら渋谷さんの負担も少なくなりますよね。 確かにそうですね。母は1人でトイレに行ってはいるんですが、最近になって間に合わなくて失禁してしまっているようなんです。 そうだったんですね。失禁の予防策には以下のようなものがあります。いくつか試してみたら効果があるかもしれません。 トイレに行きたい合図を見つける トイレをわかりやすくする 着脱しやすい服にする トイレの使い方を確認する 紙パンツ・パッドを活用する 失禁を予防する方法については、については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 洗濯物入れを設置する 下着やズボンが汚れたらすぐに入れられるように、「洗濯物入れ」を作るのはどうでしょうか。カゴでも箱でもかまいません。設置しておけばその中に汚れた衣類を入れてくれるかもしれません。 そんなに上手くいくかな…。 もちろん、設置してすぐに汚れた衣類を毎回入れてもらえるとは限りません。特に認知症の人は新しいことを覚えるのが苦手になっているので、何度も「汚れた服はこの中に入れて」と説明する必要があるでしょう。それと、洗濯物入れに「洗濯物はこの中に」などの貼り紙をしてわかりやすくしておくのも大切です。また、タンスや布団の下など、汚れた衣類を隠す場所が決まっているのであれば、その近くに洗濯物入れを置いておくと、よりお母様が入れやすくなるでしょう。 親が汚れた下着を隠す理由は? そもそも、母はなんで汚れた下着やズボンを隠すんでしょう?すぐに渡してくれれば、洗濯で汚れが落ちやすいのに…。 先ほどもお話ししたように、失禁したことを隠したいという気持ちがあるんでしょうね…。それも含めて、汚れた衣類を隠すのには以下のような理由があると考えられます。 失禁したことを隠したい あとで洗おうと思って忘れた 汚れた下着の処理の仕方がわからない 失禁は誰しも恥ずかしいと感じることでしょう。それは、認知症になってからも同じです。お母様は「恥ずかしい」「情けない」と感じていて、失禁したことを隠したいと考えて隠しているのかもしれません。 汚れた下着のことを聞くと、母は「おもらしなんてしていない!」と嘘をつくんです。それも失禁したことを隠したいからなんでしょうか? そうかもしれません。もしくは、認知症の影響で失禁したこと自体を忘れてしまっている可能性もあります。 確かに。最近、母の物忘れがさらにひどくなったような気がするので、失禁したのをすっかり忘れているのかも…。 それに、認知症による物忘れのせいで、「汚れた下着を洗おうとして置いておいたけど忘れてしまった」ということもあり得そうです。それに、認知症の影響で作業の手順などを忘れてしまうことがありますから、「汚れた下着を洗いたいけどどうしたら良いかわからない」という状況もあり得るでしょう。 なるほど…。汚れた下着を洗いたい気持ちはあるけど、認知症のせいでできなかった、というわけですね。 おっしゃる通りです。お母様は、汚れた衣類を隠したくて隠しているわけではありません。なので、お母様を責めず、衣類を隠さなくても良い環境を整えていきましょう。それに、今回お伝えした方法でお母様が汚れた衣類を隠すのを100%予防できるとは限りません。「汚れた衣類が隠されているのが減ったら良いな」というくらい、肩の力を抜いて対応してくださいね。 汚れた下着を隠すときは失禁の予防をしたり、汚れた衣類を入れる箱などを作って予防しよう 汚れた下着を隠すのは、失禁の恥ずかしさ、洗い方がわからないのが理由かも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: ...

2023/11/08

在宅介護 介護疲れ

両親の介護と孫の世話で疲れた!離婚して戻ってきた娘と孫の世話が増えて体力的にきつい…

実家の両親の介護に加えて孫の世話まで増えてしまって体力的にきついです。負担を減らす何か良い方法はないでしょうか? 以前から認知症の母の介護と家事をするために週に2回ほど帰省しています。それに加えて、最近、娘が離婚して孫を連れて戻ってきました。娘はフルタイムで働いていますが、保育園に落ちたので昼間の孫の世話も私がしないといけません。 孫は3歳ということもあってやんちゃざかり。家の中を駆けまわったりいたずらしたり…もう、体力がもちません…。 (小野寺さん・主婦・65歳) ご両親の介護に加えて、お孫さんの世話まで…。本当に大変ですね。もし、まだ介護サービスを利用していないようでしたら、積極的に利用しましょう。また、介護やお孫さんの世話が重なって、そのせいで小野寺さんが体調を崩してしまう可能性もあります。そのため、まずはもう少し負担が少なくなるように娘さんに相談しましょう。また、誰かに話を聞いてもらったりストレス発散方法を見つけたり、介護疲れやお孫さんの世話疲れで小野寺さんが倒れてしまう前に手を打ちましょう! 介護の負担が減る方法を知ろう 父と認知症の母が車で30分ほどの実家で二人暮らしをしており、週に2回ほど通って母の介護と家事をしています。つい最近、娘が離婚して孫を連れて戻ってきました。娘はフルタイムで働いているものの、孫を保育園に入れられず、私が孫の面倒も見ることになったのは良いのですが…。3歳のやんちゃざかりの孫は、家の中を走り回ったり私の目の届かないところでいたずらをしたり…。私も年ですし、体力がもちません。負担を減らせる良い方法はないでしょうか? それは大変な状況ですね…。私がお話しできるのは介護についてなので、ご両親の介護が軽くなる方法をお伝えします。介護の負担を軽減するサービスには、主に「介護保険サービス」「介護保険外サービス」の2つがあります。 介護保険サービス 介護保険サービスは、要介護認定で要支援・要介護と判定された方が対象のサービス。介護保険が適用されるため、所得に応じて1~3割の費用負担で済むのが特徴です。介護保険サービスのなかでも、サービスを受ける場所によって「在宅介護サービス」「介護施設」の2つの選択肢があります。 在宅介護サービス 在宅介護サービスって、家にヘルパーさんが来てくれるサービスのことですよね?それは聞いたことがあります。 そうです。ご自宅にヘルパーさんが来てくれて介護サービスを提供してくれるのは、「訪問介護」というサービスです。訪問介護も含めて、在宅介護サービスには以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問入浴 デイサービス ショートステイ 父も母も介護保険サービスを利用していなかったので、どんなサービスがあるのか全く知りませんでした。 例えば、訪問介護を使えば、お母様の分の家事はヘルパーさんにお願いできます。ちなみに、訪問介護でお願いできるのは要介護認定を受けている人の分だけ。お父様も要介護認定を取っているのであれば、お父様の分もお願いできますよ。 母は要介護2なのですが、父は要介護認定を受けていないんですよね。でも、母の分だけでも家事をしてもらえるなら助かります。 老人ホーム 老人ホームに入居することも、介護の負担を減らすひとつの方法です。主な老人ホームには以下のようなものがあります。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 老人ホームか…。まだなんとか2人で暮らしていますし、全然考えたことがなかったです。 そうですよね。本格的に介護が必要になってから、施設入居を検討するケースが大半だと思います。ただ、費用が安くて終身利用ができるので人気のある特別養護老人ホームは、入居の申し込みをしてから入居するまで数年待つこともあります。「すぐに施設に入りたい」と思っても、すぐには入れないのが実情なんです。 えぇ!?何年も待たないといけないんですか! なので、早め早めに施設探しをするのが大切。特に介護とお孫さんの世話を並行している小野寺さんの場合、ご両親の介護が本格化してからでは忙しくて施設探しをする余裕がなくなるかもしれません。 言われてみればそうですね…。もし、母の介護が本格的に始まったら、孫の面倒を見ながら施設探しなんてできそうにないです。 なので、今すぐには入居しないとしても老人ホームの情報集めだけでも始めることをおすすめします。 介護保険外サービス 「介護保険外サービス」って何ですか?聞いたことがないです。 介護保険外サービスは、その名の通り、介護保険が適用されないサービスです。例えば、介護保険サービスの訪問介護が要介護認定を受けている人の分しか家事ができなかったのに対して、介護保険外サービスの訪問介護は、要介護認定を受けていない人の分や長時間の家事も依頼できます。つまり介護保険サービスでは、お父様とお母様の2人分の家事は依頼できませんが、介護保険外サービスなら依頼できるんです。 それは便利ですね!実家に帰るときは、母の介護というより家事を片付けるのがメインなので、家事をやってもらえるだけでも助かります。でも、長時間の家事をお願いするとなると、かなりお金がかかるんじゃないですか? おっしゃる通りです。介護保険外サービスは介護保険が適用されないため、全額自己負担。介護保険サービスの訪問介護で家事を依頼するよりも、かなり費用がかかるので要注意です。 介護疲れ・孫の世話疲れで限界になる前に 私も65歳ですし、両親の介護に加えて孫の世話も重なって、体力的にも精神的にもかなりしんどいです。北野室長に教えてもらった方法で負担が少なくなれば良いんですが…。 そうですよね。介護疲れとお孫さんの世話疲れで小野寺さんが体調を崩さないように、以下のような方法をとっておくことをおすすめします。 話を聞いてもらう ストレス発散方法を見つける 話を聞いてもらう しんどいときに誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になりますよね。なので、周囲に話せる人がいれば、話を聞いてもらいましょう。 と言われても、なかなか相談できる相手がいないんですよね…。 でしたら、以下のような相談先はどうでしょうか? 家族の会 ケアマネジャー かかりつけ医 役所、地域包括支援センター 「家族の会」とは、主に認知症のご本人やそのご家族による団体です。介護の愚痴や悩みを聞いてもらえますし、長年、介護をしている人や専門家からアドバイスをもらえることもありますよ。また、ケアマネジャーさんやかかりつけ医、役所や地域包括支援センターに相談すれば、各専門家から適切なアドバイスがもらえるでしょう。悩みの解決に具体的に動いてもらうこともできますよ。 ストレス発散方法を見つける ストレスが溜まっているときは、自分なりの発散方法を見つけることも大切。介護や家事で忙しいと時間に追われてしまいますが、自分の時間を確保して、趣味の時間を作るんです。 うーん…。忙しくて自分の時間なんて作れませんよ。 そうですよね…。そういうときは、介護サービスを積極的に活用して小野寺さんの負担を減らしましょう!小野寺さんが自分の時間を確保するために、介護サービスを利用するんです。できた時間で、趣味の活動をしたり体を動かしたり…。小野寺さんのストレス発散にも時間を使っていきましょう! 子供と話をしっかりしよう ここまで、主に介護の負担を減らす方法についてお話ししてきました。ですが、やはりお孫さんの世話の負担も大きい以上、娘さんときちんとコミュニケーションを取ることも大切です。 そうですよね…。娘が仕事から帰ってくるのが遅かったり、私がバタバタしていたりして娘と話す時間が取れていなかったです。 お子さんというのは、親御さんがいつまでも元気でいると思っているもの。若い頃と同じように頼ってくることも多いでしょう。親御さんとしても頼られるのが嬉しい反面、体力的にすべてに応えるのが難しい場面が増えてくると思います。なので、素直に今の状況を娘さんに伝えましょう。娘さんの方でもお孫さんのお世話の負担が減るように取り計らってくれるかもしれません。ご両親の介護もお孫さんのお世話も、どちらも小野寺さんが倒れてしまっては成り立ちません。まずは、小野寺さんの負担を減らせるように対策をとっていきましょう。 負担を減らすために、介護サービスなどを上手く活用しよう 友人や知人に話したり、家族の会などで話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になるかも 孫の世話について、自分の素直な気持ちを素直に話そう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: ...

2023/11/07

認知症 在宅介護

認知症の母親がいつもおもらしを…。おもらしをしなくなる方法はありませんか?

同居している認知症の母が、おもらしを頻繁にするようになってしまいました。少し前までは自分でトイレに行けていたのに…。 どうしたら母がおもらしをしないようにする方法はありますか? (関根さん・パート・60歳) おもらしを予防する方法には、お母様のトイレの合図を見つけてトイレ誘導をする、トイレに貼り紙をしてわかりやすくする、トイレの使い方をわかりやすくする、といったものがあります。ただ、こうした予防方法を実施しても、すぐには失禁はなくならないでしょう。失禁をしてしまったときに怒ったり責めるような言い方をするのはNG。ストレスや羞恥心などから、認知症の症状が進行してしまうおそれがあるからです。また、床にビニールのシートを敷いておくと失禁してしまったときにかなり掃除がしやすくなると思いますよ。 認知症の親がおもらしを…。予防法はある? 同居する認知症の母を介護しています。最近、母がトイレに間に合わず、おもらししてしまうようになりました。少し前は自分でできていたのに…。その度に床の掃除や洗濯物が増えて本当に大変で…。においがなかなか取れなくて、家中におしっこのにおいがするようになってしまいました。母がおもらしをしなくなる方法ってありますか? ご家族が失禁されるとショックも大きいですし、掃除などの後片付けが大変ですよね…。失禁が100%なくなるとは言えませんが、以下の方法を実践すれば頻度が減るかもしれません。 トイレに行きたい合図を見つける トイレをわかりやすくする 着脱しやすい服にする トイレの使い方を確認する 紙パンツ・パッドを活用する トイレに行きたい合図を見つける 認知症が進行した影響で「トイレに行きたいのに、トイレに行きたいことがわからない」という状況になっている可能性が考えられます。認知症がなければ、尿意をもよおしたら「排泄がしたいんだな」と理解してトイレに向かいますが、認知症になると尿意をもよおしても、それが”トイレに行きたい”という体からのサインであることがわからなくなってしまうんです。 つまり、「尿意があってもトイレに行かなくて、おもらししてしまう」ということですか? その通りです!ただ、ご本人が尿意を理解していなくても、そわそわしたりもじもじしたり、普段と様子が変わることがあります。そのため、いつもと違う様子があったら「トイレに行こうか」と誘導してみてください。また、トイレに行く時間がある程度決まっているようでしたら、毎日同じ時間帯にトイレに誘導するのもおもらしの予防につながるでしょう。 トイレにわかりやすい貼り紙をする 認知症の影響で、トイレがどこかわからなくなってしまった可能性も考えられます。 最近まで、自分でトイレに行けていたのにですか? はい。認知症が進行すると、それまでできていたことやわかっていたことがわからなくなってしまうことがあるんです。なので、トイレのドアに「トイレ」「便所」「お手洗い」と大きく書いた紙を貼ってみましょう。もし、トイレの場所がわからなくて迷っているうちに我慢できなくなって失禁をしてしまっているのであれば、効果があると思いますよ。 そういえば、この間は母が廊下をうろうろしているときにおもらししていました。もしかしたら、トイレの場所がわからなくて迷っていたのかも…。 トイレの使い方を確認する そうなんです。認知症の中には、今までできていた動作ができなくなる「失行」と言う症状があります。体の機能的には問題がないのに、道具の使い方や作業の一連の流れがわからなくなってしまうんです。なので、「便座のふたを上げる」「便座に座る」「排泄後にレバーで水を流す」といった、トイレの一連の流れを確認しましょう。 今まで当たり前にできていたことなのに…。急にできなくなることがあるんですね。 そうなんです。一度では思い出せないことも多いですから、トイレの使い方を練習するつもりで何度も説明して声掛けをしましょう。 着脱しやすい服にする ご高齢になると、指先が上手く動かなかったり力が弱くなることでトイレの際のズボンの上げ下ろしに時間がかかり、トイレに間に合わないことがあります。なので、ボタンとチャックのジーパンからウエストがゴムのズボンや、服の生地自体が伸縮するようなズボンなど、着脱のしやすい服に変えましょう。それだけでも、誰かの手を借りずにご自分だけでトイレに行けるようになることがありますよ。 紙パンツ・パッドを活用する 現在、お母様が普通の布のパンツを使用している場合、紙パンツや尿とりパッドを使うと失禁して下着や衣服を汚す頻度が下がるでしょう。 紙パンツっておむつみたいなものですよね?それを母が利用してくれるかどうか…。 いえいえ、おむつではなく下着感覚で使える紙パンツです。使い捨ての下着として渡すと意外とすんなりと利用してくれることがありますよ。もし、紙パンツを利用したがらない場合、尿とりパッドを今使っている布パンツの上に重ねて使うのでも効果があるでしょう。 なるほど…。確かに紙パンツや尿とりパッドを使うだけでも、おもらしして床や下着、ズボンを汚すことは減りそうですね。 おそらく、紙パンツでも尿とりパッドでも慣れないうちは、抵抗感があるでしょう。でも、トイレのわかりやすいところに置いておくなど、徐々に紙パンツや尿とりパッドに慣れるような工夫をしていくことが大切です。 認知症の親がおもらししてしまったときは ここまで、お母様の失禁を予防する方法をお伝えしました。もし、お伝えした方法を試しても、すぐに失禁がゼロにはならないと思います。新しいやり方に慣れるまでには失禁してしまうこともあるでしょう。失禁してしまったときに、「またおもらししたの!?」と怒ったりお母様を責めるような声掛けはNGです。 あぁ、言ってしまっています…。 失禁はショックが大きく、自尊心が傷つく出来事です。そのときに、怒ったりするとさらに自尊心を傷つけてしまいます。そのため、お母様が失禁してしまったときは冷静に優しく対応することを心がけてくださいね。 掃除しやすい工夫を 毎日のように母のおもらしで汚れた床の掃除が大変なんです。特に母の部屋が和室で、畳は尿で汚れるとなかなかにおいが取れないですし…。 でしたら、床や畳の上にビニールシートを敷いてみるのはどうですか?汚れをはじきますから、水拭きだけで済みますよ。 それは良いですね! フローリングのようなデザインで滑りにくい材質でできたフローリングカーペットもあります。畳は滑りやすいので転倒防止にもなると思いますよ。お母様の失禁はご家族にとってとてもショックなことですし、掃除や洗濯などの負担が増えてより大変になると思います。だからこそ、お母様が失禁してしまう理由をよく理解して失禁を予防していきましょう! トイレの場所をわかりやすくする、着脱しやすい服にするなどの予防を おもらししてしまっても、怒ったり責めるような言い方はNG おもらししても掃除をしやすい工夫で、介護を楽に pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/11/06

施設入居 在宅介護 介護のお金

親の介護のお金は子供が負担するものですか?80歳を超える高齢の母がいるので心配です

82歳になる母親が実家で一人暮らしをしています。母はまだ介護が必要な状況ではありませんが、年齢も年齢ですし、近い将来、介護が必要になるだろうな、と思っています。 お父さんが老人ホームに入っている友人から、毎月かなりお金がかかると聞きました。介護ってお金がたくさんかかりますよね?それは子供が負担しないといけないものなんでしょうか? (寺田さん・会社員・59歳) まずは、お母様のお金から介護費用を捻出できるように考えましょう。もし、足りない場合にお子さんが分担して負担する方が、継続的に介護できるでしょう。そのためには、まずはお母様の資産状況を把握しておくことが大切。貯金や年金などのお金、生命保険の契約状況などを把握して、いくらまでだったらお母様の財産から支払えるのかを見積もっておくんです。また、介護が始まる前に介護の方針やメインの介護者について考えておいてください。他に御きょうだいがいる場合、事前に話し合っておくと介護が始まったときもスムーズに進められるでしょう。 親の介護のお金は子供が負担するもの? 82歳の母が実家で一人暮らしをしています。母はまだ元気ですし、介護が必要ではありませんが、年齢を考えると介護が始まるのも時間の問題だと思っています。介護についてはいろいろと不安が多いのですが、一番気がかりなのがお金の問題。親の介護をしている友人から毎月かなり費用がかかっている、と聞きました。こういう介護のお金って子供が負担するものなんですか? いえいえ、基本的にはお母様のお金から支払うのが良いでしょう。介護の費用と言えど、お母様の生活費用だからです。ただ、お母様の貯金や年金だけでは足りない可能性があります。その場合は、お子さんが分担して支払うのが良いでしょう。 なるほど、足りない分だけ費用を出すので良いんですね! 親の介護にはどれくらい費用がかかる? 介護ってどれくらい費用がかかるんでしょうか?母のお金から出すにしても、出費の目安を知りたくて。 そうですね…。介護費用は一人ひとり大きく異なる、というのが回答になってしまいます。要介護度や利用するサービスによってもかかるお金がかなり変わるからです。とはいえ、参考になりそうな調査があります。「生命保険文化センター」が2021年におこなった調査では、介護にかかった費用の平均は8.3万円。在宅介護だと平均月4.8万円、施設入居だと平均月12.2万円と、在宅介護か施設介護かで大きく金額が異なります。 このグラフによると、月1~2万円で収まる場合もあれば、15万円以上かかる場合もあるんですね…。 介護が始まる前に準備しておくこと 介護にはいろいろと不安なこともあるでしょう。そうした不安も少しでも小さくするために、介護が本格的に始まる前に準備をしておきましょう。 準備ですか。どんなことをすれば良いんですか? 具体的には、以下のようなことです。詳しくお話ししていきますね。 親の資産を把握しておく 介護の方針を決めておく 主介護者を決めておく 親の資産を把握しておく 介護費用をどうやって捻出するのか考えるために、まずは、お母様の資産状況を把握しましょう。 母の資産ですか…。といっても、年金くらいなものでしょうか。 いえいえ、以下のようなものについて把握しておくのと良いでしょう。 年金 全ての銀行口座 不動産 株式などの有価証券 生命保険 負債 こんなに確認しておかないといけないことがあるんですね! そうなんです。事前に確認しておけば、いざというときに安心ですから。お母様にノートなどにまとめて書き出しておいてもらうと良いでしょう。 介護の方針を決めておく お母様や他のご家族と介護の方針について、事前に話し合っておいてください。 介護の方針って、具体的にはどんなことを話し合えば良いんですか? 例えば、次の内容です。 自宅で暮らし続けたいか 介護施設に入居したいか 自宅・土地の管理をどうするか 特に、自宅で暮らし続けたいかや介護施設に入居したいか、といった点は介護をするうえで大きく影響します。急に介護が必要になり、ご本人やご家族の意思がはっきりしないままに介護が始まってしまうケースも少なくありません。ご本人やご家族が後悔しない介護をするために、事前に介護の方針を話し合っておいてくださいね。 主介護者を決めておく 「主介護者」って何ですか? 介護を中心となっておこなう人のことです。他のご家族や御きょうだいがいる場合、中心となって介護をする人を1人決めておくことをおすすめします。主介護者は、かかりつけ医やケアマネジャーさんと連携を取ったり、介護サービスの利用日や通院などのスケジュールを管理する役目。この役割を別の御きょうだいと分けて担当していると、連携を取るのに手間がかかるかもしれないんです。 「中心となって介護をする」と聞くと、たくさん介護をしないといけない気がしますが、そういうわけではないんですね。 そうですね。確かに、主介護者が実際に介護する割合が多い傾向にありますが、必ずしもそうしないといけないわけではありません。どちらかというと、医療機関や介護事業所が「この家族に連絡しておけば大丈夫」という人が主介護者と言えます。もちろん、主介護者となる人は介護を受けている人の状況を把握しておく必要がありますから、お母様の近くに住むご家族がなるのが自然でしょう。 なるほど。となると、私になりますね。他のきょうだいは県外や遠方に住んでいるので、実家に通いやすい私が主介護者になった方が介護がしやすいと思います。 そういったご状況なら、寺田さんが主介護者になるのが良いでしょう。ただ、主介護者といっても介護をすべて負担する必要はありません。他の御きょうだいにも「週末は介護してもらう」「介護ができないから多く費用を負担する」といった形で、分担してもらってくださいね。 親の介護費用はできるだけ親のお金で賄おう 介護が始まる前に、親の資産の把握、介護方針と主介護者を決めておこう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; ...

2023/11/02

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