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人間の腸の中には、100兆〜1000兆個、約1000種類の腸内細菌が存在しているとされています。 この腸内細菌の働きで注目されているもののひとつが「脳腸相関」。この「脳腸相関」について、順天堂大学が「ビフィズス菌を摂取することで、軽度認知障害(MCI)の人の認知機能改善の効果がある」という研究結果を発表しました。 腸を改善すると認知機能が改善する!? 順天堂大学が「軽度認知障害の人がビフィズス菌を摂取することで認知機能の改善、脳萎縮の進行を抑制できる」という研究結果を公表しました。 この研究は、認知症の前段階である軽度認知障害の患者130人を対象におこなったもの。腸内環境を整えるビフィズス菌を摂取することで、認知機能にどのような影響を与えるのかという「脳腸相関」について調査しました。 「脳腸相関」とは、脳と腸がお互いに影響を及ぼしあうこと。腸は「第2の脳」とも呼ばれており、脳と腸の関係は腸内細菌が大きく関係していることがわかっています。 今回の研究では、対象者を1日1回ビフィズス菌の粉末を摂取するグループとそうでないグループに分け、24週間にわたって調査をおこないました。 その結果、ビフィズス菌を摂取したグループは認知機能検査で「見当識」の成績が良くなっていることがわかりました。 「見当識」とは、時間や季節、場所などを把握する能力のこと。この能力が低下すると「今日が何月何日か」「季節がいつなのか」などがわからなくなる見当識障害を引き起こします。これは、アルツハイマー型認知症の症状で物忘れの次に現れやすいとされています。 さらに、ビフィズス菌を摂取したグループはMRI検査で脳の萎縮の進行が抑えられていることもわかりました。 今回の結果を受けて、研究グループは「腸の環境と脳機能の関係性を、実際の医療現場の支点でも確認していきたい」としています。 腸にも脳にも良い習慣を 腸内環境を良くすることで便秘を解消できることは良く知られていますが、まさか認知機能にも影響があるとは驚きです。 つまり、腸内環境を整えることで便秘対策と認知症予防の両方が叶えられると言えますね。 そのため、積極的に腸に良いことをしていきたいもの。例えば、ビフィズス菌のような乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維など腸内環境を整える食品を意識して摂取することもひとつの方法ですよ。
2022/06/17
「認知症検査」と聞いて、どんなものをイメージするでしょうか。 一般的な認知症検査は、筆記テストなどで認知機能を測定するものや、CTやMRIなどの機械によって脳の状態を撮影する検査など。その多くが医療機関で専門の医師によっておこなわれ、時間がかかったり料金が高額だったりと検査の負担が大きいのです。 そこで、慶應義塾大学はどこでも認知症の早期発見できる脳波計を開発。約30秒で計測ができるうえに、ヘッドバンド式なので測定中の負担が少ないのが特徴です。 30秒で認知症検査!? 慶應義塾大学が、簡単な脳波計をつかって軽度認知障害(MCI)の傾向を発見することに成功したことを明らかにしました。 軽度認知障害とは、認知症の前の段階のこと。物忘れなどが増えているものの、日常生活の支障は出ていない状態を指します。 この脳波計は、軽度認知障害の傾向を見つけることで認知症の早期発見をするもの。頭に巻くだけで約30秒程度で脳波を測定できます。 今回、研究グループはこの脳波計を使って120人を対象にした実験を実施。健常・MCI・認知症を判定するためにそれぞれの脳波の周波数の特徴を明らかにしたのです。 そうして、脳波の特徴を明確にしたことで、脳波計だけで認知症を簡易的に判定できるようになったそうです。 今後は、この脳波計を活用して自宅などで日常的に脳波を測り、軽度認知障害や認知症の可能性を計測できるようになることが期待できるとのことです。 毎日の脳波測定が当たり前に? 現在の認知症検査は大掛かりなものが多く、費用や時間がかかるためになかなか検査を受けようと思わないのが実情ではないでしょうか。 特に認知症検査のハードルになるのが、心理的な部分。「認知症」と診断が出るのが怖かったり周囲の目を気にして検査を受けるのが遅くなってしまうケースもあるのです。 そこで、今回の慶應義塾大学が開発した脳波計が実用化されたら、血圧や体重のように自宅で気軽に脳波を測るのが当たり前になるかもしれません。 血圧を測って高血圧を予防するのと同じように、脳波を測って認知症を予防するような時代がすぐそこまでせまっているようですね。
2022/06/16
2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われている日本において、認知症予防に関心のある人も多いでしょう。 しかし、巷には認知症予防に関する情報があふれかえっていて「結局、何をすれば良いの?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。 そうした人の参考になる研究が、今月9日に発表されました。 それは、太陽生命保険による「『歩行・思考・会話』する長期の活動が、認知症リスクの低下につながる可能性がある」という研究です。 それによると、同社の「歩行・思考・会話」を日常的におこなっている70~80代の営業社員の認知症リスクが、同年代の人よりも低いことがわかったそうです。 認知症予防には「歩行・思考・会話」 太陽生命保険の子会社である太陽生命少子高齢社会研究所は、認知症予防のための早期認知機能検査を提供してるMCBIの共同研究を実施。その結果、「『歩行・思考・会話』する長期の活動が、認知症リスクの低下につながる可能性がある」ということがわかりました。 この研究は、太陽生命保険の70~80代の約1500人の営業社員を対象におこなったもの。社員の「MCIスクリーニング検査」を同時期に検査を受けた約9500人の他の受験者と比較しました。 MCIスクリーニング検査とは、認知症の手間の段階である軽度認知障害(MCI)を発見する検査。血液中のアルツハイマー型認知症の原因物質である「アミロイドβ」を調べることで、MCIのリスクを測ります。 今回の研究の結果、同社社員の免疫力が高く、認知症リスクが低い傾向があることが判明。営業社員は、「歩く」「頭を使う」「コミュニケーションをとる」という認知症予防に効果的とされていることを長年にわたって日常的におこなっているため、こうした結果になったと考えられるそうです。 楽しんでできることを始めてみる 認知症の約6割を占めるアルツハイマー型認知症の予防法として「運動」「知的活動」「社会的活動」などが一般的に有効とされています。 ただ、私たちが認知症予防のために営業活動をする訳にはいきませんよね。 そこで、私たちでもできる身近な予防法としては「介護予防教室に通う」「ボランティアに参加する」「趣味の合う人と集まる」などが挙げられます。 もちろん、「認知症予防のため」と無理をするのはNG。楽しんでできることが脳にも良い刺激となるので、無理をしない範囲で始めてみてはどうでしょうか
2022/06/15
2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になるという推計もある認知症。高齢化に伴って認知症の人は増えていくという予測が出ていることもあり、認知症や認知機能に関する研究が各地で進められています。 今回、神戸大学が発表したのは肥満や高血圧、低体力が「社会的認知機能」の低下と関連があるという研究結果です。 特に、肥満、持久力、手先の器用さが低いと社会的認知機能が低下している傾向があったそうです。 肥満・高血圧・低体力が認知機能に関係? 神戸大学は、肥満・高血圧・低体力が、社会的認知機能の低下と関係があることを明らかにしました。 社会的認知機能とは、人がコミュニケーションを取るうえで重要な認知機能のひとつ。相手の行動や意図、性質を理解するための対人関係の基本となる機能です。 今回の研究は、アメリカの約1000人のデータを分析したもの。肥満度を表すBMI、血圧、持久力、手先の器用さ、筋力、認知機能検査、脳の血流量の検査などのデータを解析して、肥満度や血圧、体力と社会的認知機能の関係を調査しました。 その結果、BMIと血圧が高くて体力が低い人ほど、社会的認知機能に関連する脳の部位の活動が少ないことが判明。特に、BMI、持久力、手先の器用さとの関係が大きいこともわかったそうです。 この結果について研究グループは、「BMIと血圧が高くて体力が低い場合、脳の活動の低下によって社会的認知機能が低下していることを意味している」としています。 また、体重の減少や持久力・手先の器用さを向上させることで社会的認知機能の向上に効果がある可能性があるとのことです。 社会で生活するために重要な機能 社会的認知機能は、人が社会の中で生活していくうえで重要な機能です。 この機能が低下すると、相手の気持ちを推測できなくなったり社会のルールを守れなくなることもあります。 認知症というと物忘れや日付・曜日がわからなくなるなどの症状をイメージしがち。ですが、社会性がなくなってしまうと日常生活に支障が出るので、社会的認知機能は人と関わりながら生活する人間にとっていかに大切な能力かがわかりますね。
2022/06/14
2025年には730万人にまで増加するとされている認知症。高齢者の5人に1人が発症するという予測もあり、世界一の長寿国である日本ではその予防法についての研究がされています。 そこで、関西福祉科学大学とオトバンク社は、音声配信サービスを聴きながら運動することの認知症予防効果を検証。その結果、この方法は従来の計算問題を解きながら運動をする認知症予防法と同等の脳の血流を良くする効果があるそうです。 「朗読+運動」が脳に効く? 関西福祉科学大学とオトバンク社は、オトバンク社の音声配信サービス「audiobook.jp(オーディオブックドットジェイピー)」と運動を組み合わせた認知症予防法について検証をおこないました。 このサービスは、小説やビジネス書、自己啓発書など多様な書籍の朗読をアプリで配信。手軽にスマートフォンで聞けるサービスです。 この研究は、65歳以上の要支援の介護認定を受けている高齢者を対象としたもの。一般的な認知トレーニングである計算問題と運動を組み合わせた方法、運動のみをした場合の脳の血流の活性化の度合いと比べて、音声配信サービスと運動の組み合わせの効果を検証しました。 運動については、エアロバイクを漕ぐという内容で実施。1分間の脈拍数が50~70回程度の軽い運動です。 その結果、音声配信サービスを聞きながら運動した場合、運動のみをした場合よりも脳の血流が活性化していることがわかりました。これは、計算問題と運動との組み合わせとくらべてもほぼ同等の効果だったそうです。 今回の研究をおこなった背景には、運動と計算などの脳トレを同時にすることが脳の活性化につながることがわかってきたから。これまで、脳トレの主流は計算問題でしたが、問題や回答を覚えてしまってトレーニング効果が薄くなるといった問題がありました。 そこで、音声配信サービスを聞くという新しい認知症予防法のバリエーションを増やすことを目的として、今回の検証をおこなったそうです。 自分に合った認知症予防を選ぶ 計算問題を解くことは脳トレとして有名ですが、簡単すぎて面白みを感じられなかったり飽きてしまうこともありますよね。 そこで、音声配信サービスであれば自分の好きな本を選べるので、楽しみながら脳トレができそうです。 ただ、朗読を聞き流してしまうのでは脳への刺激も減ってしまうので、後で本の内容を思い返してみたり、ノートなどにまとめてみるのも良いかもしれません。 認知症予防にさまざまな選択肢が増えているので、自分が続けやすい方法をいろいろと試してみるのはどうでしょうか。
2022/06/13
糖尿病は進行すると神経障害や腎臓病、失明、脳梗塞などさまざまな病気を引き起こす怖い病気。糖尿病自体は命に関わる病気ではないものの、合併症によって最悪の場合は死に至ることもあります。 そして、今回、そうした合併症に加えて、糖尿病は脳の老化を早めることがアメリカの研究で明らかになりました。 その研究によると、糖尿病の人はそうでない人に比べて脳の老化が26%も加速するそうです。 脳の老化を糖尿病が早める!? アメリカのニューヨーク州立大学が、典型的な脳の老化と糖尿病患者の老化の比較を実施しました。 この研究は、50~80歳の約2万人の健康データを解析したもの。これまでも、糖尿病が認知機能の低下を引き起こす研究はあったものの、糖尿病による認知機能低下と通常のものを区別するのが難しかったため、今回は糖尿病患者に特有な認知機能の変化を特定することを目的としたそうです。 研究の結果、糖尿病のない同年代の人と比べて糖尿病の人は、認知能力が低いことが明らかになりました。 さらに、脳の神経の減少が健康の人よりも早い可能性もあるそう。そして、こうした影響は糖尿病の期間が長いほど深刻であり、糖尿病が脳の老化を26%加速させていることもわかりました。 また、研究チームは「糖尿病と診断されたときには、すでに脳に大きな損傷を負っている場合がある」と早い時期から脳への影響がある可能性に触れています。 ”予備軍”でも要注意! 以前から、糖尿病が認知症のリスクを高めることは知られていましたが、それが糖尿病と診断される前から脳に影響があるとは驚きですね。 今回の研究から、脳の健康を守るためにも普段から血糖値のコントロールが大切ということがわかります。 特に、「糖尿病予備群」と呼ばれる血糖値が高めな人は注意する必要がありそう。糖質や脂質の多すぎる食品を避けて健康的な食品を選んだり、ウォーキングなどの運動を生活に取り入れるなど普段の生活から脳を守る習慣を身に付けたいですね。
2022/06/08
世代をまたいだ交流が少なくなっている日本。子どもや夫婦だけの世帯や高齢者のひとり暮らしの世帯が増加することで、子どもと高齢者の交流が以前よりも減っているのです。 そこで、株式会社神戸デジタル・ラボと株式会社シアンが共同で「オンライン世代間ふれあいサービス」を提供開始しました。これは、介護施設と保育施設をオンラインでつないで高齢者と子どもが同時に旅行体験などができるプログラムで、現在、無料モニターの施設を募集しているそうです。 高齢者と子どもがオンラインで交流 ITシステムの開発支援などをおこなっている株式会社神戸デジタル・ラボと、介護施設など向けのバーチャルツアーを提供している株式会社シアンが共同で「オンライン世代間ふれあいサービス」を開始。現在、無料モニターの募集をしています。 このサービスは、オンライン上で介護施設と保育施設などをつなぎ、高齢者と子どもが触れ合えるもの。旅行や体操、遊びといった高齢者も子どもも楽しめるプログラムが用意されています。 ちなみに、このプログラムを使って2021年に介護施設で実証実験を実施。参加した高齢者は、プログラムの体験をする前よりも後の方がポジティブな感情を示す値が最大42%増加、ネガティブな感情の値は最大24%減少したことがアンケート調査でわかりました。 さらに、参加した子どもの保護者からは「ガイドやお年寄りの方々との会話の方が楽しかった様子だった」という声が聞かれたとのことです。 このプログラムでは、進行をする専任のガイドが付いて、自己紹介やクイズ、体操などを通して高齢者と子どもの双方向のコミュニケーションを促します。そうすることで、映像を見るだけではなく能動的に参加できるので、高齢者の気持ちを満たして子どもの社会性の育成につながるそうです。 子どもに元気や活力をもらえる 高齢者と子どもが交流することには、さまざまなメリットがあります。 例えば、高齢者にとって子どもの無邪気な笑顔を見ることは癒やしとなり、元気や活力がもらえます。さらに、同居している人以外と関わることがない高齢者は、認知症リスクが高まるという研究もあるので、子どもたちと触れ合うことで認知症の予防にもなるかもしれませんね。 今はコロナ禍で対面で会うのは難しい時期なので、オンラインで交流できる環境があると安心して楽しめそうです。
2022/06/08
高齢化に伴って課題となっているのが、認知症の高齢者が増加することです。 厚生労働省の推計によると、認知症を発症する人は2025年には675万~730万人、2030年には744万~830万人にまで増えるとされています。 そのため、地域の高齢者が長く健康に過ごせるように、認知症予防教室などが全国的に開催されています。 例えば、広島県では生協ひろしまと広島大学が共同で「ひろしまGENKI体操」開発。骨に注目したユニークな体操で、高齢者の健康維持を目指しています。 さらに、島根県では山陰中央新報を活用した「大人の新聞教室」を実施。新聞の効率的な読み方や普通に読むだけではない新聞を使った認知症予防法を解説しました。 気軽に参加できる介護予防教室 広島県広島市では、「ひろしまGENKI体操」の教室が開催されました。 この体操は、生協ひろしまと広島大学が共同で開発したもの。高齢者の認知症を予防して、健康寿命を伸ばすことを目的に作られています。 この体操で注目しているのが骨。骨は叩いたり揺らすなどの刺激を与えることによって骨密度が上がるだけでなく、免疫力や記憶力を高める効果があるとされているためです。 この体操を監修した広島大学の教授によると、1週間に1回の体操を3ヵ月続けた人は、認知症検査の成績が15.2%も上昇したそうです。 また、島根県大田市では山陰中央新報を活用した「大人の新聞教室」を実施。新聞記事の特徴や効率的な読み方がレクチャーされました。 例えば、新聞記事は1段落目のリードに記事の要点をまとめており2段落目以降でリードの内容を補うこと、スポーツ記事などの写真は記者が次に何が起こるのかを想像しながら撮影することなどが紹介されました。 さらに、新聞紙をきれいに素早く巻き上げたり「木」偏の漢字が記事の中に何文字あるのかを探すなど、参加者は記事を読むだけではない認知症予防法についても体験しました。 「とりあえず参加」でOK 地域にさまざまな介護予防教室がありすぎて、「どれに参加すれば良いの」と迷ってしまう人もいるかもしれませんね。 ただ、このような集まりは内容も大切ですが、何より参加することが重要。というのも、日本老年学的評価研究などの研究によって、参加する集まりの場が多い人ほど要介護リスクが低いということがわかっているためです。 そのため、どの介護予防教室に参加しようか迷ったときはとりあえず参加してみること。1つ参加してみると他の教室にも参加しやすくなることが多いので、興味を持ったものから気軽にチャレンジしてみるのが良いのではないでしょうか。
2022/06/07
高齢の親を持つ人の中には「親の様子がおかしい」「親の物忘れがひどくなった」と感じるようになった人もいるかもしれません。そうしたときに頭をよぎるのが「認知症」という言葉。でも、認知症であると確信が持てない以上、認知症テストを親に受けてもらうのも気が引けてしまうのではないでしょうか。 今回、認知症のひとつの目安になるのが歩くスピードであることがオーストラリアの研究で判明しました。 その研究では「認知機能の低下と同時に歩く速さが遅くなったら、その後に認知症を発症するリスクが高い」ということが明らかになったのです。 歩くスピードの低下が認知症の前触れ? オーストラリアで、認知機能と歩く速さの関係についての研究結果が発表されました。 この研究は、65歳以上のアメリカ人と70歳以上のオーストラリア人、合わせて1万7000人を対象におこなわれました。 この研究の対象者には、1年おきに認知機能や会話のなめらかさなどを測る検査を実施。加えて、3メートルの距離を歩くテストもおこない、7年間にわたって認知機能と歩行スピードの変化を把握しました。 その結果、認知症の発症率が最も高かったのは、歩く速さが毎年約5%ずつ遅くなっており同時に認知機能の低下が起きているグループ。どちらかだけ衰えてきたグループに比べて、どちらも衰えたグループの方が認知症リスクが高いことがわかったそうです。 たまには一緒に散歩を 歩行状態と認知症リスクの関係については、今回の研究以外にも報告があります。 例えば、東京都健康長寿医療センターが認知症リスクと歩幅についての研究を実施。歩幅の広い人と比べると狭い人は認知症リスクが高いことがわかりました。 特に、女性の場合、歩幅が広い人に比べて狭い人は認知症リスクが5.76倍も高くなったそうです。 こうした研究結果が出ているので、もし「親が認知症かもしれない」と感じたら、散歩に連れ出してみて歩く速さや歩幅をチェックしてみるのも良いかもしれませんね。 あわせて、歩くことは血流を良くするので認知機能の維持にもつながるそう。高齢になるとどうしても運動不足になりがちなので、定期的に親と一緒に散歩する時間を作ってみるのはどうでしょうか。
2022/06/06
超高齢社会である日本において、介護予防や認知症予防は多くの人が気になる問題でしょう。 しかし、実際に何をすれば良いのかがわからず、具体的な対策をとっていない人もいるのではないでしょうか。 そうしたことを受けて、全国の自治体で介護予防や認知症予防につながる取り組みを実施しています。 例えば、静岡県焼津市では市が脳トレや懐かしい町の写真など、脳の刺激となるコンテンツをまとめた冊子を配布。奈良県大和郡山市では、介護予防やフレイル予防に関する出張講座を実施し、市民の要望に応じて保健師などの専門家を派遣しています。 手軽にできる認知症予防・介護予防 静岡県焼津市は、地元の懐かしい写真や市のキャラクター「やいちゃん」を使った脳トレなどを掲載した冊子「まちの想い出」を作成し、配布を開始しました。 この冊子には、約70年前の市内の風景写真をヒントにしたキーワード穴埋めクイズや、富士山の写真が市内のどこから撮影されたものかを当てるクイズなどを掲載。また、同じ絵柄の「やいちゃん」を探し出すゲームや、地元ならではの単語の文字の並びかえクイズなどもあり、気軽に脳トレができる内容です。 また、奈良県大和郡山市では出張で介護予防教室を実施しています。 この教室は定期的に開催しているものではなく、市民の要望によっておこなわれるもの。最低5人以上の参加者がいれば、自治会館などで実施できるそうです。 その内容は、フレイル予防や介護予防、認知症予防など多岐にわたります。 例えば、心のリフレッシュをする「音楽療法」や転ばないための「転倒予防体操」、認知症に関して正しい知識を持つ「認知症サポーター養成講座」なども依頼できます。 この講座は、基本的に講師や教材などの費用が無料。参加者5名以上と開催場所の確保だけしていれば良いので、友人や老人会などの集まりでも利用できます。 「暇つぶしにやってみる」もアリ? 脳トレのための冊子を配布したり介護予防教室の講師を派遣したりと、各自治体で介護予防のためのさまざまな取り組みをしていることがわかります。 ただ、なかには「介護予防」と聞くと、「まだまだ元気だから必要ない」と感じる人もいるかもしれません。 ですが、そうした気持ちを「ちょっとした暇つぶしに脳トレしてみる」「地域の人と交流するために教室に参加してみる」と考えてみると意外と楽しく感じられるかもしれません。 各地域でそれぞれの取り組みをおこなっているので、自分が住んでいる地域でどんなものがあるか調べてみるのもおもしろいですね。
2022/06/01
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。