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株式会社永和システムマネジメントは耳が聞こえづらくなった高齢者のために、スマートフォンに着信があった際、ライトを光らせて視覚的にお知らせするアプリ「いろどり+(イロドリタス)」を発売。このアプリはスマートフォンの着信音に気づかない高齢者を助けることを目的とし、「シニアとその家族の生活に彩(いろどり)をもたらす」とのことです言います。 スマートフォンの着信をライトが光ってお知らせ 今回発売されたアプリ「いろどり+」は、耳が聞こえづらくなった高齢者がスマートフォンの着信音に気付かず、家族からの連絡に応じられない問題の対策として作られました。 「いろどり+」の機能は主に以下です。 電話がかかってきた際にライトが光る SMS(ショートメール)がきた際にライトが光る スマートフォンの連絡先に登録されていない電話番号からの着信・SMSは通知しない スマートフォンの電池の残量が少なくなるとライトが光ってお知らせ お知らせのライトの色は、電話番号ごとに好きな色に設定可能 就寝時間など、ライトを光らせない時間帯を設定可能 いろどり+の機能は、アプリをダウンロードしたスマートフォンと、机の上に立てて置ける電球「お知らせライト」を連携するだけで利用可能。スマートフォンに電話やSMSの着信があるとお知らせライトが光り着信を教えてくれます。 お知らせライトは好きな場所に置いて置けるので、スマートフォンを常に肌身離さず持っていなくても着信がわかるそうです。 年齢を重ねると高音が聞きづらくなる 多くの人は年齢を重ねることで聴力が低下していきます。聴力の低下は高音域から始まると言われており、特にスマートフォンの着信音などの電子音は高齢者には聞き取りづらい音です。 日本耳鼻咽喉科頭顎部科学会によると、聴力の衰えは40代から始まり、60代になると耳の聞こえが悪くなったことを感じる人が急増。65~74歳では3人に1人、75歳以上では約半数が難聴に悩んでいるといわれています。 耳の聞こえが悪くなると、会話などのコミュニケーションが取りづらくなり、社会的に孤立してしまったり、認知症の発症リスクを高めてしまうこともあります。最近では痛みが少なかったり、見た目がおしゃれな補聴器などが出てきています。「聞こえにくいかも?」と感じたら早めに病院などでサポートをしてもらうのが良いですね。 参考:「難聴について」(日本耳鼻咽喉科頭顎部科学会)
2024/04/18
2023年12月4日と11日、厚生労働省の諮問委員会である社会保障審議会・介護保険部会が開かれました。そこで、介護ロボットなどのテクノロジー機器を導入した施設に対し、スタッフの配置基準を現在のものよりも緩和した「利用者3人につき職員数を0.9人」とする案が提示されたのです。 審議会に出席した厚生労働省の担当者は、「テクノロジー機器を活用して業務の効率化を図り、多くの需要に応えようとする姿勢を評価していきたい」と述べています。 しかし、テクノロジー機器は、介護業界においてまだまだ浸透しきっていないのが実情。厚生労働省がおこなったアンケートによると、見守り支援機器を取り入れているところが比較的多い「入所・泊まり・居住系」の施設や事業所でも、導入している施設・事業所は3割程度であることがわかりました。 テクノロジー活用でスタッフの配置基準が緩和! 厚生労働省は、12月4日と11日におこなわれた社会保障審議会・介護保険部会にて、一部介護施設のスタッフの配置基準を、現行のものよりも緩和することを明らかにしました。 対象となるのは、見守り支援機器などのテクノロジーを活用し、スタッフの負担軽減策が講じられていると認められる介護施設。人員基準が緩和されれば、現行の「利用者3人につき職員1人」よりも少ない「利用者3人につき職員0.9人」とすることが認められるようになります。 スタッフの数が現在よりも少なくなることで懸念されるのは、利用者の安全性。そこで審議会では、人員基準を緩和する施設には以下の安全対策を講じるように要請することが決まりました。 十分な休憩時間の確保 緊急時の体制整備(災害時などに集まれる職員の確保など) テクノロジー機器の定期チェックを実施 機器を扱うために必要な研修の実施 訪室が必要な利用者については、個別に訪室を実施 ポイントは、見守り支援機器などのテクノロジーのみに頼らないように定められたこと。認知症の人など、見守り機器だけでは不十分な利用者には個別で対応することが盛り込まれました。 介護現場のテクノロジー活用の現状 厚生労働省は、見守り機器や介護ロボットなどの活用状況や効果を検証するため、全国1万6111ヵ所の介護施設・事業所を対象にアンケート調査をおこないました。 参考:「介護現場でのテクノロジー活用に関する 調査研究事業」(厚生労働省) アンケートの中で、介護ロボットの導入状況を尋ねたところ、利用者のベッド上の動きを感知するセンサーなどの「見守り支援機器」を導入している「入所・泊まり・居住系」の施設・事業所が30%であることが明らかになりました。 また、「入浴支援機器」や「移乗支援機器」、「介護業務支援機器」なども「入所・泊まり・居住系」の施設・事業所では10%程度が利用していることが判明。一方、「訪問系」や「通所系」の施設・事業所ではまだまだ導入が遅れていることもわかりました。 なぜ介護現場でテクノロジーが広まらない? テクノロジー機器の導入例が比較的多い「入所・泊まり・居住系」の施設や事業所でも、機器を導入しているところは最大で3割程度と、なかなかテクノロジーが広まらない介護業界。その理由は何でしょうか? 参考:「介護現場でのテクノロジー活用に関する 調査研究事業」(厚生労働省) 先述した厚生労働省のアンケートの中で、見守り機器などの介護ロボットを導入していない施設・事業所に対して、その理由を尋ねました。すると、訪問系、通所系、入所・泊まり・居住系すべての施設や事業所で「介護ロボットの導入に必要な費用の負担が大きい」という回答が過半数を占めていたことが明らかになったのです。 このほか、「介護ロボットを職員が使いこなせるか不安がある」「どの介護ロボットを導入すれば良いのかわからない」「施設・事業所内でIT機器に詳しい人材がいない」などの回答が一定数見られました。 介護現場でテクノロジーが広まるとどうなる? では、介護現場でテクノロジーが広まるとどのようなメリットがあるのでしょうか? 例えば、個室にいる利用者の挙動を感知するセンサーといった見守り支援機器を導入すれば、リモートで利用者の動きがわかるため巡回の回数を減らせます。巡回の回数を減らせれば、その分より手厚いケアを必要とする利用者のもとに駆けつけやすくなるでしょう。 また、アシストスーツのような機器を導入すれば、少しの力で移乗しやすくなるため、利用者・介助者ともにより安全な介護を実現できます。 さらに国も介護業界の業務改善を後押しすべく、介護ロボットを導入し、その効果を示すデータを提供する施設・事業所に対して、新たな加算を設ける案も出ています。 以上のように、介護現場でテクノロジー機器がさらに広まっていけば、より効率的に介護業務をおこないやすくなることが期待されています。一方で、テクノロジー機器を導入すれば人員を減らしても問題ないかどうかはデータが不十分なため、今後さらなる検討が必要です。 今後、どのような配置基準をするにせよ、まずは利用者の安全性を第一に考えていってほしいですね。
2023/12/21
厚生労働省は5月8日、これまで新型コロナの感染対策の観点からおこなっていた、介護度を判定する認定審査会の簡素化を認める方針を、今後も継続していくことを明らかにしました。 オンラインで会議をしたり会議の日程を短縮したりすることで、業務の効率化を図るねらいがあります。 認定審査会について そもそも認定審査会とはどのようなものなのでしょうか? 認定審査会とは、介護が必要になった高齢者などが、実際にどのくらいの支援を必要としているかを判定する機関のこと。コンピューターによる一次判定がおこなわれたあと、医療や介護の専門家が集まり、対象者の介護度を最終的に判定します。 介護度は軽度なものから、非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5の8段階に分類。これらの介護度をもとに、ケアマネジャーがケアプランを作成します。 要介護認定の簡素化が今後も継続 2023年5月8日、厚生労働省は業務の効率化を図るために、今後もオンライン会議システムなどを利用した認定審査会の開催を認めることを明らかにしました。 また、これと同時に判定の質を落とさずに簡素化した認定審査会を実施する方法とその留意点をまとめた取り組み事例も全国の自治体に向けて通知。それによると、「審査会の回数が減って審査委員の負担が軽減した」という声がある一方、「事前準備に手間がかかり、事務局の負担はかえって増えた」という意見もありました。 これから高齢化社会がますます進展することが予測されています。ケアを必要とする高齢者を素早く適切な福祉につなげるためにも、認定審査の効率化をさらに進めていってくれると良いですね。
2023/05/10
さまざまなソフトウェアの開発などを手がける富士ソフト株式会社は、介護認定審査会に特化した情報共有システム「moreNOTE介護認定審査会デジタルパック」を開発。2023年4月26日にリリースしました。 介護認定審査会のデジタル化を推し進めることで、介護現場の業務改善を促すとしています。 介護認定審査会とは そもそも、介護認定審査会とはどのようなものなのでしょうか? 介護認定審査会とは、「介護の必要性がある」と思われる高齢者などを対象に実施される、要支援・要介護度を判定する機関のこと。コンピューターによる事前判定の結果をもとに、医療や介護、保健の各専門家が集まって対象者の状態を審議し、要支援・要介護度の最終決定をおこないます。 判定結果は、軽いものから非該当(自立)、要支援1~2、要介護1~5の8段階。それぞれの介護度に応じて、ケアマネジャーがケアプランを作成します。 「moreNOTE介護認定審査会デジタルパック」について 富士ソフトが今回開発した「介護認定審査会デジタルパック」は、「moreNOTE」と呼ばれる、資料をパソコンやタブレッドなどのデジタル機器で共有する会議システムに搭載。審査員は、会議カレンダーから登録された審査会資料に素早くアクセスできるのだそうです。 ほかにも、「介護認定審査会デジタルパック」には以下のような機能が搭載されています。 同一の申請者の資料を並べて見やすくする「資料の2画面表示機能」 細かい文字でもきれいに書ける「資料へのメモ書き機能」 1つにまとまっている審査会資料を申請者ごとに分割できる「ファイル分割機能」 事前判定結果を登録し、集計できる「事前判定集計機能」 高齢化社会が進むにつれて、要支援・要介護度の認定を必要とする人もますます増えています。このサービスが普及していけば、今よりも早い段階で高齢者を適切なケアにつなげられるかもしれませんね。
2023/05/08
2023年4月10日、日立製作所と阪急阪神ホールディングスは新たなヘルスケアサービスの実装に向けた検証をおこなうことを発表しました。 地域包括支援サービス「阪急阪神みなとわ」に、医療データを記録するアプリを連携させることで、医療・介護現場の業務改善や疾患の再発防止を図るとしています。 「阪急阪神みなとわ」とは そもそも、「阪急阪神みなとわ」とは何でしょうか? 「阪急阪神みなとわ」とは、2019年に立ち上げられた高齢者の医療や介護に必要な情報を共有可能なクラウドサービスのこと。具体的には以下のようなことができるとしています。 介護保険資格情報や既往歴、緊急連絡先などの本人データの登録と参照 日頃の様子や気になる点など、高齢者のケアに必要な生活情報の共有 書類の関係者間での共有 体温や血圧などのバイタルサインの共有 生活情報の共有は、写真や動画でもおこなえるとのこと。また、バイタルサインはグラフでデータ化されるそうです。 健康データをより詳細に記録可能に 4月10日におこなわれた発表によると、「阪急阪神みなとわ」に、健康診断の結果や服薬の履歴など医療や介護に関する情報を収集可能な「PHRアプリ(電子生涯健康手帳)」や治療経過を共有する「地域連携手帳」を紐づけ。現場の負担が軽減されるかや疾患の重症化と再発防止につながるかどうかを検証するそうです。 具体的には、高齢者のバイタルサインや問診結果をPHRアプリや地域連携手帳に入力することで、そのデータを「阪急阪神みなとわ」を通じて医療機関や介護事業所と共有できるようになるとのこと。これにより、医療・介護従事者や家族が高齢者の健康状態をタイムリーに把握し、より適切かつ円滑に治療やケアをおこなえるようになるとしています。 介護現場で業務をスムーズに実行可能にするためには、業務のデジタル化が不可欠です。このようなサービスが他の地域でも普及していけば、介護・医療従事者が働きやすくなるかもしれませんね。 参考:(阪急阪神みなとわ公式HP)
2023/04/18
新たな研究で、高齢者とって使いにくいAIを高齢者施設などに実装すると、高齢者差別につながる 可能性が示されました。 この研究はオーストラリアのモナシュ大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Applied Gerontology」と呼ばれる学術誌に掲載されています。 高齢者施設でのAIの使われ方を調査 今回の研究では、以下の3つの手法を用いて、オーストラリアの高齢者施設におけるAIの使われ方を調査しました。 施設内でのAIの使われ方をマッピング(AIの特徴や入所者の使い方などを関連付け) 高齢者施設にやってきたAIに対する、入所者と職員それぞれの視点の収集 AI開発者やAI専門家にインタビュー AI開発者にインタビューする目的は、AIの開発動機や、AIを使うことによる高齢者施設内の課題解決へのアプローチを探るためだとしています。 AIの使用が高齢者差別につながる 調査の結果、AIの開発者や高齢者施設職員の多くは「高齢者には、テクノロジーを使いこなす能力がない。またテクノロジーに対する関心もない」 と思っていることが明らかになりました。 また研究グループは、そうした高齢者に対する見方のままAIを設計することで、AIをはじめとしたテクノロジーは高齢者にとって使いにくいものになり、高齢者差別にもつながると指摘しました。 さらに「高齢者はAIを使いこなせない」という見方を介護者が持ったままAIや介護ロボットなどのテクノロジーを施設で導入すれば、テクノロジーの最適な使い方は介護者主体で決められる ことになり、高齢者に対する差別がさらに助長される可能性があります。 研究グループは、「今後、AI技術がより良い形でケアの領域を支援していくためには、『高齢者はテクノロジーを使いこなせない』などの固定観念を外し、開発者が高齢者にとって使いやすいテクノロジーを開発することが大切だ」と結論づけました。 高齢者でもスマホなど最新のテクノロジーを使いこなしている人は少なくありません。高齢者がテクノロジーの力でさらに行きやすい社会にするためにも、ユーザーフレンドリーなAI技術を作っていってほしいですね。
2023/04/05
厚生労働省は、介護現場におけるテクノロジーの活用状況に関する調査を実施。その結果を公表しました。 すると、見守り支援機器を中心に、少しずつICT機器を導入し始めている施設が増えていることが明らかになったのです。 介護現場におけるテクノロジーの活用状況を調査 今回の調査の概要は以下のとおりです。 調査目的:今後の介護報酬改定をめぐる議論に調査結果を役立てるため 対象施設:全国の入所・泊まり・居住系の9736施設 回答数:2958 調査手法:アンケート 今回の調査は、2022年夏に実施されて、2023年2月頃まで集計や分析がおこなわれました。 見守り支援機器の導入が進む アンケートの中で、まず介護ロボットの導入状況を尋ねたところ、「見守り支援機器を導入している」という回答が30%で最も多いことが判明。ほかにも「入浴支援機器」や「介護業務支援機器」を導入している施設もおよそ10%見られることがわかりました。 一方、「移動支援機器」や「排泄支援機器」を導入している施設は1%前後にとどまりました。 次に、見守り支援機器の導入時に感じられた効果を複数回答で尋ねると、「職員の肉体的・精神的な負担が軽減された」と回答した施設が69.7%で最多に。続いて、「ヒヤリハットや介護事故の防止につながった」と回答した施設が66.2%、「業務が効率的におこなえるようになった」と回答した施設が57.2%でした。 さらに、アンケートでは、見守り支援機器の導入前後におこなった配慮や工夫を複数回答で尋ねました。すると、50.8%と過半数の施設が「職員会議等を通じて、職員への周知と合意形成をおこなった」と回答したことが判明。ほかにも、「課題分析と導入目的を明確にした」という回答や「職員を対象とした講習会を実施した」という回答も一定数見られました。 加速している少子高齢化に介護業界が対応するために、業務の効率化は急務となっています。より効率的に、かつ安全にケアをおこなっていくためにも、さらに多くの施設でテクノロジーの導入が進んでいくと良いですね。 参考:「介護現場でのテクノロジー活用に関する 調査研究事業」(厚生労働省)
2023/03/23
2023年2月27日、厚生労働省はその諮問機関である社会保障審議会の中で、マイナンバーカードと介護保険証を一体化させる方針を示しました。 マイナンバーカードをめぐっては、すでに健康保険証と一体化させる方針を提示。今回は、介護保険でも同様に保険証とマイナンバーカードを一体化させることで、さらなる業務効率化を図るねらいがあると見られています。 介護保険証について そもそも、介護保険証とはどういったものなのでしょうか? 介護保険証は65歳になった人に一斉に配布されるもの。これがなければ訪問介護などの介護サービスを利用できません。 介護サービスの利用を希望する場合は、自治体の窓口で介護保険証を提出し、どの程度のケアが必要かを区分する「要介護認定」を受ける必要があります。要介護認定を受けたら、介護サービスを受けるときに介護事業所などに介護保険証を提示することで、介護サービスが利用可能となります。 介護保険証もマイナンバーカードと一体化 2023年2月27日、社会保障審議会の介護保険部会の中で、介護サービスを利用するために必要な介護保険証もマイナンバーカードと一体化させる方針が示されました。 これについて、部会を構成するほとんどの委員から了承を得ました。今後さらに議論を進めていき、2025年度以降に運用される予定です。 マイナンバーカードと一体化させるメリットについて 介護保険証とマイナンバーカードを一体化させるメリットとは何でしょうか? 想定されるメリットは以下の3つが挙げられます。 要介護者の情報をスムーズに共有できる 医療機関、介護従業者、自治体などの事務を効率化できる 要介護認定の区分が変わっても、保険証を再発行する手間がなくなる可能性がある マイナンバーカードと介護保険証が一体化されれば、情報共有がスムーズになって今より簡単に介護サービスを利用できるようになるかもしれませんね。 出典:「第106回社会保障審議会介護保険部会」(厚生労働省)
2023/03/02
介護とデジタルテクノロジーをつなげる事業を展開している株式会社ウェルモは、福岡県福岡市が実施する「令和4年度介護事務効率化支援事業」に採択されました。 訪問介護事業所にスマートフォンを貸し出し、チャットツールを活用してもらうことで事務効率化を図りたいとしています。 事業を実施するに至った背景 2025年には、全国で32万人ほどの介護人材が不足すると言われています。これを受けて、政府は介護分野における生産性の向上を推進し、少ない人数でも業務を回せるような体制をつくろうとしているのです。 しかし、介護業界では今でも紙媒体で引継ぎをしたり、連絡を電話やFAXでおこなったりしているところが少なくありません。それは、介護に従事している人の平均年齢層が高く、デジタルテクノロジーに対して強い抵抗感がある人も一定数存在することが、なかなかデジタル化が浸透しない一因として考えられます。 そういった現状を踏まえて、ウェルモは多くの人が使い慣れているスマートフォンを使ったチャットツールを活用してもらうことで、テクノロジーへの抵抗感を和らげ、デジタル化を促進していこうとしているのです。 スマホを事業所に貸し出してITへの抵抗感を和らげる 今回ウェルモは、事業所内の連絡に手間や時間がかかる訪問介護事業所を対象に、連絡手段をチャットツールに置き換える事業を実施します。 今回おこなう事業では、まず福岡市内の訪問介護事業所にスマートフォンを無償貸与。従業員間の連絡手段に使うチャットツールは、多くの人がすでに使っている「LINE」のビジネス版である「LINE WORK」を使用します。 その後、FAXや電話といった今までの連絡方法とLINE WORKを使った連絡方法で、かかった時間や手間がどれだけ違うかを比較。これでLINE WORKを使った連絡のほうがスムーズだということが明らかになれば、今後、各事業所でスマートフォンの本格的な導入を目指すとしています。 受け手の時間を拘束する電話と違い、チャットツールは受け手に余裕があるときに返信できます。そのため、介護職員の負担軽減にもなりそうですね。
2023/02/16
三菱電機ITソリューションズ株式会社は、介護AI記録分析ツール「けあらぽ」を開発。2023年1月25日から販売を開始すると発表しました。 「けあらぽ」は、AIが介護記録を分析し、利用者がどの程度自立して生活できるのかを数値に変換するという製品です。 三菱電機ITソリューションズは、「けあらぽ」で客観的な利用者のデータを提供することで、科学的根拠に基づいた介護の実践をサポートしていきたいとしています。 介護AI記録分析ツール「けあらぽ」開発の背景 厚生労働省は、介護の業務改善を目指す取り組みの一環として、施設から提供された介護記録を分析し、利用者へのケアに対するフィードバックをおこなう「科学的介護情報システム(LIFE)」の導入を推奨しています。 LIFEを使うためには、利用者がどの程度自立して生活できるのかを100点満点で表した「バーセルインデックス値(BI値)」を提出しなければなりません。 ただ、利用者の自立度をどう点数づけするかはそれぞれの介護職員の主観的判断に委ねられているため、介護職員によって点数が異なるといったことも考えられます。 しかし「けあらぽ」は日々の記録をAIがBI値に変換するため、利用者がどの程度自立しているのかを客観的に評価できるのです。 介護AI記録分析ツール「けあらぽ」の特徴 「けあらぽ」では、職員が記入した介護記録をAIが分析して、利用者がどの程度自立して生活できるのかを100点満点で点数化。その点数の推移をグラフで見られるため、一目で利用者の状態を測れます。 また、「けあらぽ」のAIが出したBI値はそのまま科学的根拠(エビデンス)として、科学的介護情報システム(LIFE)に提出することも可能。そのため、職員が一人ひとりの利用者の自立度を点数化する手間を省けるという利点もあります。 利用者のケアプランを見直すときは、職員が集まってそれぞれの利用者が現時点でどの程度自立して生活できているのかを話し合います。そのときも、「けあらぽ」が点数化した自立度の指標があれば、より客観性に優れたケアプランを作成できそうですね。
2023/01/30
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。