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介護をする人にとって、排泄ケアは大きな悩みのひとつ。介助に費やす時間やモレてしまったときの更衣など、さまざまな負担がかかっています。 それと同時に、介護される人にとっても排泄ケアは負担になるもの。特に、夜間は不必要なオムツ交換によって睡眠を妨げられると、次の日に眠気があって元気に活動できないこともあります。 そこで、三和社はライトの色で排泄量がわかる尿とりパッドを開発。専用の尿とりパッドにセンサーをつけると排尿量によってライトの色が変化するため、適切なオムツ交換のタイミングがわかるそうです。 パッドがオムツ交換を教えてくれる ものづくりで介護や育児の問題の解決に取り組んでいる三和社が、オムツ交換のタイミングを知らせる機能がついた尿とりパッドの販売を開始しました。 この尿とりパッドは、専用のセンサーとランプを一緒に使用。尿とりパッドにクリップ式のセンサーを装着することでランプが排尿量によって色を変えてオムツ交換のタイミングを知らせます。 ランプは、排尿量に応じて「白」「緑」「黄色」「オレンジ」「赤」と色が変化。パッドの許容量に近づくとランプが赤くなりアラームを鳴らして排尿量を知らせるので、交換が必要になったときだけオムツ交換をすれば良いのが特徴です。 さらに、この尿とりパッドは一般的なパッドと変わらない使用感を実現。やわらかさや処分方法も一般的なパッドと同様です。 介護者を悩ませる排泄ケア 同社は、この尿とりパッドを開発する前に赤ちゃん用の排泄検知センサーを発売していたそう。それがテレビで取り上げられると、視聴者から「大人用も作って欲しい」という声が多く届いたことで、このパッドの開発に至りました。 こうした声がたくさん届くほど、介護をしている人にとって排泄介助は大きな負担になっているということがわかりますね。 また、一般的なパッドに比べて少し割高ですが、特別に高いというわけではないのがうれしいところ。必要なときにだけ交換すると考えれば、結果的には安くなることもあるかもしれません。
2022/06/06
日本を取り巻く大きな問題のひとつに、デジタル化があります。 デジタル化について、先進国のなかでも遅れていると言われている日本。特に、高齢者のデジタル格差を解消しようと国をあげて取り組んでいます。 今月1日、政府はその政策の軸となる「デジタル田園都市国家構想」の基本方針案をまとめました。 それによると、スマートフォンなどのデジタル機器が高齢者をサポートする「デジタル推進委員」を今年度中に2万人以上を確保。全国で高齢者のデジタル活用を推進するそうです。 デジタル都市にはスマホが必須 今月1日、政府が「デジタル田園都市国家構想」の基本方針案についてまとめました。 「デジタル田園都市国家構想」とは、地方のデジタル化によってビジネスや介護、医療などのさまざまな課題を解決して、地方と都市の差を埋めようという考え方です。 この構想では、車やバスなどの移動手段、医療や介護などの健康に関するサービスなど、多様なサービスをデジタル化することで、便利な街づくりを推進。そうして、都市から地方へと人が移り住み、地方の活気を取り戻すことを目的としています。 そのためには、住民がスマホやタブレットなどのデジタル機器の活用ができることが重要。そうしたデジタル機器を活用できないと、便利なサービスを受けられなかったりそもそも生活が難しくなることもありえるのです。 そこで、政府はデジタル機器が苦手な高齢者が、身近な人からデジタル機器の利用方法を学べる「デジタル活用支援」事業を展開。そのサポーターとして「デジタル推進委員」を2022年度中に2万人以上確保し、全国で講習会などを開催したいとしています。 デジタル推進委員は集まるのか スマホやタブレット端末は使いこなせると便利ですが、これらを使って利用するサービスは無数にあり、その使い方となると若い世代でも理解しきれていないでしょう。 さらに、今回、政府が明らかにした「デジタル推進委員」は、おそらくボランティア。2万人ものデジタルに詳しい人材を無償ボランティアで集めるのは、かなり難しいのではないでしょうか。 特に、若い世代の多くが仕事を抱えており、高齢者が講習会などに参加しやすい平日には活動できない人が多いことが想定されます。仕事を休んでまでボランティア活動できる人は数少ないので、無謀な計画と言わざるを得ません。
2022/06/02
人員が少なくなり、介助の手が足りなくなることの多い夜間帯。排泄介助をしているタイミングに、見守りセンサーのアラームが鳴って駆けつけてみたら何も起こっていなかった、とセンサーに振り回されていることもあるかもしれません。 そこで、三菱電機インフォメーションシステムズがベッドやトイレを見守る「AI×見守りサービスkizkia-Knight(きづきあ-ないと)」の提供を開始。シルエットで見守るためプライバシーを守りつつ、AIが駆けつけの優先順位を判断するためより効率的な介助ができるようになるそうです。 AIの見守りで科学的な介護を 三菱電機インフォメーションシステムズが、「AI×見守りサービスkizkia-Knight」の販売を開始しました。 このサービスは、介護施設の居室やトイレの見守りを1つのアプリでまとめておこなえるものです。 このサービスでは、居室用・トイレ用の2種類のカメラを使用。居室用カメラの映像は、実際の様子をそのまま確認できる「リアル映像モード」と白黒の映像の「プライバシーモード」に切りかえられ、トイレ用は「シルエット映像」で見守ります。 そのため、入居者のプライバシーに配慮しながらの見守りが可能になるそうです。 また、万が一、異常があった際は、スタッフのスマホやタブレットなどに通知。AIが入居者の状況を判断して転倒や転倒につながるリスクの高い動作を感知して知らせます。 さらに、そうした見守りデータは記録として後で見直すことも可能。異常を検知した履歴や画像を分析することで、利用者の健康状態を把握したりケアプランに反映して科学的な介護の促進につながります。 本当に必要なケアを見極める 特に夜間帯は、センサーが鳴ったりナースコールで複数の入居者から呼び出されたりと対応するスタッフが足りなくなることもあるのではないでしょうか。 もしかしたら、複数の入居者の対応をしていたら、転倒リスクの高い人のもとに駆けつけるのが遅くなって転倒していた、という経験がある人もいるかもしれません。 そうしたときに、居室へ行く前にスマホで様子を確認できると本当に対応が必要な状況かどうかを判断しやすいので、効率的に見守りができそうですね。 スタッフが少なくなる夜間帯は、特に介助の優先付けが重要。ICT機器の力を借りながら、効率的にケアをしていけるようになると良いですね。
2022/05/30
介護保険を利用する際には、ケアマネジャーによるケアプランの作成が必要。一人ひとりの状況に合わせてケアプランを作成してくれるケアマネジャーの存在は、介護サービス全体にとって重要なものです。 そこで今回、厚生労働省から委託を受けて三菱総合研究所がケアマネジメント(居宅介護支援)について調査を実施。2021年度の介護報酬改定を受けて、各事業所がどのように対応しているかを調べました。 その結果、ICT機器導入による逓減(ていげん)制の見直しが適用されているのは9.1%の事業所にとどまることがわかりました。 報酬を減らす「逓減制」 三菱総合研究所は厚生省から委託をうけて、2021年度の介護報酬改定によってケアマネジメントの現場の体制がどのように変化したのかを調査しました。 前回の介護報酬改定で大きく変わったのは、ケアマネジメントの「逓減制」の見直しです。 ケアマネジメントの逓減制とは、ケアマネジャー1人あたりの担当利用者数が40人を超えると報酬を減らす仕組みのこと。担当件数が多すぎると、利用者1人に対応する時間が減りケアマネジメントの質が下がってしまう可能性があるため、それを防ぐ制度です。 しかし、この制度のおかげでケアマネジャーが大勢の利用者を抱えることは避けられているものの、利用者を増やせないために事業所の経営を苦しめている面もあります。 そこで、厚生省は逓減制を緩和する条件を設定。「事務職員の配置」「ICTの利用」などによってケアマネジャーの業務負担が軽減されることで、ケアマネジメントの質の低下を防げる体制がある事業所は、ケアマネジャー1人あたりの担当人数を45人までに上限を緩和するものです。 今回の調査によると、ICTの活用によって逓減制の緩和が適用されたのは全体の9.1%のみ。緩和の届出をしていない理由で最も多かったのは「ICTを活用する体制が整っていない」の44.5%でした。 さらに、「ICTを活用する予算が確保できない」という回答も多かったことから、ICT導入の負担が大きいことがわかります。 ICT活用が進まないワケ 介護現場全体として、パソコンやスマホなどのICT機器の活用を進める動きが活発になっていますが、なかなか導入が進んでいないのが実情です。 さらに、ICT機器の導入コストに加えて、機器の扱いに慣れるまではむしろ業務の負担が大きくなる可能性も。特に、ケアマネジャーが1人の事業所であれば、それだけでケアマネジメントができなくなるおそれもあります。 ICT活用がもっとハードルの低いものになるように、国として今回の調査をふまえた支援が必要と言えます。
2022/05/25
科学的な裏付けに基づいておこなう介護のことを「科学的介護」と言います。 昨年4月から「LIFE(科学的介護情報システム)」の運用が始まったことで注目されていますが、LIFEを導入するだけでは科学的介護をおこなうことは難しいのが実情。利用者の身体状況やケア内容など詳細な情報を蓄積していく必要があるものの、人手が足りない介護現場ではそれも難しい状況です。 そこで、NECプラットフォームズがAIを活用した「NECサニタリー利用記録システム」を開発。利用者のプライバシーに配慮しながら排泄記録を詳細に残せるため、より多くの情報をもとにケアを進めることができるようになるそうです。 排泄記録の自動化でプライバシーを守る ITシステムやネットワークシステムを提供しているNECプラットフォームズが、介護施設向けに「NECサニタリー利用記録システム」を販売開始したことを明らかにしました。 このシステムは、介護施設の入居者の排泄をセンサーが読み取って自動で記録を残すもの。今あるトイレに、センサーなどを後付けするだけで導入できるため、初期コストを抑えられるようになっています。 このシステムの機能は、大まかに「見守り」「自動記録」の2つです。 見守り機能は、利用者が長時間便座に座っている場合や介助が必要な利用者が便座から離れたときなどに、介護職員のスマホやタブレット端末に通知を送信。転倒や体調不良などの予防につながります。 また、排泄結果を自動で記録する機能も搭載。排泄記録を手書きでおこなう必要もなくなるうえに、確実に排泄情報を記録できます。 加えて、排泄記録は排泄時刻、着座時間、便量、便の形状などを必要最低限の形に加工して利用。排泄状況の確認のためだけに職員がトイレに付き添う必要もないので、職員の業務が軽減できることに加えて、利用者の尊厳を守れます。 こうした記録は、職員が使うスマホやパソコンに自動で送信。介護記録システムとの連携も可能だそうです。 尊厳の保持と科学的介護の両立 排泄介助の必要のない高齢者にとって、排泄記録のためだけに職員に見守りをされるのは苦痛を伴うことが多いでしょう。 そのため、排泄状況がわからず、排泄管理が難しいケースもあるかもしれません。 このシステムでは、人を介することなく排泄情報を自動で手に入れられるので、これまでよりもケアの判断に活用できるデータが増え、科学的な介護をしやすくなるのではないでしょうか。
2022/05/23
高齢化に伴って要支援・要介護認定を受ける高齢者が年々増加しています。特に、要支援1~要介護2までの比較的軽度の介護認定を受けている高齢者が、全体の6割以上を占めていることがわかっています。 そこで、オムロンと大阪府が高齢者の自立支援・介護予防・重症化防止に関する取り組みを推進するために、連携をすることが明らかになりました。 連携するのは、ICT技術を活用した介護予防ケアマネジメントの推進。特に、介護度が低い高齢者に対するケアプランの作成をデジタル化によって支援し、介護現場の改善を目指すそうです。 ICTで介護予防を推進 オムロンが、大阪府と高齢者の自立支援・介護予防・重症化防止に関する取り組みを推進する協定を結んだことを明らかにしました。 現在、大阪府では65歳以上の高齢者のうち、要支援・要介護の認定を受けているのが約2割以上と全国最多。そのなかでも、比較的軽度とされる要支援1~要介護2の割合が多いそうです。 そこで大阪府では、これまで要支援などの状況が改善する可能性のある高齢者の介護予防活動を推進していました。 しかし、高齢者の抱える問題や介護予防の障害となる要因を聞き取る「アセスメント」での項目が複雑であるため、時間がかかるうえに高い専門性が必要とされるのが課題でした。 そのため同社は、ICTツールをモデル市町村に導入。自立支援の専門職の思考やノウハウを反映したこのツールを活用することで、より適切な改善・目標設定をおこない、効果的なケアプランを作成することを目指すそうです。 対策を打ちたくても…。 オムロンによると、要支援1・2の約半数は、身体を動かすことが減ったことによる心身機能の低下が要支援状態となった要因だそう。しかし、こうした人は適切な対策によって、状態が改善する可能性が高いこともわかっているとのことです。 ただ、適切な対策をとるためには、適切な対象者の状況を把握することが必要。けれども、人材不足が深刻な介護現場では、そこまで手が回っていないのが現状のようです。 そこで、ICT技術を上手く活用することで業務の効率化だけでなく、より適切なプランを提案するのが今回の連携のねらいという訳です。 「ICT技術の導入」というと効率化ばかりが注目されがちですが、それだけではなくサービスの質の向上も同時に実現できる仕組みにすることで本当の意味での現場の改革になるのかもしれませんね。
2022/05/16
介護現場の人手不足は深刻なもの。今後、さらなる高齢化によって2035年ごろまでには介護人材が55万人も不足するという推計も出ています。 そんななか、業務の効率化は必須。しかし、介護記録や書類を手書きで作成するなど、デジタル化による効率化はまだまだ進んでいないのが現状です。 そこで、介護施設の運営もしているさくらコミュニティサービスはAI介護ソフト「CareViewer」を開発し、他社のデジタル端末などと連携できる機能を追加しました。 これによって、より効率的で具体的な介護記録が残せるようになり、利用者のQOL改善やケアの質の向上ができるそうです。 スマホで介護記録を残せる さくらコミュニティサービスは、介護ソフト「CareViewer」の新機能が追加されたことを公表しました。 このソフトは、スマホやパソコンから簡単に介護記録を入力可能。同じ時間帯でおこなうサービスやイベントに関して一括で登録できるので、大幅に記録時間を短縮できます。 また、スマホからもケアプランをいつでも閲覧できるので、「事務所に戻って書類が保管されているファイルを探して…」という手間が省けるそうです。 今回、追加された機能は、他社のデジタル端末やソフトと連携する機能。例えば、ベッドセンサー「LASHIC-sleep」と連携することで、利用者の体動や姿勢、睡眠状態、心拍数などのデータを自動で転送できます。 これらのデータを「CareViewer」の画面で確認できるので、より詳細に利用者の健康状態の管理ができるようになりました。 今後は、ケアマネジャーのケアプラン作成を支援する「AIケアプラン」機能が追加予定。今回の機能追加によって収集できたデータを活用して、健康予測AIも実用化していく計画もあるそうです。 ケアの質の向上も? なかなかデジタル化が進まない介護現場。その原因のひとつに、パソコンになじみがなくて記録ソフトを使いこなせないというものがあります。 今回の介護記録ソフトであればスマホからも簡単に利用できるので、パソコンソフトに苦手意識がある人でも使いやすいのではないでしょうか。 デジタル化によって業務が効率化すれば、仕事に余裕ができて職員は働きやすくなりますし、ケアの質の向上にもつながるでしょう。慣れるまでは大変かもしれませんが、そろそろ手書きの介護記録からデジタルへの切り替えを検討する時期なのかもしれません。
2022/05/13
5月に入り、気温が高い日も増えてきました。 そこで懸念されるのが熱中症。熱中症によって昨年5月に救急搬送されたのは1626人でした。例年より少ない数ではありますが、真夏でなくても熱中症の危険があることがわかります。 特に高齢者は、体温の調節機能が衰えることで熱中症のリスクが高くなることがわかっています。毎年、救急搬送される人の半数ほどが高齢者です。 そこで、IoT技術によってデジタル化を進めるサービスを提供するAgx社は、温湿度センサーや皮膚温度センサーを使った「安全管理ソリューション」を開発。これは、介護施設に暮らす高齢者の熱中症リスクを把握するシステムだそうです。 IoTで高齢者の熱中症を防ぐ IoT技術によって建設現場の安全管理や業務の効率化などをおこなっているAgx社が、熱中症の予防をする「安全管理ソリューション」を開発しました。 IoTとは「モノのインターネット」という意味。パソコンやスマートフォンのようなインターネットを利用するためのモノだけでなく、自動車や時計などあらゆるモノをインターネットに接続させてコントロールしようとする考え方です。 今回、Agx社が発表したシステムは、「温湿度センサー」「皮膚温度センサー」の2つを組み合わせて熱中症リスクを把握するものです。 「温湿度センサー」は、室内に設置したり人が携帯することで、周囲の温度や湿度を測定。視覚的に熱中症リスクを表したヒートマップによって、室内が熱中症になりやすい状況になっていないかを直感的に確認できます。 さらに、腕時計型の「皮膚温度センサー」を入居者が装着することで、その人の皮膚の温度を常に測定。体調の異変を感じにくい高齢者の身体状況の変化をスタッフが把握できるそうです。 これらの情報は、スタッフが利用する専用アプリに送信。パソコンやスマートフォン、タブレットでアクセスするだけで簡単にデータを閲覧できるので、ITに不慣れな人でも使いやすいのが特徴です。 夏の前から熱中症対策を 熱中症で救急搬送される人は夏本番になる7月からだけでなく、5月でも気温が上がり始めると注意が必要です。 しかし、そうはいっても年を重ねると暑さの感覚が鈍くなってしまうため、「体調がおかしいな」と思ったときには症状が進行していることも。そのため、今回のシステムのように常に体温や室温を把握できるようになっていると安心ですね。 高齢者は熱中症リスクが高いので、いつでも体調の変化に気を付けておく必要がありそうです。
2022/05/10
常に人手が足りていない状況の介護現場。なかでもデイサービスなどの通所サービスは、朝夕の送迎業務がケアの負担になっている事業所もあるのではないでしょうか? そこで、ダイハツは通所介護の共同送迎サービス「ゴイッシヨ」をスタート。地域の通所介護事業所の送迎を外部団体が一括でおこなうことで、効率的な送迎と、介護事業所の負担を軽減します。 地域の送迎業務を一手におまかせ ダイハツは通所介護の共同送迎サービス「ゴイッシヨ」を本格スタートさせました。 このサービスは、地域の通所介護の送迎業務を外部団体が取りまとめて一括でおこなうことで、送迎の効率化や通所介護事業所の業務負担を軽減するものです。 具体的には、ダイハツが自治体と連携して地域の通所サービス事業所の送迎に関する課題を把握。運営マニュアルの構築や交通事業者との調整も同社がサポートします。 また、複数の介護事業者にまたがった連携が必要となると送迎計画の作成や運行管理が複雑になると考えられますが、それをダイハツの共同送迎運行管理システムが解決するそうです。 例えば、複数の事業者・利用者からの予定の受付、運行団体・介護事業者・ドライバー端末の情報の連携などによって簡単に管理ができるそうです。 そのため、送迎計画は1日ごとに作成され、急なキャンセルや遅延の情報もすぐに共有。運行状況も常に最新の情報に更新されます。 ダイハツによると、2020年に香川県三豊市でおこなった実証実験では1施設あたりの送迎時間を1日平均75分も短縮。一括で送迎業務をすることで、使用車両数を約20%削減できたそうです。 さらに、90%以上の事業所が業務負担の軽減を実感。夕方の掃除の効率が上がったり、事務作業に使える時間の増加といったメリットを感じているとのことです。 送迎が職員の心理的負担に デイサービスなどの通所サービスには送迎業務がつきものですが、それを負担に感じている事業所や介護職員も多いようです。 事業所のなかには専任の送迎ドライバーがいる場合もありますが、そういった施設は多くはなく、介護職員が送迎業務も担っているケースが大半です。 そのため、運転に自信がない介護職員の場合、事故を起こすことへの不安がストレスになってしまうこともあります。 そうしたことをふまえると、職員の定着率を上げるためにも送迎業務を外部に委託する仕組みがあると良いのかもしれませんね。
2022/04/28
介護現場の人手不足が叫ばれて久しいですが、その状況は今後さらに深刻化していくとされています。 それを解決するためには、介護職員の確保に加えて業務効率を上げることも必須。そのため、IT技術を取り入れて職員の負担を減らす取り組みが注目されています。 そこで、福島県の東日本国際大学では介護現場のデジタル化に対応できる人材の育成に注力。今回、文部科学省の補助事業として採択されたそうです。 介護現場のDXを推進できる人材を 先月16日、福島県いわき市の東日本国際大学の事業が、文科省の「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」に採択されたことを発表しました。 この文科省の補助事業は、デジタル化に対応した人材が少ないことから大学でDX(デジタルトランスフォーメーション)の教育を推進する目的があります。 東日本国際大学の事業は、次の3つの柱で構成されています。 ロボット研修の高度化 生体指標測定による現場での振舞いのより効率的な習得 VR/ARによる介護福祉DXのための教材開発 こうしたデジタル技術が介護現場に求められているにも関わらず、技術を活用したり導入する人材が足りていないのが現状。そのため、この事業で介護DXを推進できる人材を育成することを目指しているそうです。 介護現場をデジタル化することで、これまで職員の経験に基づくケアが中心だった状況を改革。身体の動かし方や視線をデジタル技術で分析して、ベテラン職員がどのように利用者と接しているのかや何に注目しているのかがデータでわかるようになります。 それによって、未経験者や経験の浅い職員も効率的に技術を習得できるようになるそうです。 加えて、利用者の脈拍や睡眠の深さ、寝返り回数などを遠隔で把握できるシステムの研修や、介助を疑似体験できる教材も開発。県内の福祉系教育機関とも連携することで、全体的な介護現場の底上げも計画しています。 現場の抵抗感もハードルに デジタル技術の導入が遅れていると言われている介護現場。そのハードルはコスト面だけではなく、導入時を進められる人材がいないことや導入後の技術の活用に不安があるなど、現場の抵抗感もあるでしょう。 というのも、介護現場のDXする際には大きな変更が伴うため。ケアの流れや職員の動き方、利用者との接し方なども変わるとなると職員には大きな負担がかかります。 そのため、人手に余裕がない現場では「業務が回らなくなるのでは」という不安が出るのも無理もないことです。 そこで、学生の段階からデジタル技術の活用法や導入方法を体系的に学んでいる人材がいると、介護現場でのDXが進めやすくなるかもしれませんね。
2022/04/20
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。