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介護食

介護食 嚥下

【嚥下障がい】「インクルーシブフード」なら美味しくスイーツを食べられる

東京都、東京大学、東京医科歯科大学は、食べ物や飲み物が飲み込みにくい「嚥下(えんげ)障がい」がある人でも楽しめる食事「インクルーシブフード」を開発。その完成披露会が、2023年の2月25日におこなわれます。 また、今回の開発事業に当たって、食事の支援が必要な子どもを持つ親がコミュニティを運営している、一般社団法人mogmog engine(もぐもぐエンジン)もプロジェクトコーディネーターとして協力しました。 嚥下障がいについて そもそも、嚥下障がいとはどういったものなのでしょうか? 端的に言えば、加齢や脳性マヒなどの原因で食べ物や飲み物をうまく食べたり飲み込んだりすることが難しい状態のことを言います。 嚥下障がいのある人が何も手を加えていない通常の食事(常食)を食べてしまうと、食べ物を上手く飲み込めずに、気管に入ってしまったり窒息したりする恐れがあります。 それを避けるために、嚥下障がいがある人に食事を提供するときには、とろみをつけたりミキサーなどでペースト状にしたりして、食べやすい形態になった食事を出す必要があります。 インクルーシブフード開発に至った経緯 これまで、あらかじめ嚥下障がいがある人でも食べやすい形態に加工した介護食は、飲み込む力が衰えた高齢者向けのものが大半。嚥下障がいがある子ども向けのものはほとんどありませんでした。 そういった現状を踏まえ、開発チームは「子どもが喜ぶメニューや親が子どもに食べさせたいメニュー」をコンセプトに、今回のインクルーシブフードを開発したのです。 また開発の際には、mogmog engineが運営する、嚥下障がいがある子どもを持つ親たちのコミュニティ「スナック都ろ美(とろみ)」の参加者にアンケートや試食会を実施。そこで集めた意見をメニューに反映したそうです。 披露会について 今回のインクルーシブフード完成披露会は、以下の要領で実施されます。 日時:2023年2月25日 13:00-15:00 場所:3x3 Lab Future 今回の披露会では、「マンゴーとパッションフルーツのパフェ」や「雪解けモンブラン」などのやわらかスイーツや、ステーキやスパゲティなど子どもが好きなおかずが満載な「もぐもぐBOX」というお弁当が提供されます。 柔らかいスイーツなどは高齢者にも大人気です。これをきっかけに「インクルーシブフード」がさらに広まり、嚥下障がいがある人でもバラエティ豊かな食事が食べられるようになると良いですね。

2023/02/24

介護機器 介護食 嚥下

【介護の助けに】外食でも「OTOMO」があれば手軽に一口サイズに

包丁など刃物の製造をおこなっている三星刃物株式会社は、食べ物をつまんでテーブルでカットできる、はさみとトングのセット「OTOMO」の一般向けの展示会を開くことを明らかにしました。 展示会は、2023年2月15~17日に、東京ビッグサイト内でおこなわれる「中小企業総合展」の中で実施されました。 はさみとトングのセット「OTOMO」の特徴 「OTOMO」は持ち運び可能なトングとはさみのセット。小型なので、テーブルの上で食べ物をつまんで、自分が食べやすい大きさにカットできます。 担当者によると、「OTOMO」は「年齢を重ねても家族や友人と同じ食事がしたい」という声から開発が始まったそう。これなら、食べ物を噛む力が衰えた高齢者も、外出先などで気軽に利用できそうです。 また三星刃物ははさみを長く使ってもらうために、無料の研ぎ直しサービスも実施しているととしています。 「OTOMO」の使用に向いている人は? 今回紹介した「OTOMO」は、どんな人に向いているでしょうか? 結論から言えば、「飲み込む力は正常だが、加齢とともに噛む力が衰えてきた高齢者」に向いています。介護食の形態では、「常食」を少しカットして食べる人や「きざみ食」を食べている人が該当するでしょう。 そもそも、介護食には次のような形態があります。 手を加えず、食べ物の形がそのまま残った「常食」 はさみや包丁で食べ物を小さく刻んで食べやすくした「きざみ食」 きざみ食よりさらに食べ物を細かくした「みじん食」 ミキサーなどで食べ物をペースト状にした「ミキサー食」 小型のトングとはさみで食べ物をカットできる「OTOMO」は、噛む力が衰えて食べ物をカットして食べたい「きざみ食」の人などに向いていると言えるでしょう。 逆に、食べ物を飲み込む力が衰えた人には向きません。食べ物を細かくすると、口の中でまとまりにくくなるため、飲み込む力が弱い人は食べ物が気管に入りやすくなってしまうのです。 「食べ物が固くて噛み切れない」といった悩みのある人にとっては、使い勝手の良いものと言えそうです。

2023/02/17

介護予防 介護食 嚥下

「とろみコーヒー」で嚥下障がいがある人でもおいしくカフェタイム!

コメダ珈琲を運営するコメダとコーヒーの輸入販売をおこなっている石光商事は、とろみがついたインスタントコーヒー「とろみコーヒー」を共同開発。2022年の11月からコメダ珈琲のオンラインショップで販売されています。 この商品は初めからとろみがついているため、飲み込む力が弱い嚥下障がいがある人でも味わい深いコーヒーを楽しめるそうです。 「とろみコーヒー」開発の背景 コメダ珈琲の開発担当である伊藤弥生氏によると、「とろみ粉でとろみをつけたコーヒーはおいしくないと、高齢者施設の利用者から避けられてしまう」という相談がきっかけで「とろみコーヒー」を開発することに至ったのだそうです。 それからコメダ珈琲と石光商事は、朝日大学歯学部に所属する谷口裕重氏の監修の元、2年半かけてコーヒーのコクや味わいを再現した「とろみコーヒー」を開発しました。 谷口氏は2022年11月12日に開催された健康に関する公開講座に登壇し、「とろみコーヒー」のようなとろみ調整食品を使う意義について次のように語りました。 「飲み込む力が衰え、食べ物や飲み物が気管に入りやすくなっている人に対して、安全性ばかりを優先して食べることを禁止するのは良くない。『とろみコーヒー』のようなとろみ調整食品などもうまく活用して、安全かつおいしい食事を提供するのが大切。そうすると口もよく動くようになり、いくつになっても食事を楽しめる」。 「とろみコーヒー」の特徴 「とろみコーヒー」は個包装になっているインスタントタイプのコーヒー。90度以上の熱湯150mgを注ぎ、15秒ほどかき混ぜるととろみが付きます。 単にとろみ粉を加えたコーヒーは、どうしてもとろみ粉の味が混ざってしまうため、違和感のある味を感じる人も少なくありません。しかし「とろみコーヒー」はとろみ粉を加えなくても初めからとろみがついているため、そうした雑味を感じない自然な味に仕上がっています。 伊藤氏によると、「とろみコーヒー」にホイップクリームを加えると暖かいコーヒーゼリーのようになるとのこと。これなら、飲み込む力に問題がない一般の人でも新感覚のコーヒーとして楽しめそうですね。

2023/02/06

介護食 嚥下

嚥下障がいでもホテルでクリスマスランチ!家族と楽しい外食を

神戸ポートピアホテルは、食べ物や飲み物が飲み込みにくい嚥下(えんげ)障がいを持っている人でもクリスマスの気分を味わえるような食事会の開催を予定しています。 ちなみに予定日は、2022年の12月10日とのことです。 食事会について 神戸ポートピアホテルは、クリスマス料理を提供する食事会「家族で楽しむクリスマス2022 ホテルのやわらかコース料理 ~のみこみにくい人のために~」を計画していることを明らかにしました。 対象は、食べ物や飲み物が飲み込みにくい嚥下障がいを持っている人とその家族です。 料理は兵庫医科大学の協力を受けてシェフが考案したもので、好みに合わせて和食か洋食かを選択することができます。 なお食事会では、ピアノやバイオリンの生演奏や嚥下に関する談話もおこなわれるそうです。 嚥下障がいについて そもそも嚥下障がいとは何でしょうか? 嚥下とは、食べ物や飲み物を飲み込むこと。つまり何らかの理由で、食べ物や飲み込むのが難しくなった状態のことを嚥下障がいと言います。 健康な人なら、食べ物や飲み物の硬さや形状を問わず飲み込むことができるし、万が一、気管に入りそうになっても咳で外に出すことができます。しかし嚥下障がいになると、咳で食べ物や飲み物を外に出せず、そのまま気管やさらにその先の肺に入ってしまうことがあるのです。 特にとろみのない飲み物や硬い食べ物は、気管に入りやすいので注意が必要です。 また、食べ物や飲み物が肺に入ってしまうと肺炎を起こす危険性があります。そのため嚥下障がいがある人に食事を提供するときは、飲み物にとろみをつけたり食べ物を柔らかくしたりして、食べやすくする工夫が必要です。 嚥下障がいを持っていると食べられる料理の硬さや形状に制限があるため、なかなか外食をする機会がない人も多いのではないでしょうか。 そこで今回紹介した食事会なら、食べ物や飲み物が飲み込みにくい人でも、家族とともにクリスマスの雰囲気を味わえそうですね。

2022/11/30

コロナ対策 介護食 調査結果

レトルトの介護食を利用している人65%!コロナ禍で増える在宅介護の負担

今年の7月、アサヒグループ食品は自身が家族の介護をしている531人の男女を対象に、介護世帯の食を中心としたアンケート調査を実施。家族は、長引くコロナ禍で増えた在宅介護の負担を減らそうと、さまざまな策を練っていることがわかりました。 介護における食と調理意識について まず、介護における食と調理意識に関する調査をしました。 調査結果を見ると、新型コロナウイルスが流行する以前に比べ、レトルトやインスタント食品を利用している人が増えていることが明らかに。65.9%の人が「レトルトやインスタント食品がある」と回答しています。「介護用のレトルト食品も活用していきたい」と答えた人もコロナ禍以前より増えていました。 さらに、「介護の食事は配食やホームヘルパーなどのサービスを活用した方がいい」と回答した人も、コロナ禍以前より大幅に増加しています。 これらの背景には、新型コロナウイルスの流行で介護施設の利用が制限され、家族が介護を必要としている人の食事作りも担っている人が増えていることが推測されます。その食事作りが負担になると感じている人も多いようで、「食事の支度は面倒だ」と回答した人は6割に上りました。 現在利用している介護サービスについて アンケートでは、現在利用している介護サービスに関する調査もおこないました。 すると、デイサービスなどの通所介護施設やショートステイを利用している人がコロナ禍以前に比べ大幅に減っていることが明らかに。やはり新型コロナウイルスの蔓延で、施設の利用を現在は控えている人も少なくないようです。 一方、介護食や配食サービスの利用はコロナ禍以前より増加傾向。家事代行サービスやクリーニングサービスを利用する人もコロナ禍以前に比べて増えています。その背景には、在宅介護の負担を少しでも減らそうとしていることが推測されます。 新型コロナウイルスの流行は、介護環境にも多大な影響を与えました。長く介護を続けていくためには、レトルト食品を使ったり配食サービスを利用するなど、負担を減らしていく工夫が大事になっていきそうです。

2022/11/09

お役立ち情報 介護食 嚥下

高齢になってもコーラが飲める!とろみ調整食品「つるりんこシュワシュワ」

今まで、何も気にせず食べられたものでも、年齢を重ねるにつれて食べることが難しくなったり、制限がかかってしまうことがあります。体のためと分かっていても、好きだったものが食べられないというのはとてもストレスになりますよね。今回は、そんな状況の助けになるかもしれない介護食品のお話です。 振って混ぜるととろみがつく、つるりんこシュワシュワ 森永乳業グループのクリニコから発売されているつるりんこシュワシュワは、同社のとろみをつけて飲みやすくした「つるりんこシリーズ」の炭酸商品です。 飲み込む機能が低下した高齢者でもコーラなどの炭酸飲料を飲みたいという人は多くいるとみて、とろみをつけてもシュワシュワした味わいを手軽に楽しめるように開発されました。 実際、炭酸の需要はどうなのか? 国立長寿医療研究センターが1100人の高齢者に実施したアンケートでは、炭酸飲料を飲むことを禁じられた場合「受け入れられない」と答えた人の割合は全体の60.5%と高いことが分かりました。このことからも炭酸飲料に対するニーズは十分にあるといえます。 特徴と使い方 高齢化などで食事や水分を飲み込む嚥下機能(えんげきのう)が低下してしまう人は多いと言われていますが、とろみをつけるとゆっくり流れ込むので嚥下機能が低下しても飲み込みやすくなります。 つるりんこシュワシュワは粉状になっており、とろみを付けたい炭酸飲料のペットボトルに入れて振って混ぜます。それを冷蔵庫で3時間冷やせば、とろみが付いた炭酸飲料ができ上がります。 ちなみに、これまでのとろみ調整食品では、かき混ぜる段階で炭酸が抜けてしまうことが課題でしたが、ペットボトルに入れて使うことを前提に少量で素早く溶けるように工夫されています。 この商品の価格は、2.5グラムのスティック30本入りで税込2160円ほど。薬局や介護商品を扱う通信販売サイトで入手できます。 発想と工夫が”食べられない”を減らす とろみがついた炭酸、聞いただけで興味をそそる商品ですね。 高齢になると、飲み込む力や噛む力が衰えることで食べられるものが減ってしまい、さみしい思いをしている人もいるかもしれません。しかし、今回の商品の他にも様々な発想や工夫をこらし、飲む、食べることを助けてくれる商品がたくさんあります。気になった方は探してみてはいかがでしょうか。

2022/10/04

介護食 嚥下 地域の取り組み

家族や仲間と外食を楽しんでほしい!中華屋さんが「介護食」を提供

食べることは生活の楽しみや生きがいであり、人や社会と交流する意欲を高めることにもつながっています。 しかし、高齢者の中には加齢や病気が原因で噛む力や飲み込む力が弱くなり、食べたいものが自由に食べられなくなると、人と会ったり外に出ることを諦める人も多い実情があります。 そこで、兵庫県丹波市の中華料理店「大連飯店」では、噛む力や飲み込む力が弱い人のために、柔らかさや形状を工夫した「介護食」の提供を始めました。 中国の国家資格「薬膳師」の資格を持つ料理長、今藏楓さん(30)が、​​食べる人の体調や能力をヒアリングした上で、食材やメニュー、調理方法などを決めて作っているそうです。 きっかけは常連客 兵庫県丹波市の中華料理店「大連飯店」では、噛む力や飲み込む力が弱い人のために、柔らかさや形状を工夫した「介護食」の提供をはじめました。「まごころ(丹)を込めて対応したい」という思いから、介護食のメニューを「丹心」と名付けているそうです。 介護職の提供を始めたきっかけは、常連客でした。胃の手術をした常連の高齢男性が、食べたいものを自由に食べられなくなったなかで、男性の妻は「それでも一緒に外食したい」という思いがあったそうです。 そこで、一緒にメニューや調理方法を考えて作った料理を食べてもらったところ、大変喜ばれその後も何度も来店して食事を楽しんでいるとのこと。そんな夫婦の姿が店で介護食の提供を始めるきっかけになったそうです。 今藏さんは、「加齢や病気で『みんなと同じように自由に食べられないから家におるわ』ではなく、家族や仲間とテーブルを共にして笑顔を分かち合ってほしい。日々、介護をしている人にとっても癒やしのひとときになれば」と話しています。 高齢者が外食しやすい環境作り 高齢者やその家族が「一緒に外食を楽しみたい」と思っても、高齢者が食べられるメニューが限られていたり、店内が狭くて車椅子が通れなかったりすると外食を諦めてしまう人もいるでしょう。また、外食ができるお店がないために、出かけること自体を諦める高齢者もいるかもしれません。 さらに、高齢者が外出を諦めて家から出なくなってしまうと、身体の機能が衰えたり、認知症が進行したりする可能性も考えられます。 だからこそ、高齢者向けのメニューを作ったり、お店の出入りがスムーズであったりするなど高齢者が外食しやすい環境作りに積極的に取り組むお店が増えていくと良いですね。

2022/07/07

介護食 調査結果

介護食ってどんなイメージ?7月11日の「UDFの日」を前にアンケート

飲み込む力や噛む力が衰えた人向けに作られた介護食。もともとは介護施設や病院で一人ひとりの状況に応じて調理されていましたが、市販品が増えたことで安定した品質が求められるようになり、2002年に日本介護食品協議会が統一の規格を公開しました。 それから20年という節目である今年、キユーピーは7月11日の「UDF(ユニバーサルデザインフード)の日」を前に“やわらかさに配慮した食品”のイメージについて調査をおこないました。 それによると、「UDF」という言葉の認知度は4割にとどまっていること、その名前からどんな商品なのかがイメージしにくいものであることがわかりました。 「UDF」はイメージしづらい? 食品メーカーのキユーピーが、7月11日の「UDFの日」を前にUDFをはじめとするやわらかさに配慮した食品についての認知度・イメージについてアンケート調査を実施しました。 まず、「介護食」「やわらか食」「UDF」「スマイルケア食」という4つの言葉について知っているか質問したところ、「介護食」の認知度は95%以上でした。 その一方で、「UDF」は「今回初めて知った」が約6割、「スマイルケア食」では約7割という結果に。さらに、「内容も理解している」と回答した人は1割前後にとどまりました。 ちなみに、UDFは日常の食事としても介護食としても使える食べやすさに配慮した食品。飲み込む力やかむ力によって4つの区分に分けて、食べる人の状況に応じて利用しやすいようになっています。 また、スマイルケア食とは農林水産省が定めた枠組みのこと。「栄養補給が必要な人向け」「噛むことが難しい人向け」などの区分けがされています。 続いての質問で前述の4つの言葉のイメージを聞いたところ、「栄養バランスがよさそう」というポジティブなイメージと「おいしくなさそう」というネガティブなイメージも高いことが判明。加えて、「UDF」と「スマイルケア食」については「イメージがわかない」という回答が最も多い結果になったそうです。 ちょっとした工夫で美味しく キユーピーをはじめとして、さまざまなメーカーから市販の介護食が販売されています。しかし、やはり「味が薄くておいしくないのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。 もし、介護食の味が「物足りない」と感じたときには、レモン汁や香辛料を活用してみるのも一つの手。酸味や辛味の刺激をプラスすることで、きっと満足感が高まりますよ。

2022/06/28

介護者への支援 介護食 嚥下

自販機で嚥下食を購入!?ハンバーグ、とろみつき飲料…多彩なメニュー

歳を重ねると、多くの人が食べ物を噛む能力「咀嚼(そしゃく)機能」や飲み込む能力「嚥下(えんげ)機能」が低下していきます。 そのため、食材を細かくしたり飲み物にとろみをつけた「嚥下食」に食事の形を変える必要が出てくることも。しかし、家庭で作るには一般的な料理よりも手間がかかることが多く、介護をする人の負担が大きくなっています。 そこで、嚥下機能の低下した人向けの食事を手軽に買える自動販売機が登場しています。 例えば、福岡県北九州市では自動販売機でハンバーグやポタージュなどのプロが作った嚥下食を購入可能。さらに、埼玉県蓮田市にある東北自動車道・蓮田サービスエリアには、とろみをつけられる自動販売機があり、ボタン1つでとろみ付きの飲み物が手に入ります。 嚥下食が買える自販機? 福岡県北九州市の住宅街の一角に、嚥下食を販売する自動販売機が登場しました。 この自動販売機のメニューは全8種類。「海老のチリソース(550円)」「ハンバーグ(550円)」「チキン南蛮(450円)」「白いんげん豆のポタージュ(240円)」「やさいプリン(200円)」など、主菜からデザートまで選べるようになっています。 この嚥下食を作っているのは、「嚥下食工房 七日屋」という地元企業。嚥下食をデイサービスなどに配食したりネット販売をしている嚥下食のプロです。 そうしたプロが作った安全な嚥下食をいつでも気軽に購入してほしいと、今年4月から販売を開始したそう。24時間いつでも買えるので、介護をする人の帰宅が遅くなってもすぐに食事の準備ができるのが魅力です。 また、埼玉県蓮田市の東北自動車道・蓮田サービスエリアには、飲み物にとろみをつけられる自動販売機が登場しています。 この自動販売機は、飲み物を選択するボタンの他に「とろみありボタン」があり、飲み物のボタンを押す前に「とろみありボタン」を押すことでドリンクにとろみをつけられます。 さらに、とろみの強さも「薄いとろみ」「中間のとろみ」「濃いとろみ」の3段階から選べ、飲む人の嚥下機能に合わせて調節ができるようになっています。 嚥下食が手軽に食べられるものに 食事にとろみをつけたり具材を細かく刻んだりと準備するのに手間がかかる嚥下食。忙しかったりすると、その負担が大きく感じるかもしれません。 そこで、自動販売機で手軽に嚥下食が購入できるのはありがたいですね。特に、とろみつきの飲み物を買える自動販売機は、外出先での水分補給がとても楽になりそうです。 「嚥下食」というと、特別なものに感じてしまいがちですが、自動販売機で購入できることでもっと身近なものになるかもしれないですね。

2022/06/02

介護食 嚥下

嚥下障害の高齢者も外食を楽しめる!嚥下食をメインにしたカフェが登場

高齢になると、多くの人がのどの筋力が落ちて飲み込む力(嚥下機能)が落ちてしまいます。すると、普通の食事を食べるのが難しくなり食事が楽しめなくなってしまうこともあるのです。 そうなると、食べる量が減るので栄養状態が悪くなり体力低下を招くことも。嚥下機能が落ちることで、全身の健康状態が悪くなったり要介護状態になるケースも少なくありません。 そこで、近年、嚥下機能が低下した高齢者でも食べやすい嚥下食が増えつつあります。 例えば、今年11月に嚥下食を提供するカフェを併設した複合施設「TOTONOU(ととのう)」が愛知県に建設予定。あわせてがん治療などで脱毛した人のための美容院など、さまざまな背景を持った人が集う場所になるそうです。 嚥下食がメインのカフェが登場 「NPO法人全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)」が、愛知県に嚥下食をテーマにしたカフェを開設することを明らかにしました。 ふくりびは、高齢者や障がい者の訪問理美容やがん患者・脱毛症患者の医療用ウィッグの製造などを26年間にわたって手掛けている団体です。 これまでの活動で高齢者や患者などとふれあうなかで、嚥下機能の低下によって食事を楽しめない人が多くいることに気が付き、今回のカフェを建設するに至ったそうです。 このカフェのメニューはまだ決まっていないものの、手頃な値段で提供予定。3Dプリンタを使って盛り付けするなど、嚥下食をテーマにしたカフェならではの斬新なメニューも登場するかもしれないそうです。 カフェが入る複合施設「TOTONOU」には、他にも医療用ウィッグを扱う美容室や図書館も併設予定。高齢者や障がい者だけでなく、子どもや子どもを持つシングルマザーなど多様な人が集まる場所になることを目指しています。 嚥下食のニーズは増えていく? 嚥下機能が落ちている人の食事を準備するのは、家庭では難しいもの。最近ではレトルトの介護食がスーパーなどでも購入できるようになり、以前よりも手軽になりつつあるものの、外食をしようとすると嚥下食に対応しているお店がほとんどないのが実情です。 その一方で、高齢化が進むのに従って嚥下障害の人は増加。嚥下障害は低栄養や体力低下、誤嚥性肺炎などのさまざまな問題の原因となりかねないので、急いで対策する必要があるのにも関わらず支援が広まっていないのです。 そこで、今回のような嚥下食がテーマのカフェが登場することで嚥下食の知名度も上がり、多様な形の嚥下食が増えて、嚥下障害で食べるものに悩んでいる人の選択肢が増えるかもしれませんね。

2022/05/24

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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