ニュース
東京都、東京大学、東京医科歯科大学は、食べ物や飲み物が飲み込みにくい「嚥下(えんげ)障がい」がある人でも楽しめる食事「インクルーシブフード」を開発。その完成披露会が、2023年の2月25日におこなわれます。 また、今回の開発事業に当たって、食事の支援が必要な子どもを持つ親がコミュニティを運営している、一般社団法人mogmog engine(もぐもぐエンジン)もプロジェクトコーディネーターとして協力しました。 嚥下障がいについて そもそも、嚥下障がいとはどういったものなのでしょうか? 端的に言えば、加齢や脳性マヒなどの原因で食べ物や飲み物をうまく食べたり飲み込んだりすることが難しい状態のことを言います。 嚥下障がいのある人が何も手を加えていない通常の食事(常食)を食べてしまうと、食べ物を上手く飲み込めずに、気管に入ってしまったり窒息したりする恐れがあります。 それを避けるために、嚥下障がいがある人に食事を提供するときには、とろみをつけたりミキサーなどでペースト状にしたりして、食べやすい形態になった食事を出す必要があります。 インクルーシブフード開発に至った経緯 これまで、あらかじめ嚥下障がいがある人でも食べやすい形態に加工した介護食は、飲み込む力が衰えた高齢者向けのものが大半。嚥下障がいがある子ども向けのものはほとんどありませんでした。 そういった現状を踏まえ、開発チームは「子どもが喜ぶメニューや親が子どもに食べさせたいメニュー」をコンセプトに、今回のインクルーシブフードを開発したのです。 また開発の際には、mogmog engineが運営する、嚥下障がいがある子どもを持つ親たちのコミュニティ「スナック都ろ美(とろみ)」の参加者にアンケートや試食会を実施。そこで集めた意見をメニューに反映したそうです。 披露会について 今回のインクルーシブフード完成披露会は、以下の要領で実施されます。 日時:2023年2月25日 13:00-15:00 場所:3x3 Lab Future 今回の披露会では、「マンゴーとパッションフルーツのパフェ」や「雪解けモンブラン」などのやわらかスイーツや、ステーキやスパゲティなど子どもが好きなおかずが満載な「もぐもぐBOX」というお弁当が提供されます。 柔らかいスイーツなどは高齢者にも大人気です。これをきっかけに「インクルーシブフード」がさらに広まり、嚥下障がいがある人でもバラエティ豊かな食事が食べられるようになると良いですね。
2023/02/24
包丁など刃物の製造をおこなっている三星刃物株式会社は、食べ物をつまんでテーブルでカットできる、はさみとトングのセット「OTOMO」の一般向けの展示会を開くことを明らかにしました。 展示会は、2023年2月15~17日に、東京ビッグサイト内でおこなわれる「中小企業総合展」の中で実施されました。 はさみとトングのセット「OTOMO」の特徴 「OTOMO」は持ち運び可能なトングとはさみのセット。小型なので、テーブルの上で食べ物をつまんで、自分が食べやすい大きさにカットできます。 担当者によると、「OTOMO」は「年齢を重ねても家族や友人と同じ食事がしたい」という声から開発が始まったそう。これなら、食べ物を噛む力が衰えた高齢者も、外出先などで気軽に利用できそうです。 また三星刃物ははさみを長く使ってもらうために、無料の研ぎ直しサービスも実施しているととしています。 「OTOMO」の使用に向いている人は? 今回紹介した「OTOMO」は、どんな人に向いているでしょうか? 結論から言えば、「飲み込む力は正常だが、加齢とともに噛む力が衰えてきた高齢者」に向いています。介護食の形態では、「常食」を少しカットして食べる人や「きざみ食」を食べている人が該当するでしょう。 そもそも、介護食には次のような形態があります。 手を加えず、食べ物の形がそのまま残った「常食」 はさみや包丁で食べ物を小さく刻んで食べやすくした「きざみ食」 きざみ食よりさらに食べ物を細かくした「みじん食」 ミキサーなどで食べ物をペースト状にした「ミキサー食」 小型のトングとはさみで食べ物をカットできる「OTOMO」は、噛む力が衰えて食べ物をカットして食べたい「きざみ食」の人などに向いていると言えるでしょう。 逆に、食べ物を飲み込む力が衰えた人には向きません。食べ物を細かくすると、口の中でまとまりにくくなるため、飲み込む力が弱い人は食べ物が気管に入りやすくなってしまうのです。 「食べ物が固くて噛み切れない」といった悩みのある人にとっては、使い勝手の良いものと言えそうです。
2023/02/17
コメダ珈琲を運営するコメダとコーヒーの輸入販売をおこなっている石光商事は、とろみがついたインスタントコーヒー「とろみコーヒー」を共同開発。2022年の11月からコメダ珈琲のオンラインショップで販売されています。 この商品は初めからとろみがついているため、飲み込む力が弱い嚥下障がいがある人でも味わい深いコーヒーを楽しめるそうです。 「とろみコーヒー」開発の背景 コメダ珈琲の開発担当である伊藤弥生氏によると、「とろみ粉でとろみをつけたコーヒーはおいしくないと、高齢者施設の利用者から避けられてしまう」という相談がきっかけで「とろみコーヒー」を開発することに至ったのだそうです。 それからコメダ珈琲と石光商事は、朝日大学歯学部に所属する谷口裕重氏の監修の元、2年半かけてコーヒーのコクや味わいを再現した「とろみコーヒー」を開発しました。 谷口氏は2022年11月12日に開催された健康に関する公開講座に登壇し、「とろみコーヒー」のようなとろみ調整食品を使う意義について次のように語りました。 「飲み込む力が衰え、食べ物や飲み物が気管に入りやすくなっている人に対して、安全性ばかりを優先して食べることを禁止するのは良くない。『とろみコーヒー』のようなとろみ調整食品などもうまく活用して、安全かつおいしい食事を提供するのが大切。そうすると口もよく動くようになり、いくつになっても食事を楽しめる」。 「とろみコーヒー」の特徴 「とろみコーヒー」は個包装になっているインスタントタイプのコーヒー。90度以上の熱湯150mgを注ぎ、15秒ほどかき混ぜるととろみが付きます。 単にとろみ粉を加えたコーヒーは、どうしてもとろみ粉の味が混ざってしまうため、違和感のある味を感じる人も少なくありません。しかし「とろみコーヒー」はとろみ粉を加えなくても初めからとろみがついているため、そうした雑味を感じない自然な味に仕上がっています。 伊藤氏によると、「とろみコーヒー」にホイップクリームを加えると暖かいコーヒーゼリーのようになるとのこと。これなら、飲み込む力に問題がない一般の人でも新感覚のコーヒーとして楽しめそうですね。
2023/02/06
神戸ポートピアホテルは、食べ物や飲み物が飲み込みにくい嚥下(えんげ)障がいを持っている人でもクリスマスの気分を味わえるような食事会の開催を予定しています。 ちなみに予定日は、2022年の12月10日とのことです。 食事会について 神戸ポートピアホテルは、クリスマス料理を提供する食事会「家族で楽しむクリスマス2022 ホテルのやわらかコース料理 ~のみこみにくい人のために~」を計画していることを明らかにしました。 対象は、食べ物や飲み物が飲み込みにくい嚥下障がいを持っている人とその家族です。 料理は兵庫医科大学の協力を受けてシェフが考案したもので、好みに合わせて和食か洋食かを選択することができます。 なお食事会では、ピアノやバイオリンの生演奏や嚥下に関する談話もおこなわれるそうです。 嚥下障がいについて そもそも嚥下障がいとは何でしょうか? 嚥下とは、食べ物や飲み物を飲み込むこと。つまり何らかの理由で、食べ物や飲み込むのが難しくなった状態のことを嚥下障がいと言います。 健康な人なら、食べ物や飲み物の硬さや形状を問わず飲み込むことができるし、万が一、気管に入りそうになっても咳で外に出すことができます。しかし嚥下障がいになると、咳で食べ物や飲み物を外に出せず、そのまま気管やさらにその先の肺に入ってしまうことがあるのです。 特にとろみのない飲み物や硬い食べ物は、気管に入りやすいので注意が必要です。 また、食べ物や飲み物が肺に入ってしまうと肺炎を起こす危険性があります。そのため嚥下障がいがある人に食事を提供するときは、飲み物にとろみをつけたり食べ物を柔らかくしたりして、食べやすくする工夫が必要です。 嚥下障がいを持っていると食べられる料理の硬さや形状に制限があるため、なかなか外食をする機会がない人も多いのではないでしょうか。 そこで今回紹介した食事会なら、食べ物や飲み物が飲み込みにくい人でも、家族とともにクリスマスの雰囲気を味わえそうですね。
2022/11/30
今年の7月、アサヒグループ食品は自身が家族の介護をしている531人の男女を対象に、介護世帯の食を中心としたアンケート調査を実施。家族は、長引くコロナ禍で増えた在宅介護の負担を減らそうと、さまざまな策を練っていることがわかりました。 介護における食と調理意識について まず、介護における食と調理意識に関する調査をしました。 調査結果を見ると、新型コロナウイルスが流行する以前に比べ、レトルトやインスタント食品を利用している人が増えていることが明らかに。65.9%の人が「レトルトやインスタント食品がある」と回答しています。「介護用のレトルト食品も活用していきたい」と答えた人もコロナ禍以前より増えていました。 さらに、「介護の食事は配食やホームヘルパーなどのサービスを活用した方がいい」と回答した人も、コロナ禍以前より大幅に増加しています。 これらの背景には、新型コロナウイルスの流行で介護施設の利用が制限され、家族が介護を必要としている人の食事作りも担っている人が増えていることが推測されます。その食事作りが負担になると感じている人も多いようで、「食事の支度は面倒だ」と回答した人は6割に上りました。 現在利用している介護サービスについて アンケートでは、現在利用している介護サービスに関する調査もおこないました。 すると、デイサービスなどの通所介護施設やショートステイを利用している人がコロナ禍以前に比べ大幅に減っていることが明らかに。やはり新型コロナウイルスの蔓延で、施設の利用を現在は控えている人も少なくないようです。 一方、介護食や配食サービスの利用はコロナ禍以前より増加傾向。家事代行サービスやクリーニングサービスを利用する人もコロナ禍以前に比べて増えています。その背景には、在宅介護の負担を少しでも減らそうとしていることが推測されます。 新型コロナウイルスの流行は、介護環境にも多大な影響を与えました。長く介護を続けていくためには、レトルト食品を使ったり配食サービスを利用するなど、負担を減らしていく工夫が大事になっていきそうです。
2022/11/09
今まで、何も気にせず食べられたものでも、年齢を重ねるにつれて食べることが難しくなったり、制限がかかってしまうことがあります。体のためと分かっていても、好きだったものが食べられないというのはとてもストレスになりますよね。今回は、そんな状況の助けになるかもしれない介護食品のお話です。 振って混ぜるととろみがつく、つるりんこシュワシュワ 森永乳業グループのクリニコから発売されているつるりんこシュワシュワは、同社のとろみをつけて飲みやすくした「つるりんこシリーズ」の炭酸商品です。 飲み込む機能が低下した高齢者でもコーラなどの炭酸飲料を飲みたいという人は多くいるとみて、とろみをつけてもシュワシュワした味わいを手軽に楽しめるように開発されました。 実際、炭酸の需要はどうなのか? 国立長寿医療研究センターが1100人の高齢者に実施したアンケートでは、炭酸飲料を飲むことを禁じられた場合「受け入れられない」と答えた人の割合は全体の60.5%と高いことが分かりました。このことからも炭酸飲料に対するニーズは十分にあるといえます。 特徴と使い方 高齢化などで食事や水分を飲み込む嚥下機能(えんげきのう)が低下してしまう人は多いと言われていますが、とろみをつけるとゆっくり流れ込むので嚥下機能が低下しても飲み込みやすくなります。 つるりんこシュワシュワは粉状になっており、とろみを付けたい炭酸飲料のペットボトルに入れて振って混ぜます。それを冷蔵庫で3時間冷やせば、とろみが付いた炭酸飲料ができ上がります。 ちなみに、これまでのとろみ調整食品では、かき混ぜる段階で炭酸が抜けてしまうことが課題でしたが、ペットボトルに入れて使うことを前提に少量で素早く溶けるように工夫されています。 この商品の価格は、2.5グラムのスティック30本入りで税込2160円ほど。薬局や介護商品を扱う通信販売サイトで入手できます。 発想と工夫が”食べられない”を減らす とろみがついた炭酸、聞いただけで興味をそそる商品ですね。 高齢になると、飲み込む力や噛む力が衰えることで食べられるものが減ってしまい、さみしい思いをしている人もいるかもしれません。しかし、今回の商品の他にも様々な発想や工夫をこらし、飲む、食べることを助けてくれる商品がたくさんあります。気になった方は探してみてはいかがでしょうか。
2022/10/04
食べることは生活の楽しみや生きがいであり、人や社会と交流する意欲を高めることにもつながっています。 しかし、高齢者の中には加齢や病気が原因で噛む力や飲み込む力が弱くなり、食べたいものが自由に食べられなくなると、人と会ったり外に出ることを諦める人も多い実情があります。 そこで、兵庫県丹波市の中華料理店「大連飯店」では、噛む力や飲み込む力が弱い人のために、柔らかさや形状を工夫した「介護食」の提供を始めました。 中国の国家資格「薬膳師」の資格を持つ料理長、今藏楓さん(30)が、食べる人の体調や能力をヒアリングした上で、食材やメニュー、調理方法などを決めて作っているそうです。 きっかけは常連客 兵庫県丹波市の中華料理店「大連飯店」では、噛む力や飲み込む力が弱い人のために、柔らかさや形状を工夫した「介護食」の提供をはじめました。「まごころ(丹)を込めて対応したい」という思いから、介護食のメニューを「丹心」と名付けているそうです。 介護職の提供を始めたきっかけは、常連客でした。胃の手術をした常連の高齢男性が、食べたいものを自由に食べられなくなったなかで、男性の妻は「それでも一緒に外食したい」という思いがあったそうです。 そこで、一緒にメニューや調理方法を考えて作った料理を食べてもらったところ、大変喜ばれその後も何度も来店して食事を楽しんでいるとのこと。そんな夫婦の姿が店で介護食の提供を始めるきっかけになったそうです。 今藏さんは、「加齢や病気で『みんなと同じように自由に食べられないから家におるわ』ではなく、家族や仲間とテーブルを共にして笑顔を分かち合ってほしい。日々、介護をしている人にとっても癒やしのひとときになれば」と話しています。 高齢者が外食しやすい環境作り 高齢者やその家族が「一緒に外食を楽しみたい」と思っても、高齢者が食べられるメニューが限られていたり、店内が狭くて車椅子が通れなかったりすると外食を諦めてしまう人もいるでしょう。また、外食ができるお店がないために、出かけること自体を諦める高齢者もいるかもしれません。 さらに、高齢者が外出を諦めて家から出なくなってしまうと、身体の機能が衰えたり、認知症が進行したりする可能性も考えられます。 だからこそ、高齢者向けのメニューを作ったり、お店の出入りがスムーズであったりするなど高齢者が外食しやすい環境作りに積極的に取り組むお店が増えていくと良いですね。
2022/07/07
飲み込む力や噛む力が衰えた人向けに作られた介護食。もともとは介護施設や病院で一人ひとりの状況に応じて調理されていましたが、市販品が増えたことで安定した品質が求められるようになり、2002年に日本介護食品協議会が統一の規格を公開しました。 それから20年という節目である今年、キユーピーは7月11日の「UDF(ユニバーサルデザインフード)の日」を前に“やわらかさに配慮した食品”のイメージについて調査をおこないました。 それによると、「UDF」という言葉の認知度は4割にとどまっていること、その名前からどんな商品なのかがイメージしにくいものであることがわかりました。 「UDF」はイメージしづらい? 食品メーカーのキユーピーが、7月11日の「UDFの日」を前にUDFをはじめとするやわらかさに配慮した食品についての認知度・イメージについてアンケート調査を実施しました。 まず、「介護食」「やわらか食」「UDF」「スマイルケア食」という4つの言葉について知っているか質問したところ、「介護食」の認知度は95%以上でした。 その一方で、「UDF」は「今回初めて知った」が約6割、「スマイルケア食」では約7割という結果に。さらに、「内容も理解している」と回答した人は1割前後にとどまりました。 ちなみに、UDFは日常の食事としても介護食としても使える食べやすさに配慮した食品。飲み込む力やかむ力によって4つの区分に分けて、食べる人の状況に応じて利用しやすいようになっています。 また、スマイルケア食とは農林水産省が定めた枠組みのこと。「栄養補給が必要な人向け」「噛むことが難しい人向け」などの区分けがされています。 続いての質問で前述の4つの言葉のイメージを聞いたところ、「栄養バランスがよさそう」というポジティブなイメージと「おいしくなさそう」というネガティブなイメージも高いことが判明。加えて、「UDF」と「スマイルケア食」については「イメージがわかない」という回答が最も多い結果になったそうです。 ちょっとした工夫で美味しく キユーピーをはじめとして、さまざまなメーカーから市販の介護食が販売されています。しかし、やはり「味が薄くておいしくないのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。 もし、介護食の味が「物足りない」と感じたときには、レモン汁や香辛料を活用してみるのも一つの手。酸味や辛味の刺激をプラスすることで、きっと満足感が高まりますよ。
2022/06/28
歳を重ねると、多くの人が食べ物を噛む能力「咀嚼(そしゃく)機能」や飲み込む能力「嚥下(えんげ)機能」が低下していきます。 そのため、食材を細かくしたり飲み物にとろみをつけた「嚥下食」に食事の形を変える必要が出てくることも。しかし、家庭で作るには一般的な料理よりも手間がかかることが多く、介護をする人の負担が大きくなっています。 そこで、嚥下機能の低下した人向けの食事を手軽に買える自動販売機が登場しています。 例えば、福岡県北九州市では自動販売機でハンバーグやポタージュなどのプロが作った嚥下食を購入可能。さらに、埼玉県蓮田市にある東北自動車道・蓮田サービスエリアには、とろみをつけられる自動販売機があり、ボタン1つでとろみ付きの飲み物が手に入ります。 嚥下食が買える自販機? 福岡県北九州市の住宅街の一角に、嚥下食を販売する自動販売機が登場しました。 この自動販売機のメニューは全8種類。「海老のチリソース(550円)」「ハンバーグ(550円)」「チキン南蛮(450円)」「白いんげん豆のポタージュ(240円)」「やさいプリン(200円)」など、主菜からデザートまで選べるようになっています。 この嚥下食を作っているのは、「嚥下食工房 七日屋」という地元企業。嚥下食をデイサービスなどに配食したりネット販売をしている嚥下食のプロです。 そうしたプロが作った安全な嚥下食をいつでも気軽に購入してほしいと、今年4月から販売を開始したそう。24時間いつでも買えるので、介護をする人の帰宅が遅くなってもすぐに食事の準備ができるのが魅力です。 また、埼玉県蓮田市の東北自動車道・蓮田サービスエリアには、飲み物にとろみをつけられる自動販売機が登場しています。 この自動販売機は、飲み物を選択するボタンの他に「とろみありボタン」があり、飲み物のボタンを押す前に「とろみありボタン」を押すことでドリンクにとろみをつけられます。 さらに、とろみの強さも「薄いとろみ」「中間のとろみ」「濃いとろみ」の3段階から選べ、飲む人の嚥下機能に合わせて調節ができるようになっています。 嚥下食が手軽に食べられるものに 食事にとろみをつけたり具材を細かく刻んだりと準備するのに手間がかかる嚥下食。忙しかったりすると、その負担が大きく感じるかもしれません。 そこで、自動販売機で手軽に嚥下食が購入できるのはありがたいですね。特に、とろみつきの飲み物を買える自動販売機は、外出先での水分補給がとても楽になりそうです。 「嚥下食」というと、特別なものに感じてしまいがちですが、自動販売機で購入できることでもっと身近なものになるかもしれないですね。
2022/06/02
高齢になると、多くの人がのどの筋力が落ちて飲み込む力(嚥下機能)が落ちてしまいます。すると、普通の食事を食べるのが難しくなり食事が楽しめなくなってしまうこともあるのです。 そうなると、食べる量が減るので栄養状態が悪くなり体力低下を招くことも。嚥下機能が落ちることで、全身の健康状態が悪くなったり要介護状態になるケースも少なくありません。 そこで、近年、嚥下機能が低下した高齢者でも食べやすい嚥下食が増えつつあります。 例えば、今年11月に嚥下食を提供するカフェを併設した複合施設「TOTONOU(ととのう)」が愛知県に建設予定。あわせてがん治療などで脱毛した人のための美容院など、さまざまな背景を持った人が集う場所になるそうです。 嚥下食がメインのカフェが登場 「NPO法人全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)」が、愛知県に嚥下食をテーマにしたカフェを開設することを明らかにしました。 ふくりびは、高齢者や障がい者の訪問理美容やがん患者・脱毛症患者の医療用ウィッグの製造などを26年間にわたって手掛けている団体です。 これまでの活動で高齢者や患者などとふれあうなかで、嚥下機能の低下によって食事を楽しめない人が多くいることに気が付き、今回のカフェを建設するに至ったそうです。 このカフェのメニューはまだ決まっていないものの、手頃な値段で提供予定。3Dプリンタを使って盛り付けするなど、嚥下食をテーマにしたカフェならではの斬新なメニューも登場するかもしれないそうです。 カフェが入る複合施設「TOTONOU」には、他にも医療用ウィッグを扱う美容室や図書館も併設予定。高齢者や障がい者だけでなく、子どもや子どもを持つシングルマザーなど多様な人が集まる場所になることを目指しています。 嚥下食のニーズは増えていく? 嚥下機能が落ちている人の食事を準備するのは、家庭では難しいもの。最近ではレトルトの介護食がスーパーなどでも購入できるようになり、以前よりも手軽になりつつあるものの、外食をしようとすると嚥下食に対応しているお店がほとんどないのが実情です。 その一方で、高齢化が進むのに従って嚥下障害の人は増加。嚥下障害は低栄養や体力低下、誤嚥性肺炎などのさまざまな問題の原因となりかねないので、急いで対策する必要があるのにも関わらず支援が広まっていないのです。 そこで、今回のような嚥下食がテーマのカフェが登場することで嚥下食の知名度も上がり、多様な形の嚥下食が増えて、嚥下障害で食べるものに悩んでいる人の選択肢が増えるかもしれませんね。
2022/05/24
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。